2018年09月09日
クラウドクレジットから返答がありました。ペルー案件と為替ヘッジコストについて。
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以前の記事を書きながら、疑問に思ったこと
前回のクラウドクレジットの記事で、その時に募集していたファンドを比較し、各通貨の政策金利で補正を
行うことによって、お薦めの案件を紹介する、というものがありました。
今回は、その補足の記事となります。
・(参考記事)クラウドクレジットのファンド比較(政策金利、騰落率)おすすめのファンドは・・・
この記事を書きながら、疑問に思ったことが二つありました。
@クラウドクレジットのサービス当初から募集していた「ペルー案件(円建て)」が、一度不成立に
なった後、募集がされていないこと。
(ファンド例はこちら → ペルー小口債務者支援プロジェクト45号)
Aユーロ建て(政策金利がほぼゼロ)なら、為替ヘッジを行うコストは低く抑えられるため、
同一案件のユーロ建てと円建てで金利差は小さくなるのではないか。
(為替ヘッジ:外貨の為替変動リスクをほとんど無くすための方法のこと)
これらについて、クラウドクレジットに問い合わせ、回答を受領しました。
その内容を紹介したいと思います。
クラウドクレジットの回答@
以下、質問内容とクラウドクレジットからの回答です。
全文は長いため、適宜省略してあります。まずはペルー案件について。
Q:以前に募集されていた、Kobranzas SACの小口債務者支援は、もう募集されないのでしょうか?
何らかの理由で募集ができない場合、当たり障りのない範囲で教えていただくことは可能でしょうか?
A:現在はペルー現地にて投資対象になりえる債権がないため、再販の予定はございません。
投資対象となりえる債権が購入できると判断した場合は再販を検討いたします。
ということで、こちらは予定無しとのこと。
以前の円ヘッジ付きペルー案件の募集が停止されたタイミングは、ちょうどペルー税制の認識違いのため
増えると思っていた利率が戻ってしまった時と同じでした。
そのため、その問題がまだ尾を引きずっているのかと思いましたが、残念ながらそうではないようです。
クラウドクレジットの回答A
次に、ユーロ円ヘッジの件です。
Q:現在ユーロの政策金利はほぼ0%ですので、為替ヘッジをかけたとしてもヘッジコストはかなり低く抑えられると思いますが、いかがでしょうか。
ユーロ建てを円ヘッジした場合、どのくらいの利率低下を想定されているのか、お聞きしてもよろしいでしょうか?
A:お客様のご認識の通り、ユーロ通貨の政策金利を始めとした短期・中期金利は日本円と同じようにとても低い水準でございますため、為替ヘッジにかかるコストは低いものとなります。
しかしながら、弊社が取引する場合、為替商業銀行および為替取引(仲介)業者の手数料相当(マージン)が内包されているレートになるため、現状、1年後のユーロ売り円買いの為替予約では金利にして約1.0%程度、スプレッドにして約130銭程度の払い(=コスト)となっております。
さらに、当社ファンドで為替予約取引をする際には一定量の担保金が必要となり、ファンド運用開始時に総額の5%を担保金として預かるために、その5%分には金利が付かず、全体としてみるとお支払いできる利息が減少するため、ファンドの期待利回りに直すと、およそ0.5%(ファンドの運用内容による)程度ヘッジ無しのものに比べ利回りが低下します。
総合すると、足元の状況では、ヘッジ無しに比べユーロのヘッジ有のファンドに直すとおよそ1.5%程度利回りの低下をするものと見込んでおります。
弊社といたしましてはより効率的な為替ヘッジができるよう今後とも取り組んでまいります。
要約しますと、外貨案件を為替ヘッジする場合、クラウドクレジットでは以下のコストがかかるそうです。
@政策金利の違いによる利率差
A為替業者などの手数料
B為替予約をする際に必要な担保金が、運用に回せないことによる実質的な利率低下
このうち@については、ユーロも日本円もほぼゼロ金利のため、利率差はゼロと見なせます。
それ以外に、Aの手数料が1%ほど。
また、Bの手数料は0.5%ほどかかるようです。
Aについては、手数料ですので通貨によらず同じだけのパーセンテージがかかると予想されます。
Bの0.5%というのは、おそらく元の案件の利率が10%と仮定しているのでしょう。
投資金額のうち5%を保証金に回さなければならないので、その分は案件に投資できない。
つまり、「投資金額の5%が、利率10%の案件に投資できないので、その分機会損失が0.5%」ということです。
所感
外貨建て案件に投資するかどうかについては投資家ごとに意見が分かれるところだとは思いますが、少なく
ともヘッジコストを明確に説明してもらえたのは、案件の透明性の点でプラスだと思います。
これまでクラウドクレジットでは、主に新興国の案件を扱っていました。
ところが最近ではアメリカの不動産案件なども扱うようになり、その投資ポートフォリオは広がっていると
言っていいでしょう。
私もアメリカ不動産案件には投資しました。他にも魅力的な案件があれば、検討していきたいと思います。
クラウドクレジットへの投資をお考えの方は、こちらから検討いただけると嬉しいです。
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posted by SALLOW at 08:00
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それはまた、かなり為替で喰われましたね。
ユーロも、イギリスとEUの仲違いや、カタルーニャ独立再燃などがあり、足下数ヶ月はともかく1年、2年向こうは何とも読めないところがあります。
それならまだ、USドルの方がましでしょうか。中間選挙で現政権がレームダックになる可能性は少しありますが、少なくとも2020年まではクラッシュは起きないと思っています。
個人的にはクラウドクレジットにおいては、ユーロで円ヘッジ(ヘッジ分を超えたら不運と諦める)か、USドルでの投資を行っていく予定です。
恥ずかしながら、読み違えをしていました。
クラウドクレジットで投資をするならヘッジでカバー取引してくれるファンドの運用をオススメですね!
しかし、急落するとヘッジ分を超える可能性もあるだけに、確実性を選ぶなら国内向けまたは安定した通貨ドル建ての案件がいいと思いました。
1つ勉強になりました。
いつもありがとうございます。
東欧事業者ファンドでマイナスですか。しかも、私の読み違えでなければヘッジ付き案件?
だとすると気になる事柄です。
(為替を気にしておられる事から、ヘッジ無しかもしれませんが)
今記事を用意しているところですが、私は今回、東欧金融事業者27と29号、マイクロローン事業者1号(全てヘッジ付き)が元利償還されました。
投資期間の前後、想定ヘッジコストからの乖離により若干の上下はありますが、基本的には全て予定通りの利率で償還されています。
確かにクラウドクレジットのヘッジコストは若干高いですね。クラウドバンクのようにFX会社と組んでくれれば良いのかもしれません。私は資金の一部については、投資は継続するつもりでいます。
為替部分は、127円/1ユーロで投資、戻りは129円/1ユーロと為替は勝っている状態でしたが、為替のヘッジが付いていて、なぜか円安に傾いてもこの状態ですので、クラウドクレジットからは投資価値を見い出せず撤退です。他の案件は動いていますが、順次撤退と解約になるでしょう。
中間に関係会社を挟みすぎていて、運用手数料が掛りすぎていることや運用手数料等の経費部分が不透明な部分が多いことがあげられます。
想定としては、ユーロ圏の信用不安から、かなりユーロ安に傾いており、夏には戻り130円近辺のユーロ高を予想していたので為替リスクは低いと予想していましたが、まさかのマイナス配当にがっかりです。