2018年02月19日
グランクレスト戦記 6話感想 信念の描写が強烈 / メディアの違いを意識した構成
6話 進軍
6話配信(Abemaビデオ)
あらすじ
マルグレットは25歳の誕生日を迎え、祝いの会でヴィラールとのダンスを披露する。その会の裏でテオはミルザーと手合わせし、互いの道が相容れない事を確信する。
マルグレットは後事をシルーカらに託し、ヴィラールに想いを伝え、彼との契約を終了する。
ヴィラールは連合の君主会議に出席がてら、フォービス・クローヴィスを平定すべく進軍する。
ミルザーはフォービスの君主ブラニスの攻略を引き受け、計略と武勇を用いて単身で城を攻略する。
感想
いろいろあって遅くなってしまい、上のニコ動は無料期間が終わってしまいました。Abemaは本日20時まで見られるのでこちらからどうぞ。
ヴィラールとマルグレットのダンスシーンが美しい…が、かなり長い。これまでの高速展開を思うと、ここに尺を使うのが妥当なのかという批判・疑問は当然と思う。アニメ新規組は現時点で二人に思い入れもさほどないだろうし。
しかしアニメという媒体において重要なのはやはり「動くこと」であり、こういう動くシーンこそ力を入れるのは判断として正しいのではないだろうか。多少尺を節約したところで、物語上の詳細な描写は地の文のある小説には結局かなわないのだから、メディアの特性と違いをしっかり意識した構成になっていると思う。
「自分を産んでくれた女性を憎むより、愛していたいと思わないかね」
ただのスケベ野郎と思わせて名君だったヴィラールだが、母への感情もただのマザコンではなくもっと複雑なものだった。ヴィラールのキャラ造形が非常に深い。先週茶化してすいません。アニメ新規組はまだ二人に思い入れはない、と先程書いたが、現時点は思い入れを昇華する段階ではなく、思い入れを仕込んでいる段階なのだろう。マルグレットの再登場とヴィラールの今後の活躍が楽しみである。
「嬉しいかぎりです……」
このシーン、声が少し震えている。マルグレットが本心を抑えて平静を装っているのがよく伝わる。自分は芝居に全く明るくないのだが、こういう”平静を装う””マルグレット役”といういわば二重芝居は相当に技術が必要なのではないだろうか。CVの甲斐田裕子さんはアニメでもよく聞くが洋画や海外ドラマではさらにおなじみで、この人の声を聞かない日はないというレベル。さすがの実力派である。
「どういうつもりかな(計画通り)」
ミルザーさんお強い。一対多で無双する武勇だけではなく、挑発して個人武勇の土俵に引きずり込む知略の鋭さも光る。王道と覇道という明確なテオとの対比、OPの意味深な登場シーンといい、やはり現在こそ同じ連合側にいるが最終的に対立するのが想像に難くない。テオの故郷を開放するのがラストミッションとも思えないので、ラスボス候補の一人と言えるのでは。
ちょっと気になったのが、最初に囲まれたシーンとブラニスの口に剣を突っ込んだシーンでモブの絵が同じなので、主君が殺されかけてるのに家臣が棒立ちという若干シュールなカット。まあ無双シーンのアクションはスゴかったしどうでもいいといえばどうでもいいんだけど。
死んだブラニス達から黒いものが……あれ?君主なのに?と思ったが君主が死んだら聖印は混沌に戻るらしい。なるほど。こういう部分も本来は説明があったほうがいい部分なんだけど、説明だらけになるのもどうかと1話で思ったので、ミルザーの聖印が育ったことだけなんとなくわかればいいのかも。
以前も書いたが、原作元のグランクレストRPGではキャラクターのステータスに「信念」という項目があり重要なファクターとなっている。この作品で言えばテオの王道、ミルザーの覇道、ヴィラールの美学がそれに相当するのだろう。ヴィラールはマルグレットを巫女がどうのというしがらみが無いとしても妃にはしないように思える。シルーカ養父アウベストや吸血鬼の王などもそうだが、どのキャラクターもときに頑迷にも見えるほどに「信念」の描写が強烈で、面白い。
デレシルーカさんほんとかわいいですね。しるかわ。
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タグ:グランクレスト戦記
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