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2015年06月19日
スラムダンク その後 〜Another Story 国体編 Part23 高頭の誤算
第1Q終了後
神奈川代表 17
大阪代表 16
2Qは大阪のボールから始まった。ここからが予想外だった。
大阪がハーフコートバスケをし始めたのだ。
土屋がボール運びをゆったりとして試合をゆっくりすすめ始めた。
三井「どうした?もうへばったか?」
岸本「うるさい。黙っとれ。」
そうこう話をしているうちに、土屋が自らドリブルインをした。
牧が一瞬にして抜かれた。
宮城「な、なにぃ。あの牧が・・・。」
牧「・・・。」
すかさずフォローに入った流川。しかし、それすらあざ笑うように土屋は、冷静にボールを捌く。
外に展開していた板倉へノールックパスで渡った。
板倉は、今日初めての3Pを打った。
板倉「どんどん行きまっせ。」
神奈川代表 17
大阪代表 19
大阪の得点から2Qが始まった。
すかさず神奈川の反撃だ。赤木からのボールインで牧がドリブルを開始しようとした際に、
土屋が
土屋「当たれ!」
オールコートプレスの指示を出した。
牧に土屋と南がついた。
清田「なにぃ!この時間帯でプレスだと!」
高頭「馬鹿な!牧を相手にしていて、体力が持つはずがない。」
しかし、不意を突かれた牧がこのゾーンディフェンスを突破できなかった。
観客「うわぁ。5秒バイオレーションだ。」
観客席から見ていた山王工業の連中も驚いていた。
河田「うむ。牧のバイオレーションなんて初めて見るな。」
深津「そうピョン。珍しいピョン。」
河田「どこか調子でも悪いのか?それともそれほど土屋がすごいのか?」
南の3Pが決まった。
神奈川代表 17
大阪代表 22
1Qとは打って変わって、外からのシュートが決まり始めていた。
赤木「牧、大丈夫か?」
牧「誰に言ってるんだ?フロントに運ぶのは俺の役目だ。
そこからは赤木。お前たちの仕事だぞ。」
そういって、牧はボールを受け取るとドリブルを開始しようとしたがその瞬間、
土屋にまたしてもボールを奪われた。
牧「な、なにぃ。」
高頭「あ、あの牧が!1度ならず2度までも」
しかし、その後の岸本のレイアップを赤木がはえたたきで弾き飛ばした。
仙道「・・・。」
神奈川の主軸である牧の調子が上がらないため、徐々に点差が広がり始めた。
2Q終了時には、12点もの差が開いた。
神奈川代表 26
大阪代表 38
高頭は動揺していた。
まさか牧がこんなに抑え込まれるとは考えたことがなかったのだ。
山王工業戦に向けて、ゾーンプレス対策も行っており、ゾーンプレスだからといって
牧が対応できないはずはない。牧に対する信頼も厚い。
牧を利用して相手の土屋を疲弊させ、リードするはずが、逆に牧が抑え込まれ、
リードを許している。そのため、冷静な判断ができなくなっていた。
ベンチに戻ったメンバーに指示ができないくらい動揺していた。
神奈川ベンチの連中も牧が機能していないことに驚いて
冷静な分析ができていなかった。それくらい神奈川NO1プレーヤー
が抑え込まれたことは衝撃的だったのだ。
そのため、牧に誰も声をかけられなかった。
牧「ハァ、ハァ。」
牧も何か違和感を感じているが、それが何か具体的にわからなかった。
ただ、口惜しさが表情ににじみ出ていた。
清田「(あの牧さんが・・・。)」
しかし、安西は、違和感に気づいていた。
そして、藤真も・・・。
(続く)
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2015年06月15日
スラムダンク その後 〜Another Story 国体編 Part22 土屋の戦略
第1Q終了後
神奈川代表 17
大阪代表 16
弥生「(バシッ!)」
中村「アイタッ!!な、何するんですか?」
弥生「だから、ロースコアになるのはある意味想定内よ。私が意外といったのは、
どちらも3Pを打っていないことよ。」
中村「そういえば、どちらも3Pシュートを打っていないような。
牧君の3点プレイで神奈川が1点リードしているだけですね。」
弥生「どちらも3Pシューターがいるのにあえて中で攻めているのはなぜかしら?
三井君に限って言えば、シュートすら打っていないわ。」
仙道「予定通りですね。」
三井「あぁ。何とかうまくいってるな。」
神奈川の狙いは、土屋を牧に集中させることだった。
試合前
高頭「牧よ。土屋は、中々のプレーヤーだが、勝てるか?」
牧「当たり前です。負けるわけにはいかないですから。」
高頭「そうか。それなら1Qは牧を中心に攻めるぞ。
牧のペネトレイトと赤木のローポストからのアタックだ。
そして、流川、仙道はフォローに回ってくれ。
三井は、3Pを打つと見せてインサイドへパスを回してくれ。」
三井「3Pを打たなくてディフェンスを広げなくていいですか?」
高頭「それも計算のうちだ。土屋が牧のマークにつきっきりになれば、
大阪は攻め手を欠く。それがまずは狙いだ。」
確かに1Qが終わってから土屋の息遣いは荒かった。
南「大丈夫か?牧のマークはそれなりにきつそうだな。」
土屋「ああ、しかし、ラン&ガンでうちが突き放せない方が予想外だ。
約束通り2Qは俺の好きなようにやらせてもらうで。」
岸本「なっ。リードされているとはいえ1点差や。このままでええんちゃうんか?」
土屋「約束は約束や。リードされて1Qが終わったら俺の好きなようにさせてもらうって約束や。
男に二言はないな。」
岸本「ちっ。その代わり2Q終わってもリードされてたらラン&ガンに戻すで。」
土屋「よっしゃ。そしたら作戦や。」
土屋からメンバーに作戦が伝えられた。
南「まあ、お前の言うとおりにするって言うたからな。仕方がないか。」
土屋「走り回ることにはかわらへんで。しっかり頼むぞ。」
2Qが始まろうとしていた。
桜木「ちっ。つまらねぇ試合しやがって。こら、じぃ、ゴリ!さっさと
突き放せーーー!」
観客「なんだと!あ、あいつは湘北の赤頭!!殺すぞこらぁあああ。」
桜木「聞こえんなー。」
観客「いてまえ!」
北野「うるせぇ。静かにしろ。バスケに興味がないやつはでてけ!」
強面の北野が怒鳴った。
小学生「こ、こぇぇえ。鬼の北野の顔だ。」
南「おめぇら。試合で勝つからちょっとおとなしくしておいてくれ。」
という南の一言で何とかおさまった。
(続く)
2015年06月14日
スラムダンク その後 〜Another Story 国体編 Part21 拮抗
神奈川代表スターティングメンバー
牧紳一 (3年)
赤木剛憲(3年)
仙道彰(2年)
流川楓(1年)
三井寿(3年)
大阪代表スターティングメンバー
土屋淳史(3年)
南烈(3年)
岸本実理(3年)
板倉大二朗(2年)
遠藤譲(2年)
土屋「牧、悪いが勝たせてもらうぞ。」
牧「土屋か。悪いな。俺たちはここを目標にしていない。優勝だ。
お前たちを相手にしている暇はない。」
彦一「さ、さすが牧さんや。顔が全国区や。さすが全国2位は伊達じゃないで。」
土屋「まぁ、試合結果がすべてだ。お互い最後の国体だ。全力でぶつからせてもらうぞ。」
牧「よろしくな。」
コートサイドでひたすらメモを取り始める彦一。
記者席ではその彦一のお姉さんの弥生が同じようなことを言っていた。
弥生「全国常連の牧君と今年のインターハイで一躍有名人になった土屋君ね。
面白い戦いだわ。」
中村「確かに面白いですね。点の取り合いになりそうです。」
弥生「なーにが点の取り合いよ。実力が拮抗しているときは、得てしてそうならない可能性が高いわ。」
第1Qが始まった。
赤木「ウホっ!」
観客「おおー、たけぇ。」
赤木がはじいたボールはすかさず牧が拾った。ゴール前に走っている流川に向けてボールを送った。
が、そこに土屋の手が!!
