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2019年07月22日
『野菜も果物も魚も少なめ、塩は多め →死亡リスク(脳卒中、心筋梗塞)3倍!』
『野菜も果物も魚も少なめ、塩は多め
→死亡リスク(脳卒中、心筋梗塞)3倍!』
2019年05月22日(水) 10:00 配信 朝日新聞社 医療 8
国が勧める食事量より野菜や果物、魚が少なく、食塩が多いと、
脳卒中や心臓病の死亡リスクが約3倍になることが、
厚生労働省の研究班の調査でわかった。
単一の食品と死亡リスクの関係を調べた研究はこれまでにもあるが、
複数の食品の組み合わせで評価したのは初めてという。
研究班(代表者=三浦克之・滋賀医科大教授)は、
1980年の国民栄養調査に参加し、
食べたものの重さをはかりで量って、
1日あたりの食事量を調べた
全国の30〜79歳の男女9115人を、
2009年まで追跡した。
国の健康施策「健康日本21」などが
勧める1日あたりの食事量を元に、基準を設定。
野菜350グラム、果物200グラム、魚80グラム(いずれもこの量以上)、
食塩は男性8グラム未満、女性7グラム未満を基準量にして過不足の影響を調べた。
29年間で脳卒中や心臓病といった循環器病で1070人が死亡。
基準をすべて満たした人と比べ、
野菜・果物・魚がいずれも基準量の半分未満、
食塩が基準量以上の人は、
循環器病による死亡リスクが2・87倍になった。
野菜は十分でも果物と魚は半分未満、食塩は基準量以上だと、
死亡リスクは2・25倍だった。
→死亡リスク(脳卒中、心筋梗塞)3倍!』
2019年05月22日(水) 10:00 配信 朝日新聞社 医療 8
国が勧める食事量より野菜や果物、魚が少なく、食塩が多いと、
脳卒中や心臓病の死亡リスクが約3倍になることが、
厚生労働省の研究班の調査でわかった。
単一の食品と死亡リスクの関係を調べた研究はこれまでにもあるが、
複数の食品の組み合わせで評価したのは初めてという。
研究班(代表者=三浦克之・滋賀医科大教授)は、
1980年の国民栄養調査に参加し、
食べたものの重さをはかりで量って、
1日あたりの食事量を調べた
全国の30〜79歳の男女9115人を、
2009年まで追跡した。
国の健康施策「健康日本21」などが
勧める1日あたりの食事量を元に、基準を設定。
野菜350グラム、果物200グラム、魚80グラム(いずれもこの量以上)、
食塩は男性8グラム未満、女性7グラム未満を基準量にして過不足の影響を調べた。
29年間で脳卒中や心臓病といった循環器病で1070人が死亡。
基準をすべて満たした人と比べ、
野菜・果物・魚がいずれも基準量の半分未満、
食塩が基準量以上の人は、
循環器病による死亡リスクが2・87倍になった。
野菜は十分でも果物と魚は半分未満、食塩は基準量以上だと、
死亡リスクは2・25倍だった。
2019年07月21日
日本人男女の喫煙と膵がんリスク〜35万人の解析
(タバコの害は、
発がんだけではなく、
肺気腫(肺を溶かします)による呼吸困難、脳梗塞、心筋梗塞です)
日本人男女の喫煙と膵がんリスク〜35万人の解析
提供元:ケアネット 公開日:2019/05/30
喫煙と膵がんリスクの関連はすでによく知られているが、
アジアの大規模集団における詳細な前向き評価は少ない。
今回、愛知県がんセンターの小 友理子氏らが、
日本人集団における10研究をプール解析したところ、
喫煙と膵がんリスクの関連に男女差がある可能性が示され、
男性では禁煙が膵がん予防に有益であることが示唆された。
Cancer Epidemiology, Biomarkers & Prevention誌オンライン版2019年5月21日号に掲載。
本研究では、10の集団ベースのコホート研究のプール解析を行った。
各研究のハザード比(HR)と95%信頼区間(CI)についてCox比例ハザード回帰を用いて計算し、
これらの推定値をランダム効果モデルと統合して要約HRを推定した。
主な結果は以下のとおり。
・35万4,154人における469万5,593人年の追跡調査の間に、
1,779人で膵がんが発症した。
・男性(HR:1.59、95%CI:1.32〜1.91)、
女性(HR:1.81、95%CI:1.43〜2.30)の両方で、
生涯非喫煙者に比べて現在喫煙者で膵がんリスクが高かった。
・環境中のタバコ煙曝露に関係なく、
過去喫煙者や20pack-years以下の蓄積量でも、
女性では有意に膵がんリスクが高かった。
・傾向分析において、
男性では10pack-yearsごとに膵がんリスクが有意に6%増加し、
女性では有意ではないが6%増加した。
・男性では、禁煙後5年で、膵がんリスクは生涯非喫煙者と同程度になったが、
女性では禁煙によるリスク減少はみられなかった。(ケアネット 金沢 浩子)
原著論文はこちら
Koyanagi YN, et al. Cancer Epidemiol Biomarkers Prev. 2019 May 21. [Epub ahead of print]
発がんだけではなく、
肺気腫(肺を溶かします)による呼吸困難、脳梗塞、心筋梗塞です)
日本人男女の喫煙と膵がんリスク〜35万人の解析
提供元:ケアネット 公開日:2019/05/30
喫煙と膵がんリスクの関連はすでによく知られているが、
アジアの大規模集団における詳細な前向き評価は少ない。
今回、愛知県がんセンターの小 友理子氏らが、
日本人集団における10研究をプール解析したところ、
喫煙と膵がんリスクの関連に男女差がある可能性が示され、
男性では禁煙が膵がん予防に有益であることが示唆された。
Cancer Epidemiology, Biomarkers & Prevention誌オンライン版2019年5月21日号に掲載。
本研究では、10の集団ベースのコホート研究のプール解析を行った。
各研究のハザード比(HR)と95%信頼区間(CI)についてCox比例ハザード回帰を用いて計算し、
これらの推定値をランダム効果モデルと統合して要約HRを推定した。
主な結果は以下のとおり。
・35万4,154人における469万5,593人年の追跡調査の間に、
1,779人で膵がんが発症した。
・男性(HR:1.59、95%CI:1.32〜1.91)、
女性(HR:1.81、95%CI:1.43〜2.30)の両方で、
生涯非喫煙者に比べて現在喫煙者で膵がんリスクが高かった。
・環境中のタバコ煙曝露に関係なく、
過去喫煙者や20pack-years以下の蓄積量でも、
女性では有意に膵がんリスクが高かった。
・傾向分析において、
男性では10pack-yearsごとに膵がんリスクが有意に6%増加し、
女性では有意ではないが6%増加した。
・男性では、禁煙後5年で、膵がんリスクは生涯非喫煙者と同程度になったが、
女性では禁煙によるリスク減少はみられなかった。(ケアネット 金沢 浩子)
原著論文はこちら
Koyanagi YN, et al. Cancer Epidemiol Biomarkers Prev. 2019 May 21. [Epub ahead of print]
2019年07月20日
6〜8月は脳梗塞に注意 〜見過ごしてしまう「前兆」とは〜
若い人でも 油断大敵!
