2016年11月21日
ドイツでの住居探し詐欺のカラクリ
最近知り合いがドイツでの「住居探し詐欺」に合いそうになりました。
ハイデルベルクのほぼ一等地で、家具付き、Wifi付きで40坪あたりの1部屋が日本円にして敷金6万円、家賃が月にたったの3万円と言う安さ。
不動産のウェブサイトを使ったこの詐欺のカラクリは、いったいどうなってるのでしょう?
まず既製のウェブサイトで写真付きの部屋を載せます。写真は最初から架空のどこかから盗んだモデルルームの写真で、見学を希望する旨の要項を記入した途端にこの欄は消えてしまいます。
さて、メールで家主から連絡が入ります。
内容は以下のようなもの:
連絡ありがとうございます。
このアパートは私が息子の為に買ったもので、大学に通っている間使っていました。
今はすでにイギリスの我が家に戻ってきて、もうそのアパートに住むことはありません。
ですから当方なるべく長く住んでくれる人を希望します。
私は泌尿器科の医師をしています。イギリス在住なので、鍵の受け渡しやもろもろの取り決めが結構複雑ですが、ご覧の通り部屋は家具付きで、TVもWifiも付いています。
私どもの口座から引かれるので、面倒なことを避けるために全部込みで260.-€で良いです。
あなたのことを教えてください。
お年とどれくらい住める予定ですか?
ご連絡お待ちします。
とまぁ、ざっとこんな内容の下手なドイツ語でメールが来ました。
でも名前がAnna Chrissとなってる割にはメールアドレスがgrunewaldmelanie07@hotmail.de と全然違っています。
友人はおかしいと思い、そのメールアドレスをググッてみました。
案の定、このメールアドレスは既に詐欺で有名で、毎回少しずつアドレスと、メールの内容を変えて人から家賃の前払いを騙し取っていました。
さて友人は部屋の見学がいつが良いか教えてくれと言う内容と、自分の身の上の適当なことを書いて送り返しました。
相手がどんな手口で騙すか見るためです。
するとこういった内容の返信がきました。
早速のご連絡ありがとうございます。
さて、あなたとの賃貸契約ですが、下記のウェヴサイトをご参照ください。(Airbnbのリンクが貼ってある)Airbnbはあなたと私の橋渡しをしてくれるエージェントです。
あなたが私に以下の情報を記入し返信してくれたら、私はAirbnbの事務所に行き、部屋の鍵と契約書(私のサインを記入済みの)を渡します。あなたは家賃260.-€と敷金520.-€を合わせた全部で780.-€をAirbnbのエージェントに振り込みます。そしてその後であたなの住所に鍵と部屋の契約書が送られてきます。あなたはその鍵を持って、部屋を見ます。気に入らなかったら部屋の鍵をエージェントに送り返してくれれば、エージェントはお金を返金するシステムになっています。
またこのエージェントを使うことで、第3者の仲介者が私たち双方の信用をうながすものです。
さて、この詐欺の最大の落ち度はAirbnbを使ったことです。
Airbnbは普通の部屋やアパートの民泊サイトですが、そんなエージェントまがいのようなことはしません。まったくAirbnbがなんたるかを知らない人は、もしかして引っかかるかも知れないですが…。
そしてお金の振込みにWestern Unionを使い、これをもってAirbnbのエージェントとするところが稚拙ですね。しかも振込先が受取人の名前入りでロンドンのうらぶれたホテルの住所を使っています。
察するところ、一度に何人からも騙し取り、ホテルからホテルを点々としているのでしょう。
最後に友人は、この賃貸契約はあまりにも複雑で面倒なので見合わせたい旨と、自分もAirbnbのメンバーだが、こんなエージェント紛いのようなことはしない。自分はすっかり騙された気分だと書いて送り返したそうです。
事なきを得た賃貸物語でしたが、中には本当に騙される人がいるのでしょうか…?
日本ではこんなことあり得ませんよね?
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