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2018年10月08日
ちょっとひどい話です。ソーシャルレンディングの預かり金口座制度に変更があるとのこと。
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廃止の流れにあったはずの預かり金口座
半年ほど前の記事ですが、ソーシャルレンディングにおいて預かり金口座が無くなる? といった内容で
けにごろう氏のブログにあった記事を紹介させていただいたことがあります。
・ソーシャルレンディングの仕組みが変わる:ファンド預かり金の2週間ルールについて
簡単に言いますと、ファンドの預かり金を口座に貯めておけなくなるというものです。
上記の記事では、預かることのできる期間は2週間となっていますが、この後にクラウドクレジットや
SBIソーシャルレンディングが相次いで預かり金口座を廃止したことを考えますと、当局の本音としては
預かり金口座を廃止したいのだろう、と意図が透けて見えるようです。
この頃はみんクレやラッキーバンクの問題が起きており、金融庁が事業者への監督をきちんと行っている
のか、疑問視する声もありました。
それを受けてのこの指導なら、「違う、そうじゃない」とツッコミを入れたいところです。
預かり金口座を廃したところで、悪意のある事業者を除く事ができないのは自明の理です。
一方、ソーシャルレンディング事業者の大部分が持つ第二種金融商品取扱業の登録では、厳密に解釈すれば
預かり金口座を持つことに対する法的な根拠は弱いです。
(なおのこと、外貨建ての預かり口座については持つことができません)
そういう意味では、金融庁の指導は表面上、一定の合理性はあります。
そんなわけで、第二種金商のソーシャルレンディング事業者においては、預かり金口座廃止の流れは一般的
な潮流となるかと思っていたのですが・・・。
第二種金商協会の資料です
問題なのは、今年の7月に公開された第二種金商協会の資料。
・ファンドの分別管理・金銭の預託に関するQ&A【新訂】
第二種金商の事業者が業務を行うにあたり、重要となるファンドの分別管理や金銭預託について、多くの
事業者から寄せられた質問に回答したものです。
資料の前文には
今般、本協会では、当局にも必要な照会を行ったうえ、「ファンドの分別管理に関するQ&A」に下記事項を追加し、「ファンドの分別管理・金銭の預託に関するQ&A【新訂】」と改訂しました。
(追加事項部分は略)
と書いてあるので、この内容は金融当局お墨付きであることが分かります。
問題の部分
そして、問題の部分は11ページのQ15。
Q15 ファンドの分配金・償還金の預託を受けることの可否
Q:事業者からファンドの分配金・償還金の送金がありましたが、当社では、近く、ファンドの販売勧誘を予定しており、ファンドへの出資金に充てるため、顧客に当該償還金等を支払わず、ファンドの出資金管理口座である銀行口座で預かっておくことはできますか?
A:
1.ご質問のケースで、二種業者が顧客から金銭の預託を受け、ファンドの出資金を銀行等の預貯金口座で管理する場合には、預貯金による管理は倒産隔離機能が十全ではないことから、少なくとも3ヶ月に1度、顧客の投資意思を確認する必要があり、確認ができない場合には、速やかに預託を受けた金銭を顧客に払い出す必要があります。
2.顧客の投資意思は、次の方法その他の適当な方法により確認する必要があります。
@ 対面、電話による確認
A 書面又は電子メールその他のインターネットを通じた確認
B 顧客による顧客管理画面(マイページなど)へのログイン状況
なお、顧客の投資意思の確認漏れがないかを内部監査等で確認・検証できるよう、確認した事実(確認した日付、確認方法及び投資意思の有無)に関して記録を残す必要があります。
この内容、投資家が事業者のWebサイトに3ヶ月に一度ログインしているのなら、「投資意思あり」と
見なして預かり金口座をそのままにしておくことができる、と解釈できます。
素直に読むと、「預かり金口座はそのままでいいよ」ということですね。
そしてこの内容は、金融当局のお墨付きを得たもの。
預かり金口座をそのままにすることについても、第二種金商協会の独断などではなく、きちんと金融当局に
確認を取り、合意を得てこの資料に掲載していると考えて間違いありません。
ということは、ファンド預かり金口座の2週間ルールは、金融当局がナイナイしたわけですね。
(もしかすると、預かり金口座を廃止しても有効な指導にならない、と気付いたのかもしれませんが)
ちょっとひどい話です
金融庁に限らず、お役所はなかなか方針を転換しません。
そして転換するときは、以前の方針については無かったフリをすることが多いです。
そういった特徴はある程度理解していましたが、これはちょっとひどいですね。
何がひどいって、当局の指導を率先して守り、預かり金口座を廃止した事業者であるクラウドクレジットや
SBIソーシャルレンディングが馬鹿を見る形になってしまっています。
