2019年08月25日
ヘリコバクターピロリ感染症の診断と治療B
ヘリコバクターピロリ感染症の診断と治療B
ピロリ菌除菌療法の実際
1次除菌:PPI(胃酸の分泌を抑える薬)+2種類の抗生剤(アモキシシリン(AMPC)+クラリスロマイシン(CAM))
2次除菌:PPI(胃酸の分泌を抑える薬)+2種類の抗生剤(アモキシシリン(AMPC)+メトロニダゾール(MNZ))
上記の治療を行っております。
1次除菌の成功率は約75%で、2次除菌までを含めると成功率は約95%まで上ります。
しかし2次除菌では成功しない例もあり、自費にはなりますが、3次除菌も行っています。
すべての治療が終了した後、4週間以上経過(実際は8週間以上を勧めています)してから、
ピロリ菌を除菌できたかどうかの検査(尿素呼気試験、尿中抗原測定法、便中抗原測定法など)
を行います。
この検査でピロリ菌が残っていなければ除菌成功は成功です。
除菌療法の注意点
ピロリ菌の除菌率を高める為には、指示されたお薬は必ず服用します。
自分の判断で薬を飲むのを中止したり、飲み忘れたりすると除菌がうまくいかず、
治療薬に耐性を持ったピロリ菌があらわれて、薬が効かなくなることがあります。
また除菌療法を始めると、副作用があらわれることがあります。
これまでに報告されているもので主な副作用は、軟便や下痢があります。
下痢の原因として抗生剤による腸管刺激作用や、腸内細菌のバランスの変化と考えられています。
これらは多くの場合、2-3日でおさまります。
肝臓の機能を表す検査値の変動が見られることや、
まれに、かゆみや発疹などアレルギー反応があらわれる人もいます。
その他、気になる症状を感じた場合には、
自分の判断で勝手に薬の服用を中止するのではなく、
主治医または薬剤師に相談してください。
皆さんに説明して実施してもらいますが、
できなかった方、副作用が出て、中止になった患者さんはいませんでした。
除菌後の注意点
ピロリ菌の除菌療法が成功すると、
ピロリ菌が関係している病気のリスクは低下しますが、
ゼロにならない病名の方がいます。
胃潰瘍または十二指腸潰瘍と診断された患者さんの中で、
十二指腸壁や膵臓に、胃酸を出す局所ホルモンを出し続ける
腫瘍を合併している方がいます。
ゾリンジャー・エリソン症候群という病気です。
大きく悪性が疑われる場合は外科切除が必要になる場合もあります。
一生、PPIを服用し続けないといけない方もいます。
胃MALTリンパ腫の患者さん
除菌に奏功して、消失するケースが多いですが、中には治らず、化学療法が必要な方がいます。
特発性血小板減少性紫斑病の患者さん
自己免疫疾患の一つですが、除菌で完治する人が多いですが、
免疫を抑制する副腎皮質ホルモンであるプレドニゾロンの服用が必要な方もいます。
早期胃がんに対する内視鏡治療後の患者さん
切除した後の胃粘膜に新たにがんが発生してこないように除菌療法を受けますが、
定期的な経過観察が必要です。
切除した箇所の再発や、新たに別な場所から胃がんが生えてこないかを
定期的に観察、検査していきます。
内視鏡検査でヘリコバクター・ピロリ感染性胃炎と診断された患者さん
除菌に成功したならば、がんが発生する確率はかなり下がります。
中高年で除菌された方は、3-5年ごとに、
内視鏡検査を受けられることを強く勧めます。
また除菌療法に成功した患者さんのうち、
少数の方で逆流性食道炎が報告されています。
逆流性食道炎とは、胃液や十二指腸液が食道に逆流
して炎症を起こすもので、胸やけなどの症状があります。
これは、ピロリ菌の除菌によって、それまで低下していた
胃液の分泌が正常に戻ったために、一時的に起こると考えられています。
除菌後に胸やけ症状などの増悪があれば主治医に相談し
胃酸を抑える薬などの使用を検討してください(本当に少数です)。
患者さんへ
ピロリ菌の感染が胃がんの原因とされてから20年程度しか経過していませんが、
ピロリ菌の完全除菌により人類の胃からピロリ菌が撲滅され、
その結果胃がんの撲滅に繋がる可能性があります。
まだ一度も胃カメラ検査やピロリ菌感染の検査を受けたことがない方、
この文章を読んで頂き除菌治療に関して興味を持っていただいた方は、
最新の知見をもとに最適な除菌治療を提供させて頂きます。
是非、消化管内科に受診して相談ください。
