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2021年05月08日
【血流が良くなる】サウナの効果と食事への影響
サウナが体にいい理由は、血流が良くなるからです。体中に酸素や栄養を届け、老廃物を運び出してくれるのが血液です。血流は血液の流れです。体を温めると血管が広がり、血流が良くなります。
サウナに入ることで、血流が改善され、体調が良くなります。血流が改善されると言うことは、体中に酸素や栄養が行き届き、老廃物が運び出されるということです。
不安や緊張感で張りつめているときに、胸がドキドキします。これは不安や緊張により全身がこわばり、そのことで筋肉が血管を圧迫しているからです。サウナに入ると、体が温まり筋肉のこわばりがほぐれます。すると血管を圧迫していた筋肉が緩まり、結果的にドキドキ感がなくなります。
サウナに入ると血流が良くなり、胃腸の働きも活発になることで、結果として美容にも効果的です。胃腸の働きが良くなると、食欲もあがり、食事が美味しく感じます。
サウナに長時間入り続けると、交感神経が優位になり、体は緊張状態となります。すなわち、サウナに長時間入り続けることは、生命を維持する活動と逆の行為となります。体が生命の危機を感じると、生命維持に必要な栄養を極端に欲することになります。その生命維持に必要な栄養とは、甘味のある糖質、塩分、うま味のあるたんぱく質を構成するアミノ酸です。そのため、サウナ後の甘いもの、塩辛いものは美味しく感じられます。
サウナはそもそも体にいいのでしょうか。サウナで意識を失い、亡くなったケースもあります。専門家によるとサウナは体にいいとのことです。
日本において、お風呂で亡くなる人は年間で数万人います。そのほとんどが飲酒後に入浴し、そのまま眠って溺れてしまいます。これはお風呂の入り方が問題であり、お風呂そのものが悪いわけではありません。サウナも同様です。実際のところ、サウナで気を失ったりする場合は、その多くが飲酒後のサウナと言われています。まずは 正しいサウナの入り方 をきちんと守る必要があります。
それでは、サウナは一体どのような理由で体にいいのでしょうか。サウナが体にいい理由は、血流が良くなるからです。人の体の中には、無数の血管が張り巡らされています。その血管から体中に酸素や栄養を届け、老廃物を運び出してくれるのが血液です。血流は、血液の流れです。体を温めると血管が広がり、血流が良くなります。
体を温めて血流をよくすることは、お風呂や運動でもできます。しかし、お風呂だと体は温まりますが、水圧がかかることで血管は細くなります。運動も体が温まりますが、エネルギーを使い、心拍数が上がることで体に負担がかかります。体を温めながらも、水圧がかからず、体を動かさないのでエネルギーの消費も少ないサウナが、血流を良くするにはもっとも適しているとのことです。
サウナに入ることで、血流が改善され、体調が良くなります。血流が改善されると言うことは、体中に酸素や栄養が行き届き、老廃物が運び出されるということです。体の隅々まで栄養が行き渡るのであれば、体調がよくなることは当然かもしれません。
サウナ中は、平常時と比べおおよそ2倍の血液が全身に流れているようです。体が温まり、水圧もかからないことから、血管が広がり、大量の血液が全身に流れ、酸素と栄養を届けてくれます。
サウナに入ることで、精神的な効果を得られます。不安や緊張感で張りつめているときに、胸がドキドキします。これは不安や緊張により全身がこわばり、そのことで筋肉が血管を圧迫しているので、血圧が高くなり胸がドキドキします。体がこわばって胸がドキドキしているときに考え事などをすると、体中がドキドキや不安感に駆られて、どんどん落ち込んでしまいます。
サウナに入ると、体が温まり筋肉のこわばりがほぐれます。すると血管を圧迫していた筋肉が緩まり、結果的にドキドキ感がなくなります。 その間は不安感から一時的に開放されます 。ただし、サウナに入ったからといって、不安の原因そのものがなくなるわけではありません。
サウナに入ると血流が良くなり、胃腸の働きも活発になることで、結果として美容にも効果的です。胃腸の働きが良くなると、食欲もあがり、食事が美味しく感じます。血流は、酸素と栄養を届け、老廃物を運び出す働きがあるので、食事で得た栄養を体中に届け、不要なものを排出することになります。
また、サウナには適度な疲労感があるので、高い快眠効果があります。
このように、サウナは健康を促進する働きが期待されます。適切な効果を引き出すためにも、正しい入り方 でサウナを使用します。
甘味、塩味、うま味は生きるために必要な成分であることから美味しく感じられます。一方、苦味、酸味は毒物、腐敗物のシグナルでもあるので、単体ではあまり美味しく感じられません。
サウナに長時間入り続けると、脱水症状となることから、交感神経が優位になり、体は緊張状態となります。すなわち、サウナに長時間入り続けることは、生命を維持する活動と逆の行為となります。体が生命の危機を感じると、生命維持に必要な栄養を極端に欲することになります。その生命維持に必要な栄養とは、甘味のある糖質、塩分、うま味のあるたんぱく質を構成するアミノ酸です。そのため、サウナ後の甘いもの、塩辛いものは美味しく感じられます。
食事で糖質の摂取制限を続けていると、味覚に変化が起きます。甘くない食べ物でも甘みが感じられるようになるなど、甘味の検知能力が向上します。その理由として、糖質は生きていく上で必須となるため、糖質を摂らずにいると体が味覚を向上させ、糖質を得ようとするからです。なお、逆に糖質、特に砂糖を再び摂取した場合に味覚はすぐに戻ります。まさに糖質を摂取したその日のうちに戻ってしまいます。味覚が戻るのには、舌の細胞の入れ替わりではなく、脳の受け取り方の関与が考えられています。サウナの後、甘いもの、塩辛いものが美味しく感じるのは、同様に体が生命維持に必要な栄養を得るために、味覚を向上させているのかもしれません。
サウナが体にいい理由は、血流が良くなるからです。体中に酸素や栄養を届け、老廃物を運び出してくれるのが血液です。血流は血液の流れです。体を温めると血管が広がり、血流が良くなります。
サウナに入ることで、血流が改善され、体調が良くなります。血流が改善されると言うことは、体中に酸素や栄養が行き届き、老廃物が運び出されるということです。
不安や緊張感で張りつめているときに、胸がドキドキします。これは不安や緊張により全身がこわばり、そのことで筋肉が血管を圧迫しているからです。サウナに入ると、体が温まり筋肉のこわばりがほぐれます。すると血管を圧迫していた筋肉が緩まり、結果的にドキドキ感がなくなります。
サウナに入ると血流が良くなり、胃腸の働きも活発になることで、結果として美容にも効果的です。胃腸の働きが良くなると、食欲もあがり、食事が美味しく感じます。
サウナに長時間入り続けると、交感神経が優位になり、体は緊張状態となります。すなわち、サウナに長時間入り続けることは、生命を維持する活動と逆の行為となります。体が生命の危機を感じると、生命維持に必要な栄養を極端に欲することになります。その生命維持に必要な栄養とは、甘味のある糖質、塩分、うま味のあるたんぱく質を構成するアミノ酸です。そのため、サウナ後の甘いもの、塩辛いものは美味しく感じられます。
2021年05月07日
【食べる人の視点を考慮】介護食からスマイルケア食へ
介護が必要な高齢者に適した食事づくりは、低栄養状態に陥りがちな健康をサポートするために欠かせない要素のひとつです。栄養バランスはもちろんのこと、噛みやすさや飲み込みやすさにも配慮しつつ、食欲をそそる美味しそうな献立と味付けを仕上げることは、簡単なことではありません。高齢者にとっても、毎日美味しい食事をとることは、生きる活力となります。
噛む力や飲み込む力が弱まっている人が、安全に食べられるように調理方法などを工夫した食事が介護食です。介護食は硬さや粘度などから、容易に噛めるもの、歯茎でつぶせるもの、舌でつぶせるもの、噛まなくてよいものなどさまざまなタイプがあります。
介護食をつくるときには、調理方法に工夫が必要となります。高齢者は栄養不足に陥りやすいため、献立を考えるときは食事全体のバランスを考え、不足しがちな栄養を豊富に含む食材を多く使用します。栄養不足に陥る原因のひとつに、口まわりの筋肉が弱くなって、食べ物をうまく噛めなくなっていることがあげられます。
これまでの介護食に利用者の要望を反映したスマイルケア食という新しい概念が広まっています。スマイルケア食とは、介護食のさらなる普及を目指し、農林水産省が提案している新しい介護食の総称です。
従来の介護食は、利用者の噛む力や飲み込む力に応じて安全に食べられることが目的でした。スマイルケア食は、食べやすさに加え、味付けや美味しそうな見た目にもこだわった食事を目指すものです。食べる人の視点からレシピを工夫することで、種類が限られていたこれまでの介護食よりも献立が豊富になりました。グラタンやリゾットをはじめゼリーといったデザートまで、利用する人の多様な好みに対応しています。
スマイルケア食の普及により、介護食の利用者がこれまで食べられなかったものを自由に食べられるようになり、食欲の増進と栄養摂取の改善効果が期待されています。食事が楽しくなることで、日々の満足度の向上にもつながります。
介護が必要な高齢者に適した食事づくりは、低栄養状態に陥りがちな健康をサポートするために欠かせない要素のひとつです。栄養バランスはもちろんのこと、噛みやすさや飲み込みやすさにも配慮しつつ、食欲をそそる美味しそうな献立と味付けを仕上げることは、簡単なことではありません。高齢者にとっても、毎日美味しい食事をとることは、生きる活力となります。
食事は単なる栄養摂取にとどまらず、精神的な満足感も得られます。健康上の問題がなく、日常生活で何不自由なく過ごせる人と比べ、筋力低下などで少なからず活動に制限の出てくる高齢者は、普段の生活であまり刺激を受ける機会がありません。それだけに、1日3度の美味しい食事が、毎日の楽しみになっているという人もたくさんいます。
