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2021年05月18日
【主成分血しょう】リンパの役割と流れを良くする食べ物
リンパ液が流れる管はリンパ管と呼ばれます。リンパ管は体の隅々で毛細リンパ管として始まります。薄い壁を持つ1層の細胞からできており、静脈と似た構造をとりますが、静脈よりも壁が薄く、透過性が高いため、大きな分子となるたんぱく質や病原体など通常血管には入らないものも通します。
リンパ液は、静脈に向かって、一方向に流れています。弁があるため、基本的には逆流することはありません。人の動きとともに起こる筋肉の収縮、弛緩によって生じる圧力、呼吸によって生じる胸の中の圧力の変化、体の外からのマッサージ刺激などがリンパ液を流す助けとなります。その圧力は弱く、血液と比べるとリンパ液の流れるスピードはゆっくりです。
リンパ管の中を流れる液体をリンパ液、あるいは単にリンパと呼びます。リンパ液の主成分は、血液中の液体成分である血しょうです。細胞に酸素と栄養素を届けた血液は再び血管に戻りますが、その際に戻らなかった水分を組織液といい、全身の細胞はこの組織液の中に浸った状態で存在しています。この組織液の一部が毛細リンパ管に入り、リンパ液となります。組織液には細胞から出た老廃物や細菌、ウイルスなどの異物が含まれており、それらも一緒にリンパ管に取り込まれます。
毛細リンパ管から静脈に合流するまでの間にリンパ管は何度も合流を繰り返します。合流する部分にそら豆のような形状をしたリンパ節と呼ばれる場所があります。リンパ節には、リンパ球、マクロファージなどの免疫細胞が集まっており、細菌や有害物質などの異物から全身を守ります。
緑黄色野菜、果物、海藻、青魚、ナッツ類は、リンパの流れをスムーズにしてくれる効果が見込めます。朝起きて白湯を飲むなど、適切な水分の補給も効果的です。
血液が流れる管は血管で、リンパ液が流れる管はリンパ管と呼ばれます。血管は、心臓を中心に体の中を循環しています。心臓から出る血管は動脈で、徐々に分かれながら細くなり、毛細血管となって全身を巡り、そのあとは静脈となって徐々に集まり、心臓へ戻ります。一方、リンパ管は体の隅々で毛細リンパ管として始まります。薄い壁を持つ1層の細胞からできており、静脈と似た構造をとりますが、静脈よりも壁が薄く、透過性が高いため、大きな分子となるたんぱく質や病原体など通常血管には入らないものも通します。細くて網目状の毛細リンパ管は、それらが集まって合流し、集合リンパ管、そして主幹リンパ管となり、太くなっていきます。最後は胸管、右リンパ本幹と呼ばれる2本にまとまって、静脈に合流します。
リンパ液は、静脈に向かって、一方向に流れています。弁があるため、基本的には逆流することはありません。心臓は、血液を流すポンプの役割を果たしますが、リンパ管にはそのような大きなポンプがありません。そのため、人の動きとともに起こる筋肉の収縮、弛緩によって生じる圧力、呼吸によって生じる胸の中の圧力の変化、体の外からのマッサージ刺激などがリンパ液を流す助けとなります。その圧力は弱く、血液と比べるとリンパ液の流れるスピードはゆっくりです。流れる速さも一定ではありません。
しかし、昨今ではリンパ管が想定されていた以上に能動的な動きをしていることが分かってきました。毛細リンパ管は、組織液を吸い上げるためのポンプの役割を備えているとされています。これはリンパ液を流すためのものではなく、リンパ液を吸い上げるためのものです。また、リンパ管の壁が収縮することによって、リンパ液を流していることも明らかになってきました。今までは受動的な器官と考えられていたリンパ管ですが、能動的に動いていることが少しずつ明らかになってきています。
リンパ管の中を流れる液体をリンパ液、あるいは単にリンパと呼びます。リンパ液の主成分は、血液中の液体成分である血しょうです。
血液は心臓から出てまた心臓に戻りますが、血液は体のすみずみで毛細血管から出て、体内の細胞に酸素と栄養素を届けています。細胞に酸素と栄養素を届けた血液は再び血管に戻りますが、その際に戻らなかった水分を組織液といい、全身の細胞はこの組織液の中に浸った状態で存在しています。この組織液の一部が毛細リンパ管に入り、リンパ液となります。組織液には細胞から出た老廃物や細菌、ウイルスなどの異物が含まれており、それらも一緒にリンパ管に取り込まれます。
赤血球は大きすぎて、血管の壁を通り抜けられないため、外に出た水分は薄い黄色をしています。血液を固まらせる成分である血小板も血管の壁を通り抜けられません。血しょうは壁を通り抜けて組織液となり、リンパ管に入ってリンパ液となります。リンパ液は全身のどこの組織液を取り込んだかによって、成分が異なります。小腸から取り込んだリンパ液は脂肪球を含むため、乳白色となり、他のリンパ液とは区別して、乳糜(にゅうび)と呼ばれています。
毛細リンパ管から静脈に合流するまでの間にリンパ管は何度も合流を繰り返します。合流する部分にそら豆のような形状をしたリンパ節と呼ばれる場所があります。リンパ節には、リンパ球、マクロファージなどの免疫細胞が集まっており、多くは白血球の仲間です。白血球は血液に含まれ、血液を通じて全身を異物から守る働きをしていますが、リンパ球はリンパ管の中を流れながら、全身を巡り、細菌や有害物質などの異物から全身を守ります。異物が侵入すると、リンパ節ではこれらの異物が血液循環系へ侵入するのを防ぐべく、免疫細胞が働き、異物を攻撃し、食べつくしてくれます。
のどの奥にある扁桃腺は、リンパ節のひとつです。風邪をひくと腫れることがありますが、これは扁桃腺の中でリンパ球が増えて、細菌などの異物と戦うために起こる現象です。
リンパ節から出たリンパ管は、さらに合流を繰り返し、静脈に合流するまでの間に数千にも及ぶリンパ節を通過します。
緑黄色野菜は、抗酸化作用のあるβ-カロテンやビタミンCが豊富なため、リンパの流れをスムーズにしてくれる効果が見込めます。
グレープフルーツ、レモン、キウイ、パイナップル、イチゴなどをはじめとした果物に含まれるクエン酸もリンパの流れをスムーズにします。
カルシウムなどのミネラルが豊富な昆布、わかめ、ひじき、海苔をはじめとした海藻、オメガ3系脂肪酸が豊富なアジ、サンマ、サバ、イワシなどの青魚、ビタミンEを含むナッツ類、良質なたんぱく質を含む大豆製品などは積極的にとりたい食べ物です。 朝起きて白湯を飲むなど、適切な水分の補給も効果的です。
リンパ液が流れる管はリンパ管と呼ばれます。リンパ管は体の隅々で毛細リンパ管として始まります。薄い壁を持つ1層の細胞からできており、静脈と似た構造をとりますが、静脈よりも壁が薄く、透過性が高いため、大きな分子となるたんぱく質や病原体など通常血管には入らないものも通します。
リンパ液は、静脈に向かって、一方向に流れています。弁があるため、基本的には逆流することはありません。人の動きとともに起こる筋肉の収縮、弛緩によって生じる圧力、呼吸によって生じる胸の中の圧力の変化、体の外からのマッサージ刺激などがリンパ液を流す助けとなります。その圧力は弱く、血液と比べるとリンパ液の流れるスピードはゆっくりです。
リンパ管の中を流れる液体をリンパ液、あるいは単にリンパと呼びます。リンパ液の主成分は、血液中の液体成分である血しょうです。細胞に酸素と栄養素を届けた血液は再び血管に戻りますが、その際に戻らなかった水分を組織液といい、全身の細胞はこの組織液の中に浸った状態で存在しています。この組織液の一部が毛細リンパ管に入り、リンパ液となります。組織液には細胞から出た老廃物や細菌、ウイルスなどの異物が含まれており、それらも一緒にリンパ管に取り込まれます。
毛細リンパ管から静脈に合流するまでの間にリンパ管は何度も合流を繰り返します。合流する部分にそら豆のような形状をしたリンパ節と呼ばれる場所があります。リンパ節には、リンパ球、マクロファージなどの免疫細胞が集まっており、細菌や有害物質などの異物から全身を守ります。
緑黄色野菜、果物、海藻、青魚、ナッツ類は、リンパの流れをスムーズにしてくれる効果が見込めます。朝起きて白湯を飲むなど、適切な水分の補給も効果的です。
2021年05月17日
【進化する】冷凍技術
暮らしや食生活の変化により、冷凍技術は今なお発展を続けています。冷凍技術を用いた日本の冷凍食品のはじまりは古く、100年前に遡ります。
冷凍技術の黎明期は、魚の凍結から始まり、戦後の食糧不足や東京五輪を経て、高度経済成長期の三種の神器のひとつ、冷蔵庫の普及と共に発展していきます。
冷凍食品の開発に大きく貢献しているのが、急速冷凍の技術です。普通の冷凍、つまり、緩慢冷凍だと、ゆっくり凍らせるため、細胞内の氷の粒が大きくなり細胞組織を壊してしまいます。解凍するとドリップが出て、食感が変わってしまうなど味や風味が落ちてしまいました。
この欠点を補うために開発されたのが急速冷凍です。氷の結晶ができ始めるのは、0〜−7˚Cの間です。この温度帯を急速に冷やすと、氷の結晶の成長を抑えられ、細胞を守ることができます。
しかし、急速冷凍の技術も、表面から中心に向かって凍っていくため、氷の結晶の大きさは均等でなく、なかには壊れてしまう細胞があり、食材によっては変質を免れないものもあります。こうしたことを克服すべく、冷凍技術はさらなる進化を続けています。
近年、細胞を生かすCAS(cells Alive System)冷凍という技術が注目されています。CAS冷凍では冷凍庫内に微弱エネルギーを与える磁場環境を発生させ、水分子を細かく振動させながら、食材の中の水分を0℃以下になっても凍結しない過冷却の状態にし、十分に温度が下がった所で弱い振動を与え、食材を均等に一気に凍らせます。冷凍時にできるのは、微細な氷の結晶のため、細胞を傷つけず、解凍してもドリップを防ぎます。
細胞を守る冷凍技術として、プロトン凍結も注目されています。プロトン凍結は、電磁波と磁束の働きを利用して、一度にたくさんの氷の核を生成することにより、大きな氷の結晶へと成長することを防止します。それにより細胞を壊さず、解凍時のドリップを少なくすることができます。
暮らしや食生活の変化により、冷凍技術は今なお発展を続けています。冷凍技術を用いた日本の冷凍食品のはじまりは古く、100年前に遡ります。
