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2020年09月30日
【至福のひととき】魚介類のしゃぶしゃぶ
「今日はしゃぶしゃぶを食べたい。」という気分になったら、食材は何にしますか。牛肉や豚肉かもしれませんが、それだけではありません。
金目鯛やぶり、鯛のしゃぶしゃぶも格別です。特に高級魚となる金目鯛は、脂がのったトロのような食感と身質はうっすら桜色でわずかな甘みのある上品な味わいをあわせ持つ極上の食材です。
まだ食べたことがなければ、一度魚介類のしゃぶしゃぶを試してみてはいかがでしょうか。
「今日はしゃぶしゃぶを食べたい。」という気分になったら、食材は何にしますか。牛肉や豚肉かもしれませんが、それだけではありません。
一般的なしゃぶしゃぶは、昆布でだしをとり、煮立たせただし汁に野菜を加え、薄切りにした牛肉や豚肉を数回くぐらせた後、タレをつけて食べる鍋料理です。ポン酢やゴマダレをつけて食べます。
しゃぶしゃぶという名称は、1952年に大阪にある永楽町スエヒロ本店が自店の料理として出す際に命名したと言われています。また、しゃぶしゃぶが、日本の鍋料理となった起源は、中国の火鍋料理のようです。日本に伝えられた後、食材や味付けなどの部分が日本人に合わせて変化しました。
しゃぶしゃぶの定番となる野菜は、白菜やネギ、水菜、ニンジン、シイタケなどです。白菜は味が染みやすく、クセがありません。ネギと人参は、色合いが綺麗なだけでなく、素材の甘みを楽しむことができます。しいたけは、味だけでなく入れることでだしが出ます。これらの野菜は、火も通りやすく、味も染み込みやすくいため、鍋料理に適しています。さらに普段は入れることのない、季節折々の野菜を入れることで、バリエーションが広がります。
しゃぶしゃぶ用の肉は、薄くスライスされているため、火が通りやすいですが、ほかの食材の場合でも、十分美味しく食べることができます。ぶりやカニなどの魚介類を使ったしゃぶしゃぶも多く、肉の場合とは一味違った味わいを楽しむことができます。魚介類のしゃぶしゃぶも同様にだしがスープに溶け出しているので、シメの雑炊もおすすめです。最後までだしを余すことなく、食べることができます。
普段は牛肉や豚肉のしゃぶしゃぶを食べることが多いかもしれませんが、この機会に魚介類のしゃぶしゃぶを味わってはいかがでしょうか。食材の味のみならず、魚介類特有の香りと旨みがだしに溶け出し、病みつきになります。
魚介類のしゃぶしゃぶで、おすすめの食材を3つ紹介します。
高級魚となる金目鯛は、脂がのったトロのような食感と身質はうっすら桜色でわずかな甘みのある上品な味わいをあわせ持つ極上の食材です。金目鯛の定番料理としては、煮付けが挙げられますが、新鮮な金目鯛は、しゃぶしゃぶで味わうのがベストです。皮を取り除いても楽しめますが、美味しさは皮と身の間にあるので、しゃぶしゃぶのときも皮付きで食べましょう。
金目鯛は、水深500m前後に生息する深海魚で、体長は最大で50cm程になります。鯛という名前は付いていますが鯛の仲間ではなく、キンメダイ目キンメダイ科と分類されています。金目鯛という名前の由来となった金色に光る大きな目は、真っ暗な深海の中でわずかな光を効率的に捉えるために発達しました。その大きな目で餌となる魚やエビ類、プランクトンを見つけて捕えています。
金目鯛は、関東から小笠原諸島、沖縄までの太平洋沿岸で漁獲され、主な産地は静岡県や神奈川県、千葉県、高知県です。その中でも、1本釣りで漁獲されたものが静岡県の下田港などで水揚げされ、ブランド魚として人気です。
しゃぶしゃぶにした場合、ポン酢やもみじおろしをつける食べ方が、なんといっても美味しいです。
インターネットでは、しゃぶしゃぶ用の金目鯛の切り身が、3,000円台から販売されています。
冬の寒い海から水揚げされるぶりは、身も締まっており、上質な脂が十二分にのっています。12〜2月頃に旬を迎えます。このぶりをしゃぶしゃぶにすることで、より美味しくなります。
ポン酢や大根おろしにつけて食べることで、脂の多いぶりもさっぱりと堪能することができます。
