2017年12月19日
【追記有り】プレリートファンドに初回投資を実施、案件内容紹介
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12/20 19:25追記:
「オープン記念ファンド」と銘打って、全案件の利率が2〜3%上昇したファンドが募集されています。
私は既に投資していた5%案件をキャンセルし、7%及び11%案件に投資を行いました。
新しいソーシャルレンディング業者、プレリートファンドが案件募集を開始しました。
ちょっとしたアクシデントもありましたが、投資は完了しています。
・当ブログ参考記事:新サービス「プレリートファンド」登場
ただの新規事業者ではなく、maneoのお膝元事業者という、言わば鳴り物入りの登場となった今回の
プレリートファンドですが、思ったほど投資額は伸びていません。
上記、投資開始2時間半の様子です。
700人以上の投資家登録が行われ、私も含めた一部は投資資金をデポジットしていたのですが、その割には
あまり盛り上がらない立ち上がりとなってしまいました。
理由の一つには、当初本日の13時だった募集開始が15時半頃まで延期されたこと。
(これは大きな問題ではありませんが)
もう一つの理由は、やはりこちらでしょう。
募集開始前:
募集開始後:
募集開始前で「5〜8%」の利回りが、募集開始後では「5%」になっています。
私も始め「ん?」と、思わず投資をキャンセルしましたが、後になって理由が分かりました。
5〜8%は劣後構造になっていました(後で説明します)。
次に、ファンドの構造です。
今回のファンドは3つのヘルスケア施設に対する投資をミックスしたものになっています。
基本構造は3つとも同じですので、下の図はそのうち一つを取り上げました。
今回のファンドですが、ポイントは3つだと思います。
@優先劣後構造(5%、6%、7%、8%の4つのファンドがある
A5%ファンドのみmaneoの保証付き
B投資対象物件が匿名ではない
まず、@とAに関する事実です。
当初の募集開始前に「利率5〜8%」とあったのは、募集するファンドA〜Dそれぞれの利率でした。
それぞれのファンドは優先劣後構造となっており、もし何らかの事情で担保が発動するような場合に
担保売却によっても全額が弁済できない時は、まず資本金、その次にファンドDの貸付金が毀損します。
上図の案件の場合、評価額は18.3億円。
既にシニアローンが9億円入っており、後はファンドAで6億円、ファンドB〜Dで9,000万円を募集。
つまり、評価額に対するLTVは以下のように計算できます。
・ファンドA:(9億円+6億円)÷18.3億円=82%
・ファンドB:(15億円+3,000万円)÷18.3億円=84%
・ファンドC:(15.3億円+3,000万円)÷18.3億円=85%
・ファンドD:(15.6億円+3,000万円)÷18.3億円=87%
さらにこれに加えて、ファンドAについてはmaneoの連帯保証が付いています。
次に、Bについての事実です。
本来ソーシャルレンディングにおいては、貸付先情報を匿名とすることが監督官庁から指導されていますが
今回の案件については、最終貸付先の情報は公開されています。
・貸付先1:介護付き有料老人ホーム「マミーズホーム」(東京都目黒区)
・貸付先2:介護付き有料老人ホーム「フループライフガーデン」(宮城県仙台市)
・貸付先3:介護付き有料老人ホーム「アルプスの杜さがみ」(神奈川県相模原市)
さらに貸付先のキャッシュフローまで公開しているという透明さ。
投資画面上部にあるタグから、色々な情報を見る事ができます。
(キャッシュフローは、タグ「IR情報」→「キャッシュフロー」から確認できます)
以下は私の感想となります。
まず@とAについて。
正直なところ、maneo保証付き5%のファンドAと、最高利率のファンドDにしか魅力を感じません。
ファンドA〜D間のLTVの差が少なすぎるため、利率の低い案件の魅力が相対的に失われています。
ただしファンドAには営業利益黒字のmaneoの連帯保証が付いており、安定志向であればこのファンドに
投資するのは一つの選択肢だと思います。
(実際、私はファンドAに50万円投資しました)
本来であればもう少しLTVに差を付けるべきだと思うのですが、おそらく全体として用意できる利金が
このくらいでギリギリだという事ではないでしょうか。
(利金がギリギリであることの一つの証左として、今回の案件ではプレリートファンドの事業者取り分は
0.5%しかなかった事も挙げられます)
LTVに差を付けるためにはファンドB〜Dの募集金額を増やす必要がありますが、現行の利率を維持したまま
それをやると、平均利率の増加=支払い利金の増加を招きます。
かと言って現行の利率を変えるということは、最低利率を5%よりも減らすということになります。
年利5%というのはソーシャルレンディングにおける利率下限の心理的な壁になっているところがあると
思いますので、これはこれで難しいと思います。
(なので、支払い利金には直接関係ないmaneoの保証を付けたのでしょうか、とも予想できます)
J-REIT全体の平均利率4%と比べ、今回のプレリートファンドは特別高いと言える利率ではありません。