加齢にともない、筋肉が衰え、歯が弱くなると、飲み込む力と噛む力が衰えてきます。これまでと同じ食べ物をうまく食べることができなくなり、飲み込むときにむせることが増え、食べ物が気管に入って誤嚥性の疾患を引き起こすおそれがあります。
一般的に若い頃よりも、高齢者は食欲が低下するため、やわらかい食材など食べられる物が限られ、食べる量そのものが減ることで、栄養不足になってしまうことがあります。高齢者は、若い人よりもきちんと栄養バランスを考えなければなりません。毎日同じようなものを食べていると、栄養が不足する低栄養の状態に陥ります。その結果、免疫機能が低下して、風邪をはじめとしたさまざまな病気にかかりやすくなります。
高齢者は、腸などの消化器官の働きも低下するため、便秘や下痢を引き起こす可能性があります。便秘は食欲不振にもつながり、栄養不足がさらに進んでしまうことも考えられます。栄養不足になると、脳に十分な栄養が行き渡らなくなり、認知機能の低下をもたらす恐れも指摘されています。
介護食と言うと、ミキサーにかけてペースト状にした食事というイメージがあるかもしれません。実際には、食べる人の状態に合わせてさまざまな工夫がなされています。
噛む力や飲み込む力が弱まっている人が、安全に食べられるように調理方法などを工夫した食事が介護食です。最近では、すぐに食べられるようにレトルトタイプのパック詰めになっている介護食、やわらかく調理してある介護食が、スーパーをはじめドラッグストアなどで市販され、インターネットで購入することもできます。
介護食は硬さや粘度などから、容易に噛めるもの、歯茎でつぶせるもの、舌でつぶせるもの、噛まなくてよいものなどさまざまなタイプがあります。
調理方法にも、噛みやすさや飲み込みやすさを考慮したタイプがあります。きざみ食は、口に入れて噛みやすいように、食材を小さくきざんだ食事です。筋力低下などで口を大きく開けられない人、噛む力が低下した人に適しています。ソフト食は、食材を舌でつぶせるくらいまで煮込んだりゆでたりして、やわらかく調理した食事です。噛む力や飲み込む力が弱くなった人、消化不良を起こしやすい人に適しています。ミキサー食は、食材をミキサーにかけて飲み込みやすい状態にした食事です。誤嚥しないように粘度をつけていることもあります。あまり噛むことができず、飲み込む力が弱くなった人に適しています。嚥下食は、食品をミキサーにかけ、さらに飲み込みやすくするためにペースト状、あるいはゼリー状にした食事です。飲み込む力が弱く、特に誤嚥の恐れがある人に適しています。流動食は、消化を重視したスープなどの液体状の食事です。消化する力が弱っている人に適しています。
介護食をつくるときには、調理方法に工夫が必要となります。実際にどのような点に気をつけて調理すれば良いのでしょうか。
高齢者は栄養不足に陥りやすいため、献立を考えるときは食事全体のバランスを考え、不足しがちな栄養を豊富に含む食材を多く使用します。
特に不足する傾向にある栄養素としては、たんぱく質、カルシウム、食物繊維、ビタミンです。たんぱく質は肉、魚、卵、大豆製品、カルシウムは牛乳、チーズなどの乳製品、しらす、食物繊維は野菜、海藻、ビタミンはレバー、野菜、魚などに多く含まれています。
栄養不足に陥る原因のひとつに、口まわりの筋肉が弱くなって、食べ物をうまく噛めなくなっていることがあげられます。食材を食べやすい大きさに切るなど工夫が必要です。
高齢者は、飲み込む力が低下しているので、調理の段階で十分に加熱して食材をやわらかくしておきます。誤嚥を防ぐために、適度なとろみをつけたりします。
年齢とともに血圧が高くなることが多いことから、塩分の取り過ぎに気を配ることが大切です。味付けは、なるべく薄味にするように心掛けます。
これまでの介護食に利用者の要望を反映したスマイルケア食という新しい概念が広まっています。スマイルケア食とは、介護食のさらなる普及を目指し、農林水産省が提案している新しい介護食の総称です。
従来の介護食は、利用者の噛む力や飲み込む力に応じて安全に食べられることが目的でした。スマイルケア食は、食べやすさに加え、味付けや美味しそうな見た目にもこだわった食事を目指すものです。食べる人の視点からレシピを工夫することで、種類が限られていたこれまでの介護食よりも献立が豊富になりました。グラタンやリゾットをはじめゼリーといったデザートまで、利用する人の多様な好みに対応しています。
スマイルケア食の普及により、介護食の利用者がこれまで食べられなかったものを自由に食べられるようになり、食欲の増進と栄養摂取の改善効果が期待されています。食事が楽しくなることで、日々の満足度の向上にもつながります。
スマイルケア食は、利用する人の噛む力や飲み込む力に応じて、食品のやわらかさや形状をもとに区分されています。従来の介護食で使われていた区分は、容易に噛める、歯茎でつぶせる、舌でつぶせるなどです。スマイルケア食で新たに追加された区分は、噛む力にも飲み込む力にも問題がない人が対象で栄養バランスに配慮した介護予防を目的とした食品、なめらかな状態のおかゆややわらかい食品など粒があっても口の中でまとまりのよいペースト状の食品、粒がなくなめらかで少量ずつそのまま飲み込めるようなムース状の食品、粒がなくなめらかでスプーンでスライスしてすくうことができるようなゼリー状の食品です。
介護が必要な高齢者に適した食事づくりは、低栄養状態に陥りがちな健康をサポートするために欠かせない要素のひとつです。栄養バランスはもちろんのこと、噛みやすさや飲み込みやすさにも配慮しつつ、食欲をそそる美味しそうな献立と味付けを仕上げることは、簡単なことではありません。高齢者にとっても、毎日美味しい食事をとることは、生きる活力となります。
噛む力や飲み込む力が弱まっている人が、安全に食べられるように調理方法などを工夫した食事が介護食です。介護食は硬さや粘度などから、容易に噛めるもの、歯茎でつぶせるもの、舌でつぶせるもの、噛まなくてよいものなどさまざまなタイプがあります。
介護食をつくるときには、調理方法に工夫が必要となります。高齢者は栄養不足に陥りやすいため、献立を考えるときは食事全体のバランスを考え、不足しがちな栄養を豊富に含む食材を多く使用します。栄養不足に陥る原因のひとつに、口まわりの筋肉が弱くなって、食べ物をうまく噛めなくなっていることがあげられます。
これまでの介護食に利用者の要望を反映したスマイルケア食という新しい概念が広まっています。スマイルケア食とは、介護食のさらなる普及を目指し、農林水産省が提案している新しい介護食の総称です。
従来の介護食は、利用者の噛む力や飲み込む力に応じて安全に食べられることが目的でした。スマイルケア食は、食べやすさに加え、味付けや美味しそうな見た目にもこだわった食事を目指すものです。食べる人の視点からレシピを工夫することで、種類が限られていたこれまでの介護食よりも献立が豊富になりました。グラタンやリゾットをはじめゼリーといったデザートまで、利用する人の多様な好みに対応しています。
スマイルケア食の普及により、介護食の利用者がこれまで食べられなかったものを自由に食べられるようになり、食欲の増進と栄養摂取の改善効果が期待されています。食事が楽しくなることで、日々の満足度の向上にもつながります。
2021年05月06日
【健康的な生活習慣が基本】脳の健康を保つ方法
健康的な生活習慣は、脳の健康を維持するためにも必要です。脳は、常に十分な量の血液を必要としています。しかし、年齢を重ねると動脈硬化が進み、血管が徐々に狭くなり、血液の流れが悪くなることが多いです。動脈硬化が進行しやすい生活を送っていると、年齢を重ねてから、アルツハイマー型認知症などの危険性が上昇します。
脳の健康を保ち、理想的な状態を維持するためには、血圧を管理すること、コレステロールを管理すること、血糖値を下げること、適度な運動、健康的な食事、標準体重を維持することを心がけます。
認知症との関連が認められる糖尿病、高血圧、脂質異常症は、いずれも生活習慣による改善が可能です。生活習慣の改善で、認知症の多くは、予防もしくは遅らせることができます。
健康的な生活習慣は、脳の健康を維持するためにも必要です。
脳は、常に十分な量の血液を必要としています。しかし、年齢を重ねると動脈硬化が進み、血管が徐々に狭くなり、血液の流れが悪くなることが多いです。なかでも、アテロームと呼ばれる脂肪性の沈着物が動脈の内側に蓄積するアテローム性動脈硬化症は、心筋梗塞や脳卒中などの原因として知られています。
アテローム性動脈硬化症の原因となる不健康な生活習慣は、脳の血管にとっても良くありません。動脈硬化が進行しやすい生活を送っていると、年齢を重ねてから、アルツハイマー型認知症などの危険性が上昇します。
脳の健康を保ち、理想的な状態を維持するためには、どのようなことをすればいいのでしょうか。
・血圧を管理すること
高血圧の場合、細い血管の血液の流れが悪化しやすく、十分な酸素や栄養素を脳に供給するのが難しくなります。血流の不足は、認知機能の低下を招き、さらに活性酸素で細胞がダメージを受け、血管内皮の炎症が起こりやすくなります。高血圧を放置しておくと、脳内で認知症の原因となる物質も増えやすくなります。
高血圧は自覚症状に乏しく、自身では分からないため、定期的に検査する必要があります。
・コレステロールを管理すること
コレステロールの異常は脂質異常症を招き、狭心症や心筋梗塞などの心臓病、脳出血や脳梗塞などが進行しやすくなります。脂質異常症によって動脈硬化が進行すると、脳内の血管も硬化が進み、血液の流れが悪くなります。
LDLコレステロールを減らすためには、動物性食品の摂り過ぎを抑えて、野菜、果物、海藻などをバランスよく食べることが大切です。
・血糖値を下げること
糖尿病の場合、アルツハイマー型認知症や血管性認知症の発症リスクが2〜4倍に上昇するという報告があります。糖尿病で血糖値の高い状態を放置していると、心臓病や脳卒中の危険性も高まりますが、血糖値をコントロールすることで、このような合併症を防ぐことができます。