お店で食べるぶりのしゃぶしゃぶは、贅沢品というイメージがあります。お店にもよりますが、1人前3,000円程度から供され、高級店では1人前数万円となる場合もあります。
新鮮なぶりの柵を買ってきて、家でしゃぶしゃぶにすることもおすすめです。ぶりは部位によって味が異なり、背身は脂が少なく身が締まっていてさっぱりしており、一方腹身は脂がのっていてやわらかく濃厚です。特に寒ぶりは、脂がたっぷりのっているので、しゃぶしゃぶには、腹身が最適です。しゃぶしゃぶに適切な厚さは、中までほんのり温まる4mm程度です。断面は、大きいほうがぶりのうま味を存分に味わえます。
ぶりは火を通し過ぎると、脂が落ちパサパサになってしまいます。そのため、ぶりは1切れずつ鍋に入れ、2〜3回くぐらせます。表面が白くなり、中がほんのりピンク色の状態になったときが、一番の食べごろです。
食べている間にぶりの脂が、スープに溶けだしています。シメは雑炊やうどんで、スープを最後まで楽しむことができます。
鯛のしゃぶしゃぶは、身を薄めに切り、昆布でとっただしに2〜3回くぐらせて、表面を白くして食べます。
鯛のしゃぶしゃぶには、さっぱりしたポン酢がよく合います。
鯛と言えば、一般的にスズキ目タイ科の真鯛を指します。真鯛は、北海道から九州にかけての太平洋や日本海、瀬戸内海をはじめ東シナ海まで分布しています。市場には30〜70cm程のものが並び、大きいものだと100cmを超えます。天然ものの真鯛は、春と秋の2回旬がありますが、養殖ものの真鯛も十分に脂がのっています。
鯛も代表的な高級魚です。お店で食べる場合は、1人前5,000円からが相場です。スーパーなどで柵を買ってくれば、家で気軽に楽しむこともできます。
今まで魚介類のしゃぶしゃぶを食べたことがない、あるいはその食べ方自体を知らないので、本当に美味しいのか心配になることもあるかもしれません。私も同様です。
そのようなときは、インターネットの情報を参考にします。私は、20年前後食品メーカーの製品開発職に在籍し、仕事柄あらゆるジャンルの食品を食べ、食品の製品開発に活かしています。どこそこのぶりのしゃぶしゃぶがうまいとなれば、試食と称し、食べにいきます。そこで学んだ味や香り、調理方法、原材料の選定方法を製品開発に活かすわけです。
実際のところ、出張先も含めさまざまな魚介類のしゃぶしゃぶを食べ比べた中で、静岡県のとあるお店で食べた金目鯛のしゃぶしゃぶは、忘れられません。脂がのった身質はうすいピンク色で甘みがあり、皮付きのままだしにくぐらせて食べます。口に入れたときに程よい食感があり、咀嚼することで口の中がコクとうま味で満たされます。
もちろん、ぶりや鯛、牛肉、豚肉も間違いなく美味しいですが、しゃぶしゃぶとなれば、断然金目鯛です。
「今日はしゃぶしゃぶを食べたい。」という気分になったら、食材は何にしますか。牛肉や豚肉かもしれませんが、それだけではありません。
金目鯛やぶり、鯛のしゃぶしゃぶも格別です。特に高級魚となる金目鯛は、脂がのったトロのような食感と身質はうっすら桜色でわずかな甘みのある上品な味わいをあわせ持つ極上の食材です。皮付きのままだしにくぐらせて、ポン酢やもみじおろしと一緒に食べます。口に入れたときに程よい食感があり、咀嚼することで口の中がコクとうま味で満たされます。
まだ食べたことがなければ、ぜひ一度魚介類のしゃぶしゃぶを食べてみてはいかがでしょうか。間違いなく至福のひとときです。
2020年09月29日
【思い出】祖母が育てていた食用菊とサツマイモとフキ
94歳まで生きた大正生まれの祖母は、とても働き者でした。80代でも畑仕事に精を出し、帰省するたびに畑から新鮮な野菜をとってきては、食べきれないほど持たせてくれました。幼少期には畑でスイカやメロンもつくってくれ、食べ頃がよくわからない中、包丁で半分にして、味見をしたこともありました。全く甘くないスイカを祖母と一緒に食べて、「美味しくない、失敗した。」と言いながら、笑っていたことが昨日のことのように思い出されます。祖母が手塩にかけてつくったナスやキュウリに友達と爆竹を仕掛け、バラバラに吹き飛ばして遊んでいたときは、「食べ物を粗末にするな。」と叱られたこともありました。今となっては、感謝しかありませんが、その言葉も届かないところに祖母はいってしまいました。
