2019年07月14日
異物誤飲による乳幼児の救急外来受診、米で1990年代から倍増
(ホタン電池、磁石複数で緊急手術になった症例報告はあります。
乳幼児はなんでも口に入れて確認しますので、
床に危険なものがないか、目線を低くして見直してみてください。
タバコを食べて救急外来を受診した子供の胃洗浄をしたこともありました)
異物誤飲による乳幼児の救急外来受診、米で1990年代から倍増
提供元:HealthDay News 公開日:2019/05/21
米国では、毎日、約100人の乳幼児が
玩具の部品や電池、磁石などの異物誤飲により救急外来を受診しており、
その件数は1990年代半ばから2015年までに倍増したことが、
米ネーションワイド小児病院のDanielle Orsagh-Yentis氏らの研究で明らかになった。
研究の詳細は「Pediatrics」4月12日オンライン版に掲載された。
研究では、全国電子傷害監視システム(National Electronic Injury Surveillance System)を用いて、
1995〜2015年に、異物誤飲により救急外来で治療を受けた6歳未満の乳幼児のデータを収集し、後ろ向きに分析した。
調査期間中に、75万9,074人の乳幼児が異物誤飲により救急外来を受診したと推定された。
分析の結果、異物誤飲による救急外来受診の頻度は、
1995年から2015年にかけて毎年平均4%以上増加したことが分かった。
また、乳幼児1万人当たりの異物誤飲の年間発生率は、
1995年の9.5件に対し、2015年には18件まで倍増していた(P<0.001)。
事例の多く(約62%)は、周囲のことに興味を持ち始め、物を口の中に入れて
形や感触などを学ぶ発達段階にある1〜3歳の子どもによるもので、
全体の21.3%を1歳児が占めていた。
また、男児が全体の52.9%と半数をやや上回っていた。
誤飲した異物としては硬貨(主に1セント硬貨)が61.7%と最も多く、
玩具(10.3%)、宝石類(7.0%)、電池(6.8%)が続いた。
電池のほとんど(85.9%)はボタン電池であった。
なお、10人中9人の子どもの経過は良好で、治療後すぐに退院できたという。
乳幼児の異物誤飲による救急外来受診が急増した理由は、
実際に事故の件数が増えたためなのか、
事故が厳密に報告され、記録されるようになったためなのかは分かっていないが、
Orsagh-Yentis氏は「どちらも可能性がある」と述べている。
特に家庭でボタン電池が広く使われるようになったことや、
全米規模の傷害監視システムの普及により、
以前よりも多くの事故例が把握されるようになったことが影響した可能性が考えられるという。
Orsagh-Yentis氏は、乳幼児の誤飲事故を減らすためには、
子どもの手の届かないところに物を保管したり、
年齢に適した玩具を選んだりすることが重要だと指摘する。
「特にボタン電池や強力な磁石、硬貨などの小さい物は、
子どもの目につかない場所にしまうべきだ。
また、玩具を組み立てたり、子どもに与えたりする際には説明書をよく読み、それに従ってほしい」
と呼び掛けている。
また、同氏は、もし子どもが何かを飲み込んだ可能性があれば、
まず、かかりつけの小児科医に電話して指示を仰ぐことを勧めている。
ボタン電池や磁石を飲み込んだ可能性があれば、
すぐに救急科を受診し、
その際には飲んだ物の写真や包装を持参するとよいと
助言している。
この研究には関与していない、
子どもの怪我防止に取り組む国際団体「Safe Kids Worldwide」で
リサーチディレクターを務めるMorag MacKay氏は、
子どもの目線で周囲を観察することを勧めている。
また、同氏は、子どもに玩具やゲームを与えるときには、
子どもの年齢に適したものを選び、
小さな部品や他に危険がないかを十分に確認すべきだとしている。
「乳幼児期は何でも手に取って口に入れたくなる時期だが、
ちょっとした対策で事故は防げる」と、同氏は付け加えている。
[2019年4月12日/HealthDayNews]Copyright (c) 2019 HealthDay.