1〜2%程度の利率のプレミアムが乗っているといっても、新規業者の初案件ですので帳消しでしょう。
少なくとも、長年の歴史のあるJ-REITや、ソーシャルレンディング最大手maneoの不動産担保案件と
比べてしまうと、どうしても見劣りしてしまうと思います。
次に、Bに関する感想です。
対象案件がここまで公開されていることは、かなり意外でした。
対象となる老人ホームの所在地からホーム名称、その設立年、資本金、代表者名にキャッシュフローまで
公開されており、ほとんどガラス張りです。
しかしこれ、当局が指導するソーシャルレンディングにおける貸付先の匿名化と相反する気もしますが、
もしかして直接貸付先さえ匿名化しておけば、当局の指導に従った事になるのでしょうか。
それとも、REITも案件開示されているから、プレリートも案件開示OKという解釈なのかもしれません。
ただどちらにせよ、ここまで貸付先が分かってしまいますと、もう一つの指導である案件の複数化が
なおさら意味のないものになってしまうわけです。
やはりソーシャルレンディングを巡る法規制については、改善の余地があると再確認しました。
maneoのお膝元事業者ということで前評判の高かったプレリートファンドですが、第一号案件については
期待が高すぎてちょっと拍子抜けした、というのが私の感想です。
maneoを初めとした不動産担保案件との違いを打ち出せないと、「maneoファミリーの一員」という
立ち位置から一歩踏み出すのはなかなか難しいのではないでしょうか。
(プレリートという出口戦略が明確なことは特徴の一つですが、ソーシャルレンディングの案件として
他事業者の不動産担保案件との間に表面上の違いがないのが悩みどころです)
いずれにせよ、まだ第一号案件。
今後登場する案件に期待したいと思います。
ランキングに参加しています。
リンク先には同じ話題を取り扱うブログが沢山あります。こちらもいかがでしょうか。
「オープン記念ファンド」と銘打って、全案件の利率が2〜3%上昇したファンドが募集されています。
私は既に投資していた5%案件をキャンセルし、7%及び11%案件に投資を行いました。
プレリートファンドが案件募集を開始
新しいソーシャルレンディング業者、プレリートファンドが案件募集を開始しました。
ちょっとしたアクシデントもありましたが、投資は完了しています。
・当ブログ参考記事:新サービス「プレリートファンド」登場
ただの新規事業者ではなく、maneoのお膝元事業者という、言わば鳴り物入りの登場となった今回の
プレリートファンドですが、思ったほど投資額は伸びていません。
上記、投資開始2時間半の様子です。
700人以上の投資家登録が行われ、私も含めた一部は投資資金をデポジットしていたのですが、その割には
あまり盛り上がらない立ち上がりとなってしまいました。
理由の一つには、当初本日の13時だった募集開始が15時半頃まで延期されたこと。
(これは大きな問題ではありませんが)
もう一つの理由は、やはりこちらでしょう。
募集開始前:
募集開始後:
募集開始前で「5〜8%」の利回りが、募集開始後では「5%」になっています。
私も始め「ん?」と、思わず投資をキャンセルしましたが、後になって理由が分かりました。
5〜8%は劣後構造になっていました(後で説明します)。
ファンドの構造
次に、ファンドの構造です。
今回のファンドは3つのヘルスケア施設に対する投資をミックスしたものになっています。
基本構造は3つとも同じですので、下の図はそのうち一つを取り上げました。
ファンドの内容紹介
今回のファンドですが、ポイントは3つだと思います。
@優先劣後構造(5%、6%、7%、8%の4つのファンドがある
A5%ファンドのみmaneoの保証付き
B投資対象物件が匿名ではない
まず、@とAに関する事実です。
当初の募集開始前に「利率5〜8%」とあったのは、募集するファンドA〜Dそれぞれの利率でした。
それぞれのファンドは優先劣後構造となっており、もし何らかの事情で担保が発動するような場合に
担保売却によっても全額が弁済できない時は、まず資本金、その次にファンドDの貸付金が毀損します。
上図の案件の場合、評価額は18.3億円。
既にシニアローンが9億円入っており、後はファンドAで6億円、ファンドB〜Dで9,000万円を募集。
つまり、評価額に対するLTVは以下のように計算できます。
・ファンドA:(9億円+6億円)÷18.3億円=82%
・ファンドB:(15億円+3,000万円)÷18.3億円=84%
・ファンドC:(15.3億円+3,000万円)÷18.3億円=85%
・ファンドD:(15.6億円+3,000万円)÷18.3億円=87%
さらにこれに加えて、ファンドAについてはmaneoの連帯保証が付いています。
次に、Bについての事実です。
本来ソーシャルレンディングにおいては、貸付先情報を匿名とすることが監督官庁から指導されていますが
今回の案件については、最終貸付先の情報は公開されています。
・貸付先1:介護付き有料老人ホーム「マミーズホーム」(東京都目黒区)
・貸付先2:介護付き有料老人ホーム「フループライフガーデン」(宮城県仙台市)
・貸付先3:介護付き有料老人ホーム「アルプスの杜さがみ」(神奈川県相模原市)