土屋「甘いわ。それ、湘北の奴らがインターハイでやってたで。あの流川は気を付けておこうって
下調べできてるよ。」
そして土屋から南へパスが。
あっという間に、3Pライン付近まで来た。
流川「いれさせねぇぜ。」
流川が大きくブロックの態勢に入った。
しかし、南はそれを交わして、切れ込んだ。
流川「!!」
しかし、赤木が立ちはだかる。
南は、奥まで切れ込まず、急停止。そこでジャンプショットを決めた。
南「流川よ、インターハイの借りは返させてらもう。
日本一の選手は俺がなる。」
流川「(メラメラメラ)」
先制点は大阪だった。
牧は、
牧「すまん、安直すぎたな。まずは一本返そう。」
そういっておきながら、凄まじい勢いのペネトレイトでキレこんだ。
牧も負けん気が強いのだ。
観客「あの黒いのも速いぞ!」
土屋「遠藤、止めろ!」
遠藤が牧についたために、フリーになった赤木。
ゴール下まで潜り込んだ牧は、そこで赤木にパス。
赤木「ウホッ!」
彦一「で、でたーーー。これが、神奈川のゴリラダンクやーーー!」
清田「相変わらずゴリラだな。」
神奈川のメンバー内で赤木以外のメンバーは赤木をゴリラと呼ぶことに
何の違和感もなくなってきた。
安西「さすが赤木君ですね。冷静に対処できている。」
北野「安西、なぜあの選手が3年まで全国に出てこなかった?
全国でもトップレベルのセンターだぞ。」
安西「うん、僕の力不足だ。彼のワンマンチームになってたから。」
桜木「グレてる奴がいたからな。わっはっは。」
土屋「走るぞ。お前らラン&ガンで勝つんだろ!」
岸本「よっしゃ。」
スピードで勝負に来た大阪。しかし、神奈川もスピードでは負けてなかった。
仙道が岸本のシュートをブロックし、攻撃を止めた。
仙道、流川の高速フォーワードコンビには大阪以上のスピードでカバーした。
それに加え牧も速さでは負けてなかった。また、ポジショニングのうまさで相手の
パス出しを少し遅らせ、スピードを封じる三井。
逆に神奈川の攻撃も牧を徹底マークする土屋が攻撃の起点を遅らせることで
神奈川のスピードに乗った波状攻撃を防いでいた。
お互いスピードを持ち味としていたが、思ったよりロースコアの展開になった。
第1Q終了後
神奈川代表 17
大阪代表 16
弥生「意外な展開だわ。」
中村「そうですね。もっと点の取り合いになるかと思っていました。」
(続く)
牧紳一 (3年)
赤木剛憲(3年)
仙道彰(2年)
流川楓(1年)
三井寿(3年)
大阪代表スターティングメンバー
土屋淳史(3年)
南烈(3年)
岸本実理(3年)
板倉大二朗(2年)
遠藤譲(2年)
土屋「牧、悪いが勝たせてもらうぞ。」
牧「土屋か。悪いな。俺たちはここを目標にしていない。優勝だ。
お前たちを相手にしている暇はない。」
彦一「さ、さすが牧さんや。顔が全国区や。さすが全国2位は伊達じゃないで。」
土屋「まぁ、試合結果がすべてだ。お互い最後の国体だ。全力でぶつからせてもらうぞ。」
牧「よろしくな。」
コートサイドでひたすらメモを取り始める彦一。
記者席ではその彦一のお姉さんの弥生が同じようなことを言っていた。
弥生「全国常連の牧君と今年のインターハイで一躍有名人になった土屋君ね。
面白い戦いだわ。」
中村「確かに面白いですね。点の取り合いになりそうです。」
弥生「なーにが点の取り合いよ。実力が拮抗しているときは、得てしてそうならない可能性が高いわ。」
第1Qが始まった。
赤木「ウホっ!」
観客「おおー、たけぇ。」
赤木がはじいたボールはすかさず牧が拾った。ゴール前に走っている流川に向けてボールを送った。
が、そこに土屋の手が!!
土屋「甘いわ。それ、湘北の奴らがインターハイでやってたで。あの流川は気を付けておこうって
下調べできてるよ。」
そして土屋から南へパスが。
あっという間に、3Pライン付近まで来た。
流川「いれさせねぇぜ。」
流川が大きくブロックの態勢に入った。
しかし、南はそれを交わして、切れ込んだ。
流川「!!」
しかし、赤木が立ちはだかる。
南は、奥まで切れ込まず、急停止。そこでジャンプショットを決めた。
南「流川よ、インターハイの借りは返させてらもう。
日本一の選手は俺がなる。」
流川「(メラメラメラ)」
先制点は大阪だった。
牧は、
牧「すまん、安直すぎたな。まずは一本返そう。」
そういっておきながら、凄まじい勢いのペネトレイトでキレこんだ。
牧も負けん気が強いのだ。
観客「あの黒いのも速いぞ!」
土屋「遠藤、止めろ!」
遠藤が牧についたために、フリーになった赤木。
ゴール下まで潜り込んだ牧は、そこで赤木にパス。
赤木「ウホッ!」
彦一「で、でたーーー。これが、神奈川のゴリラダンクやーーー!」
清田「相変わらずゴリラだな。」
神奈川のメンバー内で赤木以外のメンバーは赤木をゴリラと呼ぶことに
何の違和感もなくなってきた。
安西「さすが赤木君ですね。冷静に対処できている。」
北野「安西、なぜあの選手が3年まで全国に出てこなかった?
全国でもトップレベルのセンターだぞ。」
安西「うん、僕の力不足だ。彼のワンマンチームになってたから。」
桜木「グレてる奴がいたからな。わっはっは。」
土屋「走るぞ。お前らラン&ガンで勝つんだろ!」
岸本「よっしゃ。」
スピードで勝負に来た大阪。しかし、神奈川もスピードでは負けてなかった。
仙道が岸本のシュートをブロックし、攻撃を止めた。
仙道、流川の高速フォーワードコンビには大阪以上のスピードでカバーした。
それに加え牧も速さでは負けてなかった。また、ポジショニングのうまさで相手の
パス出しを少し遅らせ、スピードを封じる三井。
逆に神奈川の攻撃も牧を徹底マークする土屋が攻撃の起点を遅らせることで
神奈川のスピードに乗った波状攻撃を防いでいた。
お互いスピードを持ち味としていたが、思ったよりロースコアの展開になった。
第1Q終了後
神奈川代表 17
大阪代表 16
弥生「意外な展開だわ。」
中村「そうですね。もっと点の取り合いになるかと思っていました。」
(続く)
2015年06月13日
スラムダンク その後 〜Another Story 国体編 Part20 土屋と遠藤
高頭は、スターティングメンバーを発表した。
高頭「まぁ、昨日と同じだ。牧、赤木、仙道、流川、三井。しっかり頼むぞ。」
牧「赤木よ。スピードについて来いよ。」
赤木「フッ。愚問を。」
仙道「今日は味方だな。点取り勝負でもしてみるか?」
流川「てめぇには二度と負けねぇ。」
神「三井さん、いつでも代わりますからね。」
三井「おっ、おおっ。が、がんばってくるわ。
(神の奴、ちょっと雰囲気が変わったか?)」
牧「(神の奴、少し積極的になりつつあるか?いい傾向だな)」
その頃、大阪のメンバーがコートに現れた。
観客「くぉらーーーー、神奈川に負けたら許さへんでーー!」
観客「南ーーーー。しっかり頑張れよ!得点王になるんやでー。」
大阪からの大応援団だ。
岸本「アイツら相変わらずだな。」
南「あぁ、インターハイでは期待に応えられなかったからな。
それでも応援に来てくれているアイツらのためにも負けられねぇ。」
小学生「こらーーー、兄ちゃん達。今度は勝ってやー!」
岸本「ん、・・・あぁああああああ。」
南「き、北野さん。き、来てくれてはる。」
北野は、ミニバスの大会にかこつけて、小学生たちを連れて見に来たのだ。
北野「また、安西のところのガキどもと戦うとはな。
なぁ、安西。3人もスタメンになってるそうじゃねぇーか。」
安西「うん。うちの選手は、全国でも十分通用する実力があるから。」
北野「おっ、言うようになったじゃねぇか。
今回は、南達は前回の負けからしっかりと立て直してきたぞ。
アイツらの実力は、あんなもんじゃねぇぞ。
今日は楽しみに見させてもらう。」
隣で聞いていた彩子たちは小さな声で話をしていた。
彩子「晴子ちゃん、安西先生の横にいるおっさんはだれ?」
晴子「し、しらないです。てっきり彩子さんは知ってるのかと思った。」
北野「おっ。そこのあけぇの。怪我の具合はどうなんだ。
今回はでれねぇそうだな。」
桜木「誰?この貧相なオヤジは?」
北野「(ずーーーん。ひ、貧相なオヤジ?)」
晴子「さ、桜木君、言葉遣いに気を付けて!」
安西「ほっほっほ。北野君は私の大学の同級生ですよ。」
南「ん!?北野さんが湘北の赤いやつとなんか話をしてるな。」
岸本「まあ、関係あらへん。北野さんに2回も負けを見せるわけにはいかへんで。」
土屋「気合が入ってるな。今日は勝つで。ゲームのコントロールは俺がする。
お前ら豊玉メンバーは 点をしっかり取ってくれ。
遠藤、俺たちは、ディフェンスをしっかり頑張るぞ。」
遠藤は、大栄学園のセンターの2年生だ。リバウンドに定評がある194pのセンターで
大栄学園の大黒柱だ。