脳の神経細胞のエネルギー源はぶどう糖です。そのため、脳神経細胞は常にぶどう糖を要求しますが、そのときに必要な働きをするのがインスリンです。インスリンの不足は、認知症の進行に影響していると考えられています。
糖尿病は、脳の動脈硬化も促進します。動脈硬化が進むことで、脳梗塞の発症リスクが高まり、血管性認知症になりやすくなります。
・適度な運動
適度な運動を継続することで、血糖値や血圧が下がります。さらに運動を行うと酸素を体内に取り入れ、脳の血液量が増えます。酸素は血液によって運ばれ、脳にも酸素を含んだ血液が送り込まれます。脳内の血液が増えることで、脳の神経細胞であるニューロンがつくられ、神経細胞を結び付けるシナプスも活発に働くようになります。
1日30分のウォーキングを週に5日以上続けること、あるいは1回10分の運動を3回に分けて行っても効果があります。
・健康的な食事
食事と認知症予防の関係が大きいことが、最近の研究で明らかとなっています。塩分やコレステロールの摂りすぎは動脈硬化を促し、血管を老化させます。不健康な食事などで体内の活性酸素が増えると、細胞の新陳代謝が妨げられ、老化が促進されます。
健康的な食事を続ければ、血圧、血糖値、コレステロール値を改善することができます。カロリーの摂り過ぎを防ぎながら、必要な栄養素をバランス良く摂ることが大切です。 そのために、1日3食をきちんと摂り、野菜、果物、海藻、大豆食品、魚類などを十分に摂取することを心がけます。
塩分の摂り過ぎも脳の血管の老化を促します。塩分は1日3g以下に抑えることが理想的ですが、無理な場合は6g以下を目指します。
・標準体重を維持すること
肥満により内臓脂肪が過多となると、心臓の負担が増え、脳への血流も悪化します。肥満に脂質異常、高血圧、高血糖などが重なると、心臓の負担はさらに増加します。
肥満、糖尿病、脂質異常症を放置していると血流が悪くなり、血液が固まりやすい状態になります。そうなると心筋梗塞や脳梗塞だけでなく、認知症のリスクも高まります。脳の血流量を増やし、脳の機能を高めるためには、標準体重を維持することが大切です。
1日に必要なカロリーを把握することで、食べ過ぎに注意し、ウォーキングなどの運動を続ければ、体重を減らすことができます。
脳を健康に保つことで、五感を通じて刺激を受け取り、社会的な交流を通じて、認知機能や注意力を高めることができます。脳の働きを高めることは、学習、記憶、コミュニケーション、判断のために不可欠です。
脳を健康に保つためには、若いうちから健康的な習慣を身に着けることです。心臓病や脳卒中の原因となる動脈硬化は、30歳を過ぎた頃からすでに始まっています。
認知症との関連が認められる糖尿病、高血圧、脂質異常症は、いずれも生活習慣による改善が可能です。生活習慣の改善で、認知症の多くは、予防もしくは遅らせることができます。
健康的な生活習慣は、脳の健康を維持するためにも必要です。脳は、常に十分な量の血液を必要としています。しかし、年齢を重ねると動脈硬化が進み、血管が徐々に狭くなり、血液の流れが悪くなることが多いです。動脈硬化が進行しやすい生活を送っていると、年齢を重ねてから、アルツハイマー型認知症などの危険性が上昇します。
脳の健康を保ち、理想的な状態を維持するためには、血圧を管理すること、コレステロールを管理すること、血糖値を下げること、適度な運動、健康的な食事、標準体重を維持することを心がけます。
認知症との関連が認められる糖尿病、高血圧、脂質異常症は、いずれも生活習慣による改善が可能です。生活習慣の改善で、認知症の多くは、予防もしくは遅らせることができます。
2021年05月05日
【日常生活でできる】認知症予防のための食事
正常に発達した種々の精神機能が慢性的に減退、消失することで、日常生活が営めない状態を認知症と言います。記憶障害と知的障害の損失として定義されている疾患で、脳血管性認知症とアルツハイマー型認知症の2つに分けられます。
認知症の予防に大切なことは、脳の健康を維持することです。すなわち、生活習慣病の改善及び食事からの老化予防です。食事の基本は、バランスの良い食事を心がけること、摂取カロリーに配慮すること、塩分の摂取を控えること、糖質の摂取を控えることです。
認知症の予防になる食べ物として、オメガ3系脂肪酸のEPA、DHAを多く含む青魚、葉酸を多く含む緑黄色野菜、豆類、果実、クルクミンを含むカレー、抗酸化作用のあるポリフェノールを含むコーヒー、赤ワイン、テアニンを含む緑茶などが報告されています。
そのほかに調理をすることは、頭や体を使うことにつながります。脳の活性化を誘起する可能性もあると言われ、認知症予防にも効果があると期待されています。
正常に発達した種々の精神機能が慢性的に減退、消失することで、日常生活が営めない状態を認知症と言います。
記憶障害と知的障害の損失として定義されている疾患で、脳血管性認知症とアルツハイマー型認知症の2つに分けられます。
脳血管性認知症は、脳梗塞後に発生しやすいと考えられている認知症のため多発梗塞性認知症とも呼ばれています。そのため、予防方法の基本は脳血管疾患の食事と共通しています。
認知症の予防に大切なことは、脳の健康を維持することです。生活習慣病の改善及び食事からの老化予防です。
・バランスの良い食事を心がけること
糖質、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルをはじめとした栄養バランスの良い食事をすることは、脳に必要な栄養素となる青魚に多く含まれるEPA、DHAなどのオメガ3系脂肪酸、葉酸、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、ミネラルを補うことにつながります。
地中海食はパンやパスタなどの穀類、野菜、果物、オリーブ油、魚などを主体として、肉類の摂取が比較的少ないのが特徴で、脂質異常症、糖尿病、高血圧の予防になるとされ、アルツハイマー型認知症のリスクを抑える効果も期待されています。
・摂取カロリーに配慮すること
摂取カロリーに気をつけることで、肥満を予防することができます。肥満は、アルツハイマー型認知症を招くだけでなく、内臓脂肪の蓄積によって高血圧、糖尿病などを引き起こします。
・塩分の摂取を控えること
脳血管性認知症は脳梗塞と関連性があり、脳梗塞の背景には高血圧が存在している場合が多く見受けられます。高血圧予防のために塩分の摂取を減らし、血液中のナトリウムを排泄する働きのあるカリウムを多く含む野菜、果物、海藻類を摂取します。脳梗塞を予防することで、脳血管性認知症の予防につながります。
・糖質の摂取を控えること
糖尿病などは脳血管性認知症、アルツハイマー型認知症の発症リスクを高めることになります。血糖値をコントロールするためには、甘いお菓子、菓子パンなど糖質中心の食事を控えます。食物繊維は、野菜、きのこ、海藻などの多く含まれ、摂取することで、血糖値の上昇を抑えてくれます。
認知症の予防になる食べ物として、青魚にはオメガ3系脂肪酸のEPA、DHAが多く含まれています。DHAは、脳の構成成分のひとつで、記憶力や判断力の向上、認知症予防、なかでもアルツハイマー型認知症の発症予防に効果があるといった報告があります。EPAは脳まで届くことはありませんが、血管を拡張して血行を促進することで、生活習慣病の予防となります。生活習慣病を予防することで、認知症の予防に役立ちます。
特にサバ、アジ、イワシ、サンマなどの青魚には、オメガ3系脂肪酸のEPA、DHAが多く含まれています。
認知症の予防になる食べ物として、緑黄色野菜、豆類、果実は葉酸を多く含んでいます。緑黄色野菜ではホウレンソウ、小松菜、菜の花、豆類では納豆、枝豆、果実ではイチゴ、キウイ、オレンジに葉酸が多く含まれています。葉酸はビタミンB群の1種で、不足すると肝臓でつくられるホモシステインという物質が増加します。ホモシステインは、動脈硬化を進行させるほか、アルツハイマー型認知症の原因となるアミロイドβの作用を強めることになります。
アミロイドβは、アルツハイマー型認知症に見られる老人斑の大部分を構成しているたんぱく質で、健康な人の脳にも存在し、通常は脳内のゴミとして短期間で分解され、排出されます。しかし、正常なアミロイドβよりも大きく異常なたんぱく質ができてしまうと、排出されずに蓄積してしまいます。アミロイドβは、認知症を発症する20年も前から脳に溜まり始めていると言われ、蓄積したアミロイドβは、脳細胞を死滅させると考えられています。アミロイドβは血管の壁に沈着することもあり、脳出血の原因となることもあります。
葉酸を摂取する事で、ホモシテインを減らすことができ、認知症予防が期待できます。
カレーに含まれるクルクミンは、アルツハイマー型認知症の原因となるアミロイドβが脳内にたまる速度を抑えるほか、できてしまった老人班の分解を促すことが報告されています。
コーヒーに含まれるクロロゲン酸は、ポリフェノールの1種で抗酸化作用を持っています。
緑茶に多く含まれるテアニンには、血圧上昇を抑制し、脳の神経細胞を保護する働きもあることから、認知機能の低下を抑える作用があると言われています。
少量の飲酒は、認知症の予防になる可能性があります。赤ワインに含まれるポリフェノールには、強力な抗酸化作用があり、老化、動脈硬化、高血圧、認知症の予防が期待されます。1日250〜500mlのワインの飲用は、アルツハイマー型認知症の発症を抑えるという報告があります。
そのほかに調理をすることは、頭や体を使うことにつながります。脳の活性化を誘起する可能性もあると言われ、認知症予防にも効果があると期待されています。
動物性の油脂で飽和脂肪酸が多く含まれるもの、ショートニングやマーガリンといったトランス脂肪酸が含まれるものの過剰摂取は、血中のLDLコレステロールを増やし、動脈硬化を引き起こします。動脈硬化が起こることに伴い、脳梗塞が発症しやすくなります。
特にファストフード、お菓子、菓子パンなどを中心とした食事になるとトランス脂肪酸の摂取量が増えます。これらの食品の過剰な摂取は控え、適度な摂取にとどめます。