ピロリ菌除菌療法の実際
1次除菌:PPI(胃酸の分泌を抑える薬)+2種類の抗生剤(アモキシシリン(AMPC)+クラリスロマイシン(CAM))
2次除菌:PPI(胃酸の分泌を抑える薬)+2種類の抗生剤(アモキシシリン(AMPC)+メトロニダゾール(MNZ))
上記の治療を行っております。
1次除菌の成功率は約75%で、2次除菌までを含めると成功率は約95%まで上ります。
しかし2次除菌では成功しない例もあり、自費にはなりますが、3次除菌も行っています。
すべての治療が終了した後、4週間以上経過(実際は8週間以上を勧めています)してから、
ピロリ菌を除菌できたかどうかの検査(尿素呼気試験、尿中抗原測定法、便中抗原測定法など)
を行います。
この検査でピロリ菌が残っていなければ除菌成功は成功です。
除菌療法の注意点
ピロリ菌の除菌率を高める為には、指示されたお薬は必ず服用します。
自分の判断で薬を飲むのを中止したり、飲み忘れたりすると除菌がうまくいかず、
治療薬に耐性を持ったピロリ菌があらわれて、薬が効かなくなることがあります。
また除菌療法を始めると、副作用があらわれることがあります。
これまでに報告されているもので主な副作用は、軟便や下痢があります。
下痢の原因として抗生剤による腸管刺激作用や、腸内細菌のバランスの変化と考えられています。
これらは多くの場合、2-3日でおさまります。
肝臓の機能を表す検査値の変動が見られることや、
まれに、かゆみや発疹などアレルギー反応があらわれる人もいます。
その他、気になる症状を感じた場合には、
自分の判断で勝手に薬の服用を中止するのではなく、
主治医または薬剤師に相談してください。
皆さんに説明して実施してもらいますが、
できなかった方、副作用が出て、中止になった患者さんはいませんでした。
除菌後の注意点
ピロリ菌の除菌療法が成功すると、
ピロリ菌が関係している病気のリスクは低下しますが、
ゼロにならない病名の方がいます。
胃潰瘍または十二指腸潰瘍と診断された患者さんの中で、
十二指腸壁や膵臓に、胃酸を出す局所ホルモンを出し続ける
腫瘍を合併している方がいます。
ゾリンジャー・エリソン症候群という病気です。
大きく悪性が疑われる場合は外科切除が必要になる場合もあります。
一生、PPIを服用し続けないといけない方もいます。
胃MALTリンパ腫の患者さん
除菌に奏功して、消失するケースが多いですが、中には治らず、化学療法が必要な方がいます。
特発性血小板減少性紫斑病の患者さん
自己免疫疾患の一つですが、除菌で完治する人が多いですが、
免疫を抑制する副腎皮質ホルモンであるプレドニゾロンの服用が必要な方もいます。
早期胃がんに対する内視鏡治療後の患者さん
切除した後の胃粘膜に新たにがんが発生してこないように除菌療法を受けますが、
定期的な経過観察が必要です。
切除した箇所の再発や、新たに別な場所から胃がんが生えてこないかを
定期的に観察、検査していきます。
内視鏡検査でヘリコバクター・ピロリ感染性胃炎と診断された患者さん
除菌に成功したならば、がんが発生する確率はかなり下がります。
中高年で除菌された方は、3-5年ごとに、
内視鏡検査を受けられることを強く勧めます。
また除菌療法に成功した患者さんのうち、
少数の方で逆流性食道炎が報告されています。
逆流性食道炎とは、胃液や十二指腸液が食道に逆流
して炎症を起こすもので、胸やけなどの症状があります。
これは、ピロリ菌の除菌によって、それまで低下していた
胃液の分泌が正常に戻ったために、一時的に起こると考えられています。
除菌後に胸やけ症状などの増悪があれば主治医に相談し
胃酸を抑える薬などの使用を検討してください(本当に少数です)。
患者さんへ
ピロリ菌の感染が胃がんの原因とされてから20年程度しか経過していませんが、
ピロリ菌の完全除菌により人類の胃からピロリ菌が撲滅され、
その結果胃がんの撲滅に繋がる可能性があります。
まだ一度も胃カメラ検査やピロリ菌感染の検査を受けたことがない方、
この文章を読んで頂き除菌治療に関して興味を持っていただいた方は、
最新の知見をもとに最適な除菌治療を提供させて頂きます。
是非、消化管内科に受診して相談ください。
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