そんな祖母が畑の片隅でつくっていたのが、食用菊です。度々食卓に上りました。サツマイモができると干し芋をつくっていました。とても甘くて、食べ始めたら止まりません。フキは意図的に育てているわけではありませんが、畑の一角で自然に増えていました。もちろん、フキも食材として、食卓を彩っていました。
今でも食用菊や干し芋、フキを見かけると祖母の姿が思い出されます。畑仕事を手伝って、いろいろと教えてもらいたかったのですが、もはやかないません。
食用菊は、名前の通り食用に品種改良されたものです。苦みを抑え、食べる部分となる花びらを大きくさせた品種です。山形県や新潟県で主に栽培され、紫花の延命楽(もってのほか)と黄花の阿房宮(あぼうぎゅう)が有名です。これらは苦みが少なく、ほのかに甘みがあることが特徴です。
食用菊は刺身に添えられているだけでなく、和え物や天ぷらにしても美味しく食べられます。
食用菊には、抗酸化作用をもつビタミンCやビタミンE、皮膚や粘膜を丈夫にするビタミンB2などの栄養素を含んでいます。ほかにも生活習慣病を予防することで、注目されているポリフェノールの一種となるクロロゲン酸と独特の苦み成分であるイソクロロゲン酸を有し、これらは悪玉コレステロールを抑制して中性脂肪を減らす効果が報告されています。
菊は、花びらの部分とガクという根元の部分に分けられます。ガクは固くて苦味が強い部分ですが、おひたしや酢の物、佃煮にして食べます。
色鮮やかな食用菊は、ただの飾りではありません。和え物やおひたし、天ぷらにすることで、食卓を彩るふるさとの味わいに生まれ変わります。
干し芋は、蒸したサツマイモを干してつくります。乾燥芋とも言われます。サツマイモを蒸し、皮をむいて平切りにし、天日に何日もさらすことで乾燥させます。
そのままでも十分に甘味があり、美味しく食べられますが、少しあぶるとより一層甘味が増します。白い粉が吹いていることも多く、これは干し芋の糖分が表面に析出したものなので、味や品質に問題ありません。
干し芋の原材料は、サツマイモだけです。栄養成分としては、食物繊維のほかにビタミンB群や抗酸化作用のあるビタミンCとビタミンE、カリウム、鉄、マグネシウムなどを含んでいます。食物繊維は、血糖値の急激な上昇を防ぎことやコレステロールの吸収を抑制すること、腸内環境を整える効果があります。カリウムは、細胞内液の浸透圧を調節して一定に保つ働きや体液のpHバランスを保つ役割も果たしています。さらに ナトリウムを身体の外に出しやすくする作用があるため、塩分の摂り過ぎを調節する役割があります。鉄分は、赤血球を構成するヘモグロビンの成分で、とり込んだ酸素と結びつき、体のすみずみまで運ぶという重要な働きをしています。
カロリーは100gあたり300kcal前後となり、やや高めとなりますが、GI値は55となり低GI食品に該当します。このGIとは、食後血糖値の上昇を示す指標、グライセミック・インデックス(Glycemic Index)の略で、オーストラリアのシドニー大学ではぶどう糖を基準とした場合、GIが70以上の食品を高GI食品 56〜69の間の食品を中GI食品 55以下の食品を低GI食品と定義しています。GIは、2003年にWHOから過体重や肥満、2型糖尿病の発症リスクを低GI食品が低減させる可能性があるというレポートが出されたことから、注目されています。なお、白米のGI値は88、食パンのGI値は95、うどんのGI値は85、コーンフレークのGI値は75となり、高GI食品に分類されます。
干し芋は、GI値が低く、腹持ちがいいため、間食に最適です。
フキは、古くから親しまれてきた野菜の1つで、特有の香りとほろ苦さが特徴です。また、ふきの花茎であるふきのとうは、春の味覚として重宝されています。日本のみならず中国や朝鮮半島にも分布しています。市場に多く流通しているのは、愛知県産のフキです。早生で品質が高いことから人気となっています。食用にしているフキの部分は、茎ではなく、葉柄(ようへい)です。葉柄は葉と茎をつなぐ部分で、フキの茎は地下にあります。
張りがあり、葉茎が淡緑色のフキは新鮮です。一方、葉茎がしなりすぎているものは、鮮度が落ちています。また、葉茎が太すぎるとスジっぽいことがあります。フキはアクが強いので、調理前にアク抜きをします。葉茎を適当な長さにカットし、塩をかけ、そのまま熱湯で5分程度ゆで、冷めたら皮を手でむき、煮物やきゃらぶき、和え物などに用います。