遠藤「うすっ。大栄の選手のすごいところを見せてやりましょう!」
土屋と遠藤でチームを引っ張りインターハイで大栄学園は勝ち上がったのだ。
土屋は遠藤に対して後輩ではあるが、安心感を持っていた。
土屋「あぁ、相手のセンターはゴリラみたいだが、負けんなよ。」
赤木「くしゅん。」
三井「どうした?風邪か?」
赤木「い、いや。大丈夫だ。」
神奈川もコート入りした。
観客「こらぁああああ。神奈川!!てめぇら生きて帰れると思うなやーーー。」
観客「負けたら、母ちゃんに慰めてもらえやーー。」
晴子「(キーーーー)プンプン。この雰囲気だいっきらい。」
桜木「はっはっは。弱虫どもが吠えてるな。」
彩子「この子はやっぱりすごいわね。この雰囲気に全く動じていない。」
そんな雰囲気の中、いよいよ試合が開始された。
(続く)
高頭「まぁ、昨日と同じだ。牧、赤木、仙道、流川、三井。しっかり頼むぞ。」
牧「赤木よ。スピードについて来いよ。」
赤木「フッ。愚問を。」
仙道「今日は味方だな。点取り勝負でもしてみるか?」
流川「てめぇには二度と負けねぇ。」
神「三井さん、いつでも代わりますからね。」
三井「おっ、おおっ。が、がんばってくるわ。
(神の奴、ちょっと雰囲気が変わったか?)」
牧「(神の奴、少し積極的になりつつあるか?いい傾向だな)」
その頃、大阪のメンバーがコートに現れた。
観客「くぉらーーーー、神奈川に負けたら許さへんでーー!」
観客「南ーーーー。しっかり頑張れよ!得点王になるんやでー。」
大阪からの大応援団だ。
岸本「アイツら相変わらずだな。」
南「あぁ、インターハイでは期待に応えられなかったからな。
それでも応援に来てくれているアイツらのためにも負けられねぇ。」
小学生「こらーーー、兄ちゃん達。今度は勝ってやー!」
岸本「ん、・・・あぁああああああ。」
南「き、北野さん。き、来てくれてはる。」
北野は、ミニバスの大会にかこつけて、小学生たちを連れて見に来たのだ。
北野「また、安西のところのガキどもと戦うとはな。
なぁ、安西。3人もスタメンになってるそうじゃねぇーか。」
安西「うん。うちの選手は、全国でも十分通用する実力があるから。」
北野「おっ、言うようになったじゃねぇか。
今回は、南達は前回の負けからしっかりと立て直してきたぞ。
アイツらの実力は、あんなもんじゃねぇぞ。
今日は楽しみに見させてもらう。」
隣で聞いていた彩子たちは小さな声で話をしていた。
彩子「晴子ちゃん、安西先生の横にいるおっさんはだれ?」
晴子「し、しらないです。てっきり彩子さんは知ってるのかと思った。」
北野「おっ。そこのあけぇの。怪我の具合はどうなんだ。
今回はでれねぇそうだな。」
桜木「誰?この貧相なオヤジは?」
北野「(ずーーーん。ひ、貧相なオヤジ?)」
晴子「さ、桜木君、言葉遣いに気を付けて!」
安西「ほっほっほ。北野君は私の大学の同級生ですよ。」
南「ん!?北野さんが湘北の赤いやつとなんか話をしてるな。」
岸本「まあ、関係あらへん。北野さんに2回も負けを見せるわけにはいかへんで。」
土屋「気合が入ってるな。今日は勝つで。ゲームのコントロールは俺がする。
お前ら豊玉メンバーは 点をしっかり取ってくれ。
遠藤、俺たちは、ディフェンスをしっかり頑張るぞ。」
遠藤は、大栄学園のセンターの2年生だ。リバウンドに定評がある194pのセンターで
大栄学園の大黒柱だ。
遠藤「うすっ。大栄の選手のすごいところを見せてやりましょう!」
土屋と遠藤でチームを引っ張りインターハイで大栄学園は勝ち上がったのだ。
土屋は遠藤に対して後輩ではあるが、安心感を持っていた。
土屋「あぁ、相手のセンターはゴリラみたいだが、負けんなよ。」
赤木「くしゅん。」
三井「どうした?風邪か?」
赤木「い、いや。大丈夫だ。」
神奈川もコート入りした。
観客「こらぁああああ。神奈川!!てめぇら生きて帰れると思うなやーーー。」
観客「負けたら、母ちゃんに慰めてもらえやーー。」
晴子「(キーーーー)プンプン。この雰囲気だいっきらい。」
桜木「はっはっは。弱虫どもが吠えてるな。」
彩子「この子はやっぱりすごいわね。この雰囲気に全く動じていない。」
そんな雰囲気の中、いよいよ試合が開始された。
(続く)
2015年06月12日
スラムダンク その後 〜Another Story 国体編 Part19 天才参上
晴子「桜木くーん。」
リハビリをしている桜木に声がかかる。
桜木「は、晴子さん。ど、どうしてここに?
(まさか、この天才が恋しくて?)」
彩子「なーにを期待してるのよ。さぁ、行くわよ。」
桜木「あ、彩子さん。ど、どうしてここに?」
彩子「何を同じ質問を繰り返しているのよ。さっさと用意して。」
筋肉オヤジ「はっはっは。かわいいねーちゃんがお見舞いに来てくれて興奮してんなー、赤坊主。」
桜木の主治医である筋肉オヤジが入ってきた。
筋肉オヤジ「安西のオヤジがお前を連れて試合を見に行きたいといってな。
最近、リハビリも頑張っているからちょっとしたご褒美だ。」
桜木「ぬ!?オヤジが?」
(ガチャ)
安西「おや、桜木君。聞いてなかったのかね?今から名古屋に出発ですよ。」
桜木「名古屋!?国体か?」
安西「そうです。明日の午後から神奈川代表と大阪代表の試合です。
湘北のメンバーの頑張りと冬の選手権に向けて、桜木君の課題を見つけに行きましょう。」
桜木「この天才に限って課題などなーーーい!」
晴子「桜木君、インターハイの時に、私が行ったことを覚えてる?
桜木君の成長することが一番、全国制覇に近づくのよ。
安西先生と一緒に行きましょう。(私も流川君を見に行きたいし。)」
桜木「は、晴子さん、行きましょう。行きましょう。」
筋肉オヤジ「ふっふっふ。そうと決まればこれが遠征中のリハビリメニューだ。
サボらずやってこい。」
桜木「これだけでいいのか?この天才には物足りない量だぞ。」
筋肉オヤジ「はっはっは。元気だな。それと、これも忘れるな!」
筋肉オヤジが差し出したのは、特製プロテインだった。
桜木「(どっどーーーん!)こ、これだけは・・・。」
桜木は、毎日飲まされている激マズ特製プロテインが大の苦手だった。
筋肉オヤジ「これで、良質な筋肉が構築されるんだ。さっきのメニューがすんだら
必ず飲むんだぞ。」
彩子「さあ、着替えも持ってきたんだから。神奈川メンバーが負けるまでは名古屋よ。
さあ急いで、バスに乗り込むわよ。」
安西がバスをチャーターしていた。
そんなやり取りがある病室で行われ、バスに向かうとそこには、陵南の田岡監督、福田が乗っていた。
桜木「フクちゃん!?」
田岡「あ、安西先生。このたびはご一緒させていただくことになりありがとうございます。」
安西「呉越同舟ですよ。これから湘北が強くなるには、陵南高校にも強くなってもらわねば困ります。
福田君。調子はどうですか?」
福田「・・・。歩けるくらいにはなったが、練習はまだだ。」
田岡「こ、こらっ!ちゃんと敬語を使え。」
安西「ほっほっほ。順調に回復して何よりです。それでは出発しましょう。」
(試合当日)
試合会場では、山王工業が一足先にベスト8を決めていた。
河田「さて、今日は注目だな。」
深津「神奈川がシードだが、大阪もなかなかやるピョン。
いい勝負になると思うピョン。」
そこへ、桜木が現れた。
河田「おおっ。赤坊主。怪我の具合はいいのか?」
桜木「ぬ。ま、丸ゴリ。この天才は、ケガなどに負けるはずがない。
今回は、3年生に花を持たせただけだ。
本来なら選ばれて当然だからな。」
河田「まぁ、ケガがそれほどでもなくてよかったな。
冬の選手権には出れそうだが。次は負けねぇぞ。」
桜木「はっはっは。せいぜい庶民どもはしっかり練習をしなさい。
天才に追いつくために。」
河田「相変わらずだな・・・。」
宮城「おっ!花道、どうしてここに?」
桜木「リョーちん。オヤジに連れてきてもらったんだ。」
彩子「リョータ。しっかり練習してる?」
宮城「あ、アヤちゃん。き、来てくれたの?手紙ありがとう!」
彩子「落ち込んでなくてしっかり頑張るのよ。
そして、冬の選手権も私を全国に連れていくこと!」
赤木「晴子!よく来たな。安西先生、どうもありがとうございます。」
安西「ほっほっほ。今日の試合は期待していますよ。
赤木君の頑張りに期待していますよ。」
そんな中、二人の人影が遅れて入ってきた。
流川と三井だ。二人ともあくびをしていた。
高頭「遅いぞ、二人とも。スタメンを外すことも検討しないとな。」
三井「さ、さっさ。こちらにお座りください。監督様」
宮城・清田「(ず、ずりぃ)」
高頭「まあよい。今日の試合は、思い切って走り回ってこい。
相手が得意としているラン&ガンで競り負けるな。」
高頭の言葉は続いた・・・。
(続く)
リハビリをしている桜木に声がかかる。
桜木「は、晴子さん。ど、どうしてここに?