6〜8月は脳梗塞に注意
〜見過ごしてしまう「前兆」とは〜
急に暑くなってきました。
この時期ストレスが続いたり、
長時間労働したりする人には、
脳梗塞のリスクがあることを知ってほしいと思います。
◇若くても油断は禁物
メディア関連の仕事をしている38歳の男性。
仕事が忙しく、今年春の定期健康診断を受けていないため、
産業医の面談をすることになり、お会いしました。
ちょうど出張帰りでしたが、
2日前から頭が痛い、首が凝る、ということでした。
出張先で忙しく、夜まで打ち合わせが続き、
終わった後にビールを飲み、
翌朝、すぐに報告会議があるというので出社したとのことでした。
血圧を測定したところ、なんと180/120という値で、
すぐに病院で受診をしてもらいました。
その結果、高血圧による頭痛で、脳血管障害の恐れもあるとのこと。
安静を指示され、その日は緊急入院となりました。
◇睡眠不足やストレスで血圧上昇
夏場だから血圧は低くなるはずと油断していると、
睡眠不足、塩分の多い外食とストレスで血圧が高くなっていることがあります。
これから夏場にかけて、汗をかき、
水分補給が十分ではない場合、脳梗塞のリスクも上昇します。
頭痛や首の凝りなどが続くときは、血圧を測ってみてください。
高いときには、すぐに受診をしましょう。
また、血圧は正常でも、
唇の周りに違和感があり、
しびれた感じがあるときや、
体に力が入らないときなども、
脳梗塞の前兆の場合がありますから、受診してください。
脳梗塞が冬の病気と思い込んでいる方も多いのですが、
実は6月から8月は脳梗塞の危険なシーズンです。
◇脳梗塞の前兆「しびれ感」
脳梗塞の前兆に、一過性脳虚血発作(TIA)というのがあります。
TIAとは、脳の血管が一時的に閉塞するものの、すぐに改善するという状態です。
まず、口の周りがしびれたり、
体のどちらか半分がまひしたり、
言葉が出にくく、舌がもつれたりなどの症状があります。
しかし、すぐに改善するので、
安心してしまうことが多く、
これが危険なのです。
その後、24時間から48時間以内に脳梗塞を起こすことが多いからです。
こうした症状があるときは、ためらわずに救急車を呼んで受診してください。
◇予防のための6カ条
以下は、夏場の脳梗塞を予防するための6カ条です。
1.水分の補給で脱水防止
水分補給の大切さは知っていても、
仕事で会議が続いたり、
車の運転で長時間、温室状態の車内にいたりした場合、
汗をかいて脱水状態になることがあります。
常にミネラルウオーターのボトルを持参して、
時間を決めて飲んでおくことをお勧めします。
会議であっても、
周りの人が飲んでいないからと遠慮せず、
水分を補給してください。
2. ストレスと睡眠不足に注意
ストレスが多く、眠りが浅い、朝早く目が覚めてしまって
熟睡感がないなどの場合、
血圧が上昇していることがあります。
寝る前に、身体をストレッチなどで緩めておくと、睡眠の質が改善します。
3.就寝前の呼吸で自律神経調整
寝る前の呼吸で睡眠の質は変わります。
鼻から息を吸い、吸う息の倍の長さで吐くという呼吸をすると、
交感神経の緊張が緩み、血圧が安定します。
寝る前の10分間ほど、この呼吸で緊張を緩めてください。
4.夜のビールはほどほどに
ビールは利尿を促すので、脱水になりやすいといえます。
ビールを飲んで水分を取ったと思うのは危険です。
夜、ビールを大量に飲み、そのまま寝てしまうというパターンはリスクが大きいです。
5.血圧を測ってみよう
血圧計はお持ちですか。
1台、家に置いて、時々測る習慣をつけてはどうでしょう。
普段低くても、急に高いことに気がついたら、
睡眠を十分に取って、リラックスする時間を増やすようにしてください。
6.楽観バイアス禁止
しびれがあったり、言葉が出にくくなったりしたら、
すぐ症状が治まっても、必ず受診をしてください。
何か変だと気付いても、
直ぐ治ると、受診するのを遠慮したりすることがあります。
脳梗塞は、治療開始が早ければ早いほど、予後がいいので受診をしてください。
(文 海原純子)(2019/05/27 06:00)
『時事メディカル』 ハヤミミ|Dr.純子のメディカルサロン から転写
https://medical.jiji.com/topics/1183?fbclid=IwAR0IjYAmQOWdZkn9aaFfE821u3O7jBiiT5ymaqQpHcr7bb3mRvZbjeqkLBw
6〜8月は脳梗塞に注意
〜見過ごしてしまう「前兆」とは〜
急に暑くなってきました。
この時期ストレスが続いたり、
長時間労働したりする人には、
脳梗塞のリスクがあることを知ってほしいと思います。
◇若くても油断は禁物
メディア関連の仕事をしている38歳の男性。
仕事が忙しく、今年春の定期健康診断を受けていないため、
産業医の面談をすることになり、お会いしました。
ちょうど出張帰りでしたが、
2日前から頭が痛い、首が凝る、ということでした。
出張先で忙しく、夜まで打ち合わせが続き、
終わった後にビールを飲み、
翌朝、すぐに報告会議があるというので出社したとのことでした。
血圧を測定したところ、なんと180/120という値で、
すぐに病院で受診をしてもらいました。
その結果、高血圧による頭痛で、脳血管障害の恐れもあるとのこと。
安静を指示され、その日は緊急入院となりました。
◇睡眠不足やストレスで血圧上昇
夏場だから血圧は低くなるはずと油断していると、
睡眠不足、塩分の多い外食とストレスで血圧が高くなっていることがあります。
これから夏場にかけて、汗をかき、
水分補給が十分ではない場合、脳梗塞のリスクも上昇します。
頭痛や首の凝りなどが続くときは、血圧を測ってみてください。
高いときには、すぐに受診をしましょう。
また、血圧は正常でも、
唇の周りに違和感があり、
しびれた感じがあるときや、
体に力が入らないときなども、
脳梗塞の前兆の場合がありますから、受診してください。
脳梗塞が冬の病気と思い込んでいる方も多いのですが、
実は6月から8月は脳梗塞の危険なシーズンです。
◇脳梗塞の前兆「しびれ感」
脳梗塞の前兆に、一過性脳虚血発作(TIA)というのがあります。
TIAとは、脳の血管が一時的に閉塞するものの、すぐに改善するという状態です。
まず、口の周りがしびれたり、
体のどちらか半分がまひしたり、
言葉が出にくく、舌がもつれたりなどの症状があります。
しかし、すぐに改善するので、
安心してしまうことが多く、
これが危険なのです。
その後、24時間から48時間以内に脳梗塞を起こすことが多いからです。
こうした症状があるときは、ためらわずに救急車を呼んで受診してください。
◇予防のための6カ条
以下は、夏場の脳梗塞を予防するための6カ条です。
1.水分の補給で脱水防止
水分補給の大切さは知っていても、
仕事で会議が続いたり、
車の運転で長時間、温室状態の車内にいたりした場合、
汗をかいて脱水状態になることがあります。
常にミネラルウオーターのボトルを持参して、
時間を決めて飲んでおくことをお勧めします。
会議であっても、
周りの人が飲んでいないからと遠慮せず、
水分を補給してください。
2. ストレスと睡眠不足に注意
ストレスが多く、眠りが浅い、朝早く目が覚めてしまって
熟睡感がないなどの場合、
血圧が上昇していることがあります。
寝る前に、身体をストレッチなどで緩めておくと、睡眠の質が改善します。
3.就寝前の呼吸で自律神経調整
寝る前の呼吸で睡眠の質は変わります。
鼻から息を吸い、吸う息の倍の長さで吐くという呼吸をすると、
交感神経の緊張が緩み、血圧が安定します。
寝る前の10分間ほど、この呼吸で緊張を緩めてください。
4.夜のビールはほどほどに
ビールは利尿を促すので、脱水になりやすいといえます。
ビールを飲んで水分を取ったと思うのは危険です。
夜、ビールを大量に飲み、そのまま寝てしまうというパターンはリスクが大きいです。
5.血圧を測ってみよう
血圧計はお持ちですか。
1台、家に置いて、時々測る習慣をつけてはどうでしょう。
普段低くても、急に高いことに気がついたら、
睡眠を十分に取って、リラックスする時間を増やすようにしてください。
6.楽観バイアス禁止
しびれがあったり、言葉が出にくくなったりしたら、
すぐ症状が治まっても、必ず受診をしてください。
何か変だと気付いても、
直ぐ治ると、受診するのを遠慮したりすることがあります。
脳梗塞は、治療開始が早ければ早いほど、予後がいいので受診をしてください。
(文 海原純子)(2019/05/27 06:00)
『時事メディカル』 ハヤミミ|Dr.純子のメディカルサロン から転写
https://medical.jiji.com/topics/1183?fbclid=IwAR0IjYAmQOWdZkn9aaFfE821u3O7jBiiT5ymaqQpHcr7bb3mRvZbjeqkLBw
2019年07月19日
英国で食品中の砂糖20%削減へ、関連疾患は抑制されるか/BMJ
(塩と脂がやりだまに上げられるが、
砂糖こそが、血管の老化を早める大元凶!
最近アメリカで発表された砂糖消費削減計画、
アメリカの前にイギリスで計画されていた
砂糖の削減の成果を早く知りたい!)
