2018年08月03日
LCホールディングスの決算発表を紹介。1Qで通期経常利益目標の9割以上に到達
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LCホールディングスの決算も好調です
以前の記事で、日本クラウド証券の決算発表を紹介しました。
ソーシャルレンディング単体事業で赤字脱出したばかりか、それ以外の事業も順調に推移し、これまで累積
していた赤字をひっくり返して通算黒字になったという喜ばしい結果でした。
・【内容紹介】クラウドバンクの決算状況+サマーキャンペーン第二弾
これに引き続くように(というと、上場会社であるこちらに失礼かもしれませんが)、LCホールディングス
でも好調な1Q決算発表が出ていますので、同様に紹介していきたいと思います。
なお、これを受けて一時は1200円台まで下がっていたLCホールディングスの株価は一気に上がり、足下で
1800〜2000円まで値を戻している様子。ホルダーの皆様、おめでとうございます。
・決算短信 (LCホールディングス)
内容の紹介:連結業績
LCホールディングスは連結業績が発表されており、概略は見やすくなっています。
まずは連結業績の紹介から。
売上高伸長率が100%超というのもすごいですが、経常利益の伸長率280%はお見事の一言。
説明を読むと、「合同会社広岡二丁目計画による売却が成立した」とありますので、以前ローンファンドを
募集していた「ホテルビスタ金沢」の案件がめでたくExitしたということなのでしょう。
その割に純利益が減っていますが、これは匿名組合にお金が流れている(後述します)ためですので、
LCレンディングの投資家としてはむしろ朗報と言えます。
経常利益の多さは、上の2019年3月期連結予想を見ればわかります。
2019年通期における経常利益の予想額は12億円。
それに対して、わずか3ヶ月で11.7億円を稼ぎ出しています。
目標を達成するだけなら、あと9ヶ月のほとんどを収支トントンで経営してもいいくらいです。
しかも説明を読むと、「病院関連事業がわずかながら収益貢献」とのこと。
今後、病院関連事業が本格的に収益に貢献することを考えると、業績予想はかなり上ブレの余地を残して
いるのではないでしょうか。
連結財政状態を見ると総資産が減っており、詳しく見るとB/S全体が軽くなっています。
B/Sで大きく減っているのは「現金及び預金」と「販売用不動産」、「借入金」と「長期預り金」。
結果、流動比率337%、当座比率207%(当座比率は解釈により差が出ますが)といずれも高い水準です。
また、自己資本比率は18.8%、手元現金は売上高1.75ヶ月分、となっています。
内容の紹介:損益計算書
次に、損益計算書の紹介です。
売上高に占める原価の割合は、昨年が75.5%、今年が77.1%と微増しています。
売上高は約2倍に増えているのに、販管費の伸びは小さく、利益を押し上げています。
また、匿名組合投資利益(ソーシャルレンディングの事業者利益?)も、利益押し上げの原因のよう。
経常利益は3倍弱になっていますが、純利益は逆に下がっています。
これは「匿名組合損益分配額」によるもので、つまりソーシャルレンディングの投資家利益のため。
LCレンディングへの投資家としては、LCホールディングスの好調な決算の見返りを受けている形となり、
喜ばしいことだと思います。
所感
LCホールディングスは好調な決算であり、今後も含めて楽しみです。
次四半期以降には病院事業も利益に貢献する事になり、果たしてどこまで数字は伸びるのでしょうか。
折しも日銀が長期金利の変動を容認し、長期金利が0.1%程度まで上がっています。
このまま利率が上がるかどうかは分かりませんが、もし上がれば不動産ローンなどの支払利息は増大し、
不動産業界にとっては逆風になるお可能性があります。
・参考:日銀、金融緩和運用柔軟に 長期金利の変動容認 (日本経済新聞)
そうなった時、手堅い案件となり得るのは根強い需要のあるメディカル案件かもしれません。
金子氏がここまで読んでいたかどうかは分かりませんが、長期金利が将来的に上がるという前提に立つなら
LCホールディングスの方針転換は成功だった、と言う日が来るのかもしれません。
LCレンディングは1,000万円弱を投資している、私にとってメイン投資先の一つです。
その他、私が実際に投資を行いお勧めする事業者については、下記の記事も併せてご覧下さい。
・(2018年6月版)SL初心者にお勧めの事業者
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posted by SALLOW at 15:00
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コメントをお聞きして、一つ思い出しました。
