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2022年06月10日
そして、馬に
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さて、充分な大人の恋の顛末は
今日、決着がつくことになった
今朝、9時過ぎに女性の家族から電話がかかってきた
「昨日の夜、電話が入ってきたんです」
（夜？）
時間帯は遅出の見回りの15分前
遅出が女性と男性の部屋の施錠をする、直前の隙間時間である
「どっちの部屋からか、わからへんかったけど、自分の部屋に戻るよう言ったんです。もうこんな事してたらダメですよね？」
現状を伝え、フロアの違う部屋へ移す事を約束しているとはいえ
居ても立っても居られなかったようで
「今から、そちらへ伺った方がいいですよね？」という
約束は午後にして
まずは2人に確認することにした
男性の方は、痴話喧嘩でもした後だったのか
「あいつは、あかん。わしもそう思うとるで」といい
今後一切、部屋にも立ち入らないと言い切った
女性の方は、何を聞いても天然キャラなので
「そうなん？まあ、困ったわあ」と笑っている
とにかく、家族の訪問を待ち、急遽会議を開催することになった
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午後、約束の時間よりも前に家族が到着し
フロアのデイルームに向かう
待っているはずの女性はおらず、担当スタッフが部屋に呼びに行く
今年度の担当スタッフは20代の女性介護職員
どちらかというとぼんやりキャラの穏やかな子だが、
大きな叱り声と共に、歩行器を押す女性を連れて
顔を赤らめ、怒りながらデイルームに戻ってきた
「2人で、鍵を閉めて部屋にいました。Bさん（男性）が部屋に入り込んで、ベッドに座っています！」
ああ
よりによって、女性の家族が話し合いにきたときに
現場を押さえられる不幸な2人
仕方ないので、Bさんを自分の部屋に戻すべく、部屋に向かうと
Bさんはくつろいだ体勢で、女性の部屋のベッドに横になっている
ああ、本当にもう
その後の話し合いでは
部屋の空きを待つまでの間は
小規模多機能の泊まり部屋で、夜は過ごす
男性とは今後一切、一緒に居させないようにしてほしい
日中も必ず職員の目の届くところで過ごさせてほしい、と
要望されてしまった
そして、本人は
「あんたが悪いんやで！」ときつく叱られていた
荷物を移動し、部屋の引っ越しを行い
スタッフ全員に情報共有し
そして私は
馬にけられる役目になった
最初っから
覚悟していたけどね
2022年06月06日
充分な大人の‥
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自由でいられること
これが、自分が生きる上で譲れないことだと考えてきた
だから、他の人の自由への渇望に対しても
寛容でいられると思っていた
けれど、そうではないと思うこともある
自由と無謀をはき違えたり
誰かの犠牲の上でなりたつ自由は
許されるものではない
長いこと生きて、人生の後半に出会った2人が
仲良く過ごすことは良いと思うし
子供たちが呆れようが、それはそれで構わないと思っている
けれど、判断力の低下も手伝い
やたらと食べ物を渡すとか、薬を融通しあうような事が起こると
さすがにちょっと待って、と言わざるを得ない
サ高住で出会った2人
共に独身なので、いまさら止める理由もなかった
はじめはおやつを大量に渡すという事態が起こり
男性が職員に頻繁に買いに行かせて、殆ど女性に渡すという事態
これは、女性の体調面から厳重注意を行った
今日、発覚したのは
男性が病院で薬を依頼し
それを女性にあげようとしたところを発見した
聞けば、今までにも漢方薬やいろいろな物を
女性に渡していたらしい
担当する薬剤師からもやめておくようにと言われ
一旦は納得したように見える男性だが
果たして明日は、何を言ってくるのか
様子を見ていこうと思っている
盲目になっている2人には、周りが止めても
止まらない思いもあって
善悪だけでは到底納得させることはできない
恋はしたごごろ、愛はまごころ
この言葉でも例にして
お互いの自制を促すしかないのかも
いまさら自分の感情や心をあれこれ言われるのは嫌だろうなあ
自分だったら、きっと腹が立つかもしれないし
良かれと思ってやってるのに、と
話してくるだろうけど
これも役割
これもミッション
ちゃんと言うけどね
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2022年05月30日
引っ越しを終えて