英国で食品中の砂糖20%削減へ、関連疾患は抑制されるか/BMJ
提供元:ケアネット 公開日:2019/05/07
2017年3月、英国政府は、食品製造および小売業界との協働で、
シリアルや菓子類など特定の食品群の砂糖含有量を
2020年までに20%削減する計画を発表した。
イングランド公衆衛生庁(Public Health England)は、
砂糖摂取目標を1日摂取カロリーの5%までとすることで
摂取カロリーを11%削減し、
これによって年間砂糖関連死を4,700件減らし、
医療費を年間5億7,600万ポンド抑制するとのモデルを打ち出した。
今回、同国オックスフォード大学のBen Amies-Cull氏らは、
砂糖減量計画の潜在的な健康上の有益性について予測評価を行い、
BMJ誌2019年4月17日号で報告した。
砂糖減量計画の肥満、疾病負担、医療費への影響を検討
研究グループは、英国政府による砂糖減量計画が
子供および成人の肥満、
成人の疾病負担、
医療費に及ぼす影響の予測を
目的にモデル化研究を行った(特定の研究助成は受けていない)。
全国食事栄養調査(National Diet and Nutrition Survey:NDNS)
の2012〜13年度と2013〜14年度におけるイングランドの
食品消費と栄養素含有量データを用いて
シミュレーションを行い、
砂糖減量計画によって達成される体重およびBMIの
潜在的な変化を予測するシナリオをモデル化した。
シナリオ分析は、個々の製品に含まれる砂糖の量の20%削減
(低砂糖含有量製品へ組成を変更または販売の重点の転換
[砂糖含有量の多い製品から少ない製品へ])
または製品の1人前分量の20%削減について行った。
イングランドに居住する4〜80歳のNDNS調査対象者1,508例のデータを用いた。
主要アウトカムは、子供と成人の摂取カロリー、体重、BMIの変化とした。
成人では、質調整生存年(QALY)および医療費への影響などの評価を行った。
10年で、糖尿病が15万4,550例減少、総医療費は2億8,580万ポンド削減
砂糖減量計画が完全に達成され、
予定された砂糖の減量がもたらされた場合、
1日摂取カロリー(1kcal=4.18kJ=0.00418MJ)は、
4〜10歳で25kcal(95%信頼区間[CI]:23〜26)低下し、
11〜18歳も同じく25kcal(24〜28)、
19〜80歳では19kcal(17〜20)低下すると推定された。
介入の前後で、
体重は4〜10歳で女児が0.26kg、男児は0.28kg減少し、
これによってBMIはそれぞれ0.17、0.18低下すると予測された。
同様に、11〜18歳の体重は女児が0.25kg、男児は0.31kg減少し、
BMIはそれぞれ0.10、0.11低下した。
また、19〜80歳の体重は女性が1.77kg、男性は1.51kg減少し、
BMIは0.67、0.51低下した。
全体の肥満者の割合は、
ベースラインと比較して、
4〜10歳で5.5%減少し、
11〜18歳で2.2%、
19〜80歳では5.5%減少すると予測された。
QALYについては、
10年間に、女性で2万7,855 QALY(95%不確定区間[UI]:2万4,573〜3万873)、
男性では2万3,874 QALY(2万1,194〜2万6,369)延長し、
合わせて5万1,729 QALY(4万5,768〜5万7,242)の改善が得られると推算された。
疾患別のQALY質調整生存年改善への影響は、
糖尿病が圧倒的に大きく、
10年間に女性で8万9,571例(95%UI:7万6,925〜10万1,081)、
男性で6万4,979例(5万5,698〜7万3,523)、
合計15万4,550例(13万2,623〜17万4,604)が減少すると予測された。
また、10年で大腸がんが5,793例、
肝硬変が5,602例、
心血管疾患は3,511例減少するが、
肺がんと胃がんの患者はわずかに増加した。
総医療費は、10年間に2億8,580万ポンド
(3億3,250万ユーロ、3億7,350万米ドル、
95%UI:2億4,970万〜3億1,980万ポンド)
削減されると推定された。
3つの砂糖減量アプローチ
(製品組成の変更、1人前分量の削減、販売の重点の転換)
のうち、
1つで摂取カロリー削減に成功しなかった場合、
疾病予防への影響が減衰し、
健康上の有益性が容易に失われる可能性が示唆された。
著者は、「英国政府による砂糖減量計画では、
砂糖の量および1人前の分量の削減が、
摂食パターンや製品組成に予期せぬ変化をもたらさない限り、
肥満および肥満関連疾患の負担の軽減が可能と考えられる」としている。
(医学ライター 菅野 守)
原著論文はこちら
Amies-Cull B, et al. BMJ. 2019;365:l1417.
砂糖こそが、血管の老化を早める大元凶!
最近アメリカで発表された砂糖消費削減計画、
アメリカの前にイギリスで計画されていた
砂糖の削減の成果を早く知りたい!)
英国で食品中の砂糖20%削減へ、関連疾患は抑制されるか/BMJ
提供元:ケアネット 公開日:2019/05/07
2017年3月、英国政府は、食品製造および小売業界との協働で、
シリアルや菓子類など特定の食品群の砂糖含有量を
2020年までに20%削減する計画を発表した。
イングランド公衆衛生庁(Public Health England)は、
砂糖摂取目標を1日摂取カロリーの5%までとすることで
摂取カロリーを11%削減し、
これによって年間砂糖関連死を4,700件減らし、
医療費を年間5億7,600万ポンド抑制するとのモデルを打ち出した。
今回、同国オックスフォード大学のBen Amies-Cull氏らは、
砂糖減量計画の潜在的な健康上の有益性について予測評価を行い、
BMJ誌2019年4月17日号で報告した。
砂糖減量計画の肥満、疾病負担、医療費への影響を検討
研究グループは、英国政府による砂糖減量計画が
子供および成人の肥満、
成人の疾病負担、
医療費に及ぼす影響の予測を
目的にモデル化研究を行った(特定の研究助成は受けていない)。
全国食事栄養調査(National Diet and Nutrition Survey:NDNS)
の2012〜13年度と2013〜14年度におけるイングランドの
食品消費と栄養素含有量データを用いて
シミュレーションを行い、
砂糖減量計画によって達成される体重およびBMIの
潜在的な変化を予測するシナリオをモデル化した。
シナリオ分析は、個々の製品に含まれる砂糖の量の20%削減
(低砂糖含有量製品へ組成を変更または販売の重点の転換
[砂糖含有量の多い製品から少ない製品へ])
または製品の1人前分量の20%削減について行った。
イングランドに居住する4〜80歳のNDNS調査対象者1,508例のデータを用いた。
主要アウトカムは、子供と成人の摂取カロリー、体重、BMIの変化とした。
成人では、質調整生存年(QALY)および医療費への影響などの評価を行った。
10年で、糖尿病が15万4,550例減少、総医療費は2億8,580万ポンド削減
砂糖減量計画が完全に達成され、
予定された砂糖の減量がもたらされた場合、
1日摂取カロリー(1kcal=4.18kJ=0.00418MJ)は、
4〜10歳で25kcal(95%信頼区間[CI]:23〜26)低下し、
11〜18歳も同じく25kcal(24〜28)、
19〜80歳では19kcal(17〜20)低下すると推定された。
介入の前後で、
体重は4〜10歳で女児が0.26kg、男児は0.28kg減少し、
これによってBMIはそれぞれ0.17、0.18低下すると予測された。
同様に、11〜18歳の体重は女児が0.25kg、男児は0.31kg減少し、
BMIはそれぞれ0.10、0.11低下した。
また、19〜80歳の体重は女性が1.77kg、男性は1.51kg減少し、
BMIは0.67、0.51低下した。
全体の肥満者の割合は、
ベースラインと比較して、
4〜10歳で5.5%減少し、
11〜18歳で2.2%、
19〜80歳では5.5%減少すると予測された。
QALYについては、
10年間に、女性で2万7,855 QALY(95%不確定区間[UI]:2万4,573〜3万873)、
男性では2万3,874 QALY(2万1,194〜2万6,369)延長し、
合わせて5万1,729 QALY(4万5,768〜5万7,242)の改善が得られると推算された。
疾患別のQALY質調整生存年改善への影響は、
糖尿病が圧倒的に大きく、
10年間に女性で8万9,571例(95%UI:7万6,925〜10万1,081)、
男性で6万4,979例(5万5,698〜7万3,523)、
合計15万4,550例(13万2,623〜17万4,604)が減少すると予測された。
また、10年で大腸がんが5,793例、
肝硬変が5,602例、
心血管疾患は3,511例減少するが、
肺がんと胃がんの患者はわずかに増加した。
総医療費は、10年間に2億8,580万ポンド
(3億3,250万ユーロ、3億7,350万米ドル、
95%UI:2億4,970万〜3億1,980万ポンド)
削減されると推定された。
3つの砂糖減量アプローチ
(製品組成の変更、1人前分量の削減、販売の重点の転換)
のうち、
1つで摂取カロリー削減に成功しなかった場合、
疾病予防への影響が減衰し、
健康上の有益性が容易に失われる可能性が示唆された。
著者は、「英国政府による砂糖減量計画では、
砂糖の量および1人前の分量の削減が、
摂食パターンや製品組成に予期せぬ変化をもたらさない限り、
肥満および肥満関連疾患の負担の軽減が可能と考えられる」としている。
(医学ライター 菅野 守)
原著論文はこちら
Amies-Cull B, et al. BMJ. 2019;365:l1417.
