アフィリエイト広告を利用しています
アクセスカウンター
ファン
カテゴリアーカイブ
タグクラウド
<< 2015年10月 >>
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
最新記事
最新コメント
金剛界 一印会 尊像入れ 下絵完成 by ブログ主=eshi: (04/20)
金剛界 一印会 尊像入れ 下絵完成 by vajsm (04/19)
金剛界 四印会について by ブログ主=eshi: (04/18)
金剛界 四印会について by vajsm (04/18)
写真ギャラリー
日別アーカイブ

広告

posted by fanblog

2015年05月10日

本紹介 No. 012『密教の象徴世界』

『密教の象徴世界』

金剛界三昧耶会の下絵を描いています。

三昧耶形が諸尊の誓願の象徴であり、諸尊の持物となっていることはわかります。

しかしなぜその三昧耶形が選ばれたのか、なぜその持物を持つのか、三昧耶形を描きながらこの形でなければならない理由を知りたくなってきました。

そこで三昧耶形についての本を探したところ次の本がヒットしました。

八田幸雄 著 『密教の象徴世界』(平河出版社 1989)


さて、どうでしょうか
構成

A5版、布張りハードカバー、本文287ページ、縦書き、図は巻頭4ページのみカラー。

構成は以下の通り。

  はじめに
  第一章  密教と象徴
  第二章  胎蔵マンダラの諸本
  第三章  中台八葉部
  第四章  如来の衆徳荘厳印
  第五章  遍知部
  第六章  持明部
  第七章  観音部(蓮華部)
  第八章  金剛部
  第九章  行者引入の部
  第十章  文殊部
  第十一章 除蓋障部
  第十二章 地蔵部
  第十三章 虚空蔵部
  第十四章 釈迦部
  第十五章 天部諸尊
  第十六章 金剛界マンダラ
  第十七章 秘密マンダラの世界の体験法
  むすび
  三昧耶マンダラと胎蔵図像、経典対照表
  索引

章題だけでは詳しい内容がわかりませんが、胎蔵界曼荼羅に関する項目が多く見受けられます。

胎蔵界曼荼羅?
胎蔵界曼荼羅に三昧耶形ってあったかな?

ちなみに、布張りハードカバーはこんな感じです。

EPSON003.jpg
(『密教の象徴世界』布張りハードカバー)
いいですね〜素敵ですね〜

きれいな布張りの本は気持ちが上がりますね〜
内容

読み始めると竜蛇や樹木、星宿など自然信仰についての解説がなされます。正直三昧耶形とどんな関係があるのかわからずキョトンとなりますが、内容はとても興味深く面白く読めます。そして、自然信仰についての解説があとからジワジワ効いてきます。

本書は、胎蔵系では第三章から第十五章まで『秘密曼荼羅品図尊分附図』(『胎蔵三昧耶図』)と『大悲胎蔵三昧耶曼荼羅』(『三昧耶マンダラ』)の象徴図形を中心に解説をし、また、、金剛界系では第十六章でのみ『五部心観』と『金剛界曼荼羅 三昧耶会』の象徴図形の解説をしています。ひとつひとつの象徴図形についてそれぞれその本拠となる経疏の部分訳などを示し、解説をほどこしていきます。

文章が論理的で大変わかりやすく、象徴図形の解説にとどまらず、その意味や由来を通して密教の教えへと導かれていくように感じます。

例えば、帝釈天の持つ金剛杵の偉大な力が金剛薩埵へと人格化され、独鈷金剛杵から三鈷杵、五鈷杵へと発展していくところなど教理と尊格の進化過程が目に浮かぶようです。

また、象徴世界を通して梵天と帝釈天がそれぞれ蓮華手と金剛手の元となったことなどから、ヴェーダから初期仏教、顕教から密教へとつながる道筋の一つがはっきりと見えるような気がしました。

五輪塔から五字、五大、五形、五色へと進むように流れるような解説がなされる箇所が随所に見られ、期待していた以上に目から鱗が落ちました。

最終章では象徴形と法具の関係が示され、法具に様々な尊格の意味が込められている点などの解説が大変興味深いです。

一方、気になる点としては『胎蔵三昧耶図』や『三昧耶マンダラ』の図の一つひとつに合わせて詳しく解説がなされるなかで、図が本書中に散在しているために、読みながらあっちこっちと参照図を探して確認をしなくてはならず正直読みにくい。できれば図を一箇所にまとめるか別冊にしていただけたらと思う。

また、他に参照すべき図像を文章のみで表現しているところはできれば図版が欲しかった。もしくは参考図書など示してもらえればありがたい。

といいながらも、本書の内容や装丁からすると安価で良心的な本なので贅沢は言えません。

『両界曼荼羅』の各尊格について同様の形式で解説をほどこしている著者の本があるといいなあと思いました。
曼荼羅作画とのかかわり

本書を読み始めた理由のひとつが『金剛界曼荼羅 三昧耶会』の三昧耶形の発生理由や存在理由が知りたいということがあったのですが、本書の内容のほとんどは胎蔵曼荼羅系の象徴図形についてであり、直接には第十六章のみが現在描いている三昧耶形に関わる内容でした。

しかし、これまで曼荼羅を描く中で気に留めていたなかった点や気になりながらも深く考えていなかった点などについて示唆に富む解説が随所にみられ助かりました。

たとえば、宝珠の形を円満なる円形(球形)とするべきか、いわゆる擬宝珠の形にするべきか決めかねていましたが、「宝珠は円形をもって円満な心を示すがやがて伸びゆく生命を示すために上を尖らせる」との記述があり悩みが解消しました。

また、本質的な問題としては、本書を読むまで尊像に比べ三昧耶形を軽視していたように思います。本書を読み、あらためて三昧耶形の役割の重要性を感じました。

具体的には尊像は多様なイメージを内包している為に様々な意味合いで受け取られてしまう可能性がありますが、象徴図形を用いることで特定の意味に狭めることが可能である点や、他の尊格との関連性や歴史さえも表現できる点など、象徴図形であるからこそ可能なことを理解することができました。

一方で、同じ器物を象徴図形(三昧耶形)に用いた場合にはその目的とする意味を混同する可能性があるので、両方を示した方が良いと感じられ・・・あっ!それで、金剛界曼荼羅は成身会と三昧耶会、または、降三世会と降三世三昧耶会の両方を続けて載せているのかあ・・・って今頃わかったりして。

そして、読み始めの目的からは外れてしまいますが、この本で解説されている『胎蔵三昧耶図』や『三昧耶マンダラ』の曼荼羅を描いてみたくなりました。

もし描くとしてもいつになるのやらという感じですが・・・

では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ




密教の象徴世界 [ 八田幸雄 ]

価格:3,669円
(2015/7/12 15:37時点)
感想(0件)




密教の象徴世界

新品価格
¥3,670から
(2015/7/12 15:37時点)




密教の象徴世界

中古価格
¥633から
(2015/7/12 15:37時点)



posted by mandalazu at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 本紹介
この記事へのコメント
コメントを書く

お名前:

メールアドレス:


ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/3490639
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
検索
QRコード
プロフィール
画書屋
×

この広告は30日以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。