(まさか、この天才が恋しくて?)」
彩子「なーにを期待してるのよ。さぁ、行くわよ。」
桜木「あ、彩子さん。ど、どうしてここに?」
彩子「何を同じ質問を繰り返しているのよ。さっさと用意して。」
筋肉オヤジ「はっはっは。かわいいねーちゃんがお見舞いに来てくれて興奮してんなー、赤坊主。」
桜木の主治医である筋肉オヤジが入ってきた。
筋肉オヤジ「安西のオヤジがお前を連れて試合を見に行きたいといってな。
最近、リハビリも頑張っているからちょっとしたご褒美だ。」
桜木「ぬ!?オヤジが?」
(ガチャ)
安西「おや、桜木君。聞いてなかったのかね?今から名古屋に出発ですよ。」
桜木「名古屋!?国体か?」
安西「そうです。明日の午後から神奈川代表と大阪代表の試合です。
湘北のメンバーの頑張りと冬の選手権に向けて、桜木君の課題を見つけに行きましょう。」
桜木「この天才に限って課題などなーーーい!」
晴子「桜木君、インターハイの時に、私が行ったことを覚えてる?
桜木君の成長することが一番、全国制覇に近づくのよ。
安西先生と一緒に行きましょう。(私も流川君を見に行きたいし。)」
桜木「は、晴子さん、行きましょう。行きましょう。」
筋肉オヤジ「ふっふっふ。そうと決まればこれが遠征中のリハビリメニューだ。
サボらずやってこい。」
桜木「これだけでいいのか?この天才には物足りない量だぞ。」
筋肉オヤジ「はっはっは。元気だな。それと、これも忘れるな!」
筋肉オヤジが差し出したのは、特製プロテインだった。
桜木「(どっどーーーん!)こ、これだけは・・・。」
桜木は、毎日飲まされている激マズ特製プロテインが大の苦手だった。
筋肉オヤジ「これで、良質な筋肉が構築されるんだ。さっきのメニューがすんだら
必ず飲むんだぞ。」
彩子「さあ、着替えも持ってきたんだから。神奈川メンバーが負けるまでは名古屋よ。
さあ急いで、バスに乗り込むわよ。」
安西がバスをチャーターしていた。
そんなやり取りがある病室で行われ、バスに向かうとそこには、陵南の田岡監督、福田が乗っていた。
桜木「フクちゃん!?」
田岡「あ、安西先生。このたびはご一緒させていただくことになりありがとうございます。」
安西「呉越同舟ですよ。これから湘北が強くなるには、陵南高校にも強くなってもらわねば困ります。
福田君。調子はどうですか?」
福田「・・・。歩けるくらいにはなったが、練習はまだだ。」
田岡「こ、こらっ!ちゃんと敬語を使え。」
安西「ほっほっほ。順調に回復して何よりです。それでは出発しましょう。」
(試合当日)
試合会場では、山王工業が一足先にベスト8を決めていた。
河田「さて、今日は注目だな。」
深津「神奈川がシードだが、大阪もなかなかやるピョン。
いい勝負になると思うピョン。」
そこへ、桜木が現れた。
河田「おおっ。赤坊主。怪我の具合はいいのか?」
桜木「ぬ。ま、丸ゴリ。この天才は、ケガなどに負けるはずがない。
今回は、3年生に花を持たせただけだ。
本来なら選ばれて当然だからな。」
河田「まぁ、ケガがそれほどでもなくてよかったな。
冬の選手権には出れそうだが。次は負けねぇぞ。」
桜木「はっはっは。せいぜい庶民どもはしっかり練習をしなさい。
天才に追いつくために。」
河田「相変わらずだな・・・。」
宮城「おっ!花道、どうしてここに?」
桜木「リョーちん。オヤジに連れてきてもらったんだ。」
彩子「リョータ。しっかり練習してる?」
宮城「あ、アヤちゃん。き、来てくれたの?手紙ありがとう!」
彩子「落ち込んでなくてしっかり頑張るのよ。
そして、冬の選手権も私を全国に連れていくこと!」
赤木「晴子!よく来たな。安西先生、どうもありがとうございます。」
安西「ほっほっほ。今日の試合は期待していますよ。
赤木君の頑張りに期待していますよ。」
そんな中、二人の人影が遅れて入ってきた。
流川と三井だ。二人ともあくびをしていた。
高頭「遅いぞ、二人とも。スタメンを外すことも検討しないとな。」
三井「さ、さっさ。こちらにお座りください。監督様」
宮城・清田「(ず、ずりぃ)」
高頭「まあよい。今日の試合は、思い切って走り回ってこい。
相手が得意としているラン&ガンで競り負けるな。」
高頭の言葉は続いた・・・。
(続く)
2015年06月07日
スラムダンク その後 〜Another Story 国体編 Part18 高揚と不満
大阪選抜との一戦を翌日に控えた旅館では、各高校ごとに部屋が分かれて泊まっていた。
湘北の部屋では当然責任者は赤木だった。
赤木「明日は、全力で勝ちに行くぞ!」
小さなころからの夢だった全国の舞台に優勝候補の一角として難敵と戦うことで気持ちが高揚していたのだ。
宮城「せいぜい神奈川代表として頑張ってください。」
宮城は少し拗ねていた。牧、藤真と二大巨頭が神奈川にはPGとして君臨し、
まして恩師である安西から現時点では、二人に及ばないと言われていたからだ。
事実、高頭もスタメンから外しており、格下の北海道戦ですら出番がなかった。
三井が珍しくまじめな顔をして話し始めた。
三井「宮城よ。いつまで拗ねているんだ。お前はまだ二年だ。
二年で神奈川代表に選ばれている奴がどのくらいいる?