2019年07月18日
「遅い夕食+朝食抜き」で心筋梗塞後の転帰が悪化?
(悪い食習慣を薬で代替えすることはできない!)
「遅い夕食+朝食抜き」で心筋梗塞後の転帰が悪化?
提供元:HealthDay News 公開日:2019/05/27
食事を取るタイミングが心筋梗塞後の転帰に影響する可能性があることが、
サンパウロ州立大学(ブラジル)のMarcos Minicucci氏らの研究で明らかになった。
「遅い時間帯に夕食を取り、翌日の朝食を抜く」
という習慣がある患者では、
そうした習慣がない患者に比べて、
ST上昇型心筋梗塞後の転帰が不良になりやすく、
死亡リスクも高いことが分かった。
研究の詳細は「European Journal of Preventive Cardiology」
4月18日オンライン版に掲載された。
この研究は、2017〜2018年に、ST上昇型心筋梗塞を発症して
冠動脈疾患集中治療室(ICU)に入院した
18歳以上の患者113人(平均年齢は59.9歳、男性73%)を対象としたもの。
対象患者には、入院時に食習慣について尋ね、
といった習慣の有無を評価した。
なお、「朝食の欠食」
は、昼食前にコーヒーや水などの飲み物以外に
何も食べない日が週3回以上ある場合とし、
「遅い時間帯の夕食」は、
就寝前2時間以内に食事を取る日が週に3回以上ある場合と定義した。
そうしたところ、朝食の欠食は対象患者の57.5%に、
遅い時間帯の夕食は51.3%にみられた以外に、
40.7%には「遅い時間帯に夕食を取り、翌日の朝食を抜く」という習慣がみられた。
分析の結果、遅い時間帯に夕食を取り、
翌日の朝食を抜くという一連の習慣がある患者では、
そうでない患者に比べて退院後30日以内の死亡リスクや、
心筋梗塞の再発、
それに伴い狭心症を発症するリスクが約4倍に上ることが分かった
(オッズ比4.229、P=0.004)。
Minicucci氏は「朝食を抜くことと遅い時間帯の夕食は、
それぞれ独立して心筋梗塞後の転帰不良と関連するが、
これらが連続した習慣があると、
転帰はより悪化する可能性があることが分かった」
と結論づけている。
同氏は、例えば、夜遅くまで働いていると夕食の時間が遅くなりがちで、
翌朝も空腹を感じずに朝食を食べないことが多いと説明する。
しかし、今回の研究は観察研究であるため、因果関係を証明するものではないという。
ST上昇型心筋梗塞は心筋梗塞の中でも重症度が高く、
10人中1人は退院から1年以内に死亡に至るとされる。
Minicucci氏によれば、こうした患者の転帰を改善する方法として、十分な栄養の摂取が挙げられるという。
また、これまでの研究では、
朝食を食べなかったり、遅い時間帯に夕食を取ったりする習慣がある人は、
喫煙習慣や運動不足などの他の不健康な生活習慣を伴いやすい傾向がみられることが報告されている。
Minicucci氏は「このような健康に悪い生活習慣と心血管疾患の転帰との関連には、
炎症の亢進や酸化ストレスの増大、
血管内皮機能の低下といった要因も影響すると考えられる」
と述べている。
さらに、今回の研究では、
不健康な生活習慣があり、転帰も不良だった心筋梗塞患者では、
そうではない患者に比べて
発作が起こる前からコレステロール低下薬のスタチンを服用している割合が高い
ことも分かった。
Minicucci氏は、同薬を服用している心筋梗塞患者の食習慣については別に議論する必要がある
としながらも、
「今回の研究では、スタチンを服用すれば悪い生活習慣の影響を帳消しにできる
と考えている患者も多いことが分かった」と指摘。
「スタチンなどの薬剤は、健康に良い食習慣の効果を上げる補助的なものにすぎず、
その代替となるものではないことに注意が必要だ」と述べている。
[2019年4月18日/HealthDayNews]Copyright (c) 2019 HealthDay.
原著論文はこちら
Vieira Musse GN, et al. Eur J Prev Cardiol. 2019 Apr 17. [Epub ahead of print]
「遅い夕食+朝食抜き」で心筋梗塞後の転帰が悪化?
提供元:HealthDay News 公開日:2019/05/27
食事を取るタイミングが心筋梗塞後の転帰に影響する可能性があることが、
サンパウロ州立大学(ブラジル)のMarcos Minicucci氏らの研究で明らかになった。
「遅い時間帯に夕食を取り、翌日の朝食を抜く」
という習慣がある患者では、
そうした習慣がない患者に比べて、
ST上昇型心筋梗塞後の転帰が不良になりやすく、
死亡リスクも高いことが分かった。
研究の詳細は「European Journal of Preventive Cardiology」
4月18日オンライン版に掲載された。
この研究は、2017〜2018年に、ST上昇型心筋梗塞を発症して
冠動脈疾患集中治療室(ICU)に入院した
18歳以上の患者113人(平均年齢は59.9歳、男性73%)を対象としたもの。
対象患者には、入院時に食習慣について尋ね、
といった習慣の有無を評価した。
なお、「朝食の欠食」
は、昼食前にコーヒーや水などの飲み物以外に
何も食べない日が週3回以上ある場合とし、
「遅い時間帯の夕食」は、
就寝前2時間以内に食事を取る日が週に3回以上ある場合と定義した。
そうしたところ、朝食の欠食は対象患者の57.5%に、
遅い時間帯の夕食は51.3%にみられた以外に、
40.7%には「遅い時間帯に夕食を取り、翌日の朝食を抜く」という習慣がみられた。
分析の結果、遅い時間帯に夕食を取り、
翌日の朝食を抜くという一連の習慣がある患者では、
そうでない患者に比べて退院後30日以内の死亡リスクや、
心筋梗塞の再発、
それに伴い狭心症を発症するリスクが約4倍に上ることが分かった
(オッズ比4.229、P=0.004)。
Minicucci氏は「朝食を抜くことと遅い時間帯の夕食は、
それぞれ独立して心筋梗塞後の転帰不良と関連するが、
これらが連続した習慣があると、
転帰はより悪化する可能性があることが分かった」
と結論づけている。
同氏は、例えば、夜遅くまで働いていると夕食の時間が遅くなりがちで、
翌朝も空腹を感じずに朝食を食べないことが多いと説明する。
しかし、今回の研究は観察研究であるため、因果関係を証明するものではないという。
ST上昇型心筋梗塞は心筋梗塞の中でも重症度が高く、
10人中1人は退院から1年以内に死亡に至るとされる。
Minicucci氏によれば、こうした患者の転帰を改善する方法として、十分な栄養の摂取が挙げられるという。
また、これまでの研究では、
朝食を食べなかったり、遅い時間帯に夕食を取ったりする習慣がある人は、
喫煙習慣や運動不足などの他の不健康な生活習慣を伴いやすい傾向がみられることが報告されている。
Minicucci氏は「このような健康に悪い生活習慣と心血管疾患の転帰との関連には、
炎症の亢進や酸化ストレスの増大、
血管内皮機能の低下といった要因も影響すると考えられる」
と述べている。
さらに、今回の研究では、
不健康な生活習慣があり、転帰も不良だった心筋梗塞患者では、
そうではない患者に比べて
発作が起こる前からコレステロール低下薬のスタチンを服用している割合が高い
ことも分かった。
Minicucci氏は、同薬を服用している心筋梗塞患者の食習慣については別に議論する必要がある
としながらも、
「今回の研究では、スタチンを服用すれば悪い生活習慣の影響を帳消しにできる
と考えている患者も多いことが分かった」と指摘。
「スタチンなどの薬剤は、健康に良い食習慣の効果を上げる補助的なものにすぎず、
その代替となるものではないことに注意が必要だ」と述べている。
[2019年4月18日/HealthDayNews]Copyright (c) 2019 HealthDay.
