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2017年03月30日

なるべく客観的なまとめ:みんなのクレジット問題



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金融庁の指摘事項


 本記事は、「【速報】みんなのクレジット 行政処分内容が発表」の再掲です。

 みんなのクレジットへの行政処分が発表されました。
 その内容を受けまして、前回の記事の振り返りと訂正を行いたいと思います。


 今回、みんなのクレジットが金融庁検査により指摘された点は下記の通りです。
 また、これらの指摘内容についいて、みんなのクレジットは青字のように釈明しています。
 青字の出典は、みんなのクレジットの該当ページ、及び、クラウドポートのインタビューです。


  (1)ア 貸付先に関して誤解を招く行為があった
    →貸付先が分散しているように書いてあるが、実際は親会社であるブルーウォールジャパンへの
     貸付が大部分を占めていた。
    →匿名性を厳しく指導されていたため、結果として同じ融資先へのファンドが別々の業者へ
     分散されているような誤解を与えてしまっていた。


  (1)イ 担保について誤解を招く行為があった
    →不動産もしくは有価証券を担保としているが、その実は未公開株式であったり
     担保設定が実質存在しないようなものがあった。
    →案件急増に伴う管理不足のため、担保契約が未完となっているものがあり、指摘を受けた。
     未公開株式については、匿名性のために上場/非上場の別を公開していなかった。


  (2)ア ファンドの償還資金に対し、他のファンドの出資金が使われていた
    →ファンドの期日管理上、売上が上がる前に返済処理をしてしまう事があった。
     この場合、帳簿上は償還資金が別ファンドの出資から充当される事になり、指摘を受けた


  (2)イ キャンペーンの払戻に、ファンドの出資金があてられていた
    →同上

  (2)ウ 白石代表が、ファンド出資金を自身の借入返済に使用していた
    →ファンドから白石代表に、直接資金が流れていることはない。
    親会社ブルーウォールからの報酬支払い及び貸付はあったものの、これについては金融庁と協議の上
    過去2年分について報酬と貸付金の全額を完済している。


  (2)エ ブルーウォールジャパンの増資に、ファンド出資金が使われていた
    →外部投資家への増資引き受けを受け、出資の着金を待って増資すべきところ、見切り発車で
    増資を実施してしまったため、借入金を増資に充当している形となってしまった。


  (2)オ ファンドからの借入を返済することが困難な財務状況と思われる
    →この時点では仕入れが先行し売上が立っていなかったため、借入超過と見られてもしかたがない。
    今は売上も立ち、ファンドの返済は十分可能。



  これらの指摘事項は、現象面から見れば100%事実。
  ただし指摘事項の8割は検査期間中に改善されており、金融庁検査官もその事を理解している。


行政処分内容

 金融庁からの処分内容を、少し簡単に言い換えてまとめます。


  (1)業務停止命令
  3/30〜4/29の1ヶ月間、金融商品取引業者としての全ての業務を停止する。
  ただし、ファンドの払戻や償還など、取引の完了のための処理は除く。


  (2)業務改善命令

  1) 行政処分の内容を、投資家に対し速やかに、適切に説明すること。

  2) 今回の問題の発生原因を究明し、ただちに改善すること。

  3) 出資金の状況を把握し、投資家に対して速やかに説明を行うこと。

  4) 投資家の意向を確認した上、その意向に沿う形で、投資家保護を念頭に公平な対応を行うこと。

  5) 責任を明確にして処分を行うこと。また、内部管理体制をきちんと整えること。

  6) みんなのクレジットとその親会社、関係会社の財務状況を把握し、資金繰り計画を作ること。

  7) 1)〜6) までの全ての内容について、1ヶ月以内に状況を書面により報告し、
   改善の実施状況については、全て完了するまでの間、定期的に書面報告を行うこと。

  出典:関東財務局 株式会社みんなのクレジットに対する行政処分について

処分内容を見ての意見

 ここからは私の所感となります。
 今回の行政処分内容を見て、まずは最悪の事態ではないことに息をつきました。


 営業停止の理由は、検査結果を見た金融庁が
 「改善に相当の取組みを要し、一定期間業務改善に専念・集中させる必要がある」と判断したのでしょう。
 出典:金融庁 金融上の行政処分について


 つまり逆説的に、みんなのクレジットは「改善可能な状況だった」とも言えます。
 もしも詐欺性や悪意、ポンジ・スキームの欠片でも見つかっていたら、即、免許取消です。
 このあたりを見てもらえれば分かりますが、金融庁は違法性や悪事については相当に厳しいです。


 また、平成27年に別のSL業者が行政処分を受けていますが、この処分と今回の期間の比較は無意味です。
 平成27年のSL業者への処分は、「匿名組合募集の業務のうち、新規の勧誘を停止 3ヶ月」であり、
 みんなのクレジットへの処分は、「金融商品取引の全業務停止 1ヶ月」です。
 期間だけ取り上げたら平成27年の方が長いですが、停止業務は今回の方が遙かに多岐に及びます。


 今回の処分の解釈としては、以下のようなものだと考えています。

 「今回の件は、明らかな詐欺性及び悪意は無かったものの、管理体制の不備は違法性を免れない」

前回記事の振り返りとまとめ

 以上の内容を受け、前回の記事のお詫びをさせていただきます。
 下記2点、訂正いたします。申し訳ありませんでした。

 @「最低6ヶ月の業務停止か、免許取消が妥当」
  これについては上記通り、詐欺性と悪意が金融庁検査で発見されなかったことから、取り消します。

 A「みんなのクレジットがこのまま営業を続ける事はまず無理でしょう。」
  これにつきましても、悪意が認められなかったことから、取り消します。


 その上で、今後についての私見です。
 まずはこれからの1ヶ月、みんなのクレジットの対応を先入観なく見守りたいと思います。

 行政処分で詐欺性と悪意が認められなかった(認められていたらこの程度の処分では済まない)事から、
 管理体制をきちんと再構築できるかどうか、みんなのクレジットの一挙手一投足に注目しています。


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posted by SALLOW at 19:55 | Comment(0) | TrackBack(0) | 投資の話題
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