冷凍技術の黎明期は、魚の凍結から始まり、戦後の食糧不足や東京五輪を経て、高度経済成長期の三種の神器のひとつ、冷蔵庫の普及と共に発展していきます。この頃、冷凍食品は冷凍コロッケなどの油調品が主流で、家庭で食卓を囲むことが多い時代であったことから、おかずとしてよく食べられ、コロッケ、ハンバーグ、シュウマイ、ギョウザ、エビフライといった5大調理冷凍食品が市場に定着していきます。
1980年代は、ピザ、ピラフ、グラタン、1990年代はうどんなどの麺類、電子レンジ用のフライ、自然解凍の冷凍食品などが開発され、冷凍食品の成長期を迎えます。2000年代に入ると電子レンジで温めるだけのチャーハン、ピザ、クロワッサンなどのパン、半熟卵などできたての食感を楽しめる冷凍食品が次々と誕生しています。
冷凍食品の開発に大きく貢献しているのが、急速冷凍の技術です。普通の冷凍、つまり、緩慢冷凍だと、ゆっくり凍らせるため、細胞内の氷の粒が大きくなり細胞組織を壊してしまいます。解凍するとドリップが出て、食感が変わってしまうなどとれたて、あるいはできたてのものと比べて味や風味が落ちてしまいました。
この欠点を補うために開発されたのが急速冷凍です。氷の結晶ができ始めるのは、0〜−7˚Cの間です。調理冷凍食品の場合、粗熱をとるのにある程度の時間がかかりますが、この温度帯を急速に冷やすと、氷の結晶の成長を抑えられ、細胞を守ることができます。
しかし、急速冷凍の技術も完全ではありません。表面から中心に向かって凍っていくため、氷の結晶の大きさは均等でなく、なかには壊れてしまう細胞があり、食材によっては変質を免れないものもあります。こうしたことを克服すべく、冷凍技術はさらなる進化を続けています。
・CAS冷凍
細胞をいかに保持するかということが、冷凍技術の重要な点となります。近年、細胞を生かすCAS(cells Alive System)冷凍という技術が注目されています。
水が、0℃以下になっても凍結しない状態を過冷却といいます。過冷却の状態で、衝撃を与えると一瞬にして表面から中心まで均等に凍結します。そのため、CAS冷凍では冷凍庫内に微弱エネルギーを与える磁場環境を発生させ、水分子を細かく振動させながら、食材の中の水分を過冷却の状態にし、十分に温度が下がった所で弱い振動を与え、食材を均等に一気に凍らせます。冷凍時にできるのは、微細な氷の結晶のため、細胞を傷つけず、解凍してもドリップを防ぎます。
CAS冷凍は、さまざまな冷凍食品に利用されています。なかでもCAS冷凍された産地直送の水産物は、鮮度の違いが明白です。細胞が壊れやすく、冷凍に不向きとされていたウニや白子なども、CAS冷凍なら品質を落とさずに冷凍することが可能です。さらにCAS冷凍であれば、シャリもつくりたてと変わらない味で提供することができます。
従来の凍結技術では、周囲から徐々に冷され、氷の結晶が成長していきます。外側の氷が内部を断熱するため、凍るのに時間がかかり、内側の水分が毛細管現象により外側に移動するためパサパサになります。氷が解ける時に細胞が破壊され、水分がうま味成分などと一緒に流出することになります。従来の凍結技術による賞味期限は、おおよそ6〜12ヵ月で、解凍後は鮮度が低下してしまいます。一方、CAS冷凍であれば、最長5年の長期保存が可能となり、旬の美味しさを再現することができます。従来の凍結技術では不可能であった解凍後の美味しさの再現を可能にし、解凍後も一定の鮮度を維持することができます。
一般的に流通している魚介類は、季節や漁獲量によって、価格と在庫が大きく変動します。旬の魚介類を長期保存できるCAS凍結であれは、価格も在庫も安定させることができます。
・プロトン凍結
細胞を守る冷凍技術として、プロトン凍結も注目されています。プロトン凍結は、電磁波と磁束の働きを利用して、一度にたくさんの氷の核を生成することにより、大きな氷の結晶へと成長することを防止します。それにより細胞を壊さず、解凍時のドリップを少なくすることができます。
肉や魚介類などの生鮮食材のほか、寿司や調理食品にも対応でき、有名店のお惣菜やお弁当などもこの技術が用いられています。
暮らしや食生活の変化により、冷凍技術は今なお発展を続けています。冷凍技術を用いた日本の冷凍食品のはじまりは古く、100年前に遡ります。
冷凍技術の黎明期は、魚の凍結から始まり、戦後の食糧不足や東京五輪を経て、高度経済成長期の三種の神器のひとつ、冷蔵庫の普及と共に発展していきます。
冷凍食品の開発に大きく貢献しているのが、急速冷凍の技術です。普通の冷凍、つまり、緩慢冷凍だと、ゆっくり凍らせるため、細胞内の氷の粒が大きくなり細胞組織を壊してしまいます。解凍するとドリップが出て、食感が変わってしまうなど味や風味が落ちてしまいました。
この欠点を補うために開発されたのが急速冷凍です。氷の結晶ができ始めるのは、0〜−7˚Cの間です。この温度帯を急速に冷やすと、氷の結晶の成長を抑えられ、細胞を守ることができます。
しかし、急速冷凍の技術も、表面から中心に向かって凍っていくため、氷の結晶の大きさは均等でなく、なかには壊れてしまう細胞があり、食材によっては変質を免れないものもあります。こうしたことを克服すべく、冷凍技術はさらなる進化を続けています。
近年、細胞を生かすCAS(cells Alive System)冷凍という技術が注目されています。CAS冷凍では冷凍庫内に微弱エネルギーを与える磁場環境を発生させ、水分子を細かく振動させながら、食材の中の水分を0℃以下になっても凍結しない過冷却の状態にし、十分に温度が下がった所で弱い振動を与え、食材を均等に一気に凍らせます。冷凍時にできるのは、微細な氷の結晶のため、細胞を傷つけず、解凍してもドリップを防ぎます。
細胞を守る冷凍技術として、プロトン凍結も注目されています。プロトン凍結は、電磁波と磁束の働きを利用して、一度にたくさんの氷の核を生成することにより、大きな氷の結晶へと成長することを防止します。それにより細胞を壊さず、解凍時のドリップを少なくすることができます。
2021年05月16日
【密接な関係】健康と幸福
どのようなときに幸福を感じるかは、人それぞれです。ただ、健康と幸福とが密接に関係していると考える人は多いのではないでしょうか。
厚生労働省の調査によると、幸福感を判断する際に重視した項目として、健康をあげた人が54.6%と最も多くなっています。一方、おおよそ60%の人が健康について不安を抱いています。
幸福と身体的な健康状態は相互に関連しています。幸福な人ほど長生きする傾向があり、そうでない人と比べて身体的な健康状態が良く、高い免疫機能を持っています。
健康な体と心を維持する上で、適度な運動、バランスのとれた食事、十分な睡眠は欠かせません。
また、感情が安定していること、自己により意志決定できること、楽観的であることは、健康の増進に対する生活様式の改善に積極的になりやすく、人生を楽しんでいるという自覚のある人は、生活習慣病の発症率が低く、長寿の傾向があります。
どのようなときに幸福を感じるかは、人それぞれです。ただ、健康と幸福とが密接に関係していると考える人は多いのではないでしょうか。
厚生労働省の調査によると、どの程度幸せであるかについて、現時点での幸福感をとても幸せの10点からとても不幸の0点で点数化した平均は6.38点でした。幸福感を判断する際に重視した項目として、健康をあげた人が54.6%と最も多くなっており、家計の状況が47.2%、家族関係が46.8%と続きます。
普段の健康について、非常に健康だと思う、健康な方だと思うと答えた人は合計で73.7%となり、判断する際に重視した項目は、病気がないことが63.8%で最も多く、美味しく飲食できることが40.6%、体が丈夫なことが40.3%となります。
一方、おおよそ60%の人が健康について不安を抱いています。その内容は、体力が衰えてきたことをあげている人が多く、高齢者は持病があること、若年層はストレスが溜まることを不安に感じる割合が高くなっています。
なお、WHO(世界保健機関)では、健康を肉体的、精神的及び社会的に、完全に良好な状態にあることと定義しています。
多くの人が不安を抱くように、いくら健康に気を配っていても、突然のケガや病気は誰にでも起こる可能性があります。その際に経済的な不安が少ないほど、治療に専念でき、精神的な負担が軽くなります。日ごろから健康維持に努めるだけでなく、万一のときの備えも不安の低減につながります。
幸福と身体的な健康状態は相互に関連しています。
幸福な人ほど長生きする傾向があり、そうでない人と比べて身体的な健康状態が良く、高い免疫機能を持っています。
幸福感のある人は、積極的に体を動かすなどリスクを減らすための予防行動をとり、リスクの高い行動を避けるなど健康を意識した行動をとることが、健康につながっているとの報告があります。
健康な体と心を維持する上で、適度な運動は必要不可欠です。運動して汗をかくことでストレスに反応するノルアドレナリンという脳内物質が活性化され、ストレスを軽減させてくれます。また、ドーパミンなど快感をもたらす脳内物質も活性化され、モチベーションの向上にもつながります。
心身の健康を育むためには、バランスのとれた食事が欠かせません。食生活の乱れは生活習慣病にもつながるため、欠食や間食は避け、やけ食いにも注意して栄養バランスのとれた食事を3食しっかりとります。また、アルコールも我慢しすぎると、かえってストレスになるため、飲まないのではなく、上手に飲むことが大切です。
体と心の健康を維持するためには、十分な睡眠をとって疲労回復を図ります。睡眠中は、深い眠りのノンレム睡眠と浅い眠りのレム睡眠を繰り返しています。レム睡眠中には基本的に筋肉は動かないようになっていますが、脳は活動をしており夢を見ています。そして、ノンレム睡眠とレム睡眠を4〜5回繰り返します。ノンレム睡眠にはレベルがあり、最も深い眠りを得られるのが最初の1〜2回です。つまり、寝入ってからおおよそ3時間の間に深い眠り、すなわち、ノンレム睡眠に達すれば、脳も体も休ませることができるため、朝起きた時にぐっすり寝たという満足感を得ることができます。
寝入ってから2〜3時間後に分泌されるのが成長ホルモンです。成長ホルモンは、単に成長を促進させるだけでなく、細胞の修復や疲労回復に役立ちます。皮膚や内臓などの細胞を新しいものに入れ替えるターンオーバーは、成長ホルモンによって行われます。