原著論文はこちら
Vieira Musse GN, et al. Eur J Prev Cardiol. 2019 Apr 17. [Epub ahead of print]
2019年07月17日
早期胃癌に対して非治癒的内視鏡的粘膜下層剥離術後(ESD)に根治的切除術を追加しなかった症例の再発パターンとサルベージ手術のアウトカム
(早期胃がんに対して内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)が行われるようになったが、
完全切除できなかった場合は追加切除が当然必要だと医学的に確認された。
1万5,785例中1,969例が完全切除できなかった(1969/15785=12.4%)。
905例は追加治療を受けず、453例目のフォローアップ期間が64ヶ月の検討で、
27例が再発した(2例欠失、27/903=2.76%)。
ESD選択症例は、高齢、基礎疾患などで手術を選択できない症例がかなり含まれるはずなので、
1群リンパ節が郭清できる体力があれば、腹腔鏡下、開腹でも系統的な郭清を含む胃切除術を薦めたい)
早期胃癌に対して非治癒的内視鏡的粘膜下層剥離術後(ESD)に根治的切除術を追加しなかった症例の再発パターンとサルベージ手術のアウトカム
原題
Recurrence Patterns and Outcomes of Salvage Surgery in Cases of Non-Curative Endoscopic Submucosal Dissection without Additional Radical Surgery for Early Gastric Cancer.
著者
Takizawa K, Hatta W, Gotoda T, Kawata N, Nakagawa M, Takahashi A, Esaki M, Mitoro A, Yamada S, Tanaka K, Matsuda M, Takada J, Oka S, Ito H, Ohnita K, Shimoda R, Hoteya S, Oyama T, Shimosegawa T
Impact factor 1.94
サマリー
目的・背景
早期胃癌に対して非治癒的ESD後に根治的切除術を追加しなかった場合の,
再発に対するサルベージ手術のアウトカムは明らかになっていない
多施設後ろ向き研究における該当症例のデータを用いて,
再発パターンおよびサルベージ手術のアウトカムについて検討した
デザイン
2000年1月〜2011年8月に19施設において,
早期胃癌に対してESDを受けた1万5,785例のうち,
1,969例が現在の治癒基準を満たしていなかった
そのうち905例は追加治療を受けておらず,
これらの患者について再発パターン,サルベージ手術後の臨床経過,長期生存率を評価した
結果
中央値64ヵ月のフォローアップ期間において27例で再発が認められた
2例はデータ欠失のため除外した
3例で胃内再発,7例で所属リンパ節転移,15例(60%)で遠隔転移が認められた
再発に対する一次治療は,内視鏡治療1例,サルベージ手術7例,化学療法6例,ベストサポーティブケア11例であった
サルベージ手術後,1例は31ヵ月無再発生存し,1例は術後1ヵ月で急性心筋梗塞により死亡し,5例は術後0,2,3,5,30ヵ月後にそれぞれ再発し最終的に死亡した
サルベージ手術後に再発した7例の生存期間中央値は,再発からは5ヵ月であり,術後からは7ヵ月であった
(和文サマリー作成:m3 シーアイワークスグループ)
Digestion. 2019;99(1):52-58
完全切除できなかった場合は追加切除が当然必要だと医学的に確認された。
1万5,785例中1,969例が完全切除できなかった(1969/15785=12.4%)。
905例は追加治療を受けず、453例目のフォローアップ期間が64ヶ月の検討で、
27例が再発した(2例欠失、27/903=2.76%)。
ESD選択症例は、高齢、基礎疾患などで手術を選択できない症例がかなり含まれるはずなので、
1群リンパ節が郭清できる体力があれば、腹腔鏡下、開腹でも系統的な郭清を含む胃切除術を薦めたい)
早期胃癌に対して非治癒的内視鏡的粘膜下層剥離術後(ESD)に根治的切除術を追加しなかった症例の再発パターンとサルベージ手術のアウトカム
原題
Recurrence Patterns and Outcomes of Salvage Surgery in Cases of Non-Curative Endoscopic Submucosal Dissection without Additional Radical Surgery for Early Gastric Cancer.
著者
Takizawa K, Hatta W, Gotoda T, Kawata N, Nakagawa M, Takahashi A, Esaki M, Mitoro A, Yamada S, Tanaka K, Matsuda M, Takada J, Oka S, Ito H, Ohnita K, Shimoda R, Hoteya S, Oyama T, Shimosegawa T
Impact factor 1.94
サマリー
目的・背景
早期胃癌に対して非治癒的ESD後に根治的切除術を追加しなかった場合の,
再発に対するサルベージ手術のアウトカムは明らかになっていない
多施設後ろ向き研究における該当症例のデータを用いて,
再発パターンおよびサルベージ手術のアウトカムについて検討した
デザイン
2000年1月〜2011年8月に19施設において,
早期胃癌に対してESDを受けた1万5,785例のうち,
1,969例が現在の治癒基準を満たしていなかった
そのうち905例は追加治療を受けておらず,
これらの患者について再発パターン,サルベージ手術後の臨床経過,長期生存率を評価した
結果
中央値64ヵ月のフォローアップ期間において27例で再発が認められた
2例はデータ欠失のため除外した
3例で胃内再発,7例で所属リンパ節転移,15例(60%)で遠隔転移が認められた
再発に対する一次治療は,内視鏡治療1例,サルベージ手術7例,化学療法6例,ベストサポーティブケア11例であった
サルベージ手術後,1例は31ヵ月無再発生存し,1例は術後1ヵ月で急性心筋梗塞により死亡し,5例は術後0,2,3,5,30ヵ月後にそれぞれ再発し最終的に死亡した
サルベージ手術後に再発した7例の生存期間中央値は,再発からは5ヵ月であり,術後からは7ヵ月であった
(和文サマリー作成:m3 シーアイワークスグループ)
Digestion. 2019;99(1):52-58
2019年07月16日
「朝食抜き」は心臓の健康に有害?/JACC
(朝食抜きは肥満につながるという報告はよく見るが、
”朝食抜きで脳卒中による死亡リスクが3倍以上高まる”、
”心筋梗塞や脳卒中で死亡するリスクが87%高くなる”は初めて!)
「朝食抜き」は心臓の健康に有害?/JACC
提供元:HealthDay News 公開日:2019/05/23
朝食を取る習慣が全くない人は、
毎日取る人と比べて心血管疾患による死亡リスクが高い可能性があることが、
米アイオワ大学のWei Bao氏らの研究で明らかになった。
6,000人を超える健康な米国成人を約20年間追跡して分析したこの研究では、
朝食を全く取らない人では、
毎日取る人と比べて、
特に『脳卒中による死亡リスクが3倍以上』に高まることが分かった。
研究の詳細は「Journal of the American College of Cardiology」
4月22日オンライン版に掲載された。
Bao氏らによると、
米国ではこの50年間で朝食を取らない人が増えており、
若年者の23.8%は朝食を食べない
という調査結果も報告されているという。
そこで、同氏らは今回、米国成人を長期にわたり追跡し、
朝食を抜くことが心臓の健康に及ぼす影響について調べる研究を行った。
Bao氏らは、1988〜1994年の米国国民健康栄養調査(NHANES)
に参加した40〜75歳の成人6,550人(平均年齢53.2歳、男性が48%)を対象に、
2011年まで17〜23年間、前向きに追跡した。
参加者の16%は朝食を「全く」あるいは「ほとんど」取らないと回答し
(それぞれ5.1%、10.9%)、59%は「毎日取る」と回答していた。
年齢や性、人種などで調整して解析した結果、
朝食を全く取らない人では、毎日取る人と比べて全死亡リスクは19%高く、
心筋梗塞や脳卒中などの心血管疾患により死亡するリスクは87%高いことが分かった。
Bao氏らは、朝食を抜くと健康に長期的な悪影響が出る理由は複数考えられるが、
中でも、「朝食を食べないと空腹感が強まって昼食を食べ過ぎたり、
間食したりすることで肥満につながる可能性が注目される」としている。
また、起床後から絶食状態が長く続くと、
肥満や糖尿病の発症につながるインスリン感受性の低下や、
他のホルモンへの影響による血圧の上昇のほか、
コレステロール値が悪化する可能性が示されているという。
今回の研究は、これらの因果関係を証明するものではないが、
専門家の一人で、米スタテン・アイランド大学病院胸部心臓外科のMohammad Imam氏も
「栄養バランスの取れた朝食が心血管の健康につながることは、既に十分に裏付けられている」
と話し、起床後にはすぐに朝食を取ることが重要とするBao氏らの意見に同意している。
スポーツ心臓病学を専門とする米レノックス・ヒル病院のSunny Intwala氏も
「朝食を食べないと肥満リスクが高まる可能性を示した今回の研究結果には意味がある」
と述べ、
「多くの人は減量のために朝食を抜こうとするが、
これは逆効果で、結果的に暴飲暴食につながることも多い」
と説明している。
また、同氏によれば、朝食に何を食べるのかも重要で、
「一食分に20gもの砂糖を含む菓子パンやシリアルは避け、
全粒粉のシリアルや果物、ナッツ類、良質なたんぱく質を中心とした
栄養価の高い朝食を取ることが大切だ」
と助言している。
[2019年4月23日/HealthDayNews]Copyright (c) 2019 HealthDay.
