■漫画家「甲斐谷忍」さんのTweetが良いという話
偶然、漫画家「甲斐谷忍」さんの連投Tweetを発見。
内容も創作に関連する内容でしたので、参考までに掲載します。
「甲斐谷忍」さん…ライアーゲーム(Liar Game)、霊能力者小田霧響子の嘘 ワンナウツ(Oneouts)、ソムリエ
の作者。
私は「ソムリエ」大好きです!
ではTweetをご紹介。
漫画家を目指す人において、一番重要な才能は「好きになる力」「熱中する力」だと思います。以前尾田栄一郎先生が「自分より漫画を好きな人にいまだ会ったことがない」と言ってました。まさにそれだと思います。
— 甲斐谷忍@ハムラビコート2/28 (@mangakap) 2017年2月16日
漫画を描かない人は怠けてるんじゃなくて、漫画より好きなことがあるだけだというのが僕の考えです。漫画描くより、SNSするのが好きとか、ゲームするのが好き とか だらだらテレビ見てるのが好き とか、ただそれだけ。
— 甲斐谷忍@ハムラビコート2/28 (@mangakap) 2017年2月16日
漫画は「話と絵」じゃないです。「話と構成と演出と絵」。構成とは情報を出す順番です。演出とは漫画においては コマ割り 構図 効果 演技 です。演技の中で一番重要なのは表情です。
— 甲斐谷忍@ハムラビコート2/28 (@mangakap) 2017年2月16日
もしあなたが自分の漫画を人に読んでもらって「よく意味が分かんなかった」という感想をもらったら、あなたの構成力はほぼ0点です。「まずは意味を理解してもらう」は構成において最低限守らなければいけないハードルです。「わかんない」は「面白くない」より深刻にダメです。
— 甲斐谷忍@ハムラビコート2/28 (@mangakap) 2017年2月16日
「構成」とは「情報を出す順番」です。掛け算ができない人が因数分解できないように ダメな人の構成は 先に「因数分解」が来てそのあとに「掛け算」が来てます。
— 甲斐谷忍@ハムラビコート2/28 (@mangakap) 2017年2月16日
ただ掲載するだけではもったいないので、私の考えも補足させてください。
『一番重要な才能は「好きになる力」「熱中する力」』
これは本当に共感。
そうでなくてはできません。
これを自分の中に見つけられることは、一番の幸運なのかもしれません。
『漫画を描かない人は怠けてるんじゃなくて、漫画より好きなことがあるだけ』
漫画を創作に読み替えると同じ事が言えます。
今の私は娯楽だけのものに時間を割くことができなくて、よくわかります。
漫画、小説、映画、どのジャンルの作品の中にも探し物をするように見てしまうのですね。
それはいいとか、悪いとか優劣のあるものではなく、そういうもの。
どちらでも結果を出す人は出しますから、世の中は難しいです;(
『漫画は「話と絵」じゃないです。「話と構成と演出と絵」。』
同じように漫画を作品に読み替えると頷けます。
そしてこれを分かっている方の作品は、やっぱり一味違います。
意識していることがわかるといいますか。
『「まずは意味を理解してもらう」は構成において最低限守らなければいけないハードルです。』
まずはこのTweetが他のTweetに比べて数倍〜10倍共感されていることに注目。
理由は「作る側」だけではなく、大多数の「読む側」の方の共感を得た内容だからでしょう。
本内容が共感されている=多くの方が「経験」して分かっているからではないでしょうか。
作品の演出上、あえて見せる部分(ミスリードを誘う含む)、あえてぼかす部分ってあると思います。
雰囲気作りのために全てを語らない、想像させる、言葉をあえてきる、などもテクニックなのでしょう。
でも多くの方が共感したという事実は、心に留めておいたうえで、選択するかしないか。
『「構成」とは「情報を出す順番」です。』
本当にその通りですね。
数学が苦手な方にとっては難しいので例え直します。
「バラバラにカットした映画のフィルムを繋ぎなおす作業」のようなものではないでしょうか。
映画好き、小説好きの方はなんとなく養っている感覚だと思います。
どの順番で並べるのが美味しいか。活きるか。あるいはやってみたいか。
癖や流れで行う(「でもできている」含む)のではなく、意識してコントロールしたいものです。
■ちょっと「ソムリエ」の話
漫画家さんの話から派生して、大好きな作品「ソムリエ」の話を。
高校生の時に友人の家で読んだのが最初。
それから数年に1度は通して読みたくなる作品です。
現在は大ボリューム版で全6巻、文字数多めとはいえ、5〜6時間もあれば読了可能です。
本作はワインと人との対話……ではなく、あくまで人の話。
人の心やその動きにスポットライトを当てた作品です。
演出の小道具に使われるのがワイン。
ワインの成り立ちだったり、製造工程に関わる人のドラマだったり、話ごとに使われ方も比重も異なります。
人がそれぞれ違うように、ワインにも個性があり、サーヴィス(「サービス」ではなく「サーヴィス」)を通じて良い方向に変化を生じさせる。
ワイン自身が変えるのではない、というのもポイント。
それを諭すような回の話もあります。
なぜこの作品が心に残り続け、無性に読みたくなるのかは分かりませんけれど。
心にささる何かがあるのでしょうね。
サービス業の方は、読むことで多くの発見があると思います。
創作に携わる方にとっても、ヒントになる点があるかもしれません。
人の心を描くのが「まだ」上手いとは言えない私が、こんなこというのもなんですけれどね。
……ちなみに影響を受けてワイングラスやワインを嗜もうとした時期がありましたけど、見事に失敗しました。
そのうえでオススメであることも補足しておきます:)
無料で1巻が配信されることもあるので、その時はまた紹介させてください。
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