明け方になると、成長ホルモンに代わってコルチゾールというホルモンの分泌が高まります。コルチゾールは、体内に蓄えられた脂肪をエネルギーに変えるホルモンで、体が目覚める準備を始めます。睡眠の質がよくないと、成長ホルモンが十分に分泌されないうちにコルチゾールの分泌が高くなります。
感情が安定している人は、行動のバランスを整えることに長け、不利益を被ることが少なく、職場環境を整備するのが上手く、結果としてストレスの影響が少なくなります。組織で協調的に働くためにも、感情の安定は必要とされます。
健康のために運動することが大切と理解していても、すべての人が実際に行動できるわけではありません。必要なことは、自己決定によって健康増進に役立つ生活様式を選択し、行動することです。
楽観的な人は、良い結果を生み出す可能性のある事柄に積極的に取り組む傾向があります。健康の増進についても、それが良いことだと理解できれば、生活様式の改善にも積極的になりやすく、ストレスも受けにくいことが示されています。また、人生を楽しんでいるという自覚のある人は、生活習慣病の発症率が低く、長寿の傾向があります。
どのようなときに幸福を感じるかは、人それぞれです。ただ、健康と幸福とが密接に関係していると考える人は多いのではないでしょうか。
厚生労働省の調査によると、幸福感を判断する際に重視した項目として、健康をあげた人が54.6%と最も多くなっています。一方、おおよそ60%の人が健康について不安を抱いています。
幸福と身体的な健康状態は相互に関連しています。幸福な人ほど長生きする傾向があり、そうでない人と比べて身体的な健康状態が良く、高い免疫機能を持っています。
健康な体と心を維持する上で、適度な運動、バランスのとれた食事、十分な睡眠は欠かせません。
また、感情が安定していること、自己により意志決定できること、楽観的であることは、健康の増進に対する生活様式の改善に積極的になりやすく、人生を楽しんでいるという自覚のある人は、生活習慣病の発症率が低く、長寿の傾向があります。
2021年05月15日
【平均寿命との差は10年】健康寿命
健康寿命とは、介護や人の助けを借りずに起床、衣類の着脱、食事、入浴など普段の生活の動作が1人ででき、健康的な日常が送れる期間のことをいいます。生き生きと楽しい人生を送るには、心身共に健康であることが必要です。
生活習慣病は、健康長寿を妨げる大きな要因です。健康寿命を延ばすためには、生活習慣病を理解し、バランスのとれた食生活、適度な運動、十分な睡眠を心がけます。
健康寿命とは、介護や人の助けを借りずに起床、衣類の着脱、食事、入浴など普段の生活の動作が1人ででき、健康的な日常が送れる期間のことをいいます。生き生きと楽しい人生を送るには、心身共に健康であることが必要です。
厚生労働省によると、日本人の健康寿命は、2016年には男性72.14歳、女性74.79歳でした。2010年の調査に比べると男性が1.72年、女性は1.17年延びています。一方、平均寿命は、女性が87.26歳、男性は81.09歳となっています。健康寿命と平均寿命の差は10年前後あり、その期間は医療機関や家族などの手助けが必要となります。
生活習慣病は、健康長寿を妨げる大きな要因です。健康寿命を延ばすためには、どのようなことを習慣化すればいいのでしょうか。
・生活習慣病の理解
生活習慣病とは、食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒などをはじめとした生活習慣により引き起こされる病気のことで、がん、循環器疾患、糖尿病などがあります。生活習慣病は、健康長寿の最大の阻害要因となるため、生活習慣病のことを知り、予防することが大切です。
・バランスのとれた食生活
主食、主菜、副菜からバランスよく糖質、脂質、たんぱく質、ビタミン、ミネラルを摂取します。果物を適度にとることも欠かせません。塩分のとり過ぎは、高血圧による循環器疾患だけでなく、胃がんなどのリスクを高めることがわかっています。塩分の摂取量の目安は、男性が8g未満、女性は7g未満です。
・適度な運動
適度な運動は、心臓病、脳卒中、足腰の痛みなど多くの病気のリスクを下げることがわかっています。ウォーキングを1日30分行うだけでも、効果が期待できます。
・十分な睡眠
健康維持には休養も大切です。健やかな睡眠があってこそ、十分な休養をとることができます。規則正しい生活を行うことで、体内時計が整い、ホルモン分泌や生理的な活動を調整し快眠へと導きます。
・適度な飲酒
アルコールの影響は、肝臓だけでなく全身に及び健康障害をもたらすことがあります。厚生労働省は、適度な飲酒量を、1日平均純アルコールで20g程度、ビールであれば中瓶1本、日本酒であれば1合、チューハイは350ml缶1本、ウイスキーはダブル1杯としています。
・歯及び口腔の健康維持
昨今、歯周病と全身の病気との関連が報告されています。毎日の歯磨きと定期的な歯石除去を行って歯周病を予防します。
両親の病気や高血圧などの体質は、自身も素因を持っているかもしれないと考えることが適切です。健康診断などで、両親がかかった病気や体質に関連する数値が上昇したときは、専門家に早めに相談した方がいいかもしれません。また、その病気特有の検査を人間ドックなどで行うのも、健康寿命の延長につながります。
健康寿命とは、介護や人の助けを借りずに起床、衣類の着脱、食事、入浴など普段の生活の動作が1人ででき、健康的な日常が送れる期間のことをいいます。生き生きと楽しい人生を送るには、心身共に健康であることが必要です。
生活習慣病は、健康長寿を妨げる大きな要因です。健康寿命を延ばすためには、生活習慣病を理解し、バランスのとれた食生活、適度な運動、十分な睡眠を心がけます。
2021年05月14日
【恐ろしい】病気を招く肥満と食生活をはじめとした対策
肥満は、多くの病気をまねく要因となります。肥満との関係でもっとも注目されているのが、糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病です。これらの病気が重複して発症するメタボリックシンドロームにも、密接な関係があります。
肥満を放置していると、これらの生活習慣病を悪化させ、血管を傷つけ、もろくし、やがて動脈硬化を引き起こします。その結果、心筋梗塞や脳卒中などの重大な病気へと進む原因となります。
人の体は、主に水分、筋肉、体脂肪で構成されています。このうちの体脂肪は、エネルギーを貯蔵し、内臓を保護するなど生命活動に欠かせない役割を果たしています。ところが、体脂肪が増えすぎて肥満状態になると、さまざまな悪影響を及ぼします。
体脂肪は、年齢とともに増加する傾向があります。それは基礎代謝、すなわち生命の維持活動のために最低限必要となる消費エネルギーが減少するからです。基礎代謝のうち、もっとも大きな割合を占めるのは筋肉です。
体脂肪には、皮膚の下に蓄積される皮下脂肪と内臓のまわりに付く内臓脂肪があります。内臓周辺に蓄積する脂肪は、代謝が盛んで、血液中の脂質濃度を高める原因となります。また、すい臓から分泌されるインスリンの働きを悪くします。さらに脂肪細胞からは、血圧を上昇させる物質が分泌されます。その結果、脂質異常症、糖尿病、高血圧、さらにはこれらが重なったメタボリックシンドロームなどを招きやすくなります。
肥満の2大原因は、食べすぎと運動不足です。自身の食生活を見直し、肥満につながることを回避します。
食事は、腹八分目を心がけ、動物性脂肪が少ない和食を上手にとり入れることが大切です。また、ゆっくり時間をかけ、よく噛んで食べると、食べる量を無理なく減らすことができます。
内臓脂肪は運動によって減らしやすいという特徴があります脂肪を効率よく燃焼させるのが、ウォーキング、軽めのジョギング、エアロバイクなどの有酸素運動です。現代人が慢性的な運動不足になっている最大の原因は、歩かないことです。10分程度のウォーキングを1日3回くり返す方法でも、同じ効果が得られます。
肥満は、多くの病気をまねく要因となります。体内では、年齢とともに筋肉量や骨量が減り、体を支える力が弱くなっていきます。そこに肥満が加わると、骨や関節への負担が大きくなり、腰痛や膝痛などの関節障害を起こしやすくなります。
さらに肥満は、高尿酸血症から痛風を招き、脂肪肝、すい炎を促進し、突然死の原因ともなる睡眠時無呼吸症候群にも大きな影響を及ぼしています。
肥満との関係でもっとも注目されているのが、糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病です。これらの病気が重複して発症するメタボリックシンドロームにも、密接な関係があります。
肥満を放置していると、これらの生活習慣病を悪化させ、血管を傷つけ、もろくし、やがて動脈硬化を引き起こします。その結果、心筋梗塞や脳卒中などの重大な病気へと進む原因となります。
日本人は小太りの人が多く、欧米人のような超肥満の人はあまりいません。日本人の場合、もともとインスリンの分泌能力が低いため、少し太ると糖尿病をはじめとした生活習慣病になりやすく、それ以上は太れないからです。それだけに日本人は、肥満には特に気をつける必要があります。
肥満というと、体重や体型のことばかりを気にしがちです。生活習慣病との関連でいえば、肥満とは体脂肪が必要以上に増えた状態のことです。
人の体は、主に水分、筋肉、体脂肪で構成されています。このうちの体脂肪は、エネルギーを貯蔵し、内臓を保護するなど生命活動に欠かせない役割を果たしています。ところが、体脂肪が増えすぎて肥満状態になると、さまざまな悪影響を及ぼします。
体脂肪は、年齢とともに増加する傾向があります。それは基礎代謝、すなわち生命の維持活動のために最低限必要となる消費エネルギーが減少するからです。基礎代謝のうち、もっとも大きな割合を占めるのは筋肉です。加齢とともに筋肉は減る上、中年になるにつれ運動をしない人が増えることから、ほとんどの人は筋肉量が減少します。それに気づかず、若い頃と同じように食事をしていると、慢性的な食べすぎや飲みすぎの状態からカロリー過多となり、それが体脂肪となって蓄積されます。若い頃と体重があまり変わらない人でも、実は筋肉量が落ち、代わりに体脂肪が増え、見かけの体重だけが同じということも少なくありません。
また、仕事の忙しさなどから、食事を抜くなど不規則な食生活をしていると、体が危機感を持ち、食事から得たエネルギーを脂肪として蓄えようとします。それも体脂肪が増える理由のひとつです。
