2017年05月23日
私がドイツで、飲食店を始めたきっかけ その ①
そもそも事の発端は、夫(現在別居中)と家を購入しようと思ったことから始まります。
話が長くなるので、2-3 回くらいに分けて掲載しようと思いますが、
ドイツ人の夫と一人息子の3人家族が住めるくらいの小さな家を、仲の良い友人のやっている建設業者が売りに出している、ドイツ語で所謂ライエンハウス(棟が繋がっている家)の角を購入する予定でした。
ところが、夫の同僚(夫は輸血専門、同僚は麻酔医師で、働いているところも別々だが、ドイツ語では同僚という)が私たちの隣のやはり角家屋を買うというのです。
その同僚は当時やたらと家に入り浸っていて、なにかと私が日本人であることを取りざたして、色々根掘り葉掘り聞いてきたりして、気さくではあるんだけれど、あまり深入りしたくない男性でした。
奥さんもいるのだけど、なんとなーくこのご夫婦には距離を置きたい直感が働いていました。
私は夫にさんざん、その同僚が近くに住むのはあまり良くないと言ったのですが、
「そんなこと絶対にない。変な隣人が来るより、友人が隣人の方が安心だ」と言って請け負ってくれません。
夫にとっては仲の良い友人かも知れませんが、私にとっては「隣人付き合い」が、結構負担になるのが目に見えてました。
それに加えて、その家についてる庭が市の所有ということもあり、土地代はずーっと市に払わなければならないのです。
要するにマンションみたいに、家屋だけ自分の所有で、土地は国のものということなのです。
そうこうする内に、結局本契約(仮契約はすでに済んでいる)の前日になってしまいました。
夜デュッセルドルフから仲の良い日本の先輩友が電話をかけて来てくれました。
かくかくしかじかと事情を話すと、その先輩は「ぜーったいやめなっつ!!」というのです。
土地が自分の所有じゃないなんて、しかもその値段で、賛成しないと。
私は夫の友人が隣に引っ越してくるのがどうも気に入らないし、先輩の言うとおり、やはりどうしても契約を交わす気になりませんでした。
さて、どうしたものか…。
明日契約書にサインをしなければいけないのに、ここで断ったら、夫は烈火のごとく怒るに違いない。
なんとか断る正当な理由を思いつかなければ…。
色々試行錯誤の末、
そうだっ
こうなったら口から出まかせでも何でもいいや、それらしく聞こえるにはこの方法しかない…!
と、思い立ったのが、「将来日本食店をやりたい」というものでした。
苦し紛れとはいえ、我ながらうまい口実を思いついたものだと感心しちゃいました。
さて、その夜仕事から帰ってきた夫に翌日の契約を破棄し、私は日本食か、ケータリングをやりたい旨を話したら、
怒りましたね、え〜、え〜、怒りましたとも。
「何を今更言ってんダッツ!!」「自分の言ってることがどういうことなのか分かってんのか」
と散々怒られましたが、なんと言われようとこの場をしのぐためにじっと我慢の子でした。
さて、なんとか契約をせずに済んだのですが、事はこれだけでは終わりませんでした。
この話の続きは次回に。
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