正常に発達した種々の精神機能が慢性的に減退、消失することで、日常生活が営めない状態を認知症と言います。記憶障害と知的障害の損失として定義されている疾患で、脳血管性認知症とアルツハイマー型認知症の2つに分けられます。
認知症の予防に大切なことは、脳の健康を維持することです。すなわち、生活習慣病の改善及び食事からの老化予防です。食事の基本は、バランスの良い食事を心がけること、摂取カロリーに配慮すること、塩分の摂取を控えること、糖質の摂取を控えることです。
認知症の予防になる食べ物として、オメガ3系脂肪酸のEPA、DHAを多く含む青魚、葉酸を多く含む緑黄色野菜、豆類、果実、クルクミンを含むカレー、抗酸化作用のあるポリフェノールを含むコーヒー、赤ワイン、テアニンを含む緑茶などが報告されています。
そのほかに調理をすることは、頭や体を使うことにつながります。脳の活性化を誘起する可能性もあると言われ、認知症予防にも効果があると期待されています。
2021年05月04日
【周囲とのコミュニケーション】植物由来の香気成分
植物由来の香気成分は、植物の生存において重要な役割を担っています。良く知っている花の香り以外に昆虫に食べられることでも植物のにおいは放出されます。これらのにおいは、昆虫の天敵をひきつけ、周囲の植物に危険を知らせる警報としての役割があります。このように動けない植物は、においを駆使することで周囲の生物とコミュニケーションを図っています。
植物の香気成分であるテルペン類は、抗虫性、抗炎症、抗ストレス作用など多岐にわたる薬理効果が備わっていることから、世界中の研究者に注目されています。
植物由来香の香気成分の最大の役割は、ほかの生物とのコミュニケーション並びに外敵からの防衛にあります。花のにおいを介した植物と昆虫などのコミュニケーションはよく知られていますが、植物が放出するにおいは花だけに限ったものではありません。ミントなどは葉の表面のトリコームと呼ばれる毛の部分に大量のテルペン類を蓄積し、これらの香気成分は病害虫の予防、忌避効果を発揮します。
さらに植物は、昆虫によって食べられると大気中ににおいを放出することで、昆虫の天敵を誘引することができます。植物から放出されるにおいの成分は、品種や食べた昆虫の違いによっても異なりますが、この植物を食べた昆虫の天敵はこれらの特有のにおい成分を手がかりとして、特異的に見つけ出します。ハダニの天敵であるカブリダニは、ハダニが食べたマメの葉のにおい成分を好み、ほかの昆虫が食べた場合に放出されるマメの葉のにおい成分には応答しません。これらの特有なにおい成分の生産には、昆虫が分泌する成分が深くかかわっていると考えられています。
一方、昆虫に食べられた植物から放出されるにおいを感知した周囲の植物は、食べられる前の状態にもかかわらず、防御応答を誘導することができます。これは、植物間コミュニケーションと言われています。においを受容した植物は、防御遺伝子などが活動をはじめます。
テルペンを代表とする成分には、機能性に優れた化合物が数多く、防虫剤、香料、医薬品などとして、さまざまな用途で用いられています。マラリアの治療薬であるアルテミシニンは、クソニンジンから単離されたテルペンで、防虫剤や防腐剤に用いられている樟脳(カンファー)は、クスノキに含まれるテルペンです。
昨今では、植物の精油を用いたアロマテラピーが、リラックス効果やストレス解消を目的として世間一般に広く普及しています。レモンの香りに含まれるリモネン、ミントの香りに含まれるリナロールなどのテルペンには、リラックス効果のほかに抗炎症作用があり、ホップの香りであるカリオフィレンには、抗うつ作用があります。
シソは、特有の香りと防腐、殺菌作用などを持つことから、和食に欠かせない食材です。シソには、整腸作用、発汗解熱作用、抗炎症作用などの効果も知られており、古くから漢方にも用いられてきました。シソの香り成分は、ペリルアルデヒド、ペリルアルコール、リモネンの3種のテルペンであり、なかでもペリルアルデヒドは生葉におけるシソの香気成分の主要成分です。
ジンチョウゲ科の樹高の高い常緑樹の樹皮が、菌に感染し傷がつくと、それを治すために植物自身が樹液を出します。この樹液が固まって樹脂となり、長い時間をかけ菌などの働きによって樹脂の成分が変質し、特有の香りを放つようになったものを沈香(じんこう)といいます。沈香という名前は、普通の木よりも比重が重いため、水に沈むことに由来しています。沈香の香気成分は、主にテルペンとクロモンであるとされ、特に加熱した際に発生する芳香成分はクロモンとされています。沈香は、強壮、鎮静などの効果のある生薬でもあります。沈香ができるまでに50年、高品質の沈香になるにはさらに100〜150年かかると言われています。沈香ができるメカニズムには現在でも謎が多く、また偶然性に左右される面が大きいことから、人工的に生成することは極めて難しく、とても貴重なものとして扱われています。現在では沈香の乱獲を防ぐため、ワシントン条約の附属書U(必ずしも絶滅のおそれはないが取引を厳重に規制しなければ絶滅のおそれのある種となりうるもの)に指定されています。
白檀はインド原産の樹木で、ほかの木に半寄生して生きるためこの木だけで育てることは不可能です。白檀の精油成分についての研究は、古くから膨大な研究がなされており、主成分はテルペンアルコールであることが報告されています。主な効能として、ストレス緩和、抗炎症、殺菌、消毒作用などがあります。
植物由来の香気成分は、植物の生存において重要な役割を担っています。良く知っている花の香り以外に昆虫に食べられることでも植物のにおいは放出されます。これらのにおいは、昆虫の天敵をひきつけ、周囲の植物に危険を知らせる警報としての役割があります。このように動けない植物は、においを駆使することで周囲の生物とコミュニケーションを図っています。
植物の香気成分であるテルペン類は、抗虫性、抗炎症、抗ストレス作用など多岐にわたる薬理効果が備わっていることから、世界中の研究者に注目されています。
2021年05月03日
【食の未来】今後の食生活と食の問題を解決する取り組み
今後の食生活は、どのようになっているのでしょうか。今まで通りの食生活を続けられているかもしれません。しかし、食生活は、少しずつ変化が起き始めています。
食事は生きていくために欠かせません。しかし、今当たり前に食べている食料が、将来消えるかもしれません。体をつくり、毎日を豊かな気持ちにさせてくれる食事をこれからもずっと楽しむため、ひとりひとりが知っておくべきこととは、どのようなことでしょうか。
現在、日本では少子化に伴う人口減少が問題となっている一方、世界に目を向けると、逆に人口増加が深刻な問題として注目されています。2050年の世界人口は、98億人と見込まれ、水とたんぱく質が不足する時代の到来は確実といわれています。
食料資源の枯渇は、水とたんぱく質だけにとどまらず、世界中の海で起こっている水産物の減少、異常気象や土壌汚染による農作物の不作も叫ばれています。このような食の問題を解決するために、各地でさまざまな取り組みが始まっています。
食用肉の代替食は、たんぱく質を確保するために重要です。フェイクミートや培養肉など食用肉の代替食に関するフードテクノロジーの研究も進んでいます。一方、近年食品業界で大きな投資が行なわれているのが昆虫です。これは昨今の昆虫食にとどまらず、食肉養殖業における餌としての昆虫も含まれています。
保存には、冷蔵、冷凍、乾燥などさまざまな技術があります。その中で飛躍的に進化している技術が、冷凍保存です。とれたての魚やおろしたての肉を瞬時に凍結させ、新鮮な状態を長く保つことができる研究が進んでいます。保存技術の進化により、食品ロスの改善が期待されます。
日本だけでなく、世界的に水産資源が大きく減少しています。その理由は、海の環境汚染や温暖化などさまざまですが、最も大きな理由は乱獲とされています。このような状況下で、水産資源管理の重要性が叫ばれています。
今ある食資源を守るため、個人でできることもあります。食材を使いきることを心がけ食品ロスを減らす、川や海の汚染を最小限に抑えるなどは、日常生活でできることです。現状を把握し、食に対する意識を変えること、ひとりひとりが食と向き合うことで、食の未来が明るく変化することを期待します。
今後の食生活は、どのようになっているのでしょうか。今まで通りの食生活を続けられているかもしれません。しかし、食生活は、少しずつ変化が起き始めています。
食事は生きていくために欠かせません。しかし、今当たり前に食べている食料が、将来消えるかもしれません。体をつくり、毎日を豊かな気持ちにさせてくれる食事をこれからもずっと楽しむため、ひとりひとりが知っておくべきこととは、どのようなことでしょうか。
現在、日本では少子化に伴う人口減少が問題となっている一方、世界に目を向けると、逆に人口増加が深刻な問題として注目されています。2050年の世界人口は、98億人と見込まれ、水とたんぱく質が不足する時代の到来は確実といわれています。
水は、人口増加に伴って足りなくなることが予想されます。世界各地で起こっている砂漠化が、水不足に拍車をかけています。気候変動によって干ばつに悩まされる国が増え、過剰な木の伐採、家畜の放牧により、土地の砂漠化が広がっています。その結果、水不足はもちろん食糧不足が起こっている地域も多く見受けられます。
水の不足と密接に関係しているのが、たんぱく質の不足です。貴重なたんぱく源となる肉の中で、特に牛ではおおよそ11kgの飼料用穀物を食べさせ、1kgの食肉を確保することができます。飼料をつくるための水と牛が飲む水を確保することは、同量の栄養素を持つ穀物をつくることと比べて、10倍の水が必要といわれています。すなわち、食用肉の確保は非生産的とされ、このままではたんぱく源の確保が困難になる未来も遠くありません。