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なんでこの時期に、と言うタイミングでの
事務所の移転
今日は旧事務所の引き渡し日
よくもまあこんなにたくさんの物が入っていた、と言う量の
荷物を3日かけて片付け
2階建ての事務所をすっきりと空にした
現場を回しながらの引っ越し移転だったが
登録ヘルパーさんや本部の事務も手伝ってくれて
なんとか無事に終えることができた
最終日の今日も、商店街を通る人から声をかけられ
新規の飛び込み相談も入ってきたり
「どうしたの？どこにいくの？」と心配そうに声をかけてくる人も
聞くと、前に家族がお世話になったので～と言ってくださり
向いに引っ越すことを告げると
「良かったわ、次は私がお世話にならんとあかんからね」などと
笑顔で話してくれる人がいる
地元で長年、地域に密着してやってきた事業所なので
本当に地域の人に大切にされていることがわかる
だからこそ
ここまでやってこれたのだと、感慨深い
歴々の職員たちの残したものを片付けながら
ついていない役割だなあと思っていたけれど
こうして片付けと挨拶をさせてもらえると言うことに
逆に感謝しないといけないと気づいた
今はいない、歴代の職員たちの
真面目で実直な実績があるからこそ
今がある
掃除をしながら感謝しかない
ここ数日の片付けで
普段使わないところが痛い
職員みんなが疲れ果てているけれど
明日からは、新しい事務所での日が始まる
さあ
はりきっていこう
2022年05月25日
しんどいたのしい
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引っ越しが近い
居宅と訪問介護の事務所を、すぐ近くだが引っ越すことになり
業務の合間に荷造りをしている
日常業務の合間なので、すごく慌ただしい
来月には居宅の監査（運営指導）があると連絡も入り
気忙しさはマックスである
そのうえ、急な気温変化で利用者さんたちの体調が良くない
私たちでさえ暑くて落ち着かない状態なので
認知症や精神疾患をベースにしている人たちには尚のこと
不穏状態が頻発している
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そんな中でも
マイペースで過ごせる人も時々いるので
そばに行っては安らぎを分けてもらっている
今日も18時過ぎにようやく事務所から小規模に戻り
明日の準備に取り掛かっていると
早朝覚醒があるので小規模のお部屋で休む利用者さんが
パジャマを着て歩いてきたのだが
その様子がなんだかおかしい
いつもおしゃれな女性なので、パジャマも可愛い人なのだが
下はパジャマ、上はカラフルな長袖シャツを着ていた
「？？え？、Aさん、なんか変よ」
そばにいた職員が横から
「寒いっていうので‥」話している途中にAさんが言葉をとり
「寒いのよ、パジャマは下に着てるのよ」と
シャツを捲り上げてパジャマを見せてくれた
その俊敏な受け答えに、さすが！と感心して
（やっぱり、Aさん、大好きだわ）と私も職員も目を見合わせた
明日の準備や記録をしている職員や私のそばで
マイペースでニコニコしながら見ているAさん
認知症で中核症状も周辺症状も満載だけれど
その性格で皆から愛されている
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毎日忙しいし、体も疲れるし
仕事だけじゃなくいろんな問題はみんな抱えているけれど
一緒にいて楽しいと思える人といられる幸せは
人相手の仕事でないと感じられない醍醐味である
明日も忙しいなあ
それでも
楽しいから、頑張れる
2022年05月19日
予定は未定
毎日いろんなことが起こるけれど
出来るだけスムーズに運ぶようにと
段取り担当のような毎日を送っている
出来るだけ周りを見渡せる位置で
中に入り込まないことを意識しているのだが
どうしても動かないとならない時も多い
朝からスムーズに進んでいるな、と思っていると
急な体調不良で救急搬送
家族間に合わず、その付き添い、という仕事が入ったりする
なかなかうまくいかない
救急受診対応では担当の先生から
「申し訳ないけれど検査の結果が出るまで、2時間くらいかかるので、お待ち下さいね」と言われ
静かに待機する次第である
時間、かかるよね
今日の仕事、また積んだね
本当にうまくいかない
そもそも、利用者さんたちの体調は不安定だし、要介護状態の人ばかりなんだから
なんでも予定通りに行くはずがないとわかっているけれど
山のような書類や仕事を前にすると、ついつい欲張って、段取り良く片付けたくなる
見通しの甘さとか、見積もりを間違えているので
いい加減、学習しないといけないよね
山積みの仕事をサクサク片付ける夢をみつつ
待ったり、我慢したり、時計と睨めっこしてみて