フキの主な成分としては、食物繊維やカリウム、ポリフェノールなどがあります。ポリフェノールには強い抗酸化作用があるので、動脈硬化などの予防やアレルギー症状に関係するヒスタミンの生成を抑制する効果が期待されています。
ふきのとうは、フキの花芽のことで、つぼみが開く前の状態のほうが、味がよく、開くと苦味がより強くなります。特有の香りとほろ苦さがあるふきのとうは、フキと同様にアク抜きをしてから和え物や炒め物、揚げ物などにして食べるのが一般的です。天ぷらにする場合は、アク抜きをしなくても問題ありません。
94歳まで生きた祖母が畑の片隅でつくっていたのが、食用菊とサツマイモ、それを原材料とした干し芋、フキです。度々食卓に上りました。長寿の秘訣は、主要な野菜以外にも、食物繊維やミネラル、ポリフェノールを含むさまざまな作物を自ら育て、バランスよく食べていたからではないでしょうか。
ふるさとの畑に食用菊はもうありませんが、サツマイモやサツマイモを干すためのかご、手間をかけずともたくましく育つフキを見るにつけ、家族や近所の方々のために一生懸命作物を育てている祖母の姿が浮かんできます。
そして、インターネットを通して、どこかで何となく祖母と以前のように会話している気持ちになります。祖母に感謝です。ありがとう。
2020年09月28日
【地中海食】健康的な食事の一考察
健康について気になることがあれば、Websiteから簡単に情報を入手できますが、一方で間違った情報も見受けられるようです。はたして、どの情報が本当に正しいのでしょうか。
医学的根拠に基づいた本当に体にいい食事は、地中海食と言われています。地中海食とされる食材は、オリーブオイルやナッツ類、魚、野菜、果物の5つです。
さまざまな研究結果から明らかなことは、魚や野菜、果物、そしてオリーブオイルとナッツ類を毎日適量摂取するバランスのとれた食事が、健康的な食事といえます。
健康について気になることがあれば、Websiteから簡単に情報を入手できますが、一方で間違った情報も見受けられるようです。はたして、どの情報が本当に正しいのでしょうか。
知見のある医師や栄養士が発言しているので、問題ないと思うかもしれません。専門の資格を持っていると、正しいことを発信しているようにかんじられますが、残念なことにそうとは限らないようです。
それではどうすればいいのでしょうか。医学的根拠に基づいた本当に体にいい食事は、地中海食と言われています。2013年に世界的権威のある医学雑誌に発表された研究成果で、地中海食を食べている人たちは、脳卒中や心筋梗塞に罹患したり、それが原因で死亡したりするリスクが低いことが示されたからです。
地中海食とされる食材は、オリーブオイルやナッツ類、魚、野菜、果物の5つです。確かにこれらの食材は、誰もが体にいいと認識しています。もちろん、オリーブオイルだけ摂取していればいいというわけではなく、結論としては、これらの食材をバランスよく取り入れた食事に勝るものはありません。
地中海食とされる食材のオリーブオイルやナッツ類、魚、野菜、果物の5つについて、紹介します。
地中海食は、ギリシャやイタリア、スペインなどの地中海沿岸の地域の食事です。1960年代のアメリカの研究によると、ギリシャの平均寿命が非常に長く、心臓病による死亡率が世界一低いと報告されたことで、注目が集まりました。この地域に特有な油脂が、オリーブオイルです。
オリーブオイルが健康にいいといわれる理由は、オレイン酸などの一価不飽和脂肪酸や酸化を防ぐビタミンE、ポリフェノールを多く含んでいるからです。オレイン酸は、不飽和脂肪酸の中では安定した脂肪酸で、悪玉コレステロールを減らす働きがあるため、動脈硬化による心筋梗塞や脳梗塞、高血圧などの生活習慣病予防に効果的といわれています。ポリフェノールは、抗酸化作用が高いだけでなく、血中コレステロールの酸化も防ぎ、動脈硬化などの血管系の疾患を予防すると言う研究結果も報告されているほか、抗菌及び抗ウイルス作用があるため、体内の免疫機能を活発にすると言われています。なお、ポリフェノール類は体内で蓄積されないので、毎日摂取する必要があります。
