ジョーク・ユーモア・笑いの館

「お爺ちゃんが死んで天国に行っても僕のところに会いに来てね」

「もちろんじゃ。あの世で起きた面白い話をいっぱい聞かせてやるぞ」

　それから５年後、お爺さんが亡くなった。

　でもノブユキは悲しくなかった。

　お爺さんが会いに来てくれると信じていたからだ。

　だが１０年待ち続けてもお爺さんが現れることはなかった。



「ねぇ、ノブユキ君は幽霊とか死後の世界って信じてる？」

「そんなものは信じてないよ。人は死んだら終わり、無さ」

「そうかなぁ。私はあると思うんだけどなぁ」



　一方、あの世では。

「すまん、ノブユキ。ワシが若い頃ヤンチャをしたばっかりに」

　お爺さんは若い頃、人に迷惑ばかりかけていたので地獄に落とされていた。

　天国へ行った人はお盆にこの世へ戻ってこられるのだが、地獄に落とされた人にはその権利がなかったのだ。

　お爺さんは地獄で罰を受けながら反省する日々を送っていた。