中には一年で選ばれている例外もいるが、そんなのはまれだ。
選ばれていることだけでもすごいことだぞ。」
宮城「フン。試合に出られる人は言うことも立派ですね。」
三井「なんだと!っていつもなら怒るところだが、今日は安西先生から
手紙を預かっているんだ。こんな時に宮城に渡してくれと。」
宮城「安西先生が!?」
三井は宮城に手渡した。
(安西の手紙)
安西「宮城君。先日は厳しいことを言いましたね。ひょっとして落ち込んでいるのではと思い
この手紙を書きました。
先日君に言ったことは事実として受け止めてほしいと思います。
だが、君なら牧君を超えられる。そう思ったから、現実から目を背けてほしくないから
あえて厳しいことを言いました。
冬のインターハイがラストチャンスです。それを逃したら牧君、藤真君は卒業してしまいます。
来年は君の神奈川では君の天下になるでしょう。しかし、それでは湘北が全国制覇はできません。
君には神奈川NO1ではなく、全国NO1を目指してほしいのです。
それには、今年のうちに牧君を追い抜いてほしいのです。
国体はおそらく出番はないでしょう。
しかし、牧君のプレー、藤真君のプレーを直接見るまたとない機会です。
1秒たりとも無駄にせず目に焼き付け彼等の良いところや悪いところを見てください。
なんといっても湘北の切り込み隊長はあなたです。
成長して帰ってきてください。期待しています。」
宮城「・・・。あ、安西先生・・・。」
宮城は涙ぐんでいた。自分の心の狭さに苛立ちもあった。
その時、一枚の紙が落ちた。
宮城は拾った。
それは彩子からの手紙だった。
彩子「リョータ!あんたは、あんたのいいところがあるんだから。
誰かのまねをするんじゃなくてあんたのいいところでNO1になりなさい!」
短い文章だが宮城の心を打った。
宮城「アヤちゃん・・・。」
三井「安西先生から手紙をもらうなんていいなぁ・・・。なんて書いてあったんだ?」
宮城「これは、俺の宝物にするんだ。安西先生の期待に応えるまで誰にも話さねぇ。」
赤木「フッ。宮城の奴。吹っ切れたかな。ところで、流川の奴が見当たらんが
どこに行った?」
三井「ずっとそこで寝てるじゃないか!」
赤木「な、なにぃ!どこまでもなめた態度をとりおって。」
その時、部屋がノックされた。
藤真だった。
藤真「赤木、高頭監督が呼んでいる。監督室に来いと。」
赤木「高頭監督が?」
(監督室)
高頭「よく集まってくれた。招集した理由は他でもない大阪選抜戦についてだ。」
集められたメンバーは、牧、藤真、赤木だ。
高頭「赤木よ。湘北はこの夏、豊玉と対戦したがどういうイメージだ?」
赤木「はっ。豊玉は、最初はぎこちなかったですが、途中からペースを取り戻し
本来の姿を取り戻してからは、Aランクの評判通りの強さでした。
正直、最初から最後まであの勢いで来られたらやばかったかもしれません。」
高頭「やはりそうか。ちょっと集中力を欠いていたように見えたからな。」
牧「今回の大阪は、大栄学園の土屋が南、岸本、板倉という豊玉のスコアラー3人をうまく使ってくるだろう。」
藤真「南は、勢いに乗せたらちょっと怖いかもしれん。」
高頭「そうか、翔陽も昨年豊玉に負けているか。おっと、すまん。」
藤真「いえ、気にしないでください。」
牧「まあ、ケガさえしなければな。」
藤真「そう気にするな。負けたのは事実だ。
しかし、明日は厳しい試合になるだろう。
高さで勝負しようとしていますか?」
高頭「ん・・・。いや、ラン&ガンで勝負しようと思っておる。」
赤木「そ、それは、安西先生と同じ考えでしょうか?」
高頭「安西先生?」
赤木「そうです。安西先生が豊玉戦の前に、相手の得意な展開ででも勝てないと
山王には勝てないと。」
高頭「そうか。安西先生はあの試合の前に、そんなことを・・・。
しかし、半分正解で半分外れだ。」
藤真「私が監督でも同じ戦略をとります。
このチームは、高さでも勝負できなくはないが、スピードを活かすのが
一番いい。牧が捌いて、仙道、流川が活きる。
赤木がセンターでどっしり構えて、三井の長距離砲もある。」
高頭「(・・・。同じことを考えておったか。さすが監督もこなしているだけあるな。)」
牧「フ。何にせよ、明日は全力でプレーするのみだ。」
全国の注目の一戦が始まろうとしていた・・・。
(続く)
湘北の部屋では当然責任者は赤木だった。
赤木「明日は、全力で勝ちに行くぞ!」
小さなころからの夢だった全国の舞台に優勝候補の一角として難敵と戦うことで気持ちが高揚していたのだ。
宮城「せいぜい神奈川代表として頑張ってください。」
宮城は少し拗ねていた。牧、藤真と二大巨頭が神奈川にはPGとして君臨し、
まして恩師である安西から現時点では、二人に及ばないと言われていたからだ。
事実、高頭もスタメンから外しており、格下の北海道戦ですら出番がなかった。
三井が珍しくまじめな顔をして話し始めた。
三井「宮城よ。いつまで拗ねているんだ。お前はまだ二年だ。
二年で神奈川代表に選ばれている奴がどのくらいいる?
中には一年で選ばれている例外もいるが、そんなのはまれだ。
選ばれていることだけでもすごいことだぞ。」
宮城「フン。試合に出られる人は言うことも立派ですね。」
三井「なんだと!っていつもなら怒るところだが、今日は安西先生から
手紙を預かっているんだ。こんな時に宮城に渡してくれと。」
宮城「安西先生が!?」
三井は宮城に手渡した。
(安西の手紙)
安西「宮城君。先日は厳しいことを言いましたね。ひょっとして落ち込んでいるのではと思い
この手紙を書きました。
先日君に言ったことは事実として受け止めてほしいと思います。
だが、君なら牧君を超えられる。そう思ったから、現実から目を背けてほしくないから
あえて厳しいことを言いました。
冬のインターハイがラストチャンスです。それを逃したら牧君、藤真君は卒業してしまいます。
来年は君の神奈川では君の天下になるでしょう。しかし、それでは湘北が全国制覇はできません。
君には神奈川NO1ではなく、全国NO1を目指してほしいのです。
それには、今年のうちに牧君を追い抜いてほしいのです。
国体はおそらく出番はないでしょう。
しかし、牧君のプレー、藤真君のプレーを直接見るまたとない機会です。
1秒たりとも無駄にせず目に焼き付け彼等の良いところや悪いところを見てください。
なんといっても湘北の切り込み隊長はあなたです。
成長して帰ってきてください。期待しています。」
宮城「・・・。あ、安西先生・・・。」
宮城は涙ぐんでいた。自分の心の狭さに苛立ちもあった。
その時、一枚の紙が落ちた。
宮城は拾った。
それは彩子からの手紙だった。
彩子「リョータ!あんたは、あんたのいいところがあるんだから。
誰かのまねをするんじゃなくてあんたのいいところでNO1になりなさい!」
短い文章だが宮城の心を打った。
宮城「アヤちゃん・・・。」
三井「安西先生から手紙をもらうなんていいなぁ・・・。なんて書いてあったんだ?」
宮城「これは、俺の宝物にするんだ。安西先生の期待に応えるまで誰にも話さねぇ。」
赤木「フッ。宮城の奴。吹っ切れたかな。ところで、流川の奴が見当たらんが
どこに行った?」
三井「ずっとそこで寝てるじゃないか!」
赤木「な、なにぃ!どこまでもなめた態度をとりおって。」
その時、部屋がノックされた。
藤真だった。
藤真「赤木、高頭監督が呼んでいる。監督室に来いと。」
赤木「高頭監督が?」
(監督室)
高頭「よく集まってくれた。招集した理由は他でもない大阪選抜戦についてだ。」
集められたメンバーは、牧、藤真、赤木だ。
高頭「赤木よ。湘北はこの夏、豊玉と対戦したがどういうイメージだ?」
赤木「はっ。豊玉は、最初はぎこちなかったですが、途中からペースを取り戻し
本来の姿を取り戻してからは、Aランクの評判通りの強さでした。
正直、最初から最後まであの勢いで来られたらやばかったかもしれません。」
高頭「やはりそうか。ちょっと集中力を欠いていたように見えたからな。」
牧「今回の大阪は、大栄学園の土屋が南、岸本、板倉という豊玉のスコアラー3人をうまく使ってくるだろう。」
藤真「南は、勢いに乗せたらちょっと怖いかもしれん。」
高頭「そうか、翔陽も昨年豊玉に負けているか。おっと、すまん。」
藤真「いえ、気にしないでください。」
牧「まあ、ケガさえしなければな。」
藤真「そう気にするな。負けたのは事実だ。
しかし、明日は厳しい試合になるだろう。
高さで勝負しようとしていますか?」
高頭「ん・・・。いや、ラン&ガンで勝負しようと思っておる。」
赤木「そ、それは、安西先生と同じ考えでしょうか?」
高頭「安西先生?」
赤木「そうです。安西先生が豊玉戦の前に、相手の得意な展開ででも勝てないと
山王には勝てないと。」
高頭「そうか。安西先生はあの試合の前に、そんなことを・・・。
しかし、半分正解で半分外れだ。」
藤真「私が監督でも同じ戦略をとります。
このチームは、高さでも勝負できなくはないが、スピードを活かすのが
一番いい。牧が捌いて、仙道、流川が活きる。
赤木がセンターでどっしり構えて、三井の長距離砲もある。」
高頭「(・・・。同じことを考えておったか。さすが監督もこなしているだけあるな。)」
牧「フ。何にせよ、明日は全力でプレーするのみだ。」
全国の注目の一戦が始まろうとしていた・・・。
(続く)
2015年06月04日
スラムダンク その後 〜Another Story 国体編 Part17 初戦
高頭はさらに続けた。
高頭「今回の神奈川選抜の目標は何だ?」
清田「もちろん優勝です!」
高頭「そうだ。優勝が目標だ。優勝できなければ、海南単独チームを捨てた意味がない。
私は心を鬼にしてでも優勝を狙いに行く。」
高頭の厳しい一言に、皆、我に返った。
自分たちは遊びに名古屋まで来たわけではない。
バスケをしに、優勝するためにここまで来たことを思い出した。
藤真「いつでもスタメンを代わってやるぞ。」
牧「フッ。藤真よ、今回はお前の出番はないぞ。」
赤木「全国制覇をするために全力を尽くすしかない。」
三井「まあ、そういうこった。湘北のメンバーが3人もスタメンだ。
責任重大だな。」
流川「関係ないっす。」
彦一「仙道さん。このチームの中では、どんな役割になるんやろか?
