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2018年02月02日

改めて、プレリートファンド案件のリターンとリスクを紹介します



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オープニングでは派手にコケましたが

 今回はプレリートファンドの話題です。
 新案件が登場するようですが、それとは異なりオープニングで募集した案件の紹介です。

  ・当ブログ参考記事:プレリートファンドに初回投資を実施、案件内容紹介

 maneoのお膝元、言わば親藩事業者として鳴り物いり(と勝手に思っています)で登場したはいいのですが
 最初の案件募集で投資の集まりが今一つだったことに焦ったのか分かりませんが、唐突に利率を上げた
 ファンドを募集する、という一物二価をやらかしました。

 記念すべきオープニング案件で、ここまで派手にコケた事業者は、おそらく初めてでしょう。

 と、茶化して書いてはいますが、プレリートファンドは利率はともかくとして、それ以外の安定性の面では
 かなり魅力的だと思います。
 オープニングずっこけの黒歴史は一旦目をつぶって、できるだけ客観的に評価したいと思います。
 案件の一例として、以下のものを取り上げます。


 ・【maneo株式会社保証付き】ヘルスケア・プレリートファンド16号 

  予定利率:5%(他に6%、7%、8%などあり)
  期間:13ヶ月
  貸付総額:11億3,500万円(3物件の合計額)
  担保:3物件中2物件は、関連会社である不動産保有会社の株式に質権設定
     3物件中1物件は担保無し
     5%案件に限り、maneo連帯保証付き

  


ファンドの中身

 このファンドの中身はそれなりに複雑です。
 貸付先は不動産保有会社A、Bの2つ。貸付先は金融庁指導の通り複数化・匿名化されています。
 そして、対象となるヘルスケア案件は3件、という構成になっています。

  ・不動産保有会社A → 保有不動産:マミーズホーム、アルプスの杜さがみ
  ・不動産保有会社B → 保有信託受益権:フループライフガーデン


 20180201PRF1.png

 また、不動産保有会社Aの案件は、A社の株式に質権設定をして担保にしていますが、B社の案件については
 担保はありません。

 その分、みずほ信託銀行が間に入っていますので、ここでがっちり診断・監視をしていると思われます。
 ただ1つの案件が無担保というのは、見れば分かるにしても投資家保護の観点では明記すべきでしょう。

 20180201PRF2.png

 さらに、5%案件についてはmaneoの保証もあります。
 このあたり、プレリートファンドとmaneoの関係性を窺えます。当記事の最初でプレリートファンドを
 「maneoのお膝元、親藩事業者」と表現したのも、これが理由です。

 maneoの直前期純利益は約2億円。
 本案件の貸付総額11億円超には及びませんが、ヘルスケア施設の不動産は現存し、しかも所在が3カ所に
 分散していることから、元本が全損することは考えにくいです。
 従って、maneoが連帯保証で吹き飛ぶ可能性も低く、保証は有効と言えるのではないでしょうか。
 (もしそんなことになれば、maneoに高額投資している私もただでは済まないわけですが)

物件の調査

 次に、対象物件の調査をしてみます。
 物件の名前は匿名化されていませんので、情報はすぐに集まります。
 (そもそもプレリートファンドの場合、案件ページにとても細かい説明があります)


  @マミーズホーム(介護付有料老人ホーム)
   所在:東京都目黒区
   部屋数:50室 稼働率:94%

  Aフループライフガーデン(介護付有料老人ホーム)
   所在:宮城県仙台市
   部屋数:71室 稼働率:100%

  Bアルプスの杜さがみ(介護付有料老人ホーム)
   所在:神奈川県相模原市
   部屋数:96室 稼働率:100%

  (部屋数はプレリートファンドの案件紹介ページより。
   稼働率はhttps://www.minnanokaigo.com/より検索。記事作成時点の値)


 各物件の収益状況
 20180201PRF3.png

 3物件ともに稼働率は高く、営業利益もかなりあります。
 これらの情報より、案件の収益性に問題は少ないと言えるのではないでしょうか。
 中長期的にはともかくとして、貸付期間である1年ちょっとであれば、なおのことだと思います。

まとめ

 さらに、物件は「プレ」リートの名前の通り、REITに組み入れる事を前提としています。
 REITに組み入れるためには厳しい条件があり、建物の維持管理から補修、天変地異に対するリスクなど
 多岐に渡るアセスメントが必要になります。
 (今回のファンドでも、東京海上日動リスクコンサルティングが建物診断を担当しています)
 従って、例えば建物が手抜き建築だった、というような可能性は少ないと言えるでしょう。


 以上をまとめますと、以下のようになります。

  ・ソーシャルレンディング事業者はmaneoお膝元 → 事業者リスクは低い

  ・物件は稼働率が高く、全て安定的な利益を出している → 物件の経営リスクは低い

  ・物件はREIT組み入れを前提としている → 突発的なリスクは低い


 これに加え、利率5%の案件はmaneoの連帯保証が付いています。
 私見ですが、5%案件はソーシャルレンディングの全案件の中でも屈指の低リスクだと考えています。


 では、なぜ思ったよりお金が集まらないかと言えば、やはり一番はオープニング案件でコケたこと。
 二番目には、新規事業者でメディア露出などがあまりないこと。
 三番目に、案件の募集金額が大きすぎて分散投資に向かないこと、ではないでしょうか。

 付け加えるなら、REIT全体の利回りが約4.1%のところ、プレリートで5%というのはリスクに見合った
 リターンと呼べるのか、
という点もあるかもしれません。
 (毎日値動きするREITと、値動きのないプレリート・ソーシャルレンディングは金融商品としての性質が
  異なるので、一概に比較すべきではないかもしれませんが)

 20180201PRF4.png

 ちなみに個人的には、三番目の理由が一番大きいです。
 新しいファンドについてはまた別の記事で紹介します。
 こちらは利率こそオープニング案件より低め、maneo連帯保証も付いてはいませんが、「ボーナス付き」
 案件ですのでなかなか面白いと思います。


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