2015年03月03日
本紹介 No. 001 『マンダラ事典』
理趣会のパーツ入れ中ですが、ちと時間がかかりそうなので・・・
本紹介とかっていうのも適時入れていこうかなと
本紹介ってなに?
描く対象についてなにも知らずに描いているだけだとただのお絵かきになっちゃうので、曼荼羅についていろいろ調べたり読書したり理解を深めたりしています。
このブログで曼荼羅の描き方を記録しているだけだとゆっくり単調で、書いている方も飽きるので、お勉強のために読んでいる本などもちょっと紹介してみることにします。
『マンダラ事典 100のキーワードで読み解く』
第1回目は「曼荼羅ってなんだろう?」っていうことで
森 雅秀 著
『マンダラ事典 100のキーワードで読み解く』(春秋社、2008)
「マンダラ事典」ってあるのでこれ一冊でなんでもわかるお得な本って感じ。帯にも「これ一冊あれば、あなたはもうマンダラ通!」って書いてあるじゃないですか!
「まかせとけ!!」って雰囲気(^_^)
構成
構成はというと100の項目を図1つを含む見開き2ページにまとめてあって、各項目は次の7つの章に分載されている。
1. マンダラの歴史と思想
2. 主要なマンダラ
3. マンダラの仏たち
4. マンダラの儀礼と実践
5. アジアのマンダラ
6. 日本のマンダラ
7. マンダラの文化
紙面の制約が多くてまとめるのは大変そうだけど簡潔にまとまっていて読みやすい。どの項目から読んでも良いのも気が楽。
各章の最後に【参考文献】もまとめてあり、さらに詳しく知りたい場合に便利。
巻末には「項目別索引」として
【マンダラ名と作品名】
【尊格名】
【文献名】
【人名】
【寺院名】
【地名・遺跡名】
があげてあり、さらに「図版リスト」まである。すばらしい。
内容について
内容は歴史、背景、種類、作成法、使用法、展覧会や現代美術に至るまで曼荼羅に関する事柄を幅広く取り上げ、簡潔かつ濃厚に表現してあり読みやすく面白く大変参考になる。
『両界曼荼羅』に限らずチペットの曼荼羅や立体曼荼羅などが項目に上がっており、より広い視野に立って「マンダラ」の世界を理解することができる。
・・・と、いいことばかりだとうそくさいので、気になる点としては、曼荼羅や密教および仏教の中でのそれぞれの項目(事柄)の立ち位置とか、重要性とか相対的な価値のようなものがわからない。
全て重要と言われればそうだろうけど、この事典の内容が曼荼羅重要項目ベスト100と単純に考えてよいのか。
他に重要なものはないのか?というのが初学者には判断できない。とはいえ、この本のねらいは「はしがき」に丁寧に書かれてあるので、それをもって指針となると考えるべきなのでしょう。
また、各章末にまとめてある【参考文献】を各項目の最後にあげていただくほうがよかったかなと。
どの文献がどの項目と直接関係しているのかを明確に示すためには項目の最後にあげていただいた方が、気になった項目についてさらに詳しく知りたい場合にも便利かなと思いました。とはいえ、参考文献が重複したり、本文字数制限に影響するかも知れずそれはそれで問題ですが・・・
あとは、できれば写真はカラーの方が・・・でも、それはこのタイプの本の必須要件では無いような気もするし・・・
と、いくつか気になる点をあげてみましたが、「曼荼羅についてなんでもわかる!」というところまではいかないまでも、1900円という価格からすると費用対効果は抜群で、曼荼羅に関わることを気軽に俯瞰して見るのに十分な価値のある本です。
曼荼羅図との関わり
いま描いてる『西院本両界曼荼羅』との関わりとしては、図像を描くことに直結する情報ではないけれど、基礎として知っておくべき事柄や描くときに図像の意味合いを深く考える背景となる知見が随所に見られます。
あと、ほかの種類の曼荼羅も描いてみたいな〜って夢が広がります。
内容の豊富さと文章の読みやすさから、著者のほかの本も読んでみようかなとおもいました。
このような本をまとめていただいて著者に多謝!
では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ
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