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2014年12月18日

たばこ税軽減 段階的廃止検討



自民党の野田税制調査会長は記者団に対し、「わかば」や「エコー」など一部の銘柄で、たばこ税を軽減している措置について、来年度の税制改正に合わせて、段階的に廃止する方向で検討する考えを示しました。

たばこ税は、国税と地方税を合わせて1本当たり12.2円かかっていますが、JT=日本たばこ産業が販売している「わかば」や「エコー」など6つの銘柄については、低所得者などに配慮して、1本当たり5.8円に軽減する措置が取られています。
これに関連して自民党の野田税制調査会長は、調査会の幹部による会合のあと記者団に対し、「見直しを検討している」と述べ、来年度の税制改正に合わせて段階的に廃止する方向で検討する考えを示しました。
たばこ税が軽減されている「わかば」の昨年度の販売本数は、平成23年度と比べておよそ1.5倍に増えており、厚生労働省は、価格が安い銘柄の売り上げが増えることで、国民の健康を害するおそれがあると指摘しています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20141217/k10014066691000.html




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薬投与で感染症など 否定できず



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東京女子医科大学病院で、人工呼吸器を付けた子どもへの使用が原則禁止されている鎮静薬が投与されていた問題で、外部の委員会が死亡した11人について詳しく調べたところ、薬の投与と死亡には直接、関係が認められなかったものの、このうちの5人については薬の投与が死亡原因に関連する感染症などを引き起こした可能性が否定できないことが分かりました。

東京・新宿区の東京女子医科大学病院では、人工呼吸器を付けて集中治療が行われている子どもへの使用が原則、禁止されている鎮静薬「プロポフォール」が、去年までのおよそ6年間に14歳以下の子ども63人に投与され、12人がその後3年以内に死亡したことが明らかになっています。
このうち、集中治療室などで死亡した11人について外部の専門家で作る委員会が詳しく調べたところ、患者はいずれも重い心臓病で薬の投与と死亡には直接、関係が認められなかったものの、5人については薬の投与が死亡原因に関連する感染症や心臓の機能の低下を引き起こした可能性が否定できないことが分かりました。
11人への投与はすべて安全性が検証されていない2日を超えていて、このうち5人は3か月以上投与され、中には10か月投与された子どももいました。
プロポフォールは重い感染症や心臓の機能を低下させる副作用がありますが、委員会は医療スタッフが薬の安全性や副作用について認識しないまま、長期間、薬を投与したことが問題の背景にあると指摘しています。
東京女子医科大学病院は、「今後同じようなことが起こらないよう、医療スタッフの教育を行っていきたい」とコメントしています。

「本当のことが知りたい」
東京女子医科大学病院で重い心臓病の手術を受けたあと1か月半に渡ってプロポフォールが投与され、4年前に死亡した当時5か月だった男の子の母親には17日、病院から電話があり、薬の投与が死亡原因に関連する感染症を引き起こした可能性が否定できないという外部の委員会の調査結果が伝えられました。
母親は、「薬を投与するときになぜ説明してくれなかったのか、病院に対する不信感でいっぱいです。息子に何が起きたのか本当のことが知りたいです」と話していました。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20141218/k10014069931000.html




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2014年12月17日

羽生結弦 復活を支えたものは



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フィギュアスケートの「グランプリファイナル」で、羽生結弦選手が今シーズンの世界最高得点で優勝し、この大会、日本男子で初となる連覇を達成しました。
演技直前の練習でほかの選手と激突し、けがをしてから1か月余り。
短期間での復活劇を支えたものは何だったのか、スポーツニュース部の今井美佐子記者が解説します。

「久しぶりに楽しめた」
12月16日の成田空港。
羽生選手は、1か月余り前に車いすに乗って姿を現した同じ場所を、しっかりとした足取りで歩き、金メダルを掲げて大勢のファンの出迎えを受けました。
今月11日から14日までスペインのバルセロナで開かれた、フィギュアスケートのシーズン前半の最大の大会、グランプリファイナル。
12月7日に20歳になり最初の大会を迎えた羽生選手は、前半のショートプログラムと後半のフリー、ともに今シーズンの世界最高得点をマークし、合計288.16で優勝しました。
帰国した羽生選手は、「体を心配することなく何年ぶりかなというくらい久しぶりにスケートを楽しめて、幸せな気持ちになった」と語りました。