食料資源の枯渇は、水とたんぱく質だけにとどまりません。世界中の海で起こっている水産物の減少、異常気象や土壌汚染による農作物の不作も叫ばれています。農林水産省の統計で、食糧自給率が38%(カロリーベース)に過ぎない日本が、今と同様に食糧を輸入し続けられるかは不明瞭です。このような食の問題を解決するために、各地でさまざまな取り組みが始まっています。
たんぱく源の確保として、食用肉の代替食を開発する試みが世界各国の企業で進んでいます。アメリカでは、ビヨンドミート社が開発した100%大豆由来の完全植物性代替食が、スーパーに並び始めています。地球環境に危機感を抱く人が、ビーガンに転向する傾向も強くなっており、これは食糧危機の問題が海外で意識されていることを表しているのかもしれません。
このように世界中で食に関する試みと意識の変革が始まっています。限られた食の資源を大切にするため、さまざまな企業で代替食の開発、保存技術の確立、水産資源の管理などに取り組んでいます。
食用肉の代替食は、たんぱく質を確保するために重要です。フェイクミートや培養肉など食用肉の代替食に関するフードテクノロジーの研究も進んでいます。一方、近年食品業界で大きな投資が行なわれているのが昆虫です。これは昨今の昆虫食にとどまらず、食肉養殖業における餌としての昆虫も含まれています。アメリカの養鶏場では、これまでの餌である大豆を昆虫に変えるという実験が行なわれています。昆虫はエネルギー効率が高いといわれ、人だけではなく、家畜にも代替食としての検討が進んでいます。
保存には、冷蔵、冷凍、乾燥などさまざまな技術があります。その中で飛躍的に進化している技術が、冷凍保存です。とれたての魚やおろしたての肉を瞬時に凍結させ、新鮮な状態を長く保つことができる研究が進んでいます。保存技術の進化により、食品ロスの改善が期待されます。野菜が大量に収穫されたときにやむをえず廃棄することがありますが、この技術が確立されることで、廃棄の解決につながる可能性があります。
日本だけでなく、世界的に水産資源が大きく減少しています。その理由は、海の環境汚染や温暖化などさまざまですが、最も大きな理由は乱獲とされています。このような状況下で、水産資源管理の重要性が叫ばれています。漁獲量などを適正に管理することで水産資源が増え、持続可能な水産物がスーパーに並ぶことが期待されています。
今後、食卓の上には今とはまったく違う食べ物が並ぶことになるかもしれません。たんぱく源となる肉は、大豆や昆虫に置き換わり、魚はすべて養殖で、普通に食べていたものが手に入れられなくなるという未来を想像するだけで、何とかしなければと思います。これを回避するため、つまり、今ある食資源を守るため、個人でできることもあります。食材を使いきることを心がけ食品ロスを減らす、川や海の汚染を最小限に抑えるなどは、日常生活でできることです。そして、何よりもこのような問題に関心を持ち、意識して毎日を過ごすだけで行動が変化します。
今後、食の世界は想像もつかないくらい多様に変化していくかもしれません。現状を把握し、食に対する意識を変えること、ひとりひとりが食と向き合うことで、食の未来が明るく変化することを期待します。
今後の食生活は、どのようになっているのでしょうか。今まで通りの食生活を続けられているかもしれません。しかし、食生活は、少しずつ変化が起き始めています。
食事は生きていくために欠かせません。しかし、今当たり前に食べている食料が、将来消えるかもしれません。体をつくり、毎日を豊かな気持ちにさせてくれる食事をこれからもずっと楽しむため、ひとりひとりが知っておくべきこととは、どのようなことでしょうか。
現在、日本では少子化に伴う人口減少が問題となっている一方、世界に目を向けると、逆に人口増加が深刻な問題として注目されています。2050年の世界人口は、98億人と見込まれ、水とたんぱく質が不足する時代の到来は確実といわれています。
食料資源の枯渇は、水とたんぱく質だけにとどまらず、世界中の海で起こっている水産物の減少、異常気象や土壌汚染による農作物の不作も叫ばれています。このような食の問題を解決するために、各地でさまざまな取り組みが始まっています。
食用肉の代替食は、たんぱく質を確保するために重要です。フェイクミートや培養肉など食用肉の代替食に関するフードテクノロジーの研究も進んでいます。一方、近年食品業界で大きな投資が行なわれているのが昆虫です。これは昨今の昆虫食にとどまらず、食肉養殖業における餌としての昆虫も含まれています。
保存には、冷蔵、冷凍、乾燥などさまざまな技術があります。その中で飛躍的に進化している技術が、冷凍保存です。とれたての魚やおろしたての肉を瞬時に凍結させ、新鮮な状態を長く保つことができる研究が進んでいます。保存技術の進化により、食品ロスの改善が期待されます。
日本だけでなく、世界的に水産資源が大きく減少しています。その理由は、海の環境汚染や温暖化などさまざまですが、最も大きな理由は乱獲とされています。このような状況下で、水産資源管理の重要性が叫ばれています。
今ある食資源を守るため、個人でできることもあります。食材を使いきることを心がけ食品ロスを減らす、川や海の汚染を最小限に抑えるなどは、日常生活でできることです。現状を把握し、食に対する意識を変えること、ひとりひとりが食と向き合うことで、食の未来が明るく変化することを期待します。
2021年05月02日
【危険回避】食べ物を識別する能力と経験による変化
子どもだけでなく大人になっても好き嫌いがたくさんある人がいます。食べ物に対する嫌悪は、どのようにして生じるのでしょうか。嫌悪ということは、不要であってない方が良いのでしょうか。
自然界には数えきれないほど多くの種類の動植物が存在し、体に不利益な毒性のある物質を有するものも多く存在します。目の前の食べ物が、安全か危険かを適切に判断することで、栄養素の獲得と危険物の回避という、相反する行動を効率良く行うことが可能となります。一般的に危険物は、人や動物に嫌悪の情動を喚起する性質を持ちます。嫌だと感じて摂取しなければ、危険な物質を体に入れることを防ぐことができます。したがって、食べ物に対する嫌悪は、危険回避による生命維持という観点から極めて重要な役割があります。
食べ物に対する嫌悪に重要な役割を果たすのが、化学的特性を受容する味覚と嗅覚です。味覚には、5つの基本味、すなわち、甘味、塩味、うま味、 酸味、苦味があります。これらのうち、酸味は腐敗物の呈する味で、苦味は毒性のあるアル カロイドなどの呈する味です。したがって、酸味や苦味を呈するものを摂取することは危険を伴い、人や動物は生まれた直後からこれらの味を嫌がることが知られています。一方、嗅覚から得られる情報としては、生まれつき腐敗臭など特定のにおいを嫌がる傾向があります。したがって、人や動物には 摂取すべきでない食べ物を識別する能力が生まれつき備わっているといえます。
食べ物の味やにおいに関わらず、人や動物は初めて遭遇する食べ物に対して警戒心を抱く傾向があります。人において、見慣れない食べ物を目の前にすると食わず 嫌いをしてしまうことがあります。しかし、食わず嫌いを示すのは、正常な状態です。
人や動物は、苦味や酸味を生得的に嫌悪しますが、反対に甘味、塩味、うま味を呈する食べ物を好んで摂取する傾向があります。このような味に対する嗜好性は、永続的なものではなく、経験によって変化します。
どんなものでも食べることができた方が、栄養学的には 望ましいことです。にもかかわらず、子どもだけでなく大人になっても好き嫌いがたくさんある人がいます。食べ物に対する嫌悪は、どのようにして生じるのでしょうか。嫌悪ということは、不要であってない方が良いのでしょうか。
生命を維持するためには、糖質、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルといった栄養素を一定のレベルに保つ必要があります。これらの栄養素を体内でつくり出すことができない場合は、植物や動物を 摂取することで栄養素を獲得する必要があります。自然界には数えきれないほど多くの種類の動植物が存在しますが、その全てが体にとって有益なわけではありません。体に不利益な毒性のある物質を有するものも多く存在します。目の前の食べ物が、安全か危険かを適切に判断することで栄養素の獲得と危険物の回避という、相反する行動を効率良く行うことが可能となります。一般的に危険物は、人や動物に嫌悪の情動を喚起する性質を持ちます。嫌だと感じて摂取しなければ、危険な物質を体に入れることを防ぐことができます。したがって、食べ物に対する嫌悪は、危険回避による生命維持という観点から極めて重要な役割があります。
食物摂取には五感の全てが関与しています。食べ物の物理的特性を受容するのは視覚、聴覚、触覚感覚などです。そして、食べ物に対する嫌悪に重要な役割を果たすのが、化学的特性を受容する味覚と嗅覚です。味覚には、5つの基本味、すなわち、甘味、塩味、うま味、 酸味、苦味があります。これらのうち、酸味は腐敗物の呈する味で、苦味は毒性のあるアル カロイドなどの呈する味です。したがって、酸味や苦味を呈するものを摂取することは危 険を伴い、人や動物は生まれた直後からこれらの味を嫌がることが知られています。一方、嗅覚から得られる情報としては、生まれつき腐敗臭など特定のにおいを嫌がる傾向があります。したがって、人や動物には 摂取すべきでない食べ物を識別する能力が生まれつき備わっているといえます。
生後母乳以外のものを口にしない哺乳動物において、生得的な嫌悪がみられるということは、食べ物を嫌悪する生物学的基盤が存在していることを示唆しています。嫌悪のメカニズムを調査することで、摂食行動の普遍的な仕組みが明らかになるかもしれません。
食べ物の味やにおいに関わらず、人や動物は初めて遭遇する食べ物に対して警戒心を抱く傾向があります。これは新奇性恐怖と呼ばれます。
人において、見慣れない食べ物を目の前にすると食わず 嫌いをしてしまうことがあります。しかし、食わず嫌いを示すのは、正常な状態です。