原著論文はこちら
Rong S, et al. J Am Coll Cardiol. 2019 Apr 22. [Epub ahead of print]
”朝食抜きで脳卒中による死亡リスクが3倍以上高まる”、
”心筋梗塞や脳卒中で死亡するリスクが87%高くなる”は初めて!)
「朝食抜き」は心臓の健康に有害?/JACC
提供元:HealthDay News 公開日:2019/05/23
朝食を取る習慣が全くない人は、
毎日取る人と比べて心血管疾患による死亡リスクが高い可能性があることが、
米アイオワ大学のWei Bao氏らの研究で明らかになった。
6,000人を超える健康な米国成人を約20年間追跡して分析したこの研究では、
朝食を全く取らない人では、
毎日取る人と比べて、
特に『脳卒中による死亡リスクが3倍以上』に高まることが分かった。
研究の詳細は「Journal of the American College of Cardiology」
4月22日オンライン版に掲載された。
Bao氏らによると、
米国ではこの50年間で朝食を取らない人が増えており、
若年者の23.8%は朝食を食べない
という調査結果も報告されているという。
そこで、同氏らは今回、米国成人を長期にわたり追跡し、
朝食を抜くことが心臓の健康に及ぼす影響について調べる研究を行った。
Bao氏らは、1988〜1994年の米国国民健康栄養調査(NHANES)
に参加した40〜75歳の成人6,550人(平均年齢53.2歳、男性が48%)を対象に、
2011年まで17〜23年間、前向きに追跡した。
参加者の16%は朝食を「全く」あるいは「ほとんど」取らないと回答し
(それぞれ5.1%、10.9%)、59%は「毎日取る」と回答していた。
年齢や性、人種などで調整して解析した結果、
朝食を全く取らない人では、毎日取る人と比べて全死亡リスクは19%高く、
心筋梗塞や脳卒中などの心血管疾患により死亡するリスクは87%高いことが分かった。
Bao氏らは、朝食を抜くと健康に長期的な悪影響が出る理由は複数考えられるが、
中でも、「朝食を食べないと空腹感が強まって昼食を食べ過ぎたり、
間食したりすることで肥満につながる可能性が注目される」としている。
また、起床後から絶食状態が長く続くと、
肥満や糖尿病の発症につながるインスリン感受性の低下や、
他のホルモンへの影響による血圧の上昇のほか、
コレステロール値が悪化する可能性が示されているという。
今回の研究は、これらの因果関係を証明するものではないが、
専門家の一人で、米スタテン・アイランド大学病院胸部心臓外科のMohammad Imam氏も
「栄養バランスの取れた朝食が心血管の健康につながることは、既に十分に裏付けられている」
と話し、起床後にはすぐに朝食を取ることが重要とするBao氏らの意見に同意している。
スポーツ心臓病学を専門とする米レノックス・ヒル病院のSunny Intwala氏も
「朝食を食べないと肥満リスクが高まる可能性を示した今回の研究結果には意味がある」
と述べ、
「多くの人は減量のために朝食を抜こうとするが、
これは逆効果で、結果的に暴飲暴食につながることも多い」
と説明している。
また、同氏によれば、朝食に何を食べるのかも重要で、
「一食分に20gもの砂糖を含む菓子パンやシリアルは避け、
全粒粉のシリアルや果物、ナッツ類、良質なたんぱく質を中心とした
栄養価の高い朝食を取ることが大切だ」
と助言している。
[2019年4月23日/HealthDayNews]Copyright (c) 2019 HealthDay.
原著論文はこちら
Rong S, et al. J Am Coll Cardiol. 2019 Apr 22. [Epub ahead of print]
2019年07月15日
世界の思春期HPVワクチン接種状況
日本だけが極端に低い!
先進国の中で、日本だけが子宮頸がんが増え続けるわけだが、
誰が責任を取るのだろうか?
政府?厚生労働省?マスコミ?
世界の思春期HPVワクチン接種状況
接種率回復した国も
2019年05月21日 06:10
ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの「積極的勧奨中止」から6年がたとうとしている。
その間の接種率低迷が、日本の将来の子宮頸がん発症率にどう影響するのか、
他の国よりも悪い状況にならないかと懸念する向きも多い。
このような中、聖マリアンナ医科大学小児科講師の
勝田友博氏は第71回日本産科婦人科学会(4月11〜14日)で、
世界と日本の思春期小児へのHPVワクチン接種状況を報告、今後の課題を述べた。
日本では2000年以降の出生者で接種率ほぼ0%
2018年時点で、HPVワクチンは108カ国で導入されている。
最も接種率が高いのはマレーシア(2010年、98%)で、
ブータン(同、96%)、メキシコ(2008年、96%)と続き、
接種率の高い国では、学校で接種を受けられるケースが多くなっている。
ところが、日本は1%未満(2011年)と極端に低い。
日本では1994年に予防接種法が改正された。
それにより、予防接種政策の目的は「社会防衛」から「個人防衛」に移行し、
「義務接種」が「勧奨接種」「接種努力義務」へと転換された。
個人の意思が尊重されやすくなった反面、
責任を含めて保護者に判断を委ねるという状況が生まれている。
このような中、2009年に2価HPVワクチンが認可され、
2010年には国が13〜16歳女児への接種に対する助成を決めた。
2011年には4価HPVワクチンが認可され、
2013年4月には定期接種化されたが、
有害事象を疑う報道が先行し、
世論に押される形で同年6月には政府による積極的な勧奨が差し控えられた。
この流れが大きく影響し、
1994〜99年出生者の2010年における接種率は70%であったが、
2000年以降の出生者ではほぼ0%へと激減。
メディアで、一般向けにHPVワクチンの有用性に関する話題が取り上げられることも減っている。
他国に見る接種率回復への努力
海外での状況はどうか。
例えば米国の接種率は、2011年から右肩上がりに推移し、
2017年には48.6%(2回以上接種)まで上昇している。
特にロードアイランド州では
7年生(日本では中学1年生に相当)進学時に
HPVワクチンが強制接種となっており、
学校へ証明書を提示することが必要になっている。
これにより、同州の13〜17歳における接種率(2016年)は70%を超えたという。
一方、日本以外にも接種率が下がっている国があり、
例としてデンマークとアイルランドが挙げられた。
デンマークの接種率(初回)は2002年生まれの人で90%、2003年生まれの人で40%。
アイルランドの接種率(初回)は2015年の82.4%から2016年には50%へと低下した。
両国ともHPVワクチンへの反対運動や偏った報道が背景にあり、
この経緯は日本とよく似ている。
しかしその後、両国ともHPVワクチン接種率回復のための対策が取られ、
特にアイルランドでは2017年に61.7%まで回復している。
勝田氏は、接種の積極的な勧奨を促進する関連団体運営グループ設立の他、
医療者へのe-learning、
接種機会を逃した児に対するキャッチアップ、
領域を越えた強力な連携などの対策が、接種率回復の鍵になったという。
また、アイルランド政府がこういった積極的な取り組みを後押ししていた。
保護者に正確な情報を提供できる体制づくりを
勝田氏は、日本では積極的な接種勧奨の再開時期がまだ予測できないことに触れつつ、
日本でHPVワクチン接種率が低い理由は他にもあると指摘する。
それは、接種してもすぐに効果を実感できず、
ワクチンの信頼性が低下してしまうことだ。
即効性のあるワクチンであれば、接種率が下がるとその後疾患が増加し、
ワクチンの接種率は回復するが、
HPVワクチンでは効果が見えにくく、
接種率の向上につながりにくい。
また、接種する医師(小児科、内科)と
子宮頸がんという疾患を診察する医師(産婦人科)が
異なるケースが少なくないことも、
患者が疾患についてワンストップで情報を得にくくしており、問題だという。
同氏は「諸外国に比べて日本のHPVワクチン接種率は明らかに低い。
しかし、数十年後に日本だけ子宮頸がんで多くの人が亡くなるという危機が迫っており、
この状況を見過ごすことはできない」と指摘。
小児科医、内科医、産婦人科医が連携し、
正確な情報を保護者に提供できる体制づくりが重要であり、
たとえ"接種しない"という判断がなされるとしても、
正しい情報を知った上での判断であるようにすることが、医療者の責務だと締めくくった。
(鶴岡俊志)
先進国の中で、日本だけが子宮頸がんが増え続けるわけだが、
誰が責任を取るのだろうか?