流川君がおるからそれほど点取りにいかんでもよさそうやけど、
PGには牧さんもおられるし。」
仙道「まあ、なるようになるさ。流川と得点争いをするのも
面白いかもな?」
流川「ぜってぇまけねぇ。」
そんなやり取りが行われていた1日後、とうとう高見沢高校との試合が始まった。
牧「ぶっちぎるぞ!」
赤木「おぉ!」
ティップオフは、赤木が制した。
観客「おぉーーー、たけぇ。」
そのボールを素早く流川がキャッチした。
高見沢高校のSFの立川が流川のマークについた。
立川「君が流川君か。全日本ジュニアに選ばれたすごい1年生なん・・・?」
ッとしゃべっている間に、あっという間に流川が抜き去っていた。
立川「ええっ!」
難なく流川がレイアップシュートを決めた。
立川「き、汚ねぇ。」
流川「フン。」
高見沢高校の攻撃が開始された。
彦一「おおっ。いきなり仙道さんのスチールや!!」
仙道「ソッコー。」
仙道から矢のようなパスが牧に。
牧は、自ら切れ込みゴールを決めた。
神奈川 4
北海道 0
高見沢高校の監督 富田は、声をかけた。
富田「一旦落ち着け。自分たちの持ち味のチームワークで対応するんだ。」
しかし、監督の富田自身が焦っていた。
富田「(さすがに、強いな。)」
時間がたつにつれ、実力の差が顕著になってきた。
立川「はぁ、はぁ。こ、こんなに離されるのか・・・。」
第4Q も残り3分になると点差は想像以上に開いていた。
神奈川 102
北海道 36
弥生「ここまで開くのね。」
中村「さすがですね。この勢い。神奈川は優勝候補に挙がるだけありますね。」
弥生「・・・。(仙道君、イカすわー)」
その頃、大阪選抜は
岸本「さぁ、帰ろうぜ。何の参考にもならん。実力差が離れすぎてる。」
南「あぁ、そうだな。流川の奴は、ますますうまくなっているな。何とかアイツを止めないとな。」
岸本「まあ、大したことあらへん。この間は油断して負けただけや。今回は俺らの相手ではないわー。」
土屋「・・・。しかし、強いな。牧、流川だけをマークしておけばよいかと思っていたが、
このチームは高さもある。赤木もパワーがあるし。
これは、楽な試合にはならんわ。あの仙道とかいうやつも目立たんけど、時折、センスある
プレーをしてるわー。」
岸本「けっ。心配屋さんやなぁ。明日は俺が活躍して神奈川のメンバーをびっくりさせてやるわー。」
((ピピーーー))
試合が終わった。
最終的に、84点という大差がついた。
神奈川 124
北海道 40
高頭「よーし、よくやった。」
高頭は、なんとこの試合メンバーをほとんど入れ替えなかったのだ。
三井「はぁ、はぁ。しかし、なぜこんなに大差がついたのに、選手を交代しなかったんだ。」
赤木「ハァ、ハァ。わからん。」
宮城「ちっ。出番なしかよ。」
高頭は続けた。
高頭「この試合は実力差があり過ぎた。せめて、スタミナが切れた際でも
ちゃんと動けるかという課題を与えようと思ったが、あまり効果がなかったな。
(しかし、相手が弱いとはいえ、このチームは思ったより連携がよいな。)」
高頭は、満足だった。そして、メンバーを慰労し、宿舎へ帰った。
(続く)
2015年05月30日
スラムダンク その後 〜Another Story 国体編 Part16 苦渋の選択
高頭は、続けた。
高頭「北海道 高見沢高校は、ハッキリ言ってとびぬけた選手はいない。
サイズも大きくない。チームワークで勝ち上がってきたチームだ。
大阪混成チームの仮想チームとしては、少々物足りないが、
チームカラーは同じようなものだ。」
彦一「さすが、監督さん。要チェックノートをよく見て下さってはる。」
高頭「明日は、圧勝して次の大阪戦に弾みをつけるぞ!
スタメンを発表する。
牧、赤木、仙道、流川、三井。
この5人だ。」
神「・・!!」
清田「じ、神さん。」
彦一「か、神奈川得点王の神さんが外れた?」
三井「よっしゃーーー!さすが、海南の監督は見る目があるぜ!」
神がスタメンを外れた・・・。
少なからずチーム内に衝撃が走った。
2年生とはいえ、神奈川の得点王であり、監督も海南の監督である高頭。
神がスタメンであることは当確と思われていたからだ。
高砂「・・・。神よ、お前のことだからわかっていると思うが、
スタメンがすべてじゃないぞ。」
神「わかってます。」
神もうすうす感づいていたのだ。練習試合で見せた三井の勝負強さと
勢いに乗った際に手が付けられなくなる感じ、チームに勢いを乗せるためには、
自分より三井の方が向いているのではないかと。
高砂「神、三井の調子がイマイチだったら、すぐに出番があるぞ。
気を抜かず、調子を整えておけよ。」
牧「・・・。(神を外したか・・・)。」
高頭苦渋の選択だった。
大会前・・・。
安西監督と田岡監督のと高頭監督との三者会議が行われていた。
田岡「高頭よ。スタメンはどう考える?ポイントガードはどうする?
やはり、牧か?」
安西「神奈川NO1のガードは紛れもなく牧君です。
藤真君も双璧をなす実力の持ち主ですが、夏のインターハイの
経験が大きい。今は牧君が一歩リードしている。
宮城君も現時点では二人に及ばない。」
田岡「安西先生・・・。先生にそういってもらえてホッとしました。
藤真もこのチームに思ったよりフィットしていたので、
少し悩んでいました。」
田岡「安西先生!
SGは、どう思われますか?先生の秘蔵っ子の三井と神ですが。」
安西「私が監督なら三井君を選びます。
ブランクがあったため、自信を無くしていたが、今は自信をもってプレーができている。
スタミナ切れもほぼ心配ないくらい鍛えています。もともと持っていたセンスが
さらに磨かれています。
ひょっとするとこの国体。一番のキーマンになるかもと思っています。」
高頭「・・・そうですか。
私は、神の安定感の方が監督として安心感があります。采配を振るいやすい。」
田岡「安西先生。高頭。どちらとも対戦したことがある第三者の立場から言わせてもらうと、
神は確かに安定している。3Pも外さない。しかしな。怖さがない。
相手チームからすると何とかなる気がするんだ。まあ、予選では止められなかったんだが・・・。
しかし、三井は正直怖かった。
止められる気がしなかった。あとからポイントを見てみると、そこまで
点を取られていなかったんだがな。」
高頭「・・・そうですか。」
安西「しかし、神君もいい選手なのは間違いない。」
高頭「・・・、考えさせて下さい。」
高頭は、神の努力を知っていた。天性の才能に努力が負けるということは、海南の
バスケを否定することでもあった。
高頭はこのやり取りの後、海南に戻り、牧とも話をしていた。
高頭「牧よ。三井をどう思う?」
牧「三井ですか?」
高頭「やりやすかったか?」
牧「そうですね・・・。やりやすいというのとは違いますが、頼もしかったですね。
神は、こっちがうまく捌いてやるっていうイメージですが、三井は、いい意味で対等。
要求もしてくるし、こちらが思いつかないようなことをやってくれます。」
高頭「・・・。そうか。」
牧は、この時に、監督の悩みを理解した。そして、神を外すのではないかということも
感じていた。
(続く)
高頭「北海道 高見沢高校は、ハッキリ言ってとびぬけた選手はいない。
サイズも大きくない。チームワークで勝ち上がってきたチームだ。
大阪混成チームの仮想チームとしては、少々物足りないが、
チームカラーは同じようなものだ。」
彦一「さすが、監督さん。要チェックノートをよく見て下さってはる。」
高頭「明日は、圧勝して次の大阪戦に弾みをつけるぞ!
