2018年05月29日
リスクプレミアム差から考える、クラウドクレジットの実質利率
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クラウドクレジットのおさらい
今回はクラウドクレジットの案件です。
海外の個人や事業者への融資を通じ、「資金の需給ギャップを埋める」という旗印を掲げている事業者で、
ソーシャルレンディングの中でも特徴のある事業者となります。
当ブログのクラウドクレジットに関する評価は、何回か切り替わっています。
第5期の大赤字決算を見た時は、「ちょっと待て」とかなりツッコミを入れた記事を書いていました。
・クラウドクレジットの第5期決算を見て思うこと
この時は、対前期で貸付金がほとんど変わらないにも関わらず、当期純損失が対前期で倍近くまで膨らんで
いましたので、ツッコミを入れるのも当然でしょう。
(そのままなら、あと1期で債務超過でした。
貸金業法の制約があり、債務超過の事業者は貸金業者としての登録を剥奪されます)
その後、「ガイアの夜明け」に取り上げられた事により投資額が急増。
貸付総額も大きく伸び、そこから得られる手数料も増えました。
正確には次の決算を見なければわかりませんが、黒字化の目処は付いたのではないかと思います。
・クラウドクレジット 黒字化の見込み?
・クラウドクレジットが100億円目前
財務状況がある程度安定化していれば、クラウドクレジットの事業者リスクは低いと思います。
今年ソーシャルレンディングで立て続けに起きた2件の事件は、そのいずれも問題の根っこには、内部の
抑止力が働いていない事がありました。
(うち1件は明らかな悪意ですが)
その点クラウドクレジットにおいては、伊藤忠やマネックスなどの外部資本が入っています。
外部資本が入っている=何かあっても守ってくれる、と言うことではありません。
(伊藤忠やマネックスにとって、出資しているお金などはした金でしょう)
しかし、内部でよからぬ事をやろうとした時の抑止力にはなります。
実際、こちらのページを見ればわかる通り、クラウドクレジットの現在のスタッフには、創業当時のメンバー
以外が相当数入っているようです。
彼らはおそらく、出資元から送り込まれたメンバーだと思われます。
彼らが内部抑止力として働く限り、クラウドクレジットのビジネスそのものが詐欺である可能性はかなり
低い、というのが私の結論です。
一方で財務的な問題は残りますが、それも昨今の状況からすると改善に向かうと期待しています。
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リスクプレミアムを考える
しかし一方で、私はクラウドクレジットの案件に諸手を挙げて賛同しているわけではありません。
特に、クラウドクレジットに多い外貨建て案件に関してはかなり懐疑的な立場です。
クラウドクレジットの案件には、様々なリスクがあります。
@事業者の倒産リスク
A貸付先の貸し倒れリスク
B為替リスク
このうち、@については前述の通りリスクは少ないと思われますが、Aのリスクは無視できません。
そして世の中には、@とAのリスクがあまりなく、Bのリスクがほとんどを占める金融商品があります。
要は外貨預金とFXです。
(FXについてはレバレッジがなければ、リスクは外貨預金と変わらないでしょう)
クラウドクレジットの案件は、外貨預金に比べAのリスクがかかっています。
ということはもちろん、外貨預金以上のリターンがあってしかるべきでしょう。
既存のクラウドクレジットの案件と、外貨預金(政策金利)との利率差を調べた結果は下記の通りです。
表の一番右の「金利差」が、外貨預金に上乗せされているリスクプレミアム。
つまり、外貨預金をするより上乗せされる利率となります。
見てわかる通り、表面上の金利とはかなり異なりますので、案件選びの際には注意が必要です。
新登場のメキシコ女性起業家支援ファンドに至っては、リスクプレミアムがマイナスになっています。
まとめ
上記の表で、「金利差」が多いものほどプレミアムが乗っており、有利な条件となります。
しかし、気を付けなければならないことがもう一つ。
クラウドクレジットには外貨預かり口座がないので、償還時に為替リスクが固定化されてしまいます。
これが外貨預金なら、いつでも円貨との切り替えができます。
その選択肢が狭められるクラウドクレジットの外貨建て案件の場合、実際に見えている以上のリスクが
乗っていると考えるべきです。
そう考えますと、私のお勧めはやはり円ヘッジ付き案件。
クラウドクレジットは分散投資先の一つとして、これからも投資を続けていくつもりですが、以上のような
理由から、主には円建て案件に投資していく予定です。
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posted by SALLOW at 10:00
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コメントありがとうございます。
コメントいただきました通り、クラウドクレジットの遅延分についてはヘッジが効いていません(私もカメルーンヘッジ付きに投資し、絶賛遅延中です)。
カメルーンの場合は元通貨はEURでしたでしょうか。ちょうど今はイタリアの一件で急落していますね。
いずれにせよ、元本ができるだけ多く返済されることを願うばかりです。
そして、やはり法遵守の意識が全く異なる国への投資は難しいなと反省するばかりです。
あの一件いらい、カメルーン案件からは距離を置き、確実な返済実績のある東欧金融事業者を中心に投資をすることにしています。
ハレルヤ 様
クラウドクレジットの源泉徴収に関しては、「保有ファンド一覧」の「分配金レポート(個別)」に記載があると思いますが、それはハレルヤ様の望むものではないのでしょうか?
(確かに、元通貨での計算はされていないようですが)
太陽光については、九州電力だけではなく四国・東北でも買取中止となっているようですね。
(http://enkirimura.com/yondentouhokuden.html)
もっとも、経産省ID+系統連系が既にされているものについては中止できないので、この部分の権利がどうであるのか、をチェックする必要がありそうです。
あと、10kW未満の場合は固定買取の10年縛りが来年あたりで消えそうですが、SLでの投資対象は10kW以上がほとんどだと思いますので、こちらは20年後まで大丈夫だと判断しています。
最近、ネットで九州で再生エネルギー発電量が需要に対して、供給が追いつきそうなレベルで買取停止も視野と読みました。太陽光発電は、昼間の時間しか発電せず夜間電力は原子力発電や火力発電で賄わなければならず、誰も幸せにならないとけんもほろろに書かれていました。バイオマス発電もパームヤシ殻を使う所は、燃料がバイオマス発電の拡大で値上がり、乱開発を生みかねないとあり既得権益的なものを感じますが、再生エネルギー関連は地域を見ないといけないかもしれません。
現在カメルーン案件で遅延しているヘッジ付き案件に投資しております。
クラウドクレジットからの説明では、ヘッジ先に当初の返還日で返済を行うため、
不足している外貨をその時のレートで立替で調達し、ヘッジ先に返済しています。
結果、遅延日以降の返済額にはヘッジなしの状態となり、立替レートとの為替差損益がでるとこのとです。