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2021年04月19日

スラムダンク その後 〜Another Story 国体編 Part80 ホイッスル


神奈川 90

秋田  92


牧は、ずっと考えていた。


日本一になるにはどうすればよいかを。2年のインターハイでベスト4になってからずっとだ。


それには、自分がインサイドでかき乱し、アウトサイドで強力な3Pシューターが射貫くという


ゲームプランが必要だと。


3Pが決まれば守備が広がり、自分自身が活動しやすくなるし、自分にマークが集まれば


3Pシューターは、マークが薄くなり、高確率でシュートを決められる。


その牧が描いた戦略を実行するには、神の成長が不可欠であり、その期待に答えたのも


神だった。


三井、藤真、仙道と強力なシューターがそろった神奈川を代表するメンバーが揃っていても


その信頼は薄れるものではなかった。



牧から、矢のようなパスが神へ放たれた。


一ノ倉がそれに反応し、素早く神へ体を寄せる。


神は、会場の熱気とは裏腹に恐ろしいまでに静かにシュート体制に入った。


一ノ倉は必死に、ゴールと神の間の直線をふさいだ。


しかし、神は、躊躇することなくシュートを放った。


一ノ倉「なに、このコースでは入らないはず・・・。」



瞬間(とき)がとまろうとしていた。



しかし、その静寂は、一瞬でかき消された。



それはシュートではなく、パスだったのだ。


空中にあるボールに一本の手が伸びてきた。


仙道の右手だ!


ゴール前に駆け寄った仙道が神のはなったパスをそのままリングに叩き込んだ!!


仙道「よっしゃ!」




神奈川 92

秋田  92




彦一「ア、アンビリーバブルや」



三井「や、やりやがった」



藤真「ふー、ギリギリだな。」



そう、高頭は何重にも作戦を立てていたのだ。



3Pシュータが多くはいることで、外に警戒がいく。



そこで牧が決められるようなら切り込んで決める。


牧にマークが集中するようなら、神の3Pで勝負をかける。


最後に、神にもマークがくれば、守備が外に向いている状態なので


インサイドはマークが薄くなるので、仙道が決める。


こういったプランを立てていたのだ。


しかし、どれも紙一重の作戦だ。まして、相手は王者。


1回こっきりのチャンスでうまくいくかハッキリ言って100%の自信があったわけではなかった。



結果的にも考えていたシナリオの最終段階まで追い詰められた。


が、選手たちを信じて送り出したのだ。



桜木「戻れーーーーーー。ヤマオーは狙ってくるぞ。」



桜木は、学習していた。



残り5秒。秋田は、守りを固めた神奈川を崩すことができず、ホイッスルが鳴った。




牧「延長か・・・。」



河田「仙道か。沢北みてーな奴だな。延長では俺が相手してやる。」



思った以上に、秋田に落ち込みはなかった。



むしろ、まだ試合を楽しめるという高揚感もあったのだ。



彼らは常勝軍団であり、大学生と試合をしても勝ってしまうため、


こういった緊迫した試合は楽しくて仕方がないのだ。



長き戦いは延長戦へともつれ込んだ・・・。











(続く)
posted by だんす at 00:43 | Comment(0) | TrackBack(0) | 国体編
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