2019年06月03日
いつまでも売手市場ではない!
供給よりも需要が多い「売手市場」であれば、状態にもよるが普通の商品・サービスでもやっていけるであろう。市場環境も顧客の旺盛な消費意欲や競争が緩やかな状態が後押しし、追い風が吹いている状態なので、それほど経営に苦労することはないであろう。
しかしその市場がいつまでも安泰である保障はない。いつ競争の激しい市場になるか分からないので、好調な状態の時に他社に代替されない市場におけるポジションを確立せねばならない。
競争のない未開拓市場である「ブルーオーシャン」と競争の激しい既存市場の「レッドオーシャン」があるが、それらは新製品・サービスの導入期の時だけではない。事業や製品のライフサイクルとは別の要因で、市場が大きく変化する事はある。市場における需要と競争の実態を見極めねば、経営のかじ取りを誤ってしまう。
将来市場を予見して変化に慌てることなく、今のいい時に対策を講じておかなければいけない。
「スイッチング・コスト」とは、取引コストの一種でブランドの乗り換えによって発生する経済的・心理的コストや経験・習熟の機会費用のことである。昨日までの自店の常連客が競合他店に取られることは経営努力を怠る店にはよくある事である。
同様のケースで、高齢化の進展・医師不足など社会環境の変化によって需給バランスが乱れた医療の世界。医療制度も今は町のかかりつけ病院を推奨しており、その病院の紹介状がなければ、急性期など設備が整った大病院に行くには診療代の負担が大きくなっている。
その結果、街の病院も非常に混んでおり、どこの病院でもかなりの待ち時間である。だが病院もいくら患者が多くて負担が大きいからと言って、患者の扱いが悪ければ他の病院に行かれる。それで負担が減って助かったという病院はとんでもない話だ。
患者も今までの通院履歴が無駄になる等、病院を替えるスイッチコストは大きい。特にご高齢の人は大変な負担となる。モグラたたきのモグラのような感覚で患者を診てホスピタリティのない対応をしていたら、そういう環境でも病院経営の持続は難しくなるのではなかろうか。
患者数が減ったと思ったらそういう事を意識せねばならない。病院への患者の不満は院内処方であれば院内では言う場所がないが、院外処方であれば患者も調剤薬局に行って不満が言える。自分の病院の評価は調剤薬局に聞けばいい場合もあるから聞いてみればいい。
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