原著論文はこちら
Orsagh-Yentis D, et al. Pediatrics. 2019 Apr 12. [Epub ahead of print]
乳幼児はなんでも口に入れて確認しますので、
床に危険なものがないか、目線を低くして見直してみてください。
タバコを食べて救急外来を受診した子供の胃洗浄をしたこともありました)
異物誤飲による乳幼児の救急外来受診、米で1990年代から倍増
提供元:HealthDay News 公開日:2019/05/21
米国では、毎日、約100人の乳幼児が
玩具の部品や電池、磁石などの異物誤飲により救急外来を受診しており、
その件数は1990年代半ばから2015年までに倍増したことが、
米ネーションワイド小児病院のDanielle Orsagh-Yentis氏らの研究で明らかになった。
研究の詳細は「Pediatrics」4月12日オンライン版に掲載された。
研究では、全国電子傷害監視システム(National Electronic Injury Surveillance System)を用いて、
1995〜2015年に、異物誤飲により救急外来で治療を受けた6歳未満の乳幼児のデータを収集し、後ろ向きに分析した。
調査期間中に、75万9,074人の乳幼児が異物誤飲により救急外来を受診したと推定された。
分析の結果、異物誤飲による救急外来受診の頻度は、
1995年から2015年にかけて毎年平均4%以上増加したことが分かった。
また、乳幼児1万人当たりの異物誤飲の年間発生率は、
1995年の9.5件に対し、2015年には18件まで倍増していた(P<0.001)。
事例の多く(約62%)は、周囲のことに興味を持ち始め、物を口の中に入れて
形や感触などを学ぶ発達段階にある1〜3歳の子どもによるもので、
全体の21.3%を1歳児が占めていた。
また、男児が全体の52.9%と半数をやや上回っていた。
誤飲した異物としては硬貨(主に1セント硬貨)が61.7%と最も多く、
玩具(10.3%)、宝石類(7.0%)、電池(6.8%)が続いた。
電池のほとんど(85.9%)はボタン電池であった。
なお、10人中9人の子どもの経過は良好で、治療後すぐに退院できたという。
乳幼児の異物誤飲による救急外来受診が急増した理由は、
実際に事故の件数が増えたためなのか、
事故が厳密に報告され、記録されるようになったためなのかは分かっていないが、
Orsagh-Yentis氏は「どちらも可能性がある」と述べている。
特に家庭でボタン電池が広く使われるようになったことや、
全米規模の傷害監視システムの普及により、
以前よりも多くの事故例が把握されるようになったことが影響した可能性が考えられるという。
Orsagh-Yentis氏は、乳幼児の誤飲事故を減らすためには、
子どもの手の届かないところに物を保管したり、
年齢に適した玩具を選んだりすることが重要だと指摘する。
「特にボタン電池や強力な磁石、硬貨などの小さい物は、
子どもの目につかない場所にしまうべきだ。
また、玩具を組み立てたり、子どもに与えたりする際には説明書をよく読み、それに従ってほしい」
と呼び掛けている。
また、同氏は、もし子どもが何かを飲み込んだ可能性があれば、
まず、かかりつけの小児科医に電話して指示を仰ぐことを勧めている。
ボタン電池や磁石を飲み込んだ可能性があれば、
すぐに救急科を受診し、
その際には飲んだ物の写真や包装を持参するとよいと
助言している。
この研究には関与していない、
子どもの怪我防止に取り組む国際団体「Safe Kids Worldwide」で
リサーチディレクターを務めるMorag MacKay氏は、
子どもの目線で周囲を観察することを勧めている。
また、同氏は、子どもに玩具やゲームを与えるときには、
子どもの年齢に適したものを選び、
小さな部品や他に危険がないかを十分に確認すべきだとしている。
「乳幼児期は何でも手に取って口に入れたくなる時期だが、
ちょっとした対策で事故は防げる」と、同氏は付け加えている。
[2019年4月12日/HealthDayNews]Copyright (c) 2019 HealthDay.
原著論文はこちら
Orsagh-Yentis D, et al. Pediatrics. 2019 Apr 12. [Epub ahead of print]
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