体脂肪には、皮膚の下に蓄積される皮下脂肪と内臓のまわりに付く内臓脂肪があります。皮下脂肪は、二の腕、お尻、太もも、下腹などに付きやすく、生活習慣病との直接的な関係は低いとされますが、皮下脂肪が多くなると内臓を圧迫し、さまざまな弊害をもたらすことがあります。 腸管などの内臓の周辺に脂肪が付くと、お腹のあたりが出てきます。やせ型や普通体型の人でも、ウエストが太くなったら要注意です。30歳以上の男性に多くみられ、生活習慣病に関係が深い脂肪です。体脂肪の中でも、この内臓脂肪が多い肥満こそが、生活習慣病にもっとも悪影響を及ぼします。
内臓周辺に蓄積する脂肪は、代謝が盛んで、血液中の脂質濃度を高める原因となります。また、すい臓から分泌されるインスリンの働きを悪くします。さらに脂肪細胞からは、血圧を上昇させる物質が分泌されます。その結果、脂質異常症、糖尿病、高血圧、さらにはこれらが重なったメタボリックシンドロームなどを招きやすくなります。つまり、内臓脂肪型肥満は、さまざまな生活習慣病の原因となります。
体脂肪率(%)は、体重に占める体脂肪の割合です。一般的に健康的とされる体脂肪率の目安は、男性で10〜19%、女性で20〜29%です。体脂肪率がそれ以上になると、肥満ということになります。体脂肪率は、家庭用の体重体組成計で簡単に測定することができます。
肥満の2大原因は、食べすぎと運動不足です。自身の食生活を見直し、肥満につながることを回避します。
食事は、腹八分目を心がけ、動物性脂肪が少ない和食を上手にとり入れることが大切です。野菜、大豆製品、きのこ類、海藻などは低カロリーで、食物繊維が多く腹持ちするので、内臓脂肪を増やさない最適の食材です。また、食物繊維には、脂質や糖質の吸収をさまたげる働きもあります。
早食いをすると、満腹感を感じる前にたくさん食べてしまいがちです。血糖値を急上昇させ、余分な脂肪分の蓄積を促すことにもなります。ゆっくり時間をかけ、よく噛んで食べると、食べる量を無理なく減らすことができます。
皮下脂肪とくらべると、内臓脂肪は運動によって減らしやすいという特徴があります。毎日の生活に適度の運動をとり入れて、脂肪の付きにくいからだをつくります。
脂肪を効率よく燃焼させるのが、ウォーキング、軽めのジョギング、エアロバイクなどの有酸素運動です。現代人が慢性的な運動不足になっている最大の原因は、歩かないことです。運動の時間がとれない場合は、10分程度のウォーキングを1日3回くり返す方法でも、同じ効果が得られます。
筋肉量が増えると、基礎代謝が多くなり、エネルギー消費量も増えます。それだけ脂肪が付きにくい体をつくることができます。ウォーキングの前後で、軽い屈伸運動や腕立て伏せなどをとり入れるなどして、有酸素運動と筋肉運動を適度に組み合わせます。
肥満は、多くの病気をまねく要因となります。肥満との関係でもっとも注目されているのが、糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病です。これらの病気が重複して発症するメタボリックシンドロームにも、密接な関係があります。
肥満を放置していると、これらの生活習慣病を悪化させ、血管を傷つけ、もろくし、やがて動脈硬化を引き起こします。その結果、心筋梗塞や脳卒中などの重大な病気へと進む原因となります。
人の体は、主に水分、筋肉、体脂肪で構成されています。このうちの体脂肪は、エネルギーを貯蔵し、内臓を保護するなど生命活動に欠かせない役割を果たしています。ところが、体脂肪が増えすぎて肥満状態になると、さまざまな悪影響を及ぼします。
体脂肪は、年齢とともに増加する傾向があります。それは基礎代謝、すなわち生命の維持活動のために最低限必要となる消費エネルギーが減少するからです。基礎代謝のうち、もっとも大きな割合を占めるのは筋肉です。
体脂肪には、皮膚の下に蓄積される皮下脂肪と内臓のまわりに付く内臓脂肪があります。内臓周辺に蓄積する脂肪は、代謝が盛んで、血液中の脂質濃度を高める原因となります。また、すい臓から分泌されるインスリンの働きを悪くします。さらに脂肪細胞からは、血圧を上昇させる物質が分泌されます。その結果、脂質異常症、糖尿病、高血圧、さらにはこれらが重なったメタボリックシンドロームなどを招きやすくなります。
肥満の2大原因は、食べすぎと運動不足です。自身の食生活を見直し、肥満につながることを回避します。
食事は、腹八分目を心がけ、動物性脂肪が少ない和食を上手にとり入れることが大切です。また、ゆっくり時間をかけ、よく噛んで食べると、食べる量を無理なく減らすことができます。
内臓脂肪は運動によって減らしやすいという特徴があります脂肪を効率よく燃焼させるのが、ウォーキング、軽めのジョギング、エアロバイクなどの有酸素運動です。現代人が慢性的な運動不足になっている最大の原因は、歩かないことです。10分程度のウォーキングを1日3回くり返す方法でも、同じ効果が得られます。
2021年05月13日
【1,000気圧以上の圧力】静水圧を用いた食品の加工技術
高圧加工技術とは、食品の加工に100MPa(1,000気圧)以上の圧力を利用する技術です。
静水圧とは、水が物体や水自体に及ぼす圧力のことです。高圧処理では、自然界には存在しないほどの高い静水圧を圧力容器内に発生させて利用しています。
静水圧を発生させる高圧処理装置は、加圧方式によって2つに分類されます。ひとつは直接加圧方式と呼ばれ、ピストンにより圧力容器内の圧媒を直接加圧し、圧力容器内の体積を減少させることで静水圧を発生させます。もうひとつは間接加圧方式と呼ばれ、増圧機により圧力容器内に圧媒を送り込んで加圧します。
圧力での処理においては、分子運動が抑制されるため、化学反応は原則的に促進されません。したがって、農畜水産物の新鮮な風味の低下を最小限にする加 工が可能です。また、食品を圧力媒体に 浸漬して加圧すれば、食品全体が目標圧力に到達します。よって、均一な食品の加工が可能です。
これまでの研究において着目されてきた食品の高圧加工の特徴は、均一な圧力の伝達、ウイルスや微生物の不活性化、栄養成分、香気成分、色素成分の損耗抑制、でんぷんやたんぱく質などの食品高分子の変性、液体含浸と気泡分散の促進、貝類及び甲殻類の開脱殻などです 。
食品の高圧加工においては、概して100〜 600 MPa の高圧力が用いられます。 1990 年代から、工業用の高圧加工装置が食品加工用として改良され、利用されるようになりました。食品加工用実用化装置には、縦型と横型とがあります。従来は縦型が主流でしたが、近年は、大容量を実現する横型が普及しつつあります。
高圧加工技術とは、食品の加工に100MPa(1,000気圧)以上の圧力を利用する技術です。高圧処理は、熱処理と比較して栄養素の破壊や有害物質の生成、エネルギーの消費が少なく、さらに容器内全ての部位で均一な処理が可能です。
静水圧とは、水が物体や水自体に及ぼす圧力のことです。静止している水中では、深さが10m増すごとに静水圧は0.1MPa(1気圧)ずつ増えていきます。地球上で最も深いマリアナ海溝の深さはおよそ10,000mあり、そのときの静水圧は100MPa(1000気圧)です。高圧処理では、自然界には存在しないほどの高い静水圧を圧力容器内に発生させて利用しています。
静水圧を発生させる高圧処理装置は、加圧方式によって2つに分類されます。ひとつは直接加圧方式と呼ばれ、ピストンにより圧力容器内の圧媒を直接加圧し、圧力容器内の体積を減少させることで静水圧を発生させます。
もうひとつは間接加圧方式と呼ばれ、増圧機により圧力容器内に圧媒を送り込んで加圧します。このタイプは圧力容器内の体積を変化させず、1度に処理できる容量も大きいため、生産に適しています。
普段生活している1気圧(0.1MPa)の下では、水は0℃で氷になり、100℃で沸騰しますが、高圧下の水は異なる挙動を示します。圧力と熱は、それぞれ独立した状態変換因子であり、圧力を利用した場合、熱とは全く異なる食品の加工が可能です。
マイナス10℃の冷凍食品に圧力をかけていくと、150MPa前後で一度溶け、400MPa前後でまた凍ります。減圧のときも同じ過程を経るので、極めて短時間で溶けること、凍ることを繰り返すことができ、菌数が減少します。つまり、高圧処理を用いることで、食品を冷凍のまま、菌数を減らすことが可能です。
卵に700MPaの高圧処理を行うと、卵の殻の内外で均等な反力がかかるため、卵は割れず、外観はほとんど変わりません。
しかし、卵の内部は固まっており、香りと栄養成分は生のままです。卵の黄身の色は鮮やかで、食感は生卵ともゆで卵とも全く異なります。このように卵の中身が固まったのは、高圧処理によりたんぱく質の変性が起こったためです。圧力処理によって変性したたんぱく質は、熱処理によって変性した場合とは物性の面で異なる状態をつくり出すことから、全く新しい食品の開発が期待されます。
食品の高圧加工には、衝撃波を用いた動的な高圧加工と、圧力媒体で徐々に加圧してから保持後に減圧する静的な高圧加工とがあります。特に水が圧力媒体として用いられ、食品産業界で実用化されている静的な狡猾加工は、静水圧加工と呼ばれます。
1990 年代に高圧加工によるジャムの実用化を契機として発展し、技術としては成熟しつつあります。しかしながら、加工技術として熱による加工と比べると、未解明な現象が多い分、期待も高く、それ故に解決すべき課題も多くあります。
高圧加工技術を用いた食品製造においては、加 熱、冷却、凍結などの熱加工技術でなければできないこともある一方、高圧加工技術でしかできないこともあり、それぞれの特徴を理解する必要があります。
食品を加熱すると、色素や香気成分などの加熱生成物が生じ、分子結合が切断されて有用成分が失われたりするなど、さまざまな化学反応が起こります。これは分子運動が活発になることで、化学反応が促進されるからです。加熱生成物は、メイラード反応により、独特 な風味と色調を呈し、それは場合によって、加熱臭として不快なにおいを発する原因になることもあります。一方、圧力での処理においては、分子運動が抑制されるため、化学反応は原則的に促進されません。したがって、農畜水産物の新鮮な風味の低下を最小限にする加 工が可能です。
