2017年09月17日
みんなのクレジット 決算公告の公開とその中身
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第2期決算公告が公開
すでにいくつかのブログで記事が上がっていますが、みんなのクレジットの決算公告が公開されました。
ソーシャルレンディングのブログさんから引っ張ってきたのでは一次ソースではなくなってしまうので、
別のところからソースを持ってきています(見た目は何も変わりませんが)。
(ソース:ベンチャー企業やスタートアップ企業の決算を調べるブログ)
さて、中身を見ていきます。
僅かな利益剰余金はあるものの
まず少し驚いたのは、わずかながら
計画倒産を目指して赤字の決算公告を出すものだとばかり思ったのですが、少なくとも現状において
みんなのクレジットはそれなりの利益構造となっているようです。
もっとも、投資家にこれ以上声を上げさせないように僅かな黒字に調整した可能性もありますが。
(そこまで言うなら、そもそも決算公告は外部監査法人の監査を受けていないので、何も信用できない
ことになってしまいますが)
流動資産が42.3億円ありますが、これはほとんどが親会社であるBWJ社への貸付金と思われます。
(確かBWJ社に40億程度の貸付が残っていたはず)
ということは、この貸付金が焦げ付いた場合は資本金に対して20倍程度の債務超過が起きますので
一瞬で事業者が吹き飛ぶ、という状況に変化はないと判断できます。
結論として、吹き飛ぶ秒読み段階であることに変わりはない、ということでしょう。
最大貸付先であるBWJ社の決算公告は見つからなかったので詳細は分かりませんが、金融庁の検査で
自転車操業であることを指摘されたり(注1)、担保保全率が2割を切っている現状(注2)を
鑑みますと、BWJ社からの返済も早晩滞ると考えた方が良さそうです。
*当ブログ関連記事
(注1) なるべく客観的なまとめ:みんなのクレジット問題
(注2) みんなのクレジットから連絡:担保保全率は20%未満です+私の状況
私見
私は下記のように、みんなのクレジットに144万円を出資しています。
基本的には全損するだろうとは思っていますが、少しでも返ってくれば御の字でしょう。
今から法的手段に出てもあまり意味がない上、運良くどうにかなっても無い袖は振れないよ、と言われる
可能性が高いので、法的手段もあまり考えていません。
とりあえずは様子見継続です。
今回の件を受け、ソーシャルレンディング投資には事業者が最大のリスクであり、その選別には多くの
時間をかけるべきだという思いを強くしています。
近日中に各社の決算公告(開示の有無も含めて)と、貸付構造から想定したリスクについて調査を行い、
記事にしたいと思います。
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リンク先には同じ話題を取り扱うブログが沢山あります。こちらもいかがでしょうか。
posted by SALLOW at 07:00
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そうですね。不正確な用語の使い方であったことは申し訳ありません。
ご指摘いただいてありがとうございました。このあたりはもう少し勉強が必要だと痛感しています。
>その責任から逃げようとすれば、事業者自体を吹き飛ばすしかないわけで、それを「債務超過」と表現しました。
これを「債務超過」と表現するのは、個人的には随分と乱暴に感じますね。
無責任の積み重ねが現状を招いているわけで、最終判断を迫られた時に貸付金の回収責任を全うするとは到底思えません。
事業者自体が吹き飛ぶという点については同意致します。
デフォルト=利益の放棄になるわけで、事業が立ち行かなくなるのは時間の問題ですから。
計画的に「吹き飛ばす」のか、成り行きで「吹き飛ぶ」のかは当事者たちにしかわかりませんが。
いずれにしましても丁寧なご回答をいただきまして、ありがとうございました。
コメントありがとうございます。
焦げ付いたらファンドをデフォルトさせるだけ、というのはその通りなのですが、実際の商取引がそれで済むとは思えません。
SL事業者側には、可能な限りファンドの貸付金を回収する責任が発生します。
その責任から逃げようとすれば、事業者自体を吹き飛ばすしかないわけで、それを「債務超過」と表現しました。
正確な定義ではありませんので、混乱を招いたなら申し訳ありません。
>この貸付金が焦げ付いた場合は資本金に対して20倍程度の債務超過が起きますので
一瞬で事業者が吹き飛ぶ
この理屈がよくわかりません。
焦げ付いたらファンドをデフォルトさせるだけで、
投資家へ償還する必要はありませんよね?