合間に救急担当のナースにきつく言われたり、語気に凹んでみたりもするけど
こんな日もある、と割り切るしかないかな
うまくいかないけど、ね
2022年05月15日
そして、バタフライ エフェクト
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改めて考えてみると
なんだかよくわからないことが起きている
私にすれば、ここまで理解してもらえたのであれば
あとは結果を受け入れようという気持ちで話を聞いていた
今回の事故の結果は、望ましいものではない出来事だが
どんなに考えてもベストな対応をしたと今も思っているし
他に方法はなかったと思っている
自分の命が助かったこと、周りの人たちの助けや支えを
改めて感じることができたこと
だから、どんな結果になっても受け止めていこうと思った
けれど
担当の司法警察官から診断書についての疑問を投げかけられて
「？」と再度、考えてしまった
「本当なら、大抵、ここに（交通事故による）という文言が入っているのが普通なんやけどなあ。いや、もしかしたら単純に書き忘れているのかもしれないけれど。今の状態の原因が、先生自身もわからへんと言っていたから。」と言い、
「例えば、ここに切り傷があったとして、その上から大きな怪我をしたら、わからなくなるやろ？」と疑問を口にして、
「これは保険会社でも調べるのは難しいかもしれないけれど‥」と。
私の車に後ろから接近して、接触して転倒、という文言で
事実がわかってもらえた、と安心したつもりになっていたけれど
もしかしたら、運転している状態の時に
相手方の頭の中で何かが起こっていた可能性があるということ？
実際に、いきなり横道から飛び出して後ろから急接近されたのは
とてつもなく恐ろしい体験だったが
自分も相手も、40キロも出ていなかったし、計算上もそうなるらしい
「なんなん！この人！？」と本当に驚いたあの時の異和感は
これだったのかもしれない
既に意識が朦朧としているような状態だったとしたら？
ヘルメットもかぶれないくらい、頭の痛みが起きていたのだとしたら？
疑問はますます膨れ上がる
この体験で得たものは、一体なんだったのだろう
この出来事は、私に何を伝えようとしているのだろう
考えてもわからないけれど
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2022年05月09日
応援するよ
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食事中に他の人のものを食べる人がいたので
席を変えようとしたら、大変なことになって～と夕方遅くに報告を受けた
他の人のものを食べるAさんは、糖尿病でインスリン注射もしている
厳密な食事制限はしていないものの、娘が準備したおやつしか食べられないので
隙を見ては人のものを食べたり、勝手に部屋に入り込んで
人のおやつを食べて問題になっていた
夕食の配膳時に、一足早く入ってきたAさんが、他の人のおかずに手を伸ばして食べた
それを見た職員が、席を移動しようとしたが、本人が頑として動かず
（実際には、いつも以上に動作が鈍く動きたがらなかった）
他の人に動いてもらった結果、
移動してきた人のことが嫌いな人が騒ぎ出した、ということらしい
原因を作ったAさんは、早々に食事を終えて部屋に戻ってしまったらしいが
影響で混乱をきたした他の利用者数名が
「こんなところでは食べない」と部屋に戻ったり
「場所を変えるのは、居場所がなくなるのと同じ」と怒り出し
その対応で時間を要した
夕食時のことなので、気分を害した利用者さんへの対応に遅くまでかかり
報告してきた時には、疲れ果ててヘトヘト～という様子だった
こんなことが起こるのは、たいてい事業所を離れている時なので
報告を受けながら、職員たちに申し訳なく思う
それでも、精一杯頑張った様子に嬉しかったり
不安に思ってみたり
自分で考えて行動して、
結果として上手くいかなくて疲れ果てたとしても
結果を良い経験として受け止めてほしい
生命に関わるようなことではない限り
試行錯誤したりいろんな思いをしていくことが学びになるので
「大変でした～」ということは、どんどん経験してほしい
「ありがとう、大変やったね」と精一杯労うし
必要な言葉も方法も、伝えて行く
後始末で他の人たちの対応に追われた職員は
それぞれの思いや個性を深く理解することができた
その上で、今後どうしていくのがいいのか、と考える機会を持てた
答えを伝えるのは簡単なことだけれども
そうしてしまえば、自分で考えずに、いつでも聞いてくるようになる
必要なことは、
自分一人でも考えて対応できる力
自分で周りを見て、考えることができる介護者になること