熱加工では、熱伝導の制約のため、食品を熱媒体に置いても、その中心温度が目的温度に到達するまでに一定時間が必要となります。それ故、食品の熱物性を十分に把握した上で伝熱を予測しなければ、不均一な加熱が問題となることがあります。この際に不完全な殺菌を避けるため、安全係数をかけて、必要以上に長く熱処理をすると、品質がさらに劣化します。一方、高圧加工では、食品を圧力媒体に 浸漬して加圧すれば、食品全体が目標圧力に到達します。よって、均一な食品の加工が可能です。
これまでの研究において着目されてきた食品の高圧加工の特徴は、均一な圧力の伝達、ウイルスや微生物の不活性化、栄養成分、香気成分、色素成分の損耗抑制、でんぷんやたんぱく質などの食品高分子の変性、液体含浸と気泡分散の促進、貝類及び甲殻類の開脱殻などです 。この中で、当初から重要視されているの が、鮮度低下を抑えつつ農畜水産物の加工を行う際の微生物不活性化です。
食品の高圧加工においては、概して100〜 600 MPa の高圧力が用いられます。 1990 年代から、工業用の高圧加工装置が食品加工用として改良され、利用されるようになりました。高圧加工装置としては、上述したように高圧容器にピストンを圧入して容積を減少させて加圧する直接加圧法によるものと、高圧容器に高圧力の圧力媒体を圧入して加圧する間接加圧法によるものとがあります。食品加工用の実用化装置は、間接加圧法を採用しています。
食品加工用実用化装置には、縦型と横型とがあります。従来は縦型が主流でしたが、近年は、大容量を実現する横型が普及しつつあります。食品の加工では、大量処理で処理費用を抑制することが重要なことから、食品の高圧加工においても、処理費用削減のために容器の大型化が望まれています。
食品業界は、中小企業または小規模事業者数が全体の事業者数の 99.7% を占めていることから、食品の高圧加工装置のような大規模な設備投資ができない事業者がほとんどとなり、受託加工などが行われています。受託加工は、装置のみを保有する企業 が、食品企業から持ち込まれた食品を処理する業態です。中小企業への食品の高圧加工技術の普及のためには、受託加工の更なる普及が不可欠です。
高圧加工技術とは、食品の加工に100MPa(1,000気圧)以上の圧力を利用する技術です。
静水圧とは、水が物体や水自体に及ぼす圧力のことです。高圧処理では、自然界には存在しないほどの高い静水圧を圧力容器内に発生させて利用しています。
静水圧を発生させる高圧処理装置は、加圧方式によって2つに分類されます。ひとつは直接加圧方式と呼ばれ、ピストンにより圧力容器内の圧媒を直接加圧し、圧力容器内の体積を減少させることで静水圧を発生させます。もうひとつは間接加圧方式と呼ばれ、増圧機により圧力容器内に圧媒を送り込んで加圧します。
圧力での処理においては、分子運動が抑制されるため、化学反応は原則的に促進されません。したがって、農畜水産物の新鮮な風味の低下を最小限にする加 工が可能です。また、食品を圧力媒体に 浸漬して加圧すれば、食品全体が目標圧力に到達します。よって、均一な食品の加工が可能です。
これまでの研究において着目されてきた食品の高圧加工の特徴は、均一な圧力の伝達、ウイルスや微生物の不活性化、栄養成分、香気成分、色素成分の損耗抑制、でんぷんやたんぱく質などの食品高分子の変性、液体含浸と気泡分散の促進、貝類及び甲殻類の開脱殻などです 。
食品の高圧加工においては、概して100〜 600 MPa の高圧力が用いられます。 1990 年代から、工業用の高圧加工装置が食品加工用として改良され、利用されるようになりました。食品加工用実用化装置には、縦型と横型とがあります。従来は縦型が主流でしたが、近年は、大容量を実現する横型が普及しつつあります。
2021年05月12日
【免疫反応のひとつ】食物アレルギー
摂取した食べ物が原因となり、免疫学的機序(病気の発生に体の免疫システムが関連している可能性があること)を介して、じん麻疹、湿疹、下痢、咳、ゼーゼーなどの症状が起こることを食物アレルギーといいます。
アレルギーは免疫反応のひとつであり、体にとっての異物を排出するためのメカニズムです。したがって、人がアレルギーを起こす対象は、主に人以外の動植物由来のたんぱく質がほとんどです。
免疫学的機序は、大きく分けるとふたつに分類されます。1つは即時型アレルギー反応といい、免疫グロブリンE(IgE抗体)という生体内のたんぱく質が介在して起こります。食物アレルギーの多くはこのタイプです。
抗体が皮膚、腸粘膜、気管支粘膜鼻粘膜、結膜などにあるマスト細胞(肥満細胞)に結合した状態で食物抗原と出会うことにより、マスト細胞からヒスタミン・ロイコトリエンなどの化学伝達物質が放出されアレルギー反応が引き起こされます。そのアレルギー反応によりじん麻疹、湿疹、下痢、咳、ゼーゼーなどの症状が誘発されます。即時型の場合には、食べ物を摂取した直後から2時間以内にアレルギー反応を認めることがほとんどです。
もうひとつの免疫学的機序は、即時型に対してlgE抗体に依存しない非即時型、あるいは遅発型、遅延型と呼ばれる反応です。この場合の詳細なメカニズムはまだ解明されていませんが、T細胞というリンパ球による反応ではないかと考えられています。即時型と異なり、食べ物を摂取してから数時間後に湿疹などの皮膚症状が主に認められます。
日本で小児期に最も多い食物アレルギーは、鶏卵によるもので次いで牛乳です。大豆、小麦、米を加えて5大アレルゲンといわれています。成人型アレルゲンとしてエビ、カニ、魚類、貝類、果物があり、耐性を獲得していくことが少ないと考えられています。
食物アレルギーの日常の治療のポイントは、正しい診断に基づいて必要最小限度の食物除去を行うということです。
摂取した食べ物が原因となり、免疫学的機序(病気の発生に体の免疫システムが関連している可能性があること)を介して、じん麻疹、湿疹、下痢、咳、ゼーゼーなどの症状が起こることを食物アレルギーといいます。
アレルギーは免疫反応のひとつであり、体にとっての異物を排出するためのメカニズムです。したがって、人がアレルギーを起こす対象は、主に人以外の動植物由来のたんぱく質がほとんどです。食物アレルギーが免疫学的機序を介しているということが重要で、食物そのものの作用によるものは、食物アレルギーには含まれません。
食べ物は生きていくために必須ですが、個人の体質により、あるいは食べ物により体に不利益な反応が起きることもあります。
免疫学的機序は、大きく分けるとふたつに分類されます。1つは即時型アレルギー反応といい、免疫グロブリンE(IgE抗体)という生体内のたんぱく質が介在して起こります。食物アレルギーの多くはこのタイプです。個人の免疫の反応の違いにより、卵に対するlgE抗体をつくる人もいれば、牛乳に対してlgE抗体をつくる人もいます。このことが卵のアレルギーを持つ人、牛乳のアレルギーを持つ人を決める要因のひとつになります。
抗体が皮膚、腸粘膜、気管支粘膜鼻粘膜、結膜などにあるマスト細胞(肥満細胞)に結合した状態で食物抗原と出会うことにより、マスト細胞からヒスタミン・ロイコトリエンなどの化学伝達物質が放出されアレルギー反応が引き起こされます。そのアレルギー反応によりじん麻疹、湿疹、下痢、咳、ゼーゼーなどの症状が誘発されます。つまり、即時型食物アレルギーでは、摂取した食べ物が抗原性を残したまま腸から吸収された後、血液を介して皮膚、気管支粘膜、鼻粘膜、結膜などに到達して、アレルギー反応が起こります。即時型の場合には、食べ物を摂取した直後から2時間以内にアレルギー反応を認めることがほとんどです。
卵や牛乳を飲んだことがないのに、卵や牛乳に対してすでにlgE抗体を持っていることがよく認められます。このようなケースは、母親が摂取した食物抗原が腸管から抗原性を持ったまま吸収され、血液中から母乳に食物抗原が分泌されていると考えられています。つまり、血液中にはいつも食事後に食べ物が抗原性を保って存在すると考えられています。人の体では、いつも自分以外のものを排除しようという免疫が働いていますが、食物抗原に対しては異物と認識していません。これを免疫学的寛容といいます。つまり、食物アレルギーの子どもには、まだ免疫学的寛容が食べ物に対して成立していない状態です。食物アレルギーが年齢とともに良くなるということは、食物抗原に対して免疫学的寛容が成立することと考えられています。
もうひとつの免疫学的機序は、即時型に対してlgE抗体に依存しない非即時型、あるいは遅発型、遅延型と呼ばれる反応です。この場合の詳細なメカニズムはまだ解明されていませんが、T細胞というリンパ球による反応ではないかと考えられています。即時型と異なり、食べ物を摂取してから数時間後に湿疹などの皮膚症状が主に認められます。
日本で小児期に最も多い食物アレルギーは、鶏卵によるもので次いで牛乳です。大豆、小麦、米を加えて5大アレルゲンといわれていますが、実際には年齢によって異なり、大豆、米はそれほど多くありません。
それに対して、成人型アレルゲンとしてエビ、カニ、魚類、貝類、果物があり、耐性を獲得していくことが少ないと考えられています。
その中間に位置するのが、ピーナッツ、そばなどであり、耐性の獲得はされにくいと考えられていますが、一部の乳幼児期発症例では寛解していく症例もあります。
即時型(lgE依存性)の最重症タイプであり、皮膚症状、消化器症状、呼吸器症状に引き続いて全身性のショック症状を呈するものをいいます。
最も多いのは卵で、牛乳、小麦、魚類、そば、エビ、果物、ピーナッツ、大豆の順となります。
食物アレルギーの日常の治療のポイントは、正しい診断に基づいて必要最小限度の食物除去を行うということです。さらにアレルゲンがどのような食品に入っているのかも、十分に理解する必要があります。
薬物療法としては、抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬の内服が補助的な治療として用いられています。
摂取した食べ物が原因となり、免疫学的機序(病気の発生に体の免疫システムが関連している可能性があること)を介して、じん麻疹、湿疹、下痢、咳、ゼーゼーなどの症状が起こることを食物アレルギーといいます。
アレルギーは免疫反応のひとつであり、体にとっての異物を排出するためのメカニズムです。したがって、人がアレルギーを起こす対象は、主に人以外の動植物由来のたんぱく質がほとんどです。
免疫学的機序は、大きく分けるとふたつに分類されます。1つは即時型アレルギー反応といい、免疫グロブリンE(IgE抗体)という生体内のたんぱく質が介在して起こります。食物アレルギーの多くはこのタイプです。
