2018年08月03日
「業務集中の解消」「生産性の向上」は、(社員ではなく)会社の責務でしょう
広告
どこにでもある問題です
PRESIDENT Onlineの記事を読みました。
・優秀な社員に仕事集中。一発解決する方法
PRESIDENT Onlineは名前の通り、経営者向けの記事を多く扱っている印象です。
そのため、「優秀な社員に仕事が集中する」問題をどう「一発解決」するのかと興味を持って読んでいたの
ですが、思ったよりもまともな(と言うのが失礼ならば、労働者よりの)回答となっていました。
記事を書かれたのが弁護士の方、というのも関係しているのかもしれません。
記事では中小企業を例に挙げていますが、同種の問題は大企業でも十分に起こりうるものです。
特に急成長した企業においては、部署や組織における職務分掌が明確でない事が多く、結果として業務が
属人化してしまう、というのは日本的あるある話でしょう。
一方で欧米型雇用においては雇用時に職務範囲を限定することが多く、こういう問題は起こりにくいです。
私は自分で優秀な社員だと言うほど面の皮は厚くありませんが、どうせなら会社での居場所を良くしようと
色々動いた結果、一部の仕事については集中しているのが現状です。
(反面、私しかできない仕事がある限りは戦力外通告を受けにくいので、それを利用してもいます)
内容の紹介と所感
内容を見て、とても共感できる部分がありました。2ページの部分です。
@仕事は、忙しい人に頼め
これはその通りで、こういう風潮は私の勤めている会社にもあります。
今はさておき少し前は、経営層自身が堂々とこんな事を言っていた時期もありました。
正直分からないでもありません。
普通の人に手間暇をかけて仕事を教えるより、有能で飲み込みの早い人に仕事を振った方が楽だからです。
特に、仕事を頼む方も忙しければ、こういう風潮は強くなるでしょう。
ですが、その先にあるのは仕事の属人化。仕事が人に付いて回る、という状況です。
一度仕事が属人化してしまうと、それは担当者レベルではどうにもなりません。
なぜなら、仕事を離す先を決めるだけの権限がないからです。
会社としてはさぞかし「早く後輩に教えて仕事を手放せ」と言いたいのでしょうが、その担当者からすれば
「そのための時間をくれ、その後輩を割り当てろ」と言いたいところでしょう。
そして、その仕事量の増加に見合った評価が下されるかと言えば、常にそうとは限りません。
下手をすると、「仕事を抱え込んでいる」という理不尽な理由で評価を減点される可能性すらあります。
そんな状況では誰しもが仕事へのモチベーションを失っていくのは仕方のないことでしょう。
A上司の評価は、常に部下の自己評価より低い
記事の中では「社長の評価は、辛すぎる」と書いてありますが、一般論としてはこうだと思います。
上司が部下よりもある程度有能という前提条件であれば、常に上司の評価は自己評価より低くなります。
それは当然で、上司は自分の能力をベースにして評価をしてしまうからです。
欧米式の「業務成果によって評価される」のであればこういうことは起きにくいのですが、日本のように
担当業務を決めずに会社に入る、「就職」ではなく「就社」の仕組みにおいては、<その社員個人の能力を
正当に評価するのはとても難しいです。
組織最適のために、自らのパフォーマンスを下げてでも必要な業務にあたっているような社員を、会社は
どう評価すればいいのでしょうか。そしてその評価方法を決めている会社が、どれだけあるでしょうか。
B「生産性の向上」の本質
そして、ここが一番共感しました。一部を引用します。
社長が具体的な指示や費用を出すことなく、「もっと効率化して」と言うのであれば、現場としてはしらけるだけだ。「給与は上がらないのに、効率を上げろと言われても……。社長の懐が温まるだけでしょ」ということになる。
全くその通りです。
生産性の向上を社員の責務にするのは、要は「会社のために(給与は変わらないけど)もっとガンバレ」
という、一方的な押しつけに他なりません。
生産性の向上により利益を得るのが会社なら、そのための痛みを負うのも会社でなければいけません。
私の会社でも今、同種の問題が持ち上がっています。
生産性の向上を求める会社側と、それに対して冷めた目を向けている社員側。
そのギャップをどうするのか、それともどうにもならず歪んでいくのか。
私は会社の行く末にはあまり(ほとんど?)興味がありませんので、傍観していくつもりです。
(広告リンク)
ランキングに参加しています。
リンク先には同じ話題を取り扱うブログが沢山あります。こちらもいかがでしょうか。
posted by SALLOW at 09:00
| Comment(2)
| TrackBack(0)
| アーリーリタイアと雑記
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/7921998
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
この記事へのトラックバック
生産性向上は「誰のためにやるのか」という事ですよね。
会社と社員の(主に短期的な)利害を一致させれば勝手に改善もされるし、生産性も向上することになるのに、なかなか動こうとしない会社が多いのは残念な事です。
(まあ、私の務めている会社も同じ様なものですが・・・)
根本原因は、「就職した以上は会社を好きでなければならない」というかび臭い精神論が、未だに会社に蔓延していることだと思います。それこそ会社が変わらなければならないので、私は何も改善するつもりはありませんが。
自分が面倒だったり、全体の効率というものを理解していなかったり、形式ばるのが好きだったり、色々あるようです。
上はお飾りの方が良い、と本気で思っている人達もまだまだいるようです。