人や動物は、苦味や酸味を生得的に嫌悪しますが、反対に甘味、塩味、うま味を呈する食べ物を好んで摂取する傾向があります。このような味に対する嗜好性は、永続的なものではなく、経験によって変化します。代表的な例として、食後に腹痛や下痢といった体調不良を経験すると、直前に摂取した食べ 物の味に対して嫌悪するようになります。このような現象は人だけではなく、動物全般で観察され、その結果、その味を呈するものを摂取しなくなります。
では、嫌いになった食べ物を再び好きになることはできるのでしょうか。嫌いになった食べ物を繰り返し食べていると、嫌悪の記憶が徐々に消えることがあります。ただし、ほかに摂取可能なものがあれば,嫌いになったものをあえて摂取することはほとんどなく、嫌悪の記憶は非常にながく保持されます。
また、繰り返し摂取しても、しばらく期間をおくと再び 嫌悪するようになることがあります。したがって、嫌いに なった食べ物を以前と全く同様に食べるのは難しいかもしれなません。
子どもだけでなく大人になっても好き嫌いがたくさんある人がいます。食べ物に対する嫌悪は、どのようにして生じるのでしょうか。嫌悪ということは、不要であってない方が良いのでしょうか。
自然界には数えきれないほど多くの種類の動植物が存在し、体に不利益な毒性のある物質を有するものも多く存在します。目の前の食べ物が、安全か危険かを適切に判断することで、栄養素の獲得と危険物の回避という。相反する行動を効率良く行うことが可能となります。一般的に危険物は、人や動物に嫌悪の情動を喚起する性質を持ちます。嫌だと感じて摂取しなければ、危険な物質を体に入れることを防ぐことができます。したがって、食べ物に対する嫌悪は、危険回避による生命維持という観点から極めて重要な役割があります。
食べ物に対する嫌悪に重要な役割を果たすのが、化学的特性を受容する味覚と嗅覚です。味覚には、5つの基本味、すなわち、甘味、塩味、うま味、 酸味、苦味があります。これらのうち、酸味は腐敗物の呈する味で、苦味は毒性のあるアル カロイドなどの呈する味です。したがって、酸味や苦味を呈するものを摂取することは危険を伴い、人や動物は生まれた直後からこれらの味を嫌がることが知られています。一方、嗅覚から得られる情報としては、生まれつき腐敗臭など特定のにおいを嫌がる傾向があります。したがって、人や動物には 摂取すべきでない食べ物を識別する能力が生まれつき備わっているといえます。
食べ物の味やにおいに関わらず、人や動物は初めて遭遇する食べ物に対して警戒心を抱く傾向があります。人において、見慣れない食べ物を目の前にすると食わず 嫌いをしてしまうことがあります。しかし、食わず嫌いを示すのは、正常な状態です。
人や動物は、苦味や酸味を生得的に嫌悪しますが、反対に甘味、塩味、うま味を呈する食べ物を好んで摂取する傾向があります。このような味に対する嗜好性は、永続的なものではなく、経験によって変化します。
2021年05月01日
【糖から乳酸を生産】乳酸菌の利用
乳酸菌は糖から大量の乳酸を生産します。その結果、pHが低下することにより乳酸菌が生育した培地はほかの大部分の微生物の生育に不適となります。したがって、乳酸菌の生育は食品保存の手段であり、加えて乳酸菌は風味成分を生産します。バター、チーズ、ヨーグルトなどの乳酸菌の製造には、微生物の使用が必要であり、その中でも特に乳酸菌が重要です。
チーズの製造には次の2つの工程が含まれています。すなわち、固形化して液体を取り除くための牛乳たんぱく質の凝乳及び種々の細菌や真菌の作用による固形凝乳の熟成です。凝乳過程は完全に微生物によるものです。乳酸菌の酸生産が牛乳たんぱく質を凝固させるのに十分だからです。次に行われる凝乳の熟成は非常に複雑な過程であり、つくられるチーズの種類によって極めて多様です。チーズ中の微生物の酵素が主要な役割を演じます。関与する微生物のタイプはさまざまです。ハードチーズは多くの場合、乳酸菌によって熟成します。乳酸菌はチーズ全体に生育し、死滅し、自己消化を起こし、酵素を遊離します。ソフトチーズは、表面に生育する酵母そのたの真菌の酵素によって熟成されます。
バター製造も一部は微生物によるものです。牛乳連鎖球菌によって起こるクリームの初期酸性化がその後の撹乳過程におけるバター脂肪の分離に必要だからです。これらの細菌は少量のアセトインを生産し、これは自然に酸化されてバターの風味と香りの原因物質であるジアセチルになります。
ある乳酸菌は、植物質に特徴的に見いだされます。これらの菌は、ピックルス、ザウエルクラウト、西洋キャベツの塩漬け、スペイン風オリーブをつくる際に起こる酸性化の要因となります。
Leuconostocに属する一部の乳酸菌は、ショ糖で培養するとデキストランと呼ばれる細胞外多糖を大量に生産します。デキストランはさまざまな分子量(15,000〜20,000,000)のポリグルコースです。デキストランは、化学的架橋によって水に不溶となったデキストラン誘導体が分子篩として働くことが発見され、工業的に生産されています。
乳酸菌は糖から大量の乳酸を生産します。その結果pHが低下することにより乳酸菌が生育した培地はほかの大部分の微生物の生育に不適となります。したがって、乳酸菌の生育は食品保存の手段であり、加えて乳酸菌は風味成分を生産します。
バター、チーズ、ヨーグルトなどの乳酸菌の製造には、微生物の使用が必要であり、その中でも特に乳酸菌が重要です。
多くの乳酸菌が牛乳中に存在し、自然腐敗の原因となっています。牛乳は極めて不安定な食品ですが、その酸敗は牛乳を保存する手段となります。また、チーズそのたの発酵乳製品の製造が、多くの場合保存の手段として始まったことは疑いありません。
チーズの製造には次の2つの工程が含まれています。すなわち、固形化して液体を取り除くための牛乳たんぱく質の凝乳及び種々の細菌や真菌の作用による固形凝乳の熟成です。もっとも、ある種の新鮮なチーズはほとんど熟成の工程を経ていません。
凝乳過程は完全に微生物によるものです。乳酸菌の酸生産が牛乳たんぱく質を凝固させるのに十分だからです。しかし、牛乳を凝固させる仔牛の胃から分泌されるレンニンと呼ばれる酵素もまた、この目的に用いられます。
次に行われる凝乳の熟成は非常に複雑な過程であり、つくられるチーズの種類によって極めて多様です。新しいチーズでは、すべての窒素が不溶性たんぱく質の形で存在しますが、熟成が進むにつれてたんぱく質は次第に分解され可溶性ペプチドになり、最終的には遊離アミノ酸になります。アミノ酸はさらに分解を受けてアンモニア、脂肪酸などになります。あるチーズではたんぱく質の分解が制限されます。チェダーチーズやスイスチーズでは、たんぱく質の25〜30%のみが可溶性物質へ転換されます。カマンベールやリンバーガーのようなソフトチーズでは、ほとんどすべてのたんぱく質が可溶化産物へ変換されます。たんぱく質成分の変化に加えて、熟成には若いチーズに存在する脂肪のかなりの部分の分解が含まれます。レンニンなどの酵素も熟成過程にある程度寄与しますが、チーズ中の微生物の酵素が主要な役割を演じます。関与する微生物のタイプはさまざまです。ハードチーズは多くの場合、乳酸菌によって熟成します。乳酸菌はチーズ全体に生育し、死滅し、自己消化を起こし、酵素を遊離します。ソフトチーズは、表面に生育する酵母そのたの真菌の酵素によって熟成されます。
一部の微生物は、ある種のチーズの熟成にきわめて特異的な役割を演じます。ブルーチーズの青い色と独特の風味は、青色の糸状菌Penicillium roquefortiがチーズ全体に生育する結果生じます。スイスチーズに見られる特徴的な穴は、Propioni-bacterium菌種によって起こる乳酸を基質としたプロピオン酸発酵の産物である二酸化炭素によってつくられます。
バター製造も一部は微生物によるものです。牛乳連鎖球菌によって起こるクリームの初期酸性化がその後の撹乳過程におけるバター脂肪の分離に必要だからです。これらの細菌は少量のアセトインを生産し、これは自然に酸化されてバターの風味と香りの原因物質であるジアセチルになります。連鎖球菌は菌株によって、そのアセトイン生産能著しく異なるので、低温処理により殺菌したクリームに選んだ菌株の純培養を接種することが、普通に行われるようになりました。
また、世界の多くの地方では、乳酸菌と酵母によって牛乳を混合発酵させて酸味のあるアルコール飲料をつくっています。
ある乳酸菌は、植物質に特徴的に見いだされます。これらの菌は、ピックルス、ザウエルクラウト、西洋キャベツの塩漬け、スペイン風オリーブをつくる際に起こる酸性化の要因となります。
これらの乳酸発酵では、植物質の中にはじめから存在する糖が発酵基質として働きます。生産される乳酸は、製品に風味を与え、それ以上微生物の作用を受けないように製品を保護します。
乳酸発酵の保存的有用性は、牛の飼料用牧草の貯蔵にも利用されます。牧草をサイロの中で発酵させた後は、腐敗の危険なしにいつまでも保存することができます。
Leuconostocに属する一部の乳酸菌は、ショ糖で培養するとデキストランと呼ばれる細胞外多糖を大量に生産します。デキストランはさまざまな分子量(15,000〜20,000,000)のポリグルコースであり、平均分子量は用いる菌株によってさまざまです。
デキストランは、現在工業的に生産されています。化学的架橋によって水に不溶となったデキストラン誘導体が、分子篩として働くことが発見されたからです。このような修飾デキストランのカラムは、低分子の通過を遅らせ、これによって分子量の異なる溶質の物理的分画が可能となります。
乳酸菌は糖から大量の乳酸を生産します。その結果、pHが低下することにより乳酸菌が生育した培地はほかの大部分の微生物の生育に不適となります。したがって、乳酸菌の生育は食品保存の手段であり、加えて乳酸菌は風味成分を生産します。バター、チーズ、ヨーグルトなどの乳酸菌の製造には、微生物の使用が必要であり、その中でも特に乳酸菌が重要です。
