2018年04月06日
覇穹封神演義 11話感想 再構成の手間を惜しむ怠慢が目に余る
11話 虫
11話配信(Abemaビデオ)
あらすじ
玉鼎真人が封神されるも、楊ゼンの救出を果たした太公望は一旦崑崙山へ帰還する。空間宝貝の十絶陣に対し、太公望たちは一網打尽を回避するためにチームを分けて臨むことになる。
一方、金鰲島に入り込んだ黄飛虎と黄天化は雲霄三姉妹とはぐれ、董天君の風吼陣に引き込まれる。
飛虎と天化は飛刀・火竜鏢を活用し董天君を撃破する。
感想
お得意の先取りアバンからスタート。5話と同じく本編の内容とリンクしていないのであまり効果を感じない。この描写を見るに◯◯編までやるようだが、このペースだととんでもないカット祭りになりそうである。
「感情的になりなさんな、こっちだって二人やられてんだぜ?おあいこだ」
ここで声のトーンが変わるところが意外だった。王天君はこの段階では常に余裕のあるイメージだったが、このトーンだと彼もそれなりに腹に据えかねるものがある印象。
「何が出るかな〜♪」
なんだこの軽い雰囲気は…玉鼎真人死んだ直後やぞ。艦これ4話を思い出す。いやまあ原作からしてこういう流れなのだが、サラッと流している部分をアニメではオリジナル描写で盛っているのがよくわからない。映像化するとリアル感が増すせいかシュールさも増す印象。
どうやら韋護は出るらしい。原作での出番で言えば彼も雷震子とどっこいだと思うのだが、彼を削ると金光聖母戦を大幅に改変しないといけないので無理もないことか。消された蝉玉や天祥のケースと比較すると改変がめんどくさいかどうかで出すかどうかを判断しているように見える。
このブタ妖怪、キャラデザが無駄に可愛くて好き。
ブ、ブターーーーッ!!無茶しやがって……。
董天君、虫のくせにやたらいい声をしている。CVは間島淳司さん。この声で、飛虎と天化の会話の後ろでずっと「ミーンミンミンミンミン…」と鳴いているところは笑うしかない。
「お、重い…親父がバカみたいにでけえから…」「親に対してバカとはなんだバカとは!」
親父が息子に「行くか?」と聞いてみたり、黄親子の兄弟っぽいやりとり好き。天祥もこの場で見たかった。
もはや突っ込む気力もないが、飛刀さん唐突に初登場おめでとうございます。原作未読者のために説明すると、カットされた趙公明編で登場する意思を持った妖剣です。飛虎に妻と妹の幻覚を見せて殺そうとするも失敗し飛虎の持ち物となりました。
同様に火竜鏢も唐突に初登場。陳桐戦がカットされたからどうなるかと言われていたけど普通に出てきた。まあ熱を持つ宝貝であることは今回の描写で分かるので(飛刀と比較して)そこまで問題があるとは思わない。ただ…
「上しか見てねえお前には見えねえだろうなあ、もう一本の火竜鏢がどこにあったかよ」
余所見をすると大事なことを見落とすという含蓄のある言葉なのだが、アニメには火竜鏢が二本一対の宝貝であるという情報がないので、残念ながら目を皿にして見ていた視聴者にもわからないと思う。
蝉玉(と土行孫)いるじゃん!じゃあなぜ化血陣戦は欠席だったのか…。前々回も書いたが方針に一貫性が感じられない。原作ファン向けに「カット部分を無視して後の描写を原作通りにする」のか、未読者向けに「改変して整合性をとる」のか、どちらかに統一すべきと思う。本当に、出すとめんどくさい場合は消し(蝉玉・天祥・趙公明)消すとめんどくさい場合は出す(飛刀・火竜鏢・韋護)という理由で出番を決定しているように見える。作り手としてそれでいいのか?
クリエイターにとってクオリティに響かないように「上手く手を抜く」事は大事なスキルだと思うのだが、この作品の構成に関しては原作既読者・未読者どちらの方にも向き合っておらず、ただの怠慢という印象を拭えない。
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