さらに貸付先のキャッシュフローまで公開しているという透明さ。
投資画面上部にあるタグから、色々な情報を見る事ができます。
(キャッシュフローは、タグ「IR情報」→「キャッシュフロー」から確認できます)
感想
以下は私の感想となります。
まず@とAについて。
正直なところ、maneo保証付き5%のファンドAと、最高利率のファンドDにしか魅力を感じません。
ファンドA〜D間のLTVの差が少なすぎるため、利率の低い案件の魅力が相対的に失われています。
ただしファンドAには営業利益黒字のmaneoの連帯保証が付いており、安定志向であればこのファンドに
投資するのは一つの選択肢だと思います。
(実際、私はファンドAに50万円投資しました)
本来であればもう少しLTVに差を付けるべきだと思うのですが、おそらく全体として用意できる利金が
このくらいでギリギリだという事ではないでしょうか。
(利金がギリギリであることの一つの証左として、今回の案件ではプレリートファンドの事業者取り分は
0.5%しかなかった事も挙げられます)
LTVに差を付けるためにはファンドB〜Dの募集金額を増やす必要がありますが、現行の利率を維持したまま
それをやると、平均利率の増加=支払い利金の増加を招きます。
かと言って現行の利率を変えるということは、最低利率を5%よりも減らすということになります。
年利5%というのはソーシャルレンディングにおける利率下限の心理的な壁になっているところがあると
思いますので、これはこれで難しいと思います。
(なので、支払い利金には直接関係ないmaneoの保証を付けたのでしょうか、とも予想できます)
J-REIT全体の平均利率4%と比べ、今回のプレリートファンドは特別高いと言える利率ではありません。
1〜2%程度の利率のプレミアムが乗っているといっても、新規業者の初案件ですので帳消しでしょう。
少なくとも、長年の歴史のあるJ-REITや、ソーシャルレンディング最大手maneoの不動産担保案件と
比べてしまうと、どうしても見劣りしてしまうと思います。
次に、Bに関する感想です。
対象案件がここまで公開されていることは、かなり意外でした。
対象となる老人ホームの所在地からホーム名称、その設立年、資本金、代表者名にキャッシュフローまで
公開されており、ほとんどガラス張りです。
しかしこれ、当局が指導するソーシャルレンディングにおける貸付先の匿名化と相反する気もしますが、
もしかして直接貸付先さえ匿名化しておけば、当局の指導に従った事になるのでしょうか。
それとも、REITも案件開示されているから、プレリートも案件開示OKという解釈なのかもしれません。
ただどちらにせよ、ここまで貸付先が分かってしまいますと、もう一つの指導である案件の複数化が
なおさら意味のないものになってしまうわけです。
やはりソーシャルレンディングを巡る法規制については、改善の余地があると再確認しました。
まとめ
maneoのお膝元事業者ということで前評判の高かったプレリートファンドですが、第一号案件については
期待が高すぎてちょっと拍子抜けした、というのが私の感想です。
maneoを初めとした不動産担保案件との違いを打ち出せないと、「maneoファミリーの一員」という
立ち位置から一歩踏み出すのはなかなか難しいのではないでしょうか。
(プレリートという出口戦略が明確なことは特徴の一つですが、ソーシャルレンディングの案件として
他事業者の不動産担保案件との間に表面上の違いがないのが悩みどころです)
いずれにせよ、まだ第一号案件。
今後登場する案件に期待したいと思います。
ランキングに参加しています。
リンク先には同じ話題を取り扱うブログが沢山あります。こちらもいかがでしょうか。
posted by SALLOW at 10:55
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いつもご贔屓にありがとうございます。
今回は初回ご祝儀も兼ねて投資を行いましたが、正直なところ次回以降も同様の条件であれば、敢えてプレリートに投資をする必要性は考えなおさなければ、と思っています。
案件の需要は十分にあり、maneo親藩事業者で安全性もOK。かつ、プレリートということでExit戦略もしっかりしているのは確かですが、投資家の目線からは「不動産担保付きローンファンドと比べて条件的にどうか」でしか判断されませんよね。
プレリートならではのもう一手、例えば投資家に対する優待(ホテルはともかく老人ホームの優待もらっても困りますが)や、投資期間中にExitした時のボーナスなどあれば別ですが、今のままの条件を続けるなら、残念ながら資金の集まりは芳しくない事になりそうです。
プレリートファンドの募集開始時間を日にちごと勘違いしていて休憩時間にたまたま見たら募集開始していて焦って申し込みましたが、その必要も無く先が不安なレベルで低調なスタートだと思います。
LTVの数値も投資ギリギリのラインで、90%を超えたら見送る方針ですが利回りも欲しく8%に入れました。正直に言って、10%〜12%くらいは欲しい所ですが建物では難しいのでしょう。
まだ埋まらない状況からするとかなり今後も苦戦が強いられそうです。