チーズの製造には次の2つの工程が含まれています。すなわち、固形化して液体を取り除くための牛乳たんぱく質の凝乳及び種々の細菌や真菌の作用による固形凝乳の熟成です。凝乳過程は完全に微生物によるものです。乳酸菌の酸生産が牛乳たんぱく質を凝固させるのに十分だからです。次に行われる凝乳の熟成は非常に複雑な過程であり、つくられるチーズの種類によって極めて多様です。チーズ中の微生物の酵素が主要な役割を演じます。関与する微生物のタイプはさまざまです。ハードチーズは多くの場合、乳酸菌によって熟成します。乳酸菌はチーズ全体に生育し、死滅し、自己消化を起こし、酵素を遊離します。ソフトチーズは、表面に生育する酵母そのたの真菌の酵素によって熟成されます。
バター製造も一部は微生物によるものです。牛乳連鎖球菌によって起こるクリームの初期酸性化がその後の撹乳過程におけるバター脂肪の分離に必要だからです。これらの細菌は少量のアセトインを生産し、これは自然に酸化されてバターの風味と香りの原因物質であるジアセチルになります。
ある乳酸菌は、植物質に特徴的に見いだされます。これらの菌は、ピックルス、ザウエルクラウト、西洋キャベツの塩漬け、スペイン風オリーブをつくる際に起こる酸性化の要因となります。
Leuconostocに属する一部の乳酸菌は、ショ糖で培養するとデキストランと呼ばれる細胞外多糖を大量に生産します。デキストランはさまざまな分子量(15,000〜20,000,000)のポリグルコースです。デキストランは、化学的架橋によって水に不溶となったデキストラン誘導体が分子篩として働くことが発見され、工業的に生産されています。
2021年04月30日
【圧倒的】たんぱく質源としての酵母と酢酸菌の働き
速やかな生育、高いたんぱく質含量、リーズナブルな有機基質に対する資化能という理由から、微生物は潜在的に貴重なたんぱく源あるいは動物飼料源となります。目的が酵母細胞を得ることにある以上、生育収量を最大にするために微生物は必ず強制通気下で培養されます。Candida属の偏性好気性酵母が、発酵性酵母より優れたものとして、用いられます。
微生物は、より容易に利用しうるほかの有機化合物を急速かつ効率的にたんぱく質に変換するための最良の道具となっています。この点は、家畜と酵母によるたんぱく質生産を比較すれば明らかです。体重500Kgの雄牛は24時間におおよそ0.4Kgのたんぱく質を生産します。一方、好適な培養条件下で500Kgの酵母は、同じ時間内に50,000Kg以上のたんぱく質を生産します。
多くの植物性食品は、量から見れば哺乳動物の必要量を供給するために十分なたんぱく質を含んでいますが、そのたんぱく質は哺乳動物が必要とするアミノ酸を欠いているので、唯一のたんぱく質源とするには不適となります。小麦たんぱく質ではアミノ酸のリシン、米たんぱく質ではリシンとトレオニン、トウモロコシたんぱく質ではトリプトファンとリシン、マメ科植物のたんぱく質ではメチオニンの含量がそれぞれ低くなっています。単一の植物たんぱく質源に欠乏アミノ酸を添加すると、その食餌が適正化されます。
ワインやビールを空気にさらしたままにしておくと酸敗します。酸敗はアルコールが酢酸に酸化されることに起因し、偏性好気性酢酸菌によって触媒されます。ワインの自然酸敗は食酢製造の伝統的な製法ですまた、よりリーズナブルな蒸留アルコールなどの原材料から、より迅速な方法で食酢がつくられます。10%のアルコールを含む溶液は、酢酸菌により4〜5日で酢酸に転換されます。多くの食酢が今なおこの方法でつくられています。
速やかな生育、高いたんぱく質含量、リーズナブルな有機基質に対する資化能という理由から、微生物は潜在的に貴重なたんぱく源あるいは動物飼料源となります。動物栄養に関する科学の発達は、動物飼料を補うものとして利用するための酵母の培養を基盤とする新しい工業の発展をもたらしました。
目的が酵母細胞を得ることにある以上、生育収量を最大にするために微生物は必ず強制通気下で培養されます。しかし、酸素供給が高レベルに維持されるとしても、糖質が基質として用いられる場合には、基質の一部がアルコールに転換される危険がつきまといます。したがって、Candida属の偏性好気性酵母が、発酵性酵母より優れたものとして、用いられます。
原材料の価格は、食料用の微生物の生産に最も重要な因子であり、初期には廉価な糖蜜、パルプ廃液が食用酵母の培養に用いられました。しかし、食用酵母の生産には常に好気的培養条件が用いられるので、呼吸代謝の基質となる化合物はすべて生育用基質として役立つ可能性があります。このことから、基質として石油を利用する製法が開発されるに至りました。ほかの基質に比べて、石油は今なお安価であり、有機化合物は高度に還元されているので、石油での生育収量は極度に高くなります。
食べ物または飼料を補うものとして微生物のもつ大きな潜在的価値は、その高いたんぱく質含量にあります。このために微生物は、より容易に利用しうるほかの有機化合物を急速かつ効率的にたんぱく質に変換するための最良の道具となっています。この点は、家畜と酵母によるたんぱく質生産を比較すれば明らかです。体重500Kgの雄牛は24時間におおよそ0.4Kgのたんぱく質を生産します。一方、好適な培養条件下で500Kgの酵母は、同じ時間内に50,000Kg以上のたんぱく質を生産します。
多くの植物性食品は、量から見れば哺乳動物の必要量を供給するために十分なたんぱく質を含んでいますが、そのたんぱく質は哺乳動物が必要とするアミノ酸を欠いているので、唯一のたんぱく質源とするには不適となります。小麦たんぱく質ではアミノ酸のリシン、米たんぱく質ではリシンとトレオニン、トウモロコシたんぱく質ではトリプトファンとリシン、マメ科植物のたんぱく質ではメチオニンの含量がそれぞれ低くなっています。単一の植物たんぱく質源に欠乏アミノ酸を添加すると、その食餌が適正化されます。植物たんぱく質を個々のアミノ酸で強化した食餌の実用性は、動物や人を用いた多数の実験で詳細に証明されています。このように特定のアミノ酸、特にリシン、トレオニン、メチオニンの世界的な不足は全たんぱく質の不足よりもさらに深刻です。そのため、特定のアミノ酸の微生物による生産について、集中的な研究が行われています。
微生物の代謝は正確に制御されています。したがって、微生物は普通その生育上の必要量に丁度見合うだけの量のアミノ酸を合成します。しかし、ある微生物の野生株及び変異株では特定の生合成経路の制御機構に欠損が生じ、その結果特定のアミノ酸が培地中に大量に排出されます。現在、栄養的に重要なアミノ酸の微生物生産法が確立されており、また絶えず改良されています。
ワインやビールを空気にさらしたままにしておくと酸敗します。酸敗はアルコールが酢酸に酸化されることに起因し、偏性好気性酢酸菌によって触媒されます。ワインの自然酸敗は食酢製造の伝統的な製法です。食酢(vinegar)という言葉は、すっぱいワインを意味するフランス語のvinaigreに由来します。
酢の製造は今なお経験的な部分が大半を占めています。過去100年間に導入された主な改良法は、微生物の側面というよりもむしろ機械化に関するものです。現在でもフランスで用いられているオルレアン法では、木製の大槽の一部分をワインで満たし、酢酸菌を液体表面に生育させます。エタノールから酢酸への転換は数週間かかり、その過程は液体への空気の拡散が遅いことが律速因子となっています。この時間のかかる非効率的な方法が生き長らえているのは、製品の高い品質によるものです。
また、よりリーズナブルな蒸留アルコールなどの原材料から、より迅速な方法で食酢がつくられます。10%のアルコールを含む溶液は、酢酸菌により4〜5日で酢酸に転換されます。多くの食酢が今なおこの方法でつくられています。
エタノールから酢酸への酸化は、酢酸菌によって行われる不完全酸化の一例です。薬品産業に用いられているグルコン酸は酢酸菌によるぶどう糖の酸化によってつくられます。このような反応が産業で用いられる例として、ソルビトールからのソルボースの生産があります。ソルボースはある種の薬品の懸濁剤として用いられるほか、アスコルビン酸(ビタミンC)の製造における中間体となります。
速やかな生育、高いたんぱく質含量、リーズナブルな有機基質に対する資化能という理由から、微生物は潜在的に貴重なたんぱく源あるいは動物飼料源となります。目的が酵母細胞を得ることにある以上、生育収量を最大にするために微生物は必ず強制通気下で培養されます。Candida属の偏性好気性酵母が、発酵性酵母より優れたものとして、用いられます。
微生物は、より容易に利用しうるほかの有機化合物を急速かつ効率的にたんぱく質に変換するための最良の道具となっています。この点は、家畜と酵母によるたんぱく質生産を比較すれば明らかです。体重500Kgの雄牛は24時間におおよそ0.4Kgのたんぱく質を生産します。一方、好適な培養条件下で500Kgの酵母は、同じ時間内に50,000Kg以上のたんぱく質を生産します。
多くの植物性食品は、量から見れば哺乳動物の必要量を供給するために十分なたんぱく質を含んでいますが、そのたんぱく質は哺乳動物が必要とするアミノ酸を欠いているので、唯一のたんぱく質源とするには不適となります。小麦たんぱく質ではアミノ酸のリシン、米たんぱく質ではリシンとトレオニン、トウモロコシたんぱく質ではトリプトファンとリシン、マメ科植物のたんぱく質ではメチオニンの含量がそれぞれ低くなっています。単一の植物たんぱく質源に欠乏アミノ酸を添加すると、その食餌が適正化されます。
ワインやビールを空気にさらしたままにしておくと酸敗します。酸敗はアルコールが酢酸に酸化されることに起因し、偏性好気性酢酸菌によって触媒されます。ワインの自然酸敗は食酢製造の伝統的な製法ですまた、よりリーズナブルな蒸留アルコールなどの原材料から、より迅速な方法で食酢がつくられます。10%のアルコールを含む溶液は、酢酸菌により4〜5日で酢酸に転換されます。多くの食酢が今なおこの方法でつくられています。
2021年04月29日
【理科の実験と同様】料理が上手くできない理由と上達方法