抗体が皮膚、腸粘膜、気管支粘膜鼻粘膜、結膜などにあるマスト細胞(肥満細胞)に結合した状態で食物抗原と出会うことにより、マスト細胞からヒスタミン・ロイコトリエンなどの化学伝達物質が放出されアレルギー反応が引き起こされます。そのアレルギー反応によりじん麻疹、湿疹、下痢、咳、ゼーゼーなどの症状が誘発されます。即時型の場合には、食べ物を摂取した直後から2時間以内にアレルギー反応を認めることがほとんどです。
もうひとつの免疫学的機序は、即時型に対してlgE抗体に依存しない非即時型、あるいは遅発型、遅延型と呼ばれる反応です。この場合の詳細なメカニズムはまだ解明されていませんが、T細胞というリンパ球による反応ではないかと考えられています。即時型と異なり、食べ物を摂取してから数時間後に湿疹などの皮膚症状が主に認められます。
日本で小児期に最も多い食物アレルギーは、鶏卵によるもので次いで牛乳です。大豆、小麦、米を加えて5大アレルゲンといわれています。成人型アレルゲンとしてエビ、カニ、魚類、貝類、果物があり、耐性を獲得していくことが少ないと考えられています。
食物アレルギーの日常の治療のポイントは、正しい診断に基づいて必要最小限度の食物除去を行うということです。
2021年05月11日
【体の主要な構成成分】たんぱく質
人は、食品から摂取した栄養素を生命維持や活動エネルギーなどに使用しています。食品に含まれている糖質、脂質、たんぱく質、ビタミン、ミネラルのうち、主に体をつくる原材料となるのはたんぱく質です。 たんぱく質は肉、魚、卵、大豆製品、乳製品などに多く含まれている栄養素です
体の半分以上を占める水分を除くと、たんぱく質と脂質の割合が高くなります。たんぱく質は、体の中のあらゆる場所に存在しています。筋肉、臓器、皮膚、骨、毛髪などの主要成分として存在するほか、体の機能を調整する酵素、ホルモン、抗体などの原材料でもあります。たんぱく質は、体の中のさまざまな機能を担っており、人の体に欠かせない栄養素のひとつです。
たんぱく質は、糖質や脂質とともにエネルギーとなる栄養素のひとつです。たんぱく質1gあたり4kcalのエネルギーとなります。糖質が不足することでエネルギー源が足りなくなると、体内のたんぱく質や脂肪がエネルギー源となります。
たんぱく質は、アミノ酸が多数つながって構成されている高分子化合物です。たんぱく質を構成するアミノ酸は20種類だけです。人だけでなく細菌やウイルスも含め、さまざまなたんぱく質は20種類のアミノ酸で構成されています。
20種類のアミノ酸のうち11種類は、体内で合成できます。そのため、非必須アミノ酸と呼ばれています。残りの9種類は、必須アミノ酸と呼ばれ、体内では合成できないため、食品から摂取する必要があります。
2〜50個未満のアミノ酸が結合したものをペプチドと言います。20種類のアミノ酸で構成されるたんぱく質は、50以上のアミノ酸の集合体となり、体内の酵素などで分解されアミノ酸あるいはペプチドとして吸収されます。
吸収されたアミノ酸は肝臓へ運ばれ、肝臓でたんぱく質の原材料となります。また、血液によって各組織へ運ばれ、筋肉、内臓、骨などの原材料となったり、ホルモンや抗体などの構成成分として、体の中でさまざまな機能を果たします。
体の中で不用となったたんぱく質は、分解されてアミノ酸となり、再利用されるほか、不要となれば肝臓で尿素に変わり、腎臓に送られて尿として排泄されます。
人は、食品から摂取した栄養素を生命維持や活動エネルギーなどに使用しています。食品に含まれている糖質、脂質、たんぱく質、ビタミン、ミネラルのうち、主に体をつくる原材料となるのはたんぱく質です。しかし、食品に含まれているたんぱく質が、体の中でそのまま使われるわけではありません。
たんぱく質は肉、魚、卵、大豆製品、乳製品などに多く含まれている栄養素です。体をつくる原材料となるたんぱく質は、体を構成する成分として、どのくらいの割合を占めているのでしょうか。体重60kgの成人の体の組成としては、水分が62.6%、たんぱく質が16.4%、脂質が15.3%、ミネラルが5.7%、糖質が1%未満となります。
体の半分以上を占める水分を除くと、たんぱく質と脂質の割合が高くなります。食事から摂取する栄養素の中では、糖質の割合が多くなりますが、体の組成では糖質は1%未満とわずかです。これは、糖質がエネルギー源として使用され、過剰な糖質は脂肪として蓄えられるためです。
たんぱく質は、体の中のあらゆる場所に存在しています。筋肉、臓器、皮膚、骨、毛髪などの主要成分として存在するほか、体の機能を調整する酵素、ホルモン、抗体などの原材料でもあります。
たんぱく質は、体の中のさまざまな機能を担っており、人の体に欠かせない栄養素のひとつです。
たんぱく質は、糖質や脂質とともにエネルギーとなる栄養素のひとつです。たんぱく質1gあたり4kcalのエネルギーとなります。エネルギーとなる栄養素のうち、糖質が優先的にエネルギー源として使われますが、糖質が不足することでエネルギー源が足りなくなると、体内のたんぱく質や脂肪がエネルギー源となります。
食事から摂取するエネルギーとなる栄養素は、バランスが大切です。30歳の男女において、摂取エネルギーの比率を糖質50〜65%、脂質20〜30%、たんぱく質13〜20%とすると、これらの栄養素の摂取不足を防ぐことができると言われています。
しかしながら、必要な栄養素には個人差があります。エネルギーとなる栄養素のバランスは、おおよその数値です。自身に必要なエネルギー量を確保した上で、そのほかの栄養素にも配慮しながら、エネルギーとなる栄養素の摂取エネルギー比率を調整するとよいとされています。
たんぱく質は、アミノ酸が多数つながって構成されている高分子化合物です。自然界にたくさんあるアミノ酸のうち、たんぱく質を構成するアミノ酸は20種類だけです。人だけでなく細菌やウイルスも含め、さまざまなたんぱく質は20種類のアミノ酸で構成されています。反対に20種類のアミノ酸が、ひとつでも不足するとたんぱく質を合成することができません。
20種類のアミノ酸のうち11種類は、体内で合成できます。そのため、非必須アミノ酸と呼ばれています。残りの9種類は、必須アミノ酸と呼ばれ、体内では合成できないため、食品から摂取する必要があります。必須アミノ酸は、偏った食生活でなければ、不足することはほとんどないといわれています。
体内に存在するたんぱく質は、おおよそ10万種類といわれています。アミノ酸が立体的につながり、糖質、色素、金属などと結合することで、たんぱく質は固有の構造を形成しています。
2〜50個未満のアミノ酸が結合したものをペプチドと言い、アミノ酸が2つ結合していればジペプチド、3つであればトリペプチドと呼ばれます。
20種類のアミノ酸で構成されるたんぱく質は、50以上のアミノ酸の集合体で、50未満はペプチドと呼ばれます。この違いは、大きさだけでなく、分解されたときの吸収速度にも関係しています。
アミノ酸は小さな分子であることから、そのまますぐに吸収されます。アミノ酸が数個から50未満結合したペプチドも、たんぱく質と比べると、はやく吸収されます。
それでは、たんぱく質はどのように吸収されているのでしょうか。たんぱく質を食品から摂取した場合、まず胃で胃酸と酵素のペプシンにより大まかに分解されます。次に小腸で分泌される膵液の酵素でペプチドまで分解され、さらに小腸の粘膜中の酵素アミノペプチダーゼによって、アミノ酸にまで分解され、小腸の粘膜に吸収されます。
こうして分解されたたんぱく質は、アミノ酸あるいはペプチドとして吸収され、体を構成し、ときにはエネルギーとなります。
口から入った食べ物は、食道から胃へ運ばれ、十二指腸から小腸、大腸を通り、不要なものは便として排泄されます。消化管を食べ物が通っていく過程で、分泌される消化液の影響を受け、吸収されやすい形となって体内に吸収されます。
たんぱく質は、アミノ酸がつながった非常に大きな分子です。たんぱく質の状態では体内に吸収できないため、さまざまな消化酵素によって、アミノ酸とアミノ酸の間の結合が切断されます。そして、アミノ酸が数個つながったオリゴペプチドやアミノ酸単体にまで分解されます。
オリゴペプチドやアミノ酸は、どちらも小腸で吸収されますが、オリゴペプチドは小腸の細胞内にある酵素によってさらに分解されます。
吸収されたアミノ酸は、肝臓へ運ばれます。肝臓でアミノ酸は、たんぱく質の原材料となります。また、血液によって各組織へ運ばれ、筋肉、内臓、骨などの原材料となったり、ホルモンや抗体などの構成成分として、体の中でさまざまな機能を果たします。
このように、食品から摂取したたんぱく質は、消化酵素によってペプチドやアミノ酸に分解されてから、体内に吸収されます。
また、体中では、たんぱく質が合成されているだけではありません。体の中で不用となったたんぱく質は、分解されてアミノ酸となり、再利用されます。つまり、たんぱく質は合成と分解を繰り返して、体内で一定量に保たれています。 なお、分解されたたんぱく質は、アミノ酸として再利用されるほかに、不要となれば肝臓で尿素に変わり、腎臓に送られて尿として排泄されます。
アミノ酸スコアは、食品に含まれている必須アミノ酸のバランスを評価する指標です。100に近いほど良質なたんぱく源とされます。牛肉、豚肉、鶏肉、牛乳、卵、大豆などがアミノ酸スコア100の食品です。
アミノ酸スコアは、よく木桶に例えられます。板が組み合わさった木桶は、一部の板が短いと、短い板の上部までしか水を溜めることができません。溜める水を合成するたんぱく質、木桶の9枚の板を必須アミノ酸と考えると、1つの必須アミノ酸が足りなければ、十分にたんぱく質を合成できません。
不足している必須アミノ酸があったとしても、ほかの食品からアミノ酸を補うことで、バランスを整えることができます。
人は、食品から摂取した栄養素を生命維持や活動エネルギーなどに使用しています。食品に含まれている糖質、脂質、たんぱく質、ビタミン、ミネラルのうち、主に体をつくる原材料となるのはたんぱく質です。 たんぱく質は肉、魚、卵、大豆製品、乳製品などに多く含まれている栄養素です
体の半分以上を占める水分を除くと、たんぱく質と脂質の割合が高くなります。たんぱく質は、体の中のあらゆる場所に存在しています。筋肉、臓器、皮膚、骨、毛髪などの主要成分として存在するほか、体の機能を調整する酵素、ホルモン、抗体などの原材料でもあります。たんぱく質は、体の中のさまざまな機能を担っており、人の体に欠かせない栄養素のひとつです。