政府?厚生労働省?マスコミ?
世界の思春期HPVワクチン接種状況
接種率回復した国も
2019年05月21日 06:10
ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの「積極的勧奨中止」から6年がたとうとしている。
その間の接種率低迷が、日本の将来の子宮頸がん発症率にどう影響するのか、
他の国よりも悪い状況にならないかと懸念する向きも多い。
このような中、聖マリアンナ医科大学小児科講師の
勝田友博氏は第71回日本産科婦人科学会(4月11〜14日)で、
世界と日本の思春期小児へのHPVワクチン接種状況を報告、今後の課題を述べた。
日本では2000年以降の出生者で接種率ほぼ0%
2018年時点で、HPVワクチンは108カ国で導入されている。
最も接種率が高いのはマレーシア(2010年、98%)で、
ブータン(同、96%)、メキシコ(2008年、96%)と続き、
接種率の高い国では、学校で接種を受けられるケースが多くなっている。
ところが、日本は1%未満(2011年)と極端に低い。
日本では1994年に予防接種法が改正された。
それにより、予防接種政策の目的は「社会防衛」から「個人防衛」に移行し、
「義務接種」が「勧奨接種」「接種努力義務」へと転換された。
個人の意思が尊重されやすくなった反面、
責任を含めて保護者に判断を委ねるという状況が生まれている。
このような中、2009年に2価HPVワクチンが認可され、
2010年には国が13〜16歳女児への接種に対する助成を決めた。
2011年には4価HPVワクチンが認可され、
2013年4月には定期接種化されたが、
有害事象を疑う報道が先行し、
世論に押される形で同年6月には政府による積極的な勧奨が差し控えられた。
この流れが大きく影響し、
1994〜99年出生者の2010年における接種率は70%であったが、
2000年以降の出生者ではほぼ0%へと激減。
メディアで、一般向けにHPVワクチンの有用性に関する話題が取り上げられることも減っている。
他国に見る接種率回復への努力
海外での状況はどうか。
例えば米国の接種率は、2011年から右肩上がりに推移し、
2017年には48.6%(2回以上接種)まで上昇している。
特にロードアイランド州では
7年生(日本では中学1年生に相当)進学時に
HPVワクチンが強制接種となっており、
学校へ証明書を提示することが必要になっている。
これにより、同州の13〜17歳における接種率(2016年)は70%を超えたという。
一方、日本以外にも接種率が下がっている国があり、
例としてデンマークとアイルランドが挙げられた。
デンマークの接種率(初回)は2002年生まれの人で90%、2003年生まれの人で40%。
アイルランドの接種率(初回)は2015年の82.4%から2016年には50%へと低下した。
両国ともHPVワクチンへの反対運動や偏った報道が背景にあり、
この経緯は日本とよく似ている。
しかしその後、両国ともHPVワクチン接種率回復のための対策が取られ、
特にアイルランドでは2017年に61.7%まで回復している。
勝田氏は、接種の積極的な勧奨を促進する関連団体運営グループ設立の他、
医療者へのe-learning、
接種機会を逃した児に対するキャッチアップ、
領域を越えた強力な連携などの対策が、接種率回復の鍵になったという。
また、アイルランド政府がこういった積極的な取り組みを後押ししていた。
保護者に正確な情報を提供できる体制づくりを
勝田氏は、日本では積極的な接種勧奨の再開時期がまだ予測できないことに触れつつ、
日本でHPVワクチン接種率が低い理由は他にもあると指摘する。
それは、接種してもすぐに効果を実感できず、
ワクチンの信頼性が低下してしまうことだ。
即効性のあるワクチンであれば、接種率が下がるとその後疾患が増加し、
ワクチンの接種率は回復するが、
HPVワクチンでは効果が見えにくく、
接種率の向上につながりにくい。
また、接種する医師(小児科、内科)と
子宮頸がんという疾患を診察する医師(産婦人科)が
異なるケースが少なくないことも、
患者が疾患についてワンストップで情報を得にくくしており、問題だという。
同氏は「諸外国に比べて日本のHPVワクチン接種率は明らかに低い。
しかし、数十年後に日本だけ子宮頸がんで多くの人が亡くなるという危機が迫っており、
この状況を見過ごすことはできない」と指摘。
小児科医、内科医、産婦人科医が連携し、
正確な情報を保護者に提供できる体制づくりが重要であり、
たとえ"接種しない"という判断がなされるとしても、
正しい情報を知った上での判断であるようにすることが、医療者の責務だと締めくくった。
(鶴岡俊志)
2019年07月14日
異物誤飲による乳幼児の救急外来受診、米で1990年代から倍増
(ホタン電池、磁石複数で緊急手術になった症例報告はあります。
乳幼児はなんでも口に入れて確認しますので、
床に危険なものがないか、目線を低くして見直してみてください。
タバコを食べて救急外来を受診した子供の胃洗浄をしたこともありました)
異物誤飲による乳幼児の救急外来受診、米で1990年代から倍増
提供元:HealthDay News 公開日:2019/05/21
米国では、毎日、約100人の乳幼児が
玩具の部品や電池、磁石などの異物誤飲により救急外来を受診しており、
その件数は1990年代半ばから2015年までに倍増したことが、
米ネーションワイド小児病院のDanielle Orsagh-Yentis氏らの研究で明らかになった。
研究の詳細は「Pediatrics」4月12日オンライン版に掲載された。
研究では、全国電子傷害監視システム(National Electronic Injury Surveillance System)を用いて、
1995〜2015年に、異物誤飲により救急外来で治療を受けた6歳未満の乳幼児のデータを収集し、後ろ向きに分析した。
調査期間中に、75万9,074人の乳幼児が異物誤飲により救急外来を受診したと推定された。
分析の結果、異物誤飲による救急外来受診の頻度は、
1995年から2015年にかけて毎年平均4%以上増加したことが分かった。
また、乳幼児1万人当たりの異物誤飲の年間発生率は、
1995年の9.5件に対し、2015年には18件まで倍増していた(P<0.001)。
事例の多く(約62%)は、周囲のことに興味を持ち始め、物を口の中に入れて
形や感触などを学ぶ発達段階にある1〜3歳の子どもによるもので、
全体の21.3%を1歳児が占めていた。
また、男児が全体の52.9%と半数をやや上回っていた。
誤飲した異物としては硬貨(主に1セント硬貨)が61.7%と最も多く、
玩具(10.3%)、宝石類(7.0%)、電池(6.8%)が続いた。
電池のほとんど(85.9%)はボタン電池であった。
なお、10人中9人の子どもの経過は良好で、治療後すぐに退院できたという。
乳幼児の異物誤飲による救急外来受診が急増した理由は、
実際に事故の件数が増えたためなのか、
事故が厳密に報告され、記録されるようになったためなのかは分かっていないが、
Orsagh-Yentis氏は「どちらも可能性がある」と述べている。
特に家庭でボタン電池が広く使われるようになったことや、
全米規模の傷害監視システムの普及により、
以前よりも多くの事故例が把握されるようになったことが影響した可能性が考えられるという。
Orsagh-Yentis氏は、乳幼児の誤飲事故を減らすためには、
子どもの手の届かないところに物を保管したり、
年齢に適した玩具を選んだりすることが重要だと指摘する。
「特にボタン電池や強力な磁石、硬貨などの小さい物は、
子どもの目につかない場所にしまうべきだ。
また、玩具を組み立てたり、子どもに与えたりする際には説明書をよく読み、それに従ってほしい」
と呼び掛けている。
また、同氏は、もし子どもが何かを飲み込んだ可能性があれば、
まず、かかりつけの小児科医に電話して指示を仰ぐことを勧めている。
ボタン電池や磁石を飲み込んだ可能性があれば、
すぐに救急科を受診し、
その際には飲んだ物の写真や包装を持参するとよいと
助言している。
この研究には関与していない、
子どもの怪我防止に取り組む国際団体「Safe Kids Worldwide」で
リサーチディレクターを務めるMorag MacKay氏は、
子どもの目線で周囲を観察することを勧めている。
また、同氏は、子どもに玩具やゲームを与えるときには、
子どもの年齢に適したものを選び、
小さな部品や他に危険がないかを十分に確認すべきだとしている。
「乳幼児期は何でも手に取って口に入れたくなる時期だが、
ちょっとした対策で事故は防げる」と、同氏は付け加えている。
[2019年4月12日/HealthDayNews]Copyright (c) 2019 HealthDay.
