2019年08月11日
資格で飯が食えるほど世の中甘くない。(上)
私と同時期(今年4月2日)に行政書士登録をした人から厳しい現状の近況報告があった。その人は行政書士のみで他士業との相乗効果がない人である。もちろん行政書士一本で大成功している人もいるがその人は苦労しているようだ。
一度、「何故、行政書士として開業したのか」と聞いたことがあるが、その時、その人は「開業動機は人に使われるのが嫌だから。もう人間関係で疲れて嫌気が差しました。行政書士は開業しやすい資格なので、必死に勉強して何とか合格して、さっさと会社に辞表を出しました」との事だった。
何の開業計画もなく単に資格を取ったら仕事があるものとの甘い考えだったようで、その無謀ぶりには驚かされる。私でさえ、「中小企業診断士」を取得して独立開業する時には綿密な開業計画と3年間の事業計画を策定して臨んだものである。もちろん不測事態も想定しながら可能な限り精度の高い経営計画を策定したものである。
私の場合は自分で飲食店を経営しており、その店には多くの中小企業経営者が常連様としておられ、自分の将来に於いてやりたいことを普段から言っていたら顧問契約を結んでくれたので、安定収益が確保できたので開業したのである。正直な話、そこまで持っていくのには相当な時間と労力が必要であった。
中小企業の経営者はコンサルタントに会社を診断してもらうといった意識は全くなく、会社に入られて恥部を見られるのが嫌だという経営者が多いのが実情である。中には無料だったら利用しようという経営者も存在し、公的診断業務を希望する中小企業経営者もおられるのが実情である。
でも私自身がクライアントから正当な報酬をもらっての支援業務をしたかったので、顧客獲得に必死だった。資格で飯が食えるほど世の中甘くない。自分で必死に勉強して、その顧客の期待以上の成果を出して、更に顧客を紹介してもらうなどの成功事例を重ね、経験を積み重ねることで顧客基盤を確立できる。そして経営基盤が盤石になるものである。
この人のように、単に現実回避の為に独立開業してもうまくいくわけはない。高度な行政書士業務ができる程の熟練先生や高度な専門知識を持つ先生ならともかく、そんな知識もなく販路開拓のマーケティング力もないなら無謀な挑戦である。
行政書士は士業の中でもAI代替率が高い士業である。その今後AIと競合して苦戦が強いられるのではと予測される行政書士の中で、大成功している先生のやり方を少しでも模倣して、自分なりにアレンジしてやってみればいいのに、そういう努力もしないようでは先行きが暗いだけであろう。
この仕事を通じて社会貢献したいといった確固たる心意気と使命感を持って取り組まなければ独立ではなく孤立になるだろう。
士業の今後予測されるAI代替率をインターネットで検索すると、行政書士の代替可能性が一番高く、次に税理士、弁理士と続いている。
1.行政書士 93.1%A 税理士 92.5%B 弁理士 92.1%C 公認会計士 85.9%、D 社会保険労務士 79.7%E 司法書士 78.0%である。
因みに弁護士 1.4%と中小企業診断士 0.2% は低い。特に中小企業診断士はクリエイティブな仕事なのでこういう結果になっているのであろう。
私は「中小企業診断士」というコア業務とがあるが、今回、更にシナジー効果を高める為に「行政書士」も取得し登録を済ませた。けっこう社会保険労務士や宅建士がシナジー効果があるとのことで、これらのW資格で開業される人が多いが、意外に私のこのW資格(中小企業診断士・行政書士)も結構うまみがあるのである。
続く・・・・・・
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