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クラウドクレジット(アフィリエイトリンク)
預かり金口座の廃止には少なくない労力と費用がかかったはず。
両事業者とも、さすがに正面からクレームは入れないでしょうが、内心穏やかではないでしょう。
こういった事が重なると事業者側の信頼が薄れ、監督業務にも影響が出かねません。
ただでさえ、財務局の大ボスである財務省はセクハラ疑惑やら何やらで、解体論まで出てきているところ。
監督官庁はその本義に立ち返り、金融の円滑化と投資家保護に立脚した対応をお願いしたいところです。
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posted by SALLOW at 12:00
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2018年10月07日
ピケティが提唱した「 r > g 」を一般人が利用する方法
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「21世紀の資本」の簡単な紹介
トマ・ピケティ「21世紀の資本」と言えば、少し前に話題になった本。
凶器になりそうな厚さと重さ、6,000円超えという強烈な価格、さらには学術本だというのにかなりの売上を
上げている、ベストセラーの一つです。
私は購入はしていませんが、内容は一通り読んでみました。
ピケティが本の中で伝えたかった論点はかなりシンプルであり、それは次の式で表す事ができます。
「 r > g 」
r=資本の収益率(≒投資運用により得られる収益)
g=経済の成長率(≒労働者が総体として得られる報酬)
r > g の意味:
投資によって得られる収益(不労所得)の増加は、経済成長により得られる労働収入の増加を上回る。
→労働収入よりも不労所得の方が、より成長していく
→適切な対応なくしては、格差は拡大し続ける
乱暴な言い方かもしれませんが、「汗水垂らして働くよりも、不労所得で食べていく道を選ぶのが正解」
ということになるでしょうか。
これに対する方策としては、資本の再分配機能をきちんと働かせるしかありません。
しかし、2つの理由からこれは簡単ではありません。
1つめは、現時点で有利なのは資本家であり、そして往々にして資本家は労働者より権力を持つから。
権力を持つものが、その権力や既得権益を自ら手放すのは考えにくいことです。
政治家と資本家が独立していればいいのですが、そんな国家は残念ながら地球上では見あたりません。
2つめは、現在のようなグローバル経済下においては、一つの国だけが資本の再分配機能を働かせようと
増税した場合、資本逃避(キャピタルフライト)を引き起こすからです。
資本の再分配は世界全体で行う必要がありますが、それは裏切った者が得をすることでもあります。
一般人が「 r > g 」を利用するには
ということで残念ながら、ピケティが提唱した格差の増大は止まりそうもありません。
この事実に対して、「汗水垂らして働くよりも不労所得の方が得だなんて」と腹を立てる気持ちは分かり
まずが、その憤慨ではおそらく現実を変えることはできません。
投資家の考えとしては、自分がどうやって「 r > g 」を受益する側に回るか、を考えることでしょう。
その一つの方法が投資。
ソーシャルレンディングによる貸付もそうですが、世界全体の成長を享受するための方法として私が採用を
したのは、ロボアド投資です。
その中で私は、ウェルスナビを選びました。
・(参考記事)WealthNavi(ウェルスナビ) 口座開設〜投資までの流れを図解します
ウェルスナビの柴山CEOは、マイナビニュースのコラムの中で、資産運用による儲けの源泉について説明を
されていました。
・資産運用でお金が増えるのはなぜ? フィンテック起業家に聞いてみた
(マイナビニュース)
この記事の中で、ウェルスナビによる世界分散投資でお金が増えるその源泉が解説されていました。
それは、
@世界全体の成長を享受できること
A「 r > g 」の理屈により、投資による収益は世界全体の成長を超えること
B税制面でも、投資による税制は経済活動による税制より有利であること
の3点です。
難しい事は考えず会社に依存し、汗水垂らして働けば将来は安泰になるというのは、既に過去の事です。
昔は良かったと懐かしんだり妬んだりするのも分かりますが、それで現実は変わらないでしょう。
ですから、いかに「 r > g 」を受益する側に回るかを考え、そして実践していくのが重要になります。
ウェルスナビでの投資を検討されている方は、こちらのリンクをご利用いただければ幸いです。
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posted by SALLOW at 17:45
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