2015年07月03日
時代は変わろうとしている。目に見えにくい疾病予防事業への投資を呼びかけ、もっと目に見えにくい効果を元にリターンを償還する仕組みが構築されようとしている。
ソーシャル・インパクト・ボンドフォーラム2015
日時 :2015年6月26日(金)19:00-21:00
場所 :BIZCOLI交流ラウンジ(中央区渡辺通2丁目1番82号電気ビル共創館3F)
主催 :福岡地域戦略推進協議会
後援 :公益財団法人九州経済調査協会
「福岡地域戦略推進協議会は、
新しい官民連携の社会的投資モデル、
ソーシャル・インパクト・ボンド制度についての
プロジェクトを立ち上げ、検討を進めています。
※ソーシャル・インパクト・ボンド(SIB)
…投資家からの出資を元に民間企業が
社会的事業を実施し、
社会的効果にもとづいて行政費用の削減額より
投資家に利息をつけて支払う仕組みです。」
寄付や補助金ではなく
民間投資資金で
社会課題の
就労支援や介護予防
児童養護等に対して
解決に向けての事業を
民間事業者が行い
成果達成状況に応じて
行政が事業費と成果報酬を支払う。
これまでに無かった仕組みです。
『2015年6月8日、日本財団は、
経済産業省ヘルスケア産業課の
「平成27年度経済産業省健康寿命延伸産業創出推進事業委託事業」を、
株式会社公文教育研究会が受託するにあたり、
参加団体として協働することが決まりました。
福岡市、松本市など複数の自治体と連携し、
同社が設立した「くもん学習療法センター」が
確立している学習療法を導入した認知症予防領域における
「ソーシャル・インパクト・ボンド(SIB)」の
パイロット事業を7月1日より行います。
全国の認知症有病者数は、
2012年は推定462万人でしたが、
2025年には700万人を超えると推計されています。
さらに、認知症に関連する「社会的費用」は、
年間約14.5兆円(医療費:1.9兆円、介護費:6.4兆円、インフォーマルケアコスト:6.2兆円)
にのぼります(2015年5月、厚生労働省研究班の報告)。
将来推計では、団塊の世代が85歳以上になる2035年には
総額22兆9,244億円にまで膨らむと試算され、
今後、社会的費用の費用対効果研究を通じ、
限られた財源が十分活用されているかを
検証する必要性が指摘されています。
本パイロット事業では、
認知機能改善の実績がある学習療法を導入し、
高齢者のQOL向上を図ると同時に公的コスト削減を目指して
2つのプロジェクトを実施します。
1つは、高齢者福祉施設において学習療法を実施し、
被験者の要介護度の変化を計測するもの。
もう1つは、健康教室等において学習療法を実施し、
医療費・介護費用等の削減効果を検証、
合計2400人分のデータを取得し、
最終的に社会的インパクト評価を行います。
検証用データは、被験者の同意を得たうえで、
個人情報を除いた医療費・介護保険費用が
連携先の自治体から開示されます。(日本財団資料より)』
課題は効果費用検証の客観性の担保です。
今回のパイロット事業は
学習療法を導入した認知症予防事業ですが
要介護の原因疾患としての
関節症(ロコモ)と
高血圧症からの脳血管障害への対応が
含まれていません。
介入者数も200名
比較対象群の設定も無いデザインでは
介護費用や医療費を検証するには
不十分です。
しかしながら
今後、介入者数も累積されていくでしょうし
運動や栄養、休養
メンタルへのアプローチ等も
組み合わせた複合的な介入研究に
進化していくのでしょうから
最初の一歩としては
意味のある取り組みです。
評価の指標等も客観性のあるものに
磨かれていくでしょうから、楽しみです。
今、関金モデルや他の自治体モデルとの
連携のシナリオを考えています。
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