料理をつくることは、理科の実験と同じようなものです。食材や調味料を計量し、鍋、圧力鍋、電子レンジに入れ、さまざまな方法で加熱し、化学変化を起こし、全体のバランスを考えて盛り付け、食べるときにあらゆる情報を5感で感じ取ります。熟成や保存も、食材を変化させる、あるいは維持するということを目的としており、化学変化の進行及び制御であることから、実験のようです。料理は奥深く、人類の英知を感じさせてくれます。
食材や調味料の計量を間違えると美味しくありませんが、プロの料理人は、自分のつくるものの裏にある化学的な法則を熟知し、美味しくできるかを予測することができます。料理は、計量、混合、加熱あるいは冷却の繰り返しです。料理は、美味しく、栄養もあり、楽しい結果を導いてくれる実験です。
料理が上達しないのには、どのような理由が考えられるでしょうか。料理が上達しない人は、そもそも料理を面倒と感じています。献立を考え、買い物、調理、後片づけなど確かに面倒です。生活をする上で、料理をする必要が出てくるため、料理をつくれた方がより楽しく豊かに生活することができます。何かひとつ美味しい料理をつくることができれば、間違いなく料理が好きになります。
また、料理があまり得意でない人は、レシピをアレンジしてしまいがちです。本などに記載されているレシピは、試行錯誤を重ねてできあがったものです。慣れないうちはレシピ通りにつくり、基本を理解した上で、ある程度慣れてきてからアレンジします。
上手に料理をつくれるようになるためには、どこに気を付ければいいのでしょうか。まずは、基本を理解するためにもレシピ通りにつくることです。いちいち計るのは面倒ですが、繰り返し分量通りに入れることで、そのうちにできるようになります。外食からプロの料理を学ぶことができます。本物を知らなければ、味を組み立てることはできません。料理を美味しくするためには、味見が重要です。舌は、味蕾という味を感じる細胞が広く分布し、場所によって感じる味覚が異なるので、食べるときと同じ量で、舌全体を使って味見をすることが大切です。
基本を理解し、本物を知り、味見が習慣化したら、あとは料理をたくさんつくり、場合によってはアレンジを加えます。もちろん、たくさん失敗することも大切です。たくさんの失敗から多くを学べます。失敗の分だけ、料理が上手になることは間違いありません。
料理をつくることは、理科の実験と同じようなものです。食材や調味料を計量し、鍋、圧力鍋、電子レンジに入れ、さまざまな方法で加熱し、化学変化を起こし、全体のバランスを考えて盛り付け、食べるときにあらゆる情報を5感で感じ取ります。熟成や保存も、食材を変化させる、あるいは維持するということを目的としており、化学変化の進行及び制御であることから、実験のようです。料理は奥深く、人類の英知を感じさせてくれます。
キッチンに立つことは、自分のためだけにつくられた、ハイテク技術がそろったさながら実験室にいるようなものです。料理が苦手、もしくは嫌いと思っている場合、この技術を使った料理法が、解決策となります。
食材や調味料の計量を間違えると美味しくありませんが、プロの料理人は、自分のつくるものの裏にある化学的な法則を熟知し、美味しくできるかを予測することができます。料理は、計量、混合、加熱あるいは冷却の繰り返しです。料理は、美味しく、栄養もあり、楽しい結果を導いてくれる実験です。
理科の勉強をするときと同様に、料理も最初は用語を理解する必要があります。食材の切り方、焼き物、煮物、蒸し物、煮込みなどさまざまな調理法を学ぶことになります。それぞれを覚えると、食べ物は調理法や温度によって自在に風味を変えることを理解することができます。温度を高くせずに弱火から中火で煮る方法もあれば、強火で一気に炒めて火を通す料理法もあります。それぞれの料理法を理解すると、食材の調理温度の重要性を把握することができます。
アミノ酸と糖を加熱すると褐色に変わるメイラード反応は、焼き肉、パン、焙煎したコーヒーをはじめさまざまな食べ物に起こっている反応です。これらがメイラード反応と理解していることは、料理に役立ちます。褐色になることで、香りをはじめとした風味が増し、特に肉を調理するときは、焼き目をつけるかどうかが美味しさを左右します。
加熱した後も、冷め切るまで食材の中の温度は維持されています。つまり、肉を調理しているときは、火やオーブンからおろした後でも、食材中の調理は進んでいます。プロの調理人が野菜をゆでたあとに氷水の中に入れるのは、調理の進行を止めて、食感をそのまま維持するためです。
料理が上達しないのには、どのような理由が考えられるでしょうか。
料理が上達しない人は、そもそも料理を面倒と感じています。献立を考え、買い物、調理、後片づけなど確かに面倒です。生活をする上で、料理をする必要が出てくるため、料理をつくれた方がより楽しく豊かに生活することができます。何かひとつ美味しい料理をつくることができれば、間違いなく料理が好きになります。
手間がかかりますが、料理は下ごしらえが大切です。丁寧に食材のあく抜きをすること、食材を水にさらすことを怠ると、苦味やエグ味が出て、喫食時に影響が出ることになります。調理をはじめる前に、下味をつけること、下茹ですることなど下ごしらえをきちんとすることで、料理は美味しくなります
料理は段取りもポイントです。段取りが悪いと火が通り過ぎ、水にさらし過ぎて栄養分が流出することにもなります。調理前に、調味料はあらかじめ分量を計っておき、食材は切って下ごしらえをしておくなど手際よく準備します。
料理があまり得意でない人は、レシピをアレンジしてしまいがちです。本などに記載されているレシピは、試行錯誤を重ねてできあがったものです。慣れないうちはレシピ通りにつくり、基本を理解した上で、ある程度慣れてきてからアレンジします。
料理がなかなか上達しない人は、火加減の調節が上手くできていないことが多く見受けられます。料理に合わせて火加減を調節しないと、それだけで味や食感に違いが出てしまいます。また、調理中に味見をしないことも多く、味見をしなければ、味の微調整が全くできません。
料理が得意ではない場合、献立全体のバランスも悪いことがあります。彩りや味のバランスもポイントのひとつです。見た目にあまりこだわらないことから、盛り付けが雑で、せっかく美味しくできても、台無しということもあります。人はまず見た目で美味しいかを判断してしまいます。
上手に料理をつくれるようになるためには、どこに気を付ければいいのでしょうか。
まずは、基本を理解するためにもレシピ通りにつくることです。料理がなかなか上達しない人は、つくる工程を間違え、調味料などを適当に入れてしまったりしています。いちいち計るのは面倒ですが、繰り返し分量通りに入れることで、そのうちにできるようになります。
また、外食を通してプロの料理を学ぶことができます。本物を知らなければ、味を組み立てることはできません。外食したときに、食事を味や香りを楽しむだけでなく、盛り付けや食材をカット、全体の味のバランスなどを意識し、自身の料理に反映させます。味を覚えることで、塩気が足りないあるいは多い、酸味が突出しているなどが分かるようになるので、目標とする味に近づけることができるようになります。
料理を美味しくするためには、味見が重要です。熱すぎたり冷めすぎたりすると、薄味に感じることがあるので、味見をするときは食べるときの温度で行います。また、味見する量が少ないと舌の先でしか感じられません。舌は、味蕾という味を感じる細胞が広く分布し、場所によって感じる味覚が異なるので、食べるときと同じ量で、舌全体を使って味見をすることが大切です。
基本を理解し、本物を知り、味見が習慣化したら、あとは料理をたくさんつくり、場合によってはアレンジを加えます。もちろん、たくさん失敗することも大切です。たくさんの失敗から多くを学べます。失敗の分だけ、料理が上手になることは間違いありません。
料理をつくることは、理科の実験と同じようなものです。食材や調味料を計量し、鍋、圧力鍋、電子レンジに入れ、さまざまな方法で加熱し、化学変化を起こし、全体のバランスを考えて盛り付け、食べるときにあらゆる情報を5感で感じ取ります。熟成や保存も、食材を変化させる、あるいは維持するということを目的としており、化学変化の進行及び制御であることから、実験のようです。料理は奥深く、人類の英知を感じさせてくれます。
食材や調味料の計量を間違えると美味しくありませんが、プロの料理人は、自分のつくるものの裏にある化学的な法則を熟知し、美味しくできるかを予測することができます。料理は、計量、混合、加熱あるいは冷却の繰り返しです。料理は、美味しく、栄養もあり、楽しい結果を導いてくれる実験です。
料理が上達しないのには、どのような理由が考えられるでしょうか。料理が上達しない人は、そもそも料理を面倒と感じています。献立を考え、買い物、調理、後片づけなど確かに面倒です。生活をする上で、料理をする必要が出てくるため、料理をつくれた方がより楽しく豊かに生活することができます。何かひとつ美味しい料理をつくることができれば、間違いなく料理が好きになります。
また、料理があまり得意でない人は、レシピをアレンジしてしまいがちです。本などに記載されているレシピは、試行錯誤を重ねてできあがったものです。慣れないうちはレシピ通りにつくり、基本を理解した上で、ある程度慣れてきてからアレンジします。
上手に料理をつくれるようになるためには、どこに気を付ければいいのでしょうか。まずは、基本を理解するためにもレシピ通りにつくることです。いちいち計るのは面倒ですが、繰り返し分量通りに入れることで、そのうちにできるようになります。外食からプロの料理を学ぶことができます。本物を知らなければ、味を組み立てることはできません。料理を美味しくするためには、味見が重要です。舌は、味蕾という味を感じる細胞が広く分布し、場所によって感じる味覚が異なるので、食べるときと同じ量で、舌全体を使って味見をすることが大切です。
基本を理解し、本物を知り、味見が習慣化したら、あとは料理をたくさんつくり、場合によってはアレンジを加えます。もちろん、たくさん失敗することも大切です。たくさんの失敗から多くを学べます。失敗の分だけ、料理が上手になることは間違いありません。