たんぱく質は、糖質や脂質とともにエネルギーとなる栄養素のひとつです。たんぱく質1gあたり4kcalのエネルギーとなります。糖質が不足することでエネルギー源が足りなくなると、体内のたんぱく質や脂肪がエネルギー源となります。
たんぱく質は、アミノ酸が多数つながって構成されている高分子化合物です。たんぱく質を構成するアミノ酸は20種類だけです。人だけでなく細菌やウイルスも含め、さまざまなたんぱく質は20種類のアミノ酸で構成されています。
20種類のアミノ酸のうち11種類は、体内で合成できます。そのため、非必須アミノ酸と呼ばれています。残りの9種類は、必須アミノ酸と呼ばれ、体内では合成できないため、食品から摂取する必要があります。
2〜50個未満のアミノ酸が結合したものをペプチドと言います。20種類のアミノ酸で構成されるたんぱく質は、50以上のアミノ酸の集合体となり、体内の酵素などで分解されアミノ酸あるいはペプチドとして吸収されます。
吸収されたアミノ酸は肝臓へ運ばれ、肝臓でたんぱく質の原材料となります。また、血液によって各組織へ運ばれ、筋肉、内臓、骨などの原材料となったり、ホルモンや抗体などの構成成分として、体の中でさまざまな機能を果たします。
体の中で不用となったたんぱく質は、分解されてアミノ酸となり、再利用されるほか、不要となれば肝臓で尿素に変わり、腎臓に送られて尿として排泄されます。
2021年05月10日
【細胞内にある不要な物質を分解する】オートファジー
オートファジーとは、細胞内にある不要な物質を分解する仕組みです。自分で自分の細胞を分解することから、自食作用ともいわています。
オートファジーの役割のひとつは、細胞内部の状態を一定に保つこと、つまり恒常性の維持です。細胞内には、生命を維持するために必要となる酵素をはじめとしたたんぱく質、ミトコンドリアなどの細胞小器官が存在しています。これらが古くなる、あるいは傷つくことで細胞内に蓄積されると、細胞は障害を受け、体にさまざまな悪影響を及ぼします。このような不要になった物質の蓄積を防ぐために、細胞内部を分解する働きがオートファジーです。
オートファジーは、生きていくために必要な栄養素を生み出す作用もあります。代表的な栄養素としては、たんぱく質です。実際に体内でつくられているたんぱく質は、栄養素として吸収したたんぱく質よりも多いとされています。つまり、食事だけではたんぱく質の合成を補うことができません。実際のところ、不足分はオートファジーが細胞内のたんぱく質を分解することで、まかなわれています。
病原体などの異物が体内に侵入したときに、その異物と特異的に反応する物質として体内に抗体を産生する細胞があります。このような免疫として働く細胞が機能を果たすためには、オートファジーが必要となります。また、オートファジーは、細胞に感染した細菌やウイルスなどの病原体を殺す作用も持っています。さらにオートファジーは、免疫の過剰反応である炎症を抑え、免疫の異常で起こる病気を防止する働きもあります。
オートファジーを生活習慣によって活性化する方法としては、有酸素運動、バランスのとれた食事、食事の時間を空けて空腹時間を設けること、適度な睡眠をはじめとした規則正しい生活です。オートファジーに関与する食品として、納豆に多く含まれるスペルミジンは、オートファジーを活性化することが明らかとなっています。
オートファジーとは、細胞内にある不要な物質を分解する仕組みです。自分で自分の細胞を分解することから、自食作用ともいわています。
オートファジーは人だけでなく、すべての真核生物、すなわち、核を持つ細胞からなる生物にみられる仕組みです。
オートファジーの役割のひとつは、細胞内部の状態を一定に保つこと、つまり恒常性の維持です。
細胞内には、生命を維持するために必要となる酵素をはじめとしたたんぱく質、ミトコンドリアなどの細胞小器官が存在しています。細胞小器官とは、細胞の内部で特に分化した形態や機能を持つ構造の総称です。オルガネラとも呼ばれます。 細胞小器官が高度に発達していることが、真核細胞を原核細胞から区別している特徴のひとつです。これらが古くなる、あるいは傷つくことで細胞内に蓄積されると、細胞は障害を受け、体にさまざまな悪影響を及ぼします。
このような不要になった物質の蓄積を防ぐために、細胞内部を分解する働きがオートファジーです。
細胞内部に不要となった物質がみつかると、それを包み込むための隔離膜が出現します。この隔離膜は、不要な物質を包み込むように大きく進展し、オートファゴソームと呼ばれる2重構造の球体のようなものになります。それから、オートファゴソームは細胞内部にあるリソソームと呼ばれる細胞小器官と融合します。リソソームには分解酵素が含まれており、オートファゴソームと融合することで内部の老廃物を分解します。これがオートファジーです。リソソーム自身が障害を受けたときにもオートファジーが働きます。
リソソームの分解酵素でも分解することができない物質として、痛風の原因となる尿酸塩結晶があげられます。尿酸塩結晶は、針状に尖った形をしているため、尿酸塩結晶に触れたリソソームは傷つきます。そうなると、リソソームの傷ついた部分から分解酵素が細胞内へ流出し、細胞内の正常な物質も分解されてしまいます。
そのため、リソソームの損傷を感知すると、隔離膜が出現し、オートファゴソームが形成されます。オートファゴソームが傷ついたリソソームを包み込み、細胞内にこれ以上分解酵素が拡散しないようにします。オートファジーは、あらゆる障害から細胞内部の物質を守る働きもあります。
オートファジーは、生きていくために必要な栄養素を生み出す作用もあります。代表的な栄養素としては、たんぱく質です。人は食事からたんぱく質を摂取し、消化管でアミノ酸やペプチドまで分解してから吸収します。吸収したアミノ酸をもとに体内でたんぱく質を合成します。実際に体内でつくられているたんぱく質は、栄養素として吸収したたんぱく質よりも多いとされています。つまり、食事だけではたんぱく質の合成を補うことができません。
実際のところ、不足分はオートファジーが細胞内のたんぱく質を分解することで、まかなわれています。オートファジーは、細胞内の不要なたんぱく質を分解するだけでなく、それをアミノ酸としてリサイクルする働きもあります。このアミノ酸が結合してたんぱく質が合成され、体内で利用されます。つまり、オートファジーには細胞内の不要物を除去する役割だけではなく、リサイクルして栄養源を生み出す役割を担っています。
病原体などの異物が体内に侵入したときに、その異物と特異的に反応する物質として体内に抗体を産生する細胞があります。このような免疫として働く細胞が機能を果たすためには、オートファジーが必要となります。
オートファジーは、細胞に感染した細菌やウイルスなどの病原体を殺す作用も持っています。つまり、オートファジーそのものが、細胞に備わった免疫機能です。
オートファジーは、免疫細胞が異物を認識する仕組みにも関係しています。さらにオートファジーは、免疫の過剰反応である炎症を抑え、免疫の異常で起こる病気を防止する働きもあります。
免疫機能の向上、そして健康維持のため、オートファジーを活性化するにはどうすればいいのでしょうか。ましてやオートファジーは、5歳を過ぎると低下するといわれており、なおさらです。
オートファジーを生活習慣によって活性化する方法としては、有酸素運動、バランスのとれた食事、食事の時間を空けて空腹時間を設けること、適度な睡眠をはじめとした規則正しい生活です。オートファジーは、健康的な生活を送ることで、活性化することができます。
オートファジーに関与する食品として、納豆にはポリミアンという物質の1種となるスペルミジンが多く含まれています。スペルミジンは、オートファジーを活性化することが明らかとなっています。また、スペルミジンは、ヨーグルトや味噌などの発酵食品にも含まれています。
なお、オートファジーは単純に活性化しすぎてもよくないとのことです。リソソームの数は限られているので、オートファジーは細胞内で一定のレベルでしか活動ができません。つまり、老廃物が多く次から次へとオートファジーを行わなくてはいけない状況では、分解の段階で速度が停滞し、オートファジーが追いつかない状態になります。その結果、細胞内にはオートファジーにより分解されない老廃物が蓄積することになります。
オートファジーとは、細胞内にある不要な物質を分解する仕組みです。自分で自分の細胞を分解することから、自食作用ともいわています。
オートファジーの役割のひとつは、細胞内部の状態を一定に保つこと、つまり恒常性の維持です。細胞内には、生命を維持するために必要となる酵素をはじめとしたたんぱく質、ミトコンドリアなどの細胞小器官が存在しています。これらが古くなる、あるいは傷つくことで細胞内に蓄積されると、細胞は障害を受け、体にさまざまな悪影響を及ぼします。このような不要になった物質の蓄積を防ぐために、細胞内部を分解する働きがオートファジーです。
オートファジーは、生きていくために必要な栄養素を生み出す作用もあります。代表的な栄養素としては、たんぱく質です。実際に体内でつくられているたんぱく質は、栄養素として吸収したたんぱく質よりも多いとされています。つまり、食事だけではたんぱく質の合成を補うことができません。実際のところ、不足分はオートファジーが細胞内のたんぱく質を分解することで、まかなわれています。
病原体などの異物が体内に侵入したときに、その異物と特異的に反応する物質として体内に抗体を産生する細胞があります。このような免疫として働く細胞が機能を果たすためには、オートファジーが必要となります。また、オートファジーは、細胞に感染した細菌やウイルスなどの病原体を殺す作用も持っています。さらにオートファジーは、免疫の過剰反応である炎症を抑え、免疫の異常で起こる病気を防止する働きもあります。
オートファジーを生活習慣によって活性化する方法としては、有酸素運動、バランスのとれた食事、食事の時間を空けて空腹時間を設けること、適度な睡眠をはじめとした規則正しい生活です。オートファジーに関与する食品として、納豆に多く含まれるスペルミジンは、オートファジーを活性化することが明らかとなっています。
2021年05月09日
【休息を知らせる仕組み】疲労のメカニズムと対処方法