だから、じっと見守って、待つ
がんばろう、一緒に
2022年03月21日
自分から、一歩
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利用者さんや家族さんとの関係作りをする中で
この人とは、ちょっとしんどいなあと思うことがある
人間なので好き嫌いはあるし、相性だって当然ある
それでも、嫌な感情や上手くいっていないと感じ続けるのは苦痛なので
嫌いや苦手は敢えて逃げずに
自分から一歩前に行くようにしている
ちょっと苦手だなあと思う人には、積極的に自分からアクセスする
具体的に言うと、他の人よりも会う頻度を増やすようにしている
単純に接触する機会を増やして、感情の変化を起こさせることで
「苦手」→「意外と大丈夫」→「割と好きかも」
と流れていくのを狙う
今までもこの図式でいくつもの関係性が変化するのを体験した
つまり、自分の感情は、あまり当てにならないという事を知っているのである
ああ、嫌だ～と思っていたことも、慣れてくると意外と平気だったり
逆に得意になることもある
この人ちょっと苦手かも、と思う人が
親友になったり恋人になることもあるかもしれない
実際、夫との出会い時の感情は
「なんなん、こいつ」みたいな悪印象だった
全く何の感情も起こらないよりも
感情が動く方が関心が高いということなのだから
素直に感じることは大切だし、今の感情は大切にしてもいい
それでも
変わるとわかっている感情だけに頼らず
逃げずに自分から行動していくことは
やってみる価値はある
価値ある行動はやってみる
実は世界は、思うよりもシンプルなのかもしれない
2022年01月25日
コロナ療養⑥ 味覚嗅覚
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昨日のみんなの尽力もあり、無事、オンライン研修を終えた
午前3時間の研修最終日
オンラインながら久しぶりの時間なので、午後は少し休んだ
飲み物や食べ物が、少し美味しくなってきた
味覚が少しづつ戻ってきたので、数日前に比べると
全然違う
とはいえ、味はボンヤリしているし
酸味のあるもの以外は、ハッキリしないけれど
嗅覚に至っては、ほんの少しだけ感じる程度に戻ってはいるが
ほぼ無臭の世界である
いざ自分がこの状態になると
ある認知症の利用者さんのことを考えずにはいられない
毎日、通いを利用している利用者さんで常に尿汚染している
周囲が避けるような臭いを放っていても全く気付かない
機嫌を見計らって、更衣をすすめたりパットをすすめるが
「まだ良いです」と丁重に断られる
夏場には、あまりの匂いに何とかしなければということで
そっと本人へ伝えるが、
「こんなこと言われたことはなかった、初めて言われた」と毎回言い
「もう来ません」と機嫌を損ねてしまう
今なら、彼女の気持ちがすごくわかる
だって、本当に自分じゃわからないから
汚れていても、気がつかないんだから
今の自分
この能力で現場に戻っても
尿臭や便臭をキャッチしてトイレへ誘導することはできそうも無い
唯一のセンサーは視力だが
元々、これは、老眼やら近眼やらで頼りない
長い療養期間で体力も筋力も落ちている今
現場復帰に不安が残る
大丈夫か、自分
こんな思いのエッセンシャルワーカーは
きっと沢山いるのだろうな
2022年01月14日
失敗から考える
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今日は後手に回ってしまうという失敗をした
判断が甘かったことが原因なのだが、
後付けのような言い訳を自分にしているところで
「何をしてるんだろう」と気がついた
ゆっくり休みたかった気持ちが
判断を誤らせたようにも思える
まずは、自分のメンテナンスと頭の整理が必要か
出来ていないシステム化
機能しない役職
整理されていない役割分担
これら全てが、
今回の要因でもある
今の自分の役割は何なのか
優先すべき事柄は何か
その為にいま、何をしないといけないのか
いつもモグラ叩きのように、出てきた問題に
対応して消耗している
これだと、ただの便利屋でしかない
「またか」と思う落とし穴
休みの日に、時間外に鳴る電話に
勝手に追い詰められて、休むことが怖くなる罠がある
この罠は、自分が動けば上手くいくように見えるから、自分がやってしまおう、と思う悪循環に陥らせる
ゆるく廻る毒のように、どんどん自分を蝕んで
人が育つ機会すら奪ってしまい
「誰も役に立たない」と決めつけてしまう
そして、疲れ果ててバーンアウト
こうした仲間の、なんと多い事か
今、これから、やるべきことは何か
優先事項と後回しに出来ることを整理して
柔らかい心と頭で考えていこう
そして
今日はゆっくり休もう