それで債務超過になるのでしょうか?
破綻についてはとりあえず織り込み済みで、問題はいつかということでしょう。
私の推測では、年末はさすがに早い(このあいだ収支トントンの決算公告を出したばかり)ので、来期末ではないかと思っています。
もしも将来、ソーシャルレンディングが一定の投資商品として世の中に認められるようになれば、今回の事件はどう伝えられるのでしょうか。
黎明期の制度不備をついた詐欺の一種となるのか、それともソーシャルレンディングのあり方を変えた転換点と言われるのか、できるなら後者ならいいですね。
予想通り、長期返済を求めてそれを不確実と蹴り返す。
体力が先に無くなるのはみんなのクレジットなのに。
担保を確保しているにも関わらず債務不履行が発生しても競売を実施せず、BWJ社は、過大担保を徴求されたと担保を取り返し出したくない担保は手元に戻す。
年末または来年年初にはBWJ社とグループを残し、みんなのクレジットは破綻でしょう。運用は形式上やっているので金融庁からもお咎めなし。
よく出来たプロレスです。
コメントありがとうございます。
そうですね。分割でずるずる引き延ばすくらいしか選択肢はないと思います。
もしくは、ブルーファイナンスの代表者を変えて自己破産する可能性もあり得るかと考えています。
某バンクの件、ご指摘いただいて少し調べてみました。
元々はSUUMOの物件写真ですね。取り扱い会社はホームアップというらしいです。某バンクとの繋がりは不明です。
https://suumo.jp/jj/bukken/shosai/JJ012FD001/?ar=030&bs=020&nc=87266349&suit=nsuusbsp20121129001
また、某バンクの代表者はスイングバイという会社の代表者だったという未確認情報もありますが、こちらについても今は確認できませんでした。
ただ調停では、一括弁済はできない以上分割弁済しかあり得ず弁済一部免除もないと思われます。払う払わないも危惧していますが、一番心配しているのはみんクレ以外の債権者が現れた場合です。
みんクレが交渉役では自分たちは、最劣後になるためかなり不利ではないかと。
余談ですが、アップ●バンクの建売事業者支援ファンドの事業者内容や土地担保、物件写真をなぜかBWJの販売中物件の写真とかなり酷似したものを使用しており怖くて投資できません。まさか、別のSLでカネ集めなどしないと思いますが心証悪いですね。
こちらこそ初めまして。
正直なところソーシャルレンディングにほぼ全ての投資資金をつぎ込むのは、他人にはお勧めできません。
ただ、事業者リスクさえ回避できれば、向こう数年は大丈夫そうな雰囲気があります。
決算公告と貸付構造からのリスク、少し時間はかかりそうですが気長にお待ちいただければ幸いです。
利益の件、ご指摘の通りです。純利益というか、利益余剰金と書き直すべきですね。
それにしても、純損失や純利益の絶対値が小さすぎるのが気にかかります(何となく、操作された跡が見てとれるような気がします)。
いつもブログ楽しみながら読んでいます。
約7,000万円もの大金を運用しているだけあって、どの記事も真剣味が感じられます。
私は、まだ腰が引けてる状態で、SALLOWさんのように体を張った投資をする勇気はありません。
>近日中に各社の決算公告(開示の有無も含めて)と、貸付構造から想定したリスクについて調査を行い、
>記事にしたいと思います。
とても楽しみにしています。今後の投資の参考にできそうです。
P.S 蛇足ですが
>「まず少し驚いたのは、わずかながら純利益があったこと(95万円)」
95万円→278万円ではないでしょうか?(95万円はその他利益剰余金:第1期純損失183万円+第2期純利益278万円と推測)