ジョーク・ユーモア・笑いの館

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「なぁ、ちょっとこれ見てくれないか？」

「なんだそれ？」

「暇つぶし用に作ったオモチャなんだけどさ」

「どうやって遊ぶんだ？」

「こうやって回す」

「それで？」

「それだけ」

「それだけって、こんなの面白くも何ともないだろ」

　しかし試しに売り出してみると神様達の間で爆発的な人気商品となった。

　私達が生きている銀河系もそのうちの１つだ。

　今も神様が止まるまでの時間を計測しているぞ。

「お前はどうしていつもやる前から諦めてしまうんだ！

　やればできる力をお前は持っているんだぞ！

　自分を信じてもっと頑張ってみたらどうなんだ！」

「まあまあ、彼はガラスのハートなんだ、怒るよりも褒めて育ててやろうじゃないか」



「お前はどうしていつも道に落ちている物を平気で食べてしまうんだ！

　ギャーギャーでかい声で喚くわ、ゴミは漁るわ、ピカピカ光る物を何でも集めてしまうわ。

　もっと人間らしく行動したらどうなんだ！」

「まあまあ、彼はカラスのハートなんだ、怒るよりも先に除霊してやろうじゃないか」

「ドラキュラめ、ニンニクでもくらえ！」

「そんなものは迷信だ」

　そう言ってドラキュラはニンニクを“ガリガリ”と丸齧りした。

「十字架ならどうだ！」

「それも迷信だ」

　ドラキュラは十字架を奪い取り床に叩き付けた。

「ニンニクや十字架が迷信だとしても太陽の光を浴びては、さすがのお前も生きてはいられまい。

　外を見ろ、朝日が昇ってきたぞ」

「それがどうした」

　ドラキュラは両手を広げ太陽の光を全身に浴びた。

「ていうかドラキュラ自体が迷信なんだよ！　俺はただの変態だー！！」

「このラーメン、一見普通のラーメンのようですが、タダのラーメンじゃないんです」

「ほぅ、というと・・・」

「一杯８８０円」

「なるほど、タダじゃない。しかし高くも安くもない。普通だ。

　味の方は・・・」

“ズズズズ〜”

「普通だ」

「今日はいい天気だな。絶好のクンフー日和だ」

「マサキ、クンフーもいいけどたまには勉強もしたらどうなの？」

「あいたたた。痛いところを突かれたな。

　 でもクンフーの魅力に取り憑かれたらもう勉強どころじゃないんだよね。

　そりゃ！」

　“ドカッ”

「あ、やばい、壁が・・・」

「マサキ！　クンフーをやるなら外でやりなさい！」

「うわ〜、ごめんなさ〜い」

「お〜い、マサキー、父さんも一緒にクンフーやるぞ〜」

「単調で退屈な毎日だな〜」

「それはお前が常識に囚われているからだ」

「常識に囚われてる？　じゃーどうしろってんだよ」

「発想の転換だ。もしも１＋１が７だったら？」

「１＋１が７！？　そんな考え方が・・・。

それってお前１人で思いついたのか？」

「ま〜な。さらに豚がリスだとしたら？」

「おい、おい、おい、退屈なんて言ってる場合じゃないぞ！」

「体に気を付けて、あまり無理しないでね」

「ああ、それじゃーな」

　“スタスタスタ”

「毎日電話するからね〜！」

「分かった〜！」

　“タッタッタッタッ”

「休みが取れたら遊びに行くから〜！」

「待ってるぞ〜！」

　“ピョ〜ン”

「え！？」

　“バサッバサッバサッ”

「ええ〜〜〜！？」

「タカコさん！　晩御飯はまだかい！」

「何言ってるんですかお義母さん。よく思い出してください」

「私はまだ晩御飯食べてないよ！」

「胸に手を当てて思い出してみてください」

「食べてないったら食べてないよ！」

「いいから胸に手を当ててみてください」

「なんだっていうんだい、まったく。

　・・・あれ・・・心臓が・・・動いていない・・・」

「お義母さんは２日前に心筋梗塞で亡くなってるんですよ」

「そういえば・・・」

　タカコの枕元に立ったキヌエは静かに消えていった。

「とうとう親父、売れない芸人のままで終わっちまったな・・・」

「そうね。でも人一倍お笑いを愛していた人だったわ。

　お医者さんから癌の告知を受けた時も『ガーン』なんて言って大げさに驚いたりして・・・。

　使い古されたギャグで面白くもなんともないけど本当にお笑いを愛していなければ癌の告知の時に実際にこのギャグを言える人なんていないと思うわ」

「ああ、そうだね」

「それにあんたは死に際に立ち会えなかったけど、お父さん、意識がなくなる直前に私を呼んで耳元でこう囁いたのよ、『あのよぉ』って。

　自分が死ぬときには絶対にこれを言うんだって若いころからずっと言っていたわ」

「本当にお笑いが好きだったんだな、親父・・・」

　時限爆弾があと３０秒で爆発する。

「誰かー！　助けてくれー！」

　そこに１人の男が現れた。

　爆弾処理の技術を習得した一休さんだ！

「あわてないあわてない。一休み一休み」

　半径５０メートルが吹っ飛んだ。