疲労とは、体が休息を必要としていることを脳に知らせるための仕組みです。そのシグナルは、肉体的または精神的な活動の際に必要なエネルギーをつくる過程で生じる活性酸素の増加によって送られます。活性酸素により細胞が傷つけられ、そこから老廃物が発生することで、脳は疲れのシグナルを受け取ります。そのため、運動や緊張することで疲労を感じます。
疲労と言っても、その種類はさまざまです。末梢疲労とは、末梢の部分である体を動かした後の疲れのことを指しています。運動や長時間にわたり肉体を酷使する仕事をしていると、体にだるさを感じます。眼精疲労は、実際のところ目が疲れているのではなく、自律神経の疲れが原因と言われています。脳が長時間緊張している状態だと、調整能力がうまく機能しなくなります。そのことから倦怠感を感じてしまいます。疲れてぼんやりしてしまうことは、中枢性疲労が原因です。心が疲弊して普段のように機能せず、何事にも無気力になるなどの症状が出てくるのが精神疲労です。
最も効果的な疲労の回復方法は、十分な睡眠をとることです。睡眠中は脳が休まり、新陳代謝が活発に行われます。38〜40℃のぬるめのお湯にゆっくりと浸かることで、副交感神経が刺激され、質のよい睡眠に導いてくれます。また、血行がよくなることで、老廃物を排出することができます。適度に体を動かすことは、全身の血行を促進し、疲労物質を取り除く効果があります。ウォーキングなどの軽い有酸素運動は、筋肉を適度に刺激してくれるだけでなく、心を落ち着かせるセロトニンというホルモンが分泌されます。
疲れているときに、食欲はあまりないかもしれませんが、体には疲労を回復させるための栄養が必要です。豚肉には、ビタミンB群が豊富に含まれています。ビタミンB群は体内で糖質、脂質、たんぱく質からのエネルギー代謝過程に欠かせない補酵素で、新陳代謝や疲労回復を促します。鶏のむね肉には、イミダゾールジペプチドという成分が豊富に含まれており、抗疲労効果が高いことが明らかとなっています。レバーには、ビタミンB2だけでなく、全身に酸素を供給するために必要な鉄分も摂ることができるため、疲労回復が期待できます。野菜や果物にはビタミンCが豊富なことから、抗酸化作用があり、疲労の原因となる活性酸素を除去する働きがあります。お酢などに含まれるクエン酸は、疲れを和らげる効果があります。アーモンドなどのナッツ類は、ビタミンEが豊富で、ビタミンCと同様に抗酸化作用により、活性酸素を除去してくれます。
疲労とは、体が休息を必要としていることを脳に知らせるための仕組みです。そのシグナルは、肉体的または精神的な活動の際に必要なエネルギーをつくる過程で生じる活性酸素の増加によって送られます。活性酸素により細胞が傷つけられ、そこから老廃物が発生することで、脳は疲れのシグナルを受け取ります。そのため、運動や緊張することで疲労を感じます。
これは動物の本能であり、一般的に疲れを感じると活動をやめて休むことができるようになっています。しかし、人だけは興奮状態、あるいは幸福感や達成感に満たされていると、疲労というシグナルを脳が無視してしまいます。その結果、十分に疲労が回復していないのにも関わらず、活動してしまうため、どんどん疲労が蓄積されることになります。
疲労と言っても、その種類はさまざまです。
末梢疲労とは、末梢の部分である体を動かした後の疲れのことを指しています。運動や長時間にわたり肉体を酷使する仕事をしていると、体にだるさを感じます。このような筋肉疲労が抹消疲労にあてはまります。大抵の場合は、睡眠や休息することで回復します。
眼精疲労は、実際のところ目が疲れているのではなく、自律神経の疲れが原因と言われています。パソコンやスマホを使用しているとき、脳は興奮状態にあり、交感神経が活発になっています。交感神経が優位の状態では、本能として目は遠くを見るようになっています。しかし、大抵の場合、画面は目の前にあることから、近くを見るように指示するのは本来リラックスしているときに優位になる副交感神経です。本来交感神経が活発なはずなのに、無理に副交感神経を刺激するため、自律神経が疲れてしまいます。
脳が長時間緊張している状態だと、調整能力がうまく機能しなくなります。そのことから倦怠感を感じてしまいます。疲れてぼんやりしてしまうことは、中枢性疲労が原因です。中枢性疲労には、ストレスや睡眠不足、栄養不足などによる生理的疲労と、病気を原因とする病的疲労があります。生理的疲労の場合は、生活習慣の乱れを改善することである程度の回復が見込めますが、病的疲労は原因の病気が治らない限り持続します。
心が疲弊して普段のように機能せず、何事にも無気力になるなどの症状が出てくるのが精神疲労です。原因として、過度なストレスなどがあげられます。
疲れをとるためには、どのような対策が必要でしょうか。
最も効果的な疲労の回復方法は、十分な睡眠をとることです。睡眠中は脳が休まり、新陳代謝が活発に行われます。しかし、長時間ただ寝ればいいというわけではありません。ぐっすり眠って、朝に日を浴びて目覚める質のよい睡眠が大切です。
疲れているときは、短時間のシャワーで済ませてしまわず、38〜40℃のぬるめのお湯にゆっくりと浸かることで、副交感神経が刺激され、質のよい睡眠に導いてくれます。また、血行がよくなることで、老廃物を排出することができます。また、湯船に浸かるとリラックス効果があるため、ストレス解消にも役立ちます。また、香りにもリラックス効果があります。入浴時にアロマオイルを湯船に数滴落とすだけで香りが漂い、癒しの効果を期待できます。
適度に体を動かすことは、全身の血行を促進し、疲労物質を取り除く効果があります。体を軽くほぐすことでも、疲労回復が期待できます。ウォーキングなどの軽い有酸素運動は、筋肉を適度に刺激してくれるだけでなく、心を落ち着かせるセロトニンというホルモンが分泌されます。ストレッチなどで凝り固まった筋肉を伸ばすことも、血行を促進し、全身の筋肉に酸素や栄養がいきわたることで疲労回復が早まります。お風呂上がりに行うとよりいっそう効果が高まります。筋肉はマッサージすることで、血液やリンパの流れが良くなり、老廃物が排出されます。また、気分が良くなり、リラックス効果も期待できます。
疲れているときに、食欲はあまりないかもしれませんが、体には疲労を回復させるための栄養が必要です。豚肉には、ビタミンB群が豊富に含まれています。ビタミンB群は体内で糖質、脂質、たんぱく質からのエネルギー代謝過程に欠かせない補酵素で、新陳代謝や疲労回復を促します。にんにくなどに含まれるアリシンという成分と一緒に摂ることで、吸収が高まります。鶏のむね肉には、イミダゾールジペプチドという成分が豊富に含まれており、抗疲労効果が高いことが明らかとなっています。レバーには、ビタミンB2だけでなく、全身に酸素を供給するために必要な鉄分も摂ることができるため、疲労回復が期待できます。野菜や果物にはビタミンCが豊富なことから、抗酸化作用があり、疲労の原因となる活性酸素を除去する働きがあります。お酢などに含まれるクエン酸は、疲れを和らげる効果があります。アーモンドなどのナッツ類は、ビタミンEが豊富で、ビタミンCと同様に抗酸化作用により、活性酸素を除去してくれます。
栄養ドリンクやエナジードリンクは、疲労回復をうたった成分がたくさん配合されていますが、カフェインによる覚醒作用で一時的に疲れをごまかし、集中力を高めているにすぎません。ここぞというときにだけ利用するにとどめます。
体を動かすとさらに疲れるからといって、運動せずにずっと同じ姿勢で座っていると、筋肉が凝り固まって、血行が悪くなり、疲労回復を妨げる原因となります。ストレッチなどをすることを心がけることが大切です。
趣味など好きなことをしている間、脳は興奮状態となり、幸福感で満たされているため、疲労を感じなくなっています。すると、体は疲れているはずが疲れを感じにくくなり、交感神経によって覚醒作用が働き眠れなくなります。
疲労とは、体が休息を必要としていることを脳に知らせるための仕組みです。そのシグナルは、肉体的または精神的な活動の際に必要なエネルギーをつくる過程で生じる活性酸素の増加によって送られます。活性酸素により細胞が傷つけられ、そこから老廃物が発生することで、脳は疲れのシグナルを受け取ります。そのため、運動や緊張することで疲労を感じます。
疲労と言っても、その種類はさまざまです。末梢疲労とは、末梢の部分である体を動かした後の疲れのことを指しています。運動や長時間にわたり肉体を酷使する仕事をしていると、体にだるさを感じます。眼精疲労は、実際のところ目が疲れているのではなく、自律神経の疲れが原因と言われています。脳が長時間緊張している状態だと、調整能力がうまく機能しなくなります。そのことから倦怠感を感じてしまいます。疲れてぼんやりしてしまうことは、中枢性疲労が原因です。心が疲弊して普段のように機能せず、何事にも無気力になるなどの症状が出てくるのが精神疲労です。
最も効果的な疲労の回復方法は、十分な睡眠をとることです。睡眠中は脳が休まり、新陳代謝が活発に行われます。38〜40℃のぬるめのお湯にゆっくりと浸かることで、副交感神経が刺激され、質のよい睡眠に導いてくれます。また、血行がよくなることで、老廃物を排出することができます。適度に体を動かすことは、全身の血行を促進し、疲労物質を取り除く効果があります。ウォーキングなどの軽い有酸素運動は、筋肉を適度に刺激してくれるだけでなく、心を落ち着かせるセロトニンというホルモンが分泌されます。
疲れているときに、食欲はあまりないかもしれませんが、体には疲労を回復させるための栄養が必要です。豚肉には、ビタミンB群が豊富に含まれています。ビタミンB群は体内で糖質、脂質、たんぱく質からのエネルギー代謝過程に欠かせない補酵素で、新陳代謝や疲労回復を促します。鶏のむね肉には、イミダゾールジペプチドという成分が豊富に含まれており、抗疲労効果が高いことが明らかとなっています。レバーには、ビタミンB2だけでなく、全身に酸素を供給するために必要な鉄分も摂ることができるため、疲労回復が期待できます。野菜や果物にはビタミンCが豊富なことから、抗酸化作用があり、疲労の原因となる活性酸素を除去する働きがあります。お酢などに含まれるクエン酸は、疲れを和らげる効果があります。アーモンドなどのナッツ類は、ビタミンEが豊富で、ビタミンCと同様に抗酸化作用により、活性酸素を除去してくれます。