現状の与えられた環境に対して不満を持つことは、良いことには思われないものです。
与えられた環境とルールの中で、自分を頑張って磨いていきなさい、という
空気があるからこそ、そこにも息苦しさを感じてしまいます。
それでも現状の環境で決められていることに対して
疑わず文句を言わずに、受け入れることが
良いことだという常識の持つ影響は大きなものです。
それがいつの間にか人生の選択にも当てはめられることで
自分で判断することを放棄するほうが楽だと思ってしまうからこそ
そこに気がついていかないと、後で後悔を生むことになります。
かつてユダヤ人の虐殺を引き起こすきかっけとなった事件から
「悪とは思想を無批判に受け入れることである」と
哲学者のハンナ・アーレントは批判を加えています。
ユダヤ人に対する迫害という歴史の一幕の黒幕となったアイヒマンは
自分自身が取った行動に対して、あくまでも自分は命令に従っただけであり
その行動を悪だと認めようとしませんでした。
ハンナ・アーレントは、そうした主張から
凡庸な思考停止状態の一市民が悪を作り出した、と述べていたそうです。
おかしいと思えることでも、心が麻痺してしまうことで
何とも感じなくなってしまうマインドにこそ思考停止の罠が潜んでいます。
現状におかしいと感じることがあっても
そこに批判的な意見をすることはよくないことだと思い込んでいる人ほど
日常の小さなことでも疑問を持つことが出来なくなってしまいます。
小さなことに疑問を持たなくなるから
自分にとっての当たり前が何かということも見えなくしているものがあるはずです。
問題意識を失うことが思考停止に繋がっていないだろうか、と
日頃の意識を変えていきたいものです。
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