スタメンを発表する。
牧、赤木、仙道、流川、三井。
この5人だ。」
神「・・!!」
清田「じ、神さん。」
彦一「か、神奈川得点王の神さんが外れた?」
三井「よっしゃーーー!さすが、海南の監督は見る目があるぜ!」
神がスタメンを外れた・・・。
少なからずチーム内に衝撃が走った。
2年生とはいえ、神奈川の得点王であり、監督も海南の監督である高頭。
神がスタメンであることは当確と思われていたからだ。
高砂「・・・。神よ、お前のことだからわかっていると思うが、
スタメンがすべてじゃないぞ。」
神「わかってます。」
神もうすうす感づいていたのだ。練習試合で見せた三井の勝負強さと
勢いに乗った際に手が付けられなくなる感じ、チームに勢いを乗せるためには、
自分より三井の方が向いているのではないかと。
高砂「神、三井の調子がイマイチだったら、すぐに出番があるぞ。
気を抜かず、調子を整えておけよ。」
牧「・・・。(神を外したか・・・)。」
高頭苦渋の選択だった。
大会前・・・。
安西監督と田岡監督のと高頭監督との三者会議が行われていた。
田岡「高頭よ。スタメンはどう考える?ポイントガードはどうする?
やはり、牧か?」
安西「神奈川NO1のガードは紛れもなく牧君です。
藤真君も双璧をなす実力の持ち主ですが、夏のインターハイの
経験が大きい。今は牧君が一歩リードしている。
宮城君も現時点では二人に及ばない。」
田岡「安西先生・・・。先生にそういってもらえてホッとしました。
藤真もこのチームに思ったよりフィットしていたので、
少し悩んでいました。」
田岡「安西先生!
SGは、どう思われますか?先生の秘蔵っ子の三井と神ですが。」
安西「私が監督なら三井君を選びます。
ブランクがあったため、自信を無くしていたが、今は自信をもってプレーができている。
スタミナ切れもほぼ心配ないくらい鍛えています。もともと持っていたセンスが
さらに磨かれています。
ひょっとするとこの国体。一番のキーマンになるかもと思っています。」
高頭「・・・そうですか。
私は、神の安定感の方が監督として安心感があります。采配を振るいやすい。」
田岡「安西先生。高頭。どちらとも対戦したことがある第三者の立場から言わせてもらうと、
神は確かに安定している。3Pも外さない。しかしな。怖さがない。
相手チームからすると何とかなる気がするんだ。まあ、予選では止められなかったんだが・・・。
しかし、三井は正直怖かった。
止められる気がしなかった。あとからポイントを見てみると、そこまで
点を取られていなかったんだがな。」
高頭「・・・そうですか。」
安西「しかし、神君もいい選手なのは間違いない。」
高頭「・・・、考えさせて下さい。」
高頭は、神の努力を知っていた。天性の才能に努力が負けるということは、海南の
バスケを否定することでもあった。
高頭はこのやり取りの後、海南に戻り、牧とも話をしていた。
高頭「牧よ。三井をどう思う?」
牧「三井ですか?」
高頭「やりやすかったか?」
牧「そうですね・・・。やりやすいというのとは違いますが、頼もしかったですね。
神は、こっちがうまく捌いてやるっていうイメージですが、三井は、いい意味で対等。
要求もしてくるし、こちらが思いつかないようなことをやってくれます。」
高頭「・・・。そうか。」
牧は、この時に、監督の悩みを理解した。そして、神を外すのではないかということも
感じていた。
(続く)
2015年05月24日
スラムダンク その後 〜Another Story 国体編 Part15 初戦の相手
その頃、神奈川チームは、
高頭「よーし、集合だ。」
高頭が集合をかけていた。
高頭「いよいよ、この後、開会式だ。そしてその後、第2会場へ移動だ。
お前たちが2回戦で当たる対戦相手の研究だ。」
宮城「北海道の高見沢と福井選抜の勝者と当たるのか。
どっちもインターハイでは1回戦で負けているレベルだ。
大したことねーな。」
三井「まっ、そうだな。俺たちなんといっても第2シードだからな。」
赤木「馬鹿もん!!油断大敵だ。」
赤木が怒鳴った。
しかし、珍しく高頭が
高頭「確かに、初戦は問題ないだろう。ほぼ間違いなく勝てる。」
智将高頭がここまで断言することは滅多になかった。
選手に対する戒めをいうことが多かったからだ。
牧、高砂が見たことがない高頭だった。
高頭は続けた。
高頭「問題は次だ。ほぼ間違いなく大阪が上がってくるだろう。」
ベスト4に入った土屋率いる大栄学園と湘北が勝った豊玉の混成チームだ。
藤真「大阪か・・・。」
藤真は豊玉の南を思い出していた。
昨年のインターハイでひじ打ちを食らった因縁の相手だ。
花形「まあ、そう熱くなるなよ。まずは初戦突破してからだ。」
と翔陽チームが話している一方で、
彦一「おおーー。負けられへんで〜。仙道さん、この大阪の土屋は要チェックですよ。
仙道さんとタイプが似てはるんですわー。前に言ったでしょ?」
仙道「・・・。そうだっけ?」
彦一「(どっどーーーん!)ひ、ひどすぎまっせ!」
池上「ま、まぁそういうな。お前のチェック量がハンパなく多いからこっちも整理が大変なんだ。」
湘北チームは、
宮城「豊玉の奴らは、俺たちの敵じゃなかったしな。NO1ガードの俺様の敵じゃなかった。」
三井「俺様の3Pで勝負を決めるかな?」
清田「どっちも補欠のくせに・・・。」(ボソッ)
三井・宮城「ああぁあああ!」
清田「な、なんで聞こえるんだよ。なんて地獄耳なんだ。」
赤木「すまんな。牧」
牧「いや、お互い様だ。しかし、大阪戦は、期待してるぜ。
平面の勝負じゃなくて、高さの勝負にしていきたいからな。」
そんなやり取りの中、開会式が開催された・・・。
昨年の優勝校、山王工業による優勝旗返還が行われた。
赤木「あれが、全国制覇の証か。今度こそ悔いは残さんぞ。」
ひそかに、牧と藤真も心に秘めるものがあった。
3年生にとって国体も最後の大会の一つだからだ。
三井もひそかに考えていた。
何とか活躍して、大学の推薦を勝ち取りたいと。
勉強では決して大学の道がないため、バスケで行くしかないと。
まだ、バスケをやめたくない。棒に振った2年間はまだ取り戻せていないと考えていた。
そんなこんなで、開会式も終わり、第2会場へ足を運んだ。
初戦の相手が決まった。
宮城「北海道が次の相手か。特に目立った選手もいなかったな。問題は、誰がスタメンかだ。」
三井「まあ、お前は今年は勉強だ。安西先生にも言われたんだろ?牧に勝てないって。」
宮城「くっ!安西先生は今はって言ったんですっ!すぐに追い抜いてやる。三井さんこそ、
神がチームAでしたよ。出れる保証はないんじゃないんですか?」
三井「くっ!お、俺は神なんか相手じゃねぇ。スーパースターの俺が出なくてどうするんだ。」
三井・宮城「どう思う?流川?」
流川「・・・。なんとも。」
三井・宮城「き、聞いた相手が悪かった。」
そんな中、高頭が
高頭「よーし。北海道戦のスタメンを発表するか。」
(続く)
高頭「よーし、集合だ。」
高頭が集合をかけていた。
高頭「いよいよ、この後、開会式だ。そしてその後、第2会場へ移動だ。
お前たちが2回戦で当たる対戦相手の研究だ。」
宮城「北海道の高見沢と福井選抜の勝者と当たるのか。
どっちもインターハイでは1回戦で負けているレベルだ。
大したことねーな。」
三井「まっ、そうだな。俺たちなんといっても第2シードだからな。」
赤木「馬鹿もん!!油断大敵だ。」
赤木が怒鳴った。
しかし、珍しく高頭が
高頭「確かに、初戦は問題ないだろう。ほぼ間違いなく勝てる。」
智将高頭がここまで断言することは滅多になかった。
選手に対する戒めをいうことが多かったからだ。
牧、高砂が見たことがない高頭だった。
高頭は続けた。
高頭「問題は次だ。ほぼ間違いなく大阪が上がってくるだろう。」
ベスト4に入った土屋率いる大栄学園と湘北が勝った豊玉の混成チームだ。
藤真「大阪か・・・。」
藤真は豊玉の南を思い出していた。
昨年のインターハイでひじ打ちを食らった因縁の相手だ。
花形「まあ、そう熱くなるなよ。まずは初戦突破してからだ。」
と翔陽チームが話している一方で、
