車で避難途中に死ぬ人があまりに多すぎるからだ。
とにかく避難をと逃げ遅れ避難には、車が水に浸かるとダメになるというせこい考えもある。
同時に、車なら安全だろうという根拠のない安心もある。
これは今回の台風、大雨、本当は過去の水害でも否定されている。
とにかく、水害では早期避難、留まるなら2階で避難ということをシンプルに伝えることが必要だ。
Yahoo!より、
愛車、流されます 洪水時に車内は避難所にならない現実
斎藤秀俊 | 一社法人水難学会会長、国大法人長岡技術科学大学大学院教授
10/26(土) 17:28
https://news.yahoo.co.jp/byline/saitohidetoshi/20191026-00148435/
記事より、
愛車で通行中に洪水に見舞われて車ごと流される、あるいは車外に出たところで流されるという事故がまだ記憶に新しいかと思います。今年は、8月下旬に九州北部を襲った豪雨、日本列島に接近あるいは上陸した台風、そして10月下旬に関東から東北を襲った豪雨で、車内からの逃げ遅れが原因で命を落とした方が数多くおりました。愛車は、避難所にはなり得ないという現実を改めて目の当たりにしました。
多くの車両が水に浸かった
一説によると、台風19号により水害を受けた車両は、約10万台とも言われています。そのうちの多数は、長時間駐車していた車両だったかもしれません。しかしながら、もしすべての車両にて人が乗車中で、しかも車内に居残ることにこだわったとすれば、10万人規模で犠牲者が出たかもしれません。これはクルマ社会を象徴する、命に直結する潜在的な溺水リスク要因であると言えます。
ただ、そこまで被害が拡大しなかったのは、次の2点に従って多くの皆さんが行動したからかと思います。
1.冠水したら外出せずに垂直避難
2.冠水箇所より離れて高台へ避難
【参考】まず垂直避難 命の危険のはじまりは豪雨冠水です
車両水没実験
まず、車両水没実験 〜転落時を想定した水没テスト〜【JAFユーザーテスト】をご覧ください。
車両が水没して、水面がドアにかかるほどの水深になると運転席のドアは開かず、さらに後部座席のスライドドアさえ開かなくなります。完全に閉じ込められます。ドアの窓ガラスを工具を使って割ると、理論的に脱出ルートは確保されます。しかしながら車内の空気がいっきに放出されて、車両が急に沈みます。
筆者が経験した水中障害物からの脱出訓練から、この状況で冷静に脱出できるかというと、難しいと言わざるを得ません。目を開けられない泥水の中を、息を止めて潜水・潜行して、正しい場所にて水面に浮上するなど、訓練経験がある・ないの以前の困難さがあります。ましてや1人がこのように脱出すると他の同乗者には脱出のチャンスすら与えられないでしょう。要するに、車外脱出は一か八かの最後の賭けだと考えた方がいいです。
流されるとさらに悪い方向に
実際の洪水では、流れがあります。車両が流され始めたら、いい方向にはいきません。悪い方向への片道切符です。なぜなら、水は低い方に流れ、低い場所にたまるからです。当然車両の流れ着くところの水深は深くなる一方です。そして車両はエンジン類の重さで前方が沈み傾きます。こうなると自分の姿勢が安定せず、狭い車内空間で身動きすら取れなくなります。
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