2004年に米国食品医薬品局は、オリーブオイルが虚血性心疾患を予防する一定の効果があることを認めました。そのため、アメリカではオリーブオイルのラベルに効能をうたうことが許可されています。
また、油脂と聞くと生活習慣病を気にしている方は、控えるべきものという意識が強く働きます。しかしながら、油脂は細胞膜やホルモンなどの原材料になり、体を構成するために欠かすことができない栄養素です。一方、脂肪は摂りすぎると動脈硬化や肥満などの原因となります。すなわち、適正な摂取量を維持することが大切です。
目安は、毎日大さじ1杯です。
ナッツ類は脂質を多く含むため、食べると肥満に繋がり、健康に良くないと疑問に思うかもしれません。しかし、ナッツ類は、不飽和脂肪酸だけでなく、食物繊維やミネラル、ビタミンなどの成分を多く含んでいます。
ナッツ類は、1価不飽和脂肪酸のオレイン酸などが多く含まれ、1粒の半分以上はこの不飽和脂肪酸であり、乾燥肌などの予防に効果が期待されています。
また、食物繊維が豊富に含まれることから、腸内からの糖質の吸収をおだやかにします。そのため、ナッツ類は、低GI食品として、肥満を防ぐ効果も期待できます。
1日に食べるナッツ類の目安は、片手の手のひら一杯の量です。
特にアジやサバ、イワシ、サンマなどの青魚は、食卓を支えている大切な食材です。北極圏に住むイヌイットの人たちは、地域の特性上、野菜をほとんど食べない生活を送っていましたが、血栓症や肥満の人が非常に少なかったそうです。その理由について、調査した研究者たちは、不飽和脂肪酸を豊富に含む青魚を常食としているためと結論づけました。
DHAやEPAなどの不飽和脂肪酸には、血液中のコレステロールや中性脂肪を減少させ、血液の循環をよくする効果があることから、動脈硬化や心臓病などの予防につながります。 また、不飽和脂肪酸は脳の働きを活性化させることで、認知症などの予防効果が期待できます。 その他にも不飽和脂肪酸は、乾燥肌の改善や視力の向上などをもたらすことが知られています。
不飽和脂肪酸であるEPAの1日あたりの摂取目安は、1gとされています。これは青魚100gに含まれる量です。目安はとしては、1日にアジの開き1枚あるいはサバ1切程度です。
厚生労働省は、野菜を1日350g以上摂取することを推奨しています。野菜には多くの食物繊維が含まれています。食物繊維は腸内環境を整え、大腸の病気などを抑制する働きや便秘の予防にもつながるといわれています。
また、日本人の死因の半分以上は、3大生活習慣病と呼ばれるがん、心臓病、脳卒中です。これまでの研究で、野菜に含まれる食物繊維や抗酸化性を有するビタミン、カリウムなどが効果的に働くことが明らかにされています。そのほかにも免疫機能の向上や抗酸化作用を有するポリフェノールなどの成分が含まれています。酸化は、多くの病気や老化の原因となり、がんや認知症、生活習慣病とも密接な因果関係があるといわれています。
野菜にはこれらの成分が多く含まれていることから、厚生労働省は1日350g以上の摂取を推奨しています。
果物には、ビタミン類が豊富に含まれ、特にビタミンCは、皮膚や粘膜の健康維持を助ける働きがあります。また、正常な血圧を保つ働きをするミネラル分のカリウムや食物繊維も含まれます。食物繊維は、腸内からの糖質の吸収をおだやかにすることで急激な血糖値の上昇を抑える働きがあります。そのほかにも、抗酸化作用を有するポリフェノールや腸内環境を整えるオリゴ糖、有機酸が含まれます。
厚生労働省によれば、果物は1日に200g摂取することが目安となっています。野菜は意識して摂取しているかもしれませんが、果物もその必要がありそうです。
なお、果物200gの目安としては、みかんであれば2個、リンゴや梨なら半分程度、ぶどうは1/2房程度です。
健康な食生活について、インターネットで検索すると、さまざまな情報があふれています。この中には間違った情報も見受けられます。知見のある医師や栄養士が発言しているので、問題ないと思うかもしれませんが、残念なことにそうとは限らないようです。
健康的な食生活に取り組む上で、さまざまな研究結果から明らかなことは、バランスのいい食事であり、これに勝るものはありません。
