2013年06月12日
186. 角田光代 桜庭一樹 学力不足・仕事時間・忌野清志郎・お酒
迎える司会はメインが加藤浩次さん、サブが大東俊介さん、木南晴夏さんの3人です。
角田さんは「対岸の彼女」で直木賞受賞。「八日目の蟬」は156万部のベストセラーで、映画化もされました。
現代の女性が抱える苦しみや行きづらさを鋭い視点で描き、直木賞を始め、様々な賞を受賞しました。
小学生のころからの作家志望で、20歳でデビュー。200作以上を手掛けています。
桜庭さんは「私の男」で2008年、直木賞を受賞。主に少女を主人公に虐待や貧困など、重いテーマをスリリングに描いてきました。
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お互いのことは…
「お互いの本は読んだりしますか?」と加藤さん。
「はい、もちろんです」とお2人。
加藤さん「桜庭さんの本を読んでどんな(感想を)?」
角田さん「すごい発想が自由な…どうしてこういうことを考えられるのかなという自由さが、本当に羨ましい!」
加藤さん「確かにそうですね。ぼくも『赤朽葉家の伝説』ですか、読ましてもらいましたけど、自由な発想ですよね、面白いですよね…桜庭さんは?」
桜庭さん「…(何か話し出しますが、小さくて聞き取れません)」
加藤さん「ぜんぜん聞こえないんですが?!」(笑)「優しい声ですよね、顔を寄せていいですか?」
桜庭さん「ずっと読者として読んでいたので舞い上がってしまって…」
加藤さん「自分が作家になる前から読んでいた作家さんだから…」
桜庭さん「写真と一緒だ!とかそういう…」(笑)
ここで加藤さん、サブの司会の大東さんに2人の小説を読んだことがあるかどうか、尋ねます。
大東さん「ぼくは映画からで…本は読ましてもらったことないです」
加藤さん「失礼な男だね!お前は!」
大東さん「新しい気持ちでお2人のことを知って、(そのうえで)読ませていただきたいなという…」
木南さん「うまいな!」
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2人の弱点
ここで2人に共通する弱点が明らかになります。それは「学力不足」
角田さん「小1のときから国語が好きで、作家になるつもりで国語以外のことは全くしていないので…」
ここで加藤さんが算数に関する簡単な質問をします。「それくらいわかりますよ!○○ですよ!」という答えを予期していたのではないかと思うのですが、大変なことに…。
加藤さん「2は分母が2のとき、分子が何になるかわかります?」
角田さん「わかんない…」
桜庭さん「わかんないです。だいぶ前からわかんないです」
角田さん「わかんないですよね」とダメダメという感じで手を振ります。「どうして2をわざわざ分数にしないといけないんですか?」
加藤さん「ちょっと待ってください!」ここから加藤先生の、緊急「分数講座」が始まります。
加藤さん「…2は2分の4、2分の2が1…」
角田さん「あっ、わかった!」桜庭さん「今思い出した!」
加藤さん「算数やってこなくて、困ったことは?」
角田さん「すっごいあるんです。主人公が何年で何歳になって、ができない。計算ができないから」
桜庭さん「ちゃんと計算したつもりで書いて間違ってる…書き直しが大変なことに…」
角田さん「全部だよね…だれも年取らないでほしい」(笑)「でも今、桜庭さんがそうだったと聞いて、すっごくうれしいです!」(笑)
桜庭さん「みんな言わないだけでね、やってしまってるかも…」
角田さん「だったらいいね!」
加藤さん、小学生に言っておきたいことというテーマで角田さんに尋ねます。
角田さん「すべての授業を聞いてほしい!」 確かに!
お2人の1日
角田さんはOLのような日々を送っています。9時から12時まで執筆。昼食の後、12時半から5時まで執筆。ここでぴたりと仕事を終えます。
加藤さん「ノッテきたからもう少し書く、ということはしないんですか?」
角田さん「感情がないので(?)…残業(!)は1分たりともしません。」
5時からは食事というか飲み会です。「飲まないと人と喋れないので…」
ちなみに土・日は執筆しません。本当にOLさんですよね。
桜庭さんの仕事時間はなんと2時間!
加藤さん「2時間しか書いてない?」
桜庭さん「すごく集中しているので、(書いた後)顔がしわしわになって…」「バイク便の兄ちゃんが引いてしまって…」
アウトプットのためにインプットする時間が他の作家より多いそうです。それが独自の作風につながるのでしょうか?「切り替えが下手」なので執筆中はだれとも会わないそうで、最長2,3カ月だれとも会わなかったとか。
心揺さぶるもの
桜庭さんはある時期から2人の作家さんを危険なくらい好きになってしまい、「絶対に会いたくない」そうです。1人は男性、もう1人は女性なのですが、「会いたくない」と言っても同じ職業なので、偶然会ってしまったことがあるそうです。
「目を見れないんです。目をそらして、ボツボツ喋ったので、『危ないやつ』と思われたと思います…その人が実在するのを確認したという…」
加藤さん「何を言ってるんですか?(笑)…今まで聞いていましたが、だれですか?」
桜庭さん「言わない。絶対に言わない!
角田さんの大好きな人は、今は亡き忌野清志郎さんです。
角田さん「会っても声が聞こえなくて…あまりに生々しく、入っちゃってる」
桜庭さん「完全に入っちゃってる…取り込まれてる」
桜庭さんの情熱は伝わりました。でも、だれだか気になります。
大事にしている言葉
角田さん「開高健さんの言葉で『グラスの縁に口をつけたら最後まで飲み干しなさい』。自分が取り組んだことは、最後までやり通しなさいという意味だと捉えてて…いつも肝に銘じて仕事をしています」
桜庭さん「ノーベル文学賞の莫言さんの言葉、『小説は社会を変えるのではなく、その社会に生きるリアルな人間を描く』というのが自分の実感でもあって…」
反省会
司会者3人が、トークを終えて…
加藤さん「角田さん、桜庭さん、新しいのが出たら絶対に買う作家の2人なの」「全部読んでる?」「そう、恥ずかしくて言えなかったね…」「なんでなんで?」「恥ずかしいじゃない?本人の前で…おれの中に入り込んでるから」(笑)
小説家2人の意外な1面を見せてくれたトークでした!
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