王者を襲った苦難の連続
ソチオリンピック金メダリスト、そして世界選手権王者として臨んだ今シーズン。
羽生選手は開幕前から苦難が続きました。
9月、持病の腰痛が悪化し、初戦として予定していた10月の大会を欠場しました。
さらに、11月上旬のグランプリシリーズ中国大会では大きなアクシデントに見舞われました。
ショートプログラム2位で迎えた後半のフリーの演技直前の練習中、反対側から滑ってきたほかの選手と激突し、両足や顔、頭などにけがをしました。
羽生選手は医師の問診を受けたうえで、頭にテープを巻くなどして強行出場。
2位に入りましたが、車いすでの帰国となり、全治2週間から3週間と診断されました。
この出場を巡っては、けがをしながらも演技に臨んだことに「感動した」という声が相次ぐ一方、「けがの場所や状態によっては棄権する判断も必要では」と指摘する声もありました。

自己分析と実行力
けがから3週間後。
羽生選手は、出場の可否が注目されていた2戦目のNHK杯に出場。
4回転ジャンプは1回も成功せず、4位と不本意な内容でしたが、目標だったグランプリファイナル進出を決めました。
そして、グランプリファイナルでは4回転ジャンプをすべて決め、僅か1か月余り前のけがを乗り越えて見事な復活を遂げました。
この復活劇を支えたのは、状況に応じて自分のやるべきことを考えられる冷静な分析力と、それを実行できる強い精神力でした。
羽生選手はNHK杯の公式練習で、リンクで滑る前に、曲を聴きながら振り付けを確認したり体を動かさずにリンクを見るだけで演技を想像したりする、イメージトレーニングに励む姿が多く見られました。
大会後、羽生選手は「自分の調子とイメージのギャップを埋めようとした。イメージだけでもみんなに追いつこうと考えていた」と、調整不足を補うためのアイデアだったと明かしました。
さらに、NHK杯の競技が終わった夜には「どうすれば自分の実力を本番で出せるのか、どうすればもっと強くなれるのか」と、早くも次の大会を見据え自分を問いただしたと言います。
一夜明けた羽生選手は「曲に合わせた時のジャンプのタイミングがまだしっかりつかめていない感じがする。それは、練習の数がものをいう」と、新しい課題を見つけていました。
こうした思いを胸に、羽生選手はNHK杯のあと、グランプリファイナルまでの1週間余り、地元の仙台で練習しました。
指導するブライアン・オーサーコーチからは厳しいメニューが与えられ、羽生選手は「かなりハードで、『もうこんなの嫌だ』というほど自分を追い込んだ」と話し、課題に挙げていた曲をかけての練習の量も増え、気持ちの面でも本番と同様に緊張感を高めて取り組んだということです。
曲をかけての練習は、本番と同じようにやればやるほど体への負担も大きくなります。
それでも「逆境は嫌いじゃない。それを乗り越えた先にある景色は絶対にいいはずだと信じている」と語り、強じんな精神力と前向きな考え方が羽生選手を過酷なトレーニングに向かわせていたのです。

「もっとうまくなれる」
羽生選手は、グランプリファイナルのフリーの得点で、去年の同じ大会でマークした自己ベストを上回りました。
それでも今回、終盤の3回転ジャンプで転倒し、演技構成については4回転ジャンプの回数を減らすなど、けがの影響を考慮してシーズン前に予定していたものより難度を下げていました。
今後、演技構成を当初の内容に戻せばさらに得点を伸ばす可能性があり、合計得点で前人未到の300点を超えることも夢ではありません。
羽生選手はシーズン開幕前の8月、練習拠点のカナダで取材に応じた際、私たちが「オリンピックで金メダルを獲得した次のシーズンで、目標の設定は難しくないのか」と尋ねると、「オリンピックで僕のスケートが終わったわけじゃない。『スケートでもっとうまくなれる』と思うから、今、また、もっとうまくなろうとしているところです」と、はっきりと答えました。
オリンピックチャンピオンとなり、なお向上心を持ち続ける羽生選手には、進化が止まることはないと感じさせられました。
羽生選手の次の大会は今月26日に長野で開幕する全日本選手権で、3連覇がかかりますが、「連覇は意識しない。短い準備期間でどれだけ成長できるかに集中したい」と、質の高い演技にこだわることを強調しました。
仙台市出身の羽生選手は、東日本大震災でみずからも被災し、自宅や練習していたリンクは壊れ、一時、スケートを諦めることを考えたと言います。
しかし、被災した人たちなど多くの人の応援を受けてスケートを続け、「傷ついた日本を元気づけたい」とソチオリンピックに臨み、金メダルという最高の形で恩返しを果たしました。
今回もまた、逆境を乗り越え、不屈の魂を見せた羽生結弦選手。
まだ20歳、さらなる進化に注目です。

http://www3.nhk.or.jp/news/web_tokushu/2014_1216.html




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