彦一「おおーー。負けられへんで〜。仙道さん、この大阪の土屋は要チェックですよ。
仙道さんとタイプが似てはるんですわー。前に言ったでしょ?」
仙道「・・・。そうだっけ?」
彦一「(どっどーーーん!)ひ、ひどすぎまっせ!」
池上「ま、まぁそういうな。お前のチェック量がハンパなく多いからこっちも整理が大変なんだ。」
湘北チームは、
宮城「豊玉の奴らは、俺たちの敵じゃなかったしな。NO1ガードの俺様の敵じゃなかった。」
三井「俺様の3Pで勝負を決めるかな?」
清田「どっちも補欠のくせに・・・。」(ボソッ)
三井・宮城「ああぁあああ!」
清田「な、なんで聞こえるんだよ。なんて地獄耳なんだ。」
赤木「すまんな。牧」
牧「いや、お互い様だ。しかし、大阪戦は、期待してるぜ。
平面の勝負じゃなくて、高さの勝負にしていきたいからな。」
そんなやり取りの中、開会式が開催された・・・。
昨年の優勝校、山王工業による優勝旗返還が行われた。
赤木「あれが、全国制覇の証か。今度こそ悔いは残さんぞ。」
ひそかに、牧と藤真も心に秘めるものがあった。
3年生にとって国体も最後の大会の一つだからだ。
三井もひそかに考えていた。
何とか活躍して、大学の推薦を勝ち取りたいと。
勉強では決して大学の道がないため、バスケで行くしかないと。
まだ、バスケをやめたくない。棒に振った2年間はまだ取り戻せていないと考えていた。
そんなこんなで、開会式も終わり、第2会場へ足を運んだ。
初戦の相手が決まった。
宮城「北海道が次の相手か。特に目立った選手もいなかったな。問題は、誰がスタメンかだ。」
三井「まあ、お前は今年は勉強だ。安西先生にも言われたんだろ?牧に勝てないって。」
宮城「くっ!安西先生は今はって言ったんですっ!すぐに追い抜いてやる。三井さんこそ、
神がチームAでしたよ。出れる保証はないんじゃないんですか?」
三井「くっ!お、俺は神なんか相手じゃねぇ。スーパースターの俺が出なくてどうするんだ。」
三井・宮城「どう思う?流川?」
流川「・・・。なんとも。」
三井・宮城「き、聞いた相手が悪かった。」
そんな中、高頭が
高頭「よーし。北海道戦のスタメンを発表するか。」
(続く)
2015年05月23日
スラムダンク その後 〜Another Story 国体編 Part14 会場入り
今年の国体は、愛知県で開催される。
そう、優勝候補の一つである愛知県であり今大会の第1シードだ。
夏のインターハイを制した名朋工業、ベスト4の愛和学院の混成チームだ。
そして、神奈川は、海南がインターハイで準優勝したため、第2シードに選ばれていた。
宮城「全国で第2シードになるとは。秋田より上だぜ。」
三井「まあ、俺たちが山王を破ったからだな。」
赤木「馬鹿もん!単純に海南が2位になったからだ。図に乗るな!」
そういう赤木の顔もまんざらではない。今までは、県予選を突破することすらなかった
自分達が選抜チームとはいえ、第2シードなのだ。
第3シードが福岡。夏のインターハイでベスト4だった博多商大付属の単独チームだ。
そして第4シードが秋田。
なんと、今年は山王工業単体チームではなかった。
そうはいっても、山王工業に一人他校の選手が加わっただけだが・・・。
その選手は、堂本監督が自ら進言し、チームに引き入れたのだ。
秋田県予選時のその選手のプレーがあまりにも華麗で、沢北と同じ匂いを感じ取ったのだ。
その選手の名は、秋田大付属高校2年生の中山だ。
中山「僕、山王工業のプレーについていけますかね?」
堂本「フッ。中山よ、合宿でのお前のプレーは、うちの選手たちと差がなかっただろう。
もっと自信を持て!」
中山「ええっ!じ、自信もっていいんですか?本当に!?やったー天下の山王の監督に褒められたーーー!」
深津「中山、少し静かにするピョン。・・・ピニョン。」
松本「(また、間違えた。ピョンのままでいいのに。)」
深津は、他校の選手が入ることに少し不満を持っていた。
しかし、それこそが堂本の狙いの一つでもあった。
堂本は、夏のインターハイで負けたことで、練習自体はしっかり行っていたが、テンションが
あがらないメンバー達に喝を入れるためとアメリカに留学するため、今大会に参加しない沢北の
戦力を補うこともその狙いの一つだった。
弥生「要チェックやわ。あの山王がいくらインターハイで敗れたとはいえ、混成チームで来るとは
想像もつかへんかったわー。」
中村「確かに要チェックですね。」
(バシッ!!)
中村「痛ッ!」
弥生「なーにが、要チェックですねよ。あんたがその言葉を使うのは10年早いわ。
もう少し言葉を選びなさい!」
中村「そ、そんなこといったって。」
弥生「しかし、沢北君がアメリカに行って戦力ダウンだと思うんだけど、中山っていう選手が
どの程度やるか気になるわね。」
中村「昨日、調べたところ、山王工業と県大会であたっているんですよね。
その際に、秋田大付属は、120-58で敗れているんですが、その58点中42点が
中山選手が決めているみたいです。」
弥生「何が昨日調べたよ。そんなのは記者なら知っていて当然よ。
大差で負けているから気にもしなかったけど、あの山王工業から42点も取ったってすごいわね。
この大会出番があれば要チェックね。」
(続く)
そう、優勝候補の一つである愛知県であり今大会の第1シードだ。
夏のインターハイを制した名朋工業、ベスト4の愛和学院の混成チームだ。
そして、神奈川は、海南がインターハイで準優勝したため、第2シードに選ばれていた。
宮城「全国で第2シードになるとは。秋田より上だぜ。」
三井「まあ、俺たちが山王を破ったからだな。」
赤木「馬鹿もん!単純に海南が2位になったからだ。図に乗るな!」
そういう赤木の顔もまんざらではない。今までは、県予選を突破することすらなかった
自分達が選抜チームとはいえ、第2シードなのだ。
第3シードが福岡。夏のインターハイでベスト4だった博多商大付属の単独チームだ。
そして第4シードが秋田。
なんと、今年は山王工業単体チームではなかった。
そうはいっても、山王工業に一人他校の選手が加わっただけだが・・・。
その選手は、堂本監督が自ら進言し、チームに引き入れたのだ。
秋田県予選時のその選手のプレーがあまりにも華麗で、沢北と同じ匂いを感じ取ったのだ。
その選手の名は、秋田大付属高校2年生の中山だ。
中山「僕、山王工業のプレーについていけますかね?」
堂本「フッ。中山よ、合宿でのお前のプレーは、うちの選手たちと差がなかっただろう。
もっと自信を持て!」
中山「ええっ!じ、自信もっていいんですか?本当に!?やったー天下の山王の監督に褒められたーーー!」
深津「中山、少し静かにするピョン。・・・ピニョン。」
松本「(また、間違えた。ピョンのままでいいのに。)」
深津は、他校の選手が入ることに少し不満を持っていた。
しかし、それこそが堂本の狙いの一つでもあった。
堂本は、夏のインターハイで負けたことで、練習自体はしっかり行っていたが、テンションが
あがらないメンバー達に喝を入れるためとアメリカに留学するため、今大会に参加しない沢北の
戦力を補うこともその狙いの一つだった。
弥生「要チェックやわ。あの山王がいくらインターハイで敗れたとはいえ、混成チームで来るとは
想像もつかへんかったわー。」
中村「確かに要チェックですね。」
(バシッ!!)
中村「痛ッ!」
弥生「なーにが、要チェックですねよ。あんたがその言葉を使うのは10年早いわ。
もう少し言葉を選びなさい!」
中村「そ、そんなこといったって。」
弥生「しかし、沢北君がアメリカに行って戦力ダウンだと思うんだけど、中山っていう選手が
どの程度やるか気になるわね。」
中村「昨日、調べたところ、山王工業と県大会であたっているんですよね。
その際に、秋田大付属は、120-58で敗れているんですが、その58点中42点が
中山選手が決めているみたいです。」
弥生「何が昨日調べたよ。そんなのは記者なら知っていて当然よ。
大差で負けているから気にもしなかったけど、あの山王工業から42点も取ったってすごいわね。
この大会出番があれば要チェックね。」
(続く)