2019年10月29日
テンバガーの見つけ方
テンバガーとは
テンバガーとは10倍になる株のことで、ピーター・リンチが彼の著書『ピーター・リンチの株で勝つ』の中で提唱した概念です。
ピーター・リンチは、フィディリティの「マゼラン・ファンド」のファンドマネージャーであり、彼の活動していた13年間でニューヨークダウが3倍になったのに対し、マゼランファンドは28倍にまでなりました。
その成功の秘訣がテンバガー銘柄を見つけたことであると述べています。
テンバガー銘柄の有効性は、100万円あり1銘柄10万円投資し、10銘柄保有した場合で、9銘柄が50%下落し45万円の評価損を出したとしても1銘柄1000%上昇すれば90万円の評価益となり、差し引き45万円のプラスとなります。
極端な例ですが、テンバガーはそのくらいのインパクトがあり、成否を分けるものと言って過言ではありません。
ピーター・リンチはテンバガーの見つけ方について、『失敗してもいいからとりあえずちょっとだけ買ってみる』ことが重要であると言っています。
テンバガーは、簡単に見つけられるものでもないため、成長企業に数多く投資する必要があります。
そして、株を購入したあとには、その企業が成長企業であるか定期的(2〜3か月に一度)にチェックする必要があるとされていますが、その時使い勝手が良いのが『会社四季報』です。
会社四季報は、3月、6月、9月、12月の中旬に発行されるため、四半期の決算状況を更新しているため買った銘柄の業績をチェックすることが簡単にできるため非常に重要なツールとなります。
会社四季報の使い方〜銘柄選定〜
テンバガー銘柄を探すにあたり最初に見るべきポイントは、売上高と営業利益です。
売上と営業利益の伸び率から企業の成長性をランク付けをします。
【売上によるランク】
Sランク 売上の伸び率20%以上
Aランク 売上の伸び率10%以上20%未満
Bランク 売上の伸び率0%以上10%未満
Cランク 売上の伸び率マイナス
【営業利益によるランク】
Sランク で営業利益の伸び率10%以上
Aランク 営業利益の伸び率業界平均以上で10%未満
Bランク 営業利益の伸び率0以上で業界平均未満
Cランク 営業利益の伸び率マイナス
四季報では、過去三年間の決算内容と今期・来期の予測が掲載されているため、売上・営業利益の分析ができます。
当然売上・営業利益の伸び率がSランクである銘柄を選定することが、絶対条件となります。
また、四季報には業績記事・材料記事がありそこには、記者が独自に調査した内容がかかれており、現在の市場テーマとどうかかわっているか読み解く必要があります。
例えば1年で株価が約3倍になった3135マーケットエンタープライズではコメントがこのように変わっていきます。
2019年1集 株価911円
【好転】リユース販売は家電・楽器が堅調、前期開設2拠点も通期貢献。農機具など商材拡充で買い取り単価上昇だが、買取情報の精緻化、在庫処分売り一巡で粗利益率改善。販売管理費負担をこんなし営業益回復続く。
【相場検索】
中古スマホの相場比較サービス開始、19年9月規制緩和に向け市場活性化に対応。自治体と提携し不用楽器の寄付によるふるさと納税制度を構築、国内初。
2019年2集 株価1141円
【増額】リユース販売は農機具が想定超、前期開設2経典が通期貢献。中古携帯子会社も伸長。買い取り単価上昇でも在庫処分売り一巡などで粗利率が後半改善。営業増益拡大。会社計画は保守的。20年6月期は先行投資終え販管費低減。増益続く。
【拡充】1400の加盟店を持つリユースサイトを事業継承し重点投資。19年2月から店舗網利用し買い取り可能エリア拡充
この時↑↑大幅増額 会社比強気が出ています。
2019年3集 株価1965円
【続伸】中古携帯子会社及び2月事業継承のリユースサイトが想定超。20年6月期はリユース販売で農機具堅調。今秋の通信・端末代分離政策で中古携帯も着実増。リユースサイトは投資負担続くが利益貢献。
【重点】20年6月期はリユースサイトと法人向けの家電設備レンタルに重点投資。ヤフー取締役など歴任した喜多埜裕明氏を顧問に招聘、経営経験や知見役立てる。
2019年4集 株価2776円
【続伸】主力のリユースは買い取り件数増勢。農機・建機など拡大で単価上昇。リユース情報サイトは広告収入増、通信比較サイトも上乗せ。通信もWiMAX契約数積み上げ。のれん償却増こなし利益続伸。
【模索】農機はコンバインやトラクター中心に扱い増加。手薄な地域でリユースセンター開設検討。通信は買い取った中古端末を活用するサービス提供なども模索。
正直流して読んでしまうと気が付かないポジティブワードが連続して出ています。
とくに2019年1集では【好転】とはっきり書かれており、その後も【増額】【続伸】などポジティブなワードが並んでいます。
ただ、2019年4集では【模索】というワードがあるのでもしかしたら拡大路線が一服しているのかもしれませんが、四季報記者の選んだ言葉の意味を考えることに四季報の醍醐味があるかと思います。
四季報を使いこなすには
四季報は、たくさんの情報が凝縮されていますが、なかなか読み解くことができません。
そこで紹介したいのが、20年以上四季報を愛読し続けた渡部清二さん著の『会社四季報 最強の裏読み術』です。
この本の中では、決算データの読み方、コメントからいかに深堀するかの手法、またそれらを使った未来のストーリーの立て方などが解説されています。
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