バランスの良い食事とは、魚や野菜、果物、そしてオリーブオイルとナッツ類を毎日適量摂取することです。
健康について気になることがあれば、Websiteから簡単に情報を入手できますが、一方で間違った情報も見受けられるようです。はたして、どの情報が本当に正しいのでしょうか。
医学的根拠に基づいた本当に体にいい食事は、地中海食と言われています。地中海食とされる食材は、オリーブオイルやナッツ類、魚、野菜、果物の5つです。
オリーブオイルが健康にいいといわれる理由は、オレイン酸などの一価不飽和脂肪酸や酸化を防ぐビタミンE、ポリフェノールを多く含んでいるからです。ナッツ類は、不飽和脂肪酸だけでなく、食物繊維やミネラル、ビタミンなどの成分を多く含んでいます。アジやサバ、イワシ、サンマなどの青魚は、DHAやEPAなどの不飽和脂肪酸を多く含みます。野菜には、食物繊維やビタミン、カリウム、ポリフェノールなどの成分が含まれています。フルーツには、ビタミン類のほかにミネラルや食物繊維も含まれます。これらの成分が体の健康維持を担ってくれています。
さまざまな研究結果から明らかなことは、魚や野菜、果物、そしてオリーブオイルとナッツ類を毎日適量摂取するバランスのとれた食事が、健康的な食事といえます。
自身のため、ご家族のため、ぜひこれらの食材を日々の食生活に取り入れてください。
2020年09月27日
【一生眠らずに泳ぎ続ける】マグロと刺身
刺身といえば、マグロは欠かせません。なかでも大トロは人気ですが、戦前までは全く人気がありませんでした。今ではとても考えられません。人気が出るようになったのは昭和30年代半ば頃です。以降、人気が高まるにつれ、値段も吊り上がっていきました。
ではなぜ大トロは、高価なのでしょうか。大トロはマグロの腹とカマの一部分にしかありません。一部分といっても、マグロであれば大トロはとれるので、それほど高くなるはずはないと思うかもしれません。そもそもマグロには、脂ののっていない赤身だけのものが多いのです。すなわち、肝心の大トロどころか、中トロも期待できないマグロが多くなります。東京の豊洲市場し揚がるマグロ全体のうち、大トロや中トロが期待できるマグロは、10%に満たないようです。
さらにそうしたマグロの体からとれる大トロや中トロは、ほんの一部分です。それ故高価なのです。このような背景を知った上で食べる大トロの刺身は、さぞかし格別でしょう。
刺身は、初めからしょう油で食べていたわけではありません。長らく酢塩で食べていました。それがいつのまにか、タイにはしょうが酢、カツオには辛子酢など魚の味の特徴に合った味付けが選ばれるようになりました。
しょう油が使われ始めたのは、江戸時代後期です。しょう油がなければ、刺身の美味しさが半減するといっても、過言ではありません。
このしょう油ですが、全国各地その土地の嗜好に合ったさまざまなしょう油があります。大きく分ければ、関東の濃口しょう油と関西の薄口しょう油です。関東の刺身しょう油は辛口で、関西は甘口となり、同じ甘口でも名古屋はとろりとした甘みのある溜りしょう油です。東北地方ではややしょっぱい刺身しょう油で、九州は極めて甘口のしょう油となります。
刺身の王様がマグロならば、そのマグロをおろす包丁も王様です。マグロをおろす包丁はとにかく長く、通常のものでさえ刃渡り60〜80p前後ですが、1.8mある包丁や倍の3.6mにもなる包丁など特大のものまであります。しかも、両手で持って使うために柄も長くなっています。
このような特殊な包丁のため、魚河岸でもマグロをおろす時にしか出番はありません。それ故一般の人は、まずお目にかかることがない包丁なのです。
この包丁を使い、巨大なマグロの身を崩さないように切るには、1人では不可能です。2人がかりでおろすことになります。
マグロの人気部位に中落ちがあります。マグロを3枚におろしたときに中骨の間に残った身の部分です。
骨の周りの肉は美味しいというのは本当で、この部分はとても美味です。魚河岸ではここの部分をこそぎとって食べていました。
本来はごく少量の部位であり、高価です。しかも、おろした中骨に中落ちが残るのは、近海ものの生マグロであって、冷凍品の場合は、解凍しておろすと中