点滴: ペトロニウスの何やかんや

2016年09月29日

点滴

　最近、ある病院で点滴の中に消毒液が入っていて、人が死んだというニュースが話題になった。

　これは、わたしが入院していたときのこと、4人部屋で、隣のベッドの男性、60歳くらい、のところに、その男性の奥さんが来ていたときの話。

　その男性は、毎日2本の点滴をしていた。奥さんが来て、小さな声で普通の話題を話していたが、ナースコールを押して、「点滴終わったぞ」と言った。看護師は「すぐにしめにいきます」とこたえたが、なかなか来ない。その男性は次第に。大声で奥さんに「お前、はよ看護師呼んでこい。点滴おわったから、ほっといたら空気が入ってくる！」と怒鳴った。

　奥さんは、出て行った。たぶん、ナースステーションへ行ったのだろう。すぐに、看護師と戻って来た。おそらく、点滴を占めたのだろう。カーテンがあるので私にはよくわからなかった。

　ただ、看護師は全くうろたえているようでもなく、処置してもっどっていったのが気になった。男性は文句を言っていたが、看護師は何か言いたそうだが言わなかった。なんか変。

　そこで、はたと気がついた。点滴はパックからパイプがのびで途中にぽたぽたする何かが着いていて、その先には針があって、身体に刺さっている。このままだと、薬液がからだに入ることはないはずだ。つまり、パックに針を刺すなどの穴を開けないと薬液は落ちてこない。とすると、薬液が落ちきった状態というのは、コップに入った水にストローを刺しているだけと変わらないはずだ。だから、絶対に点滴パックを握りつぶしでもしない限り空気が血管に入るはずがない。

　ただし、血管には血が流れているから、といっても静脈なので、動脈ほどの強い圧力変化はないだろうが、とにかく血が流れているので、状態によっては、その圧力で、血が針から管を通って逆流する可能性があるわけだ。だから、点滴が終わったら、とにかくしめなければならないが、めちゃぐちゃ急ぐというわけじゃないのだろう。

　とはいえ、空気が入ってくるはずがないじゃいかと、男性に怒ったら、それこそトラブルになったっだろう。おしまい。
------------------------------------