原著論文はこちら
Orsagh-Yentis D, et al. Pediatrics. 2019 Apr 12. [Epub ahead of print]
乳幼児はなんでも口に入れて確認しますので、
床に危険なものがないか、目線を低くして見直してみてください。
タバコを食べて救急外来を受診した子供の胃洗浄をしたこともありました)
異物誤飲による乳幼児の救急外来受診、米で1990年代から倍増
提供元:HealthDay News 公開日:2019/05/21
米国では、毎日、約100人の乳幼児が
玩具の部品や電池、磁石などの異物誤飲により救急外来を受診しており、
その件数は1990年代半ばから2015年までに倍増したことが、
米ネーションワイド小児病院のDanielle Orsagh-Yentis氏らの研究で明らかになった。
研究の詳細は「Pediatrics」4月12日オンライン版に掲載された。
研究では、全国電子傷害監視システム(National Electronic Injury Surveillance System)を用いて、
1995〜2015年に、異物誤飲により救急外来で治療を受けた6歳未満の乳幼児のデータを収集し、後ろ向きに分析した。
調査期間中に、75万9,074人の乳幼児が異物誤飲により救急外来を受診したと推定された。
分析の結果、異物誤飲による救急外来受診の頻度は、
1995年から2015年にかけて毎年平均4%以上増加したことが分かった。
また、乳幼児1万人当たりの異物誤飲の年間発生率は、
1995年の9.5件に対し、2015年には18件まで倍増していた(P<0.001)。
事例の多く(約62%)は、周囲のことに興味を持ち始め、物を口の中に入れて
形や感触などを学ぶ発達段階にある1〜3歳の子どもによるもので、
全体の21.3%を1歳児が占めていた。
また、男児が全体の52.9%と半数をやや上回っていた。
誤飲した異物としては硬貨(主に1セント硬貨)が61.7%と最も多く、
玩具(10.3%)、宝石類(7.0%)、電池(6.8%)が続いた。
電池のほとんど(85.9%)はボタン電池であった。
なお、10人中9人の子どもの経過は良好で、治療後すぐに退院できたという。
乳幼児の異物誤飲による救急外来受診が急増した理由は、
実際に事故の件数が増えたためなのか、
事故が厳密に報告され、記録されるようになったためなのかは分かっていないが、
Orsagh-Yentis氏は「どちらも可能性がある」と述べている。
特に家庭でボタン電池が広く使われるようになったことや、
全米規模の傷害監視システムの普及により、
以前よりも多くの事故例が把握されるようになったことが影響した可能性が考えられるという。
Orsagh-Yentis氏は、乳幼児の誤飲事故を減らすためには、
子どもの手の届かないところに物を保管したり、
年齢に適した玩具を選んだりすることが重要だと指摘する。
「特にボタン電池や強力な磁石、硬貨などの小さい物は、
子どもの目につかない場所にしまうべきだ。
また、玩具を組み立てたり、子どもに与えたりする際には説明書をよく読み、それに従ってほしい」
と呼び掛けている。
また、同氏は、もし子どもが何かを飲み込んだ可能性があれば、
まず、かかりつけの小児科医に電話して指示を仰ぐことを勧めている。
ボタン電池や磁石を飲み込んだ可能性があれば、
すぐに救急科を受診し、
その際には飲んだ物の写真や包装を持参するとよいと
助言している。
この研究には関与していない、
子どもの怪我防止に取り組む国際団体「Safe Kids Worldwide」で
リサーチディレクターを務めるMorag MacKay氏は、
子どもの目線で周囲を観察することを勧めている。
また、同氏は、子どもに玩具やゲームを与えるときには、
子どもの年齢に適したものを選び、
小さな部品や他に危険がないかを十分に確認すべきだとしている。
「乳幼児期は何でも手に取って口に入れたくなる時期だが、
ちょっとした対策で事故は防げる」と、同氏は付け加えている。
[2019年4月12日/HealthDayNews]Copyright (c) 2019 HealthDay.
原著論文はこちら
Orsagh-Yentis D, et al. Pediatrics. 2019 Apr 12. [Epub ahead of print]
2019年07月13日
『過ぎたるは及ばざるが如し』
尿酸について
酸化作用も、抗酸化作用も持っています。
抗酸化作用を持つものは、
ビタミンCと尿酸だけではなく、
生体内には過剰な酸化をバランスするため
活性酸素を水に変えるSODやカタラーゼ、ペルオキシダーゼといった
抗酸化酵素や抗酸化物質があります。
抗酸化物質には、
脂溶性のビタミンEとカロテノイド、水溶性のビタミンC、グルタチオン、そして尿酸があります。
「ヒト以外の哺乳類は、
体内で尿酸オキシダーゼをさらに酸化して
アラントインを最終代謝産物とする尿酸分解酵素(uricase)を持ちますが、
ヒトは進化の過程で同酵素の機能を失った」。
ヒト体内に生じた尿酸は、
活性酸素やフリーラジカルから酸化を引き受けて、
自身がアラントインに変化し、
互いに反応性の低い分子となることで
体内の酸化ストレス軽減に寄与しています。
確かに抗酸化物質の機能を持ちますが、
過剰にある場合は、
痛風発作という炎症反応や、血管の動脈硬化や、細胞膜の脂肪の酸化を促し、
認知症も促進させるとも言われています。
まだまだ、細かいところは解明されていない物質です。
なんでもそうですが、
健康に関しては、
『過ぎたるは及ばざるが如し』
何事も”中庸”がいいということだと思います。
酸化作用も、抗酸化作用も持っています。
抗酸化作用を持つものは、
ビタミンCと尿酸だけではなく、
生体内には過剰な酸化をバランスするため
活性酸素を水に変えるSODやカタラーゼ、ペルオキシダーゼといった
抗酸化酵素や抗酸化物質があります。
抗酸化物質には、
脂溶性のビタミンEとカロテノイド、水溶性のビタミンC、グルタチオン、そして尿酸があります。
「ヒト以外の哺乳類は、
体内で尿酸オキシダーゼをさらに酸化して
アラントインを最終代謝産物とする尿酸分解酵素(uricase)を持ちますが、
ヒトは進化の過程で同酵素の機能を失った」。
ヒト体内に生じた尿酸は、
活性酸素やフリーラジカルから酸化を引き受けて、
自身がアラントインに変化し、
互いに反応性の低い分子となることで
体内の酸化ストレス軽減に寄与しています。
確かに抗酸化物質の機能を持ちますが、
過剰にある場合は、
痛風発作という炎症反応や、血管の動脈硬化や、細胞膜の脂肪の酸化を促し、
認知症も促進させるとも言われています。
まだまだ、細かいところは解明されていない物質です。
なんでもそうですが、
健康に関しては、
『過ぎたるは及ばざるが如し』
何事も”中庸”がいいということだと思います。