そういえばLCレンディングは、明らかに個人とは思えない大口投資家がちょくちょく出没することで有名でした。
募集時期が未公開で突然現れた案件に対し、数億円をあらかじめデポジットしていて、募集開始1分で全額を埋めてくるというのは、明らかに関係者ですね。このあたりが関係しているのかもしれません。
私は株式投資についてはセンスが無いと自覚しているので、LCの株も触ってはいませんが、現在の経常収支重視は金子社長の方針とのことです。
kita 様
希望的観測が入っているかもしれませんが、株式投資よりはソーシャルレンディングの方が返済確度が高い(特に、LCGFであればなおのこと)ので、私としてはそれほど気にしていません。
極論、心配するなら何にも手を出せないということになってしまいますし、リスクとリターンをどう判断するか、という一般論になるのかなと思っています。
あくまでも私の意見ですが、ソーシャルレンディングは新しい投資方法であり、まだ法整備も整っておらず、質の悪いプレイヤーが紛れ込む恐れもある投資です。ですがそれ以上に、私としては毎日の値動きに一喜一憂することなく、毎月収入が入ってくるという利点に魅力を感じています。
maneoマーケットについては、今の時点では意見を保留させて下さい。おそらくあと1週間くらい後に、今回の改善命令に対する報告書が出てくるはずですので、それを見てからにさせていただきたいと思います。
ご返信いただき有難うございます。
匿名組合損益分配額 約9.4億円は四半期での金額なので
単純計算で年間37.6億円のSLの利払いですか・・
物件売却してこれだと持たないのではないかと思えてしまいます・・・
保証付きなら安心して投資できるかとも思いましたが若干心配になってきました
maneoマーケットの件と併せてSALLOW様のお考えをお聞かせいただけると有り難いです。
宜しくお願い致します。
株式投資としてのLCはなかなか難しいですね。ビジネスモデルもガラッと変えて、どんな利益水準になるかわかりませんし、株式投資としては経常利益だけを見るだけだと、この会社は投資判断を間違いそうです。
ご指摘ありがとうございます。勉強になります。
今調べましたら、BSの件はイギリスにおけるSLの法律構成とごっちゃになってしまっていたらしいです。すみません。
PLの件ですが、元本が入っていないということは四半期で9.5億円の利益ですか。
ポーリー・プラスやゴルフ案件のExitがあったのは確かですが、ちょっと感覚とは異なる大きな値に感じています。この点、お考えありますでしょうか?
また、匿名組合で調達してもBSに負債計上されますので、借入金と変わりませんよ。
病院案件で、下手にビジネス面を前面に出してしまうのは、印象としてはあまり良くありません。
そのために一般社団法人を作って、LCホールディングスの名前を前面には出さないようにしたのではないか、とも思います。
下手な冒険はせず、このまま手堅く行って欲しいと思います。
GILの件は先ほど記事を挙げました。私も資金ショートしたのだと思います。
おそらく利金くらいなら払えたのではないかと思いますが、分別管理を指摘されている現状では一部だけを払うということはできず、全体が遅延したと思います。
GIL社はもちろん、maneoマーケットにとっても今後のビジネスのために極めて重要な局面ですので、maneoマーケットがどう出るのか見ていきたいと思います。
kita 様
匿名組合の分配額、およそ9.5億円については元本込みかな、とも思っています。
確か以前に山中社長曰く、LCGFの貸出残高は40〜50億円とのこと。
それ以外にLCセレクトファンドもあるので、推定貸し出し残高は100億円と少しではないかと思います。となると、四半期あたりの利息額は1億円少しになるはずなので。
それで純利益が減ることが本末転倒かと言われますと、考え方次第かな、と思います。
SLではなく借金で何とかしようとすれば(全額借りられるという保証はないですが)、今度はB/Sの悪化を招きます。一方でSLであれば借金より利息は大きくなる分、B/Sは重くなりません。
金子社長曰く、当分は経常利益を最大化するとのことでしたので、LCHDは今はそういう考え方である、と思っています。
LCHDの決算ですが匿名組合損益分配額により最終利益を随分と圧縮してしまっていますが、
匿名組合損益分配額944,352千円はLCレンディングの分配金なのでしょうか?
だとしたら売上が増加しても最終利益が減ってしまうので
本末転倒な気がしてしまいます。
素人考えなので分からないのですが、SALLOW様のご意見をお聞かせいただけると
ありがたいです。
よろしくお願いします。
さて、グリーンインフラレンディングより、ついに残念なお知らせが来ました。利払いが無かったようで、ついに資金がショートしたようですね。こちらの場合は、競売ではかなり厳しい事業なので年単位も覚悟ですかね。どうにもならないような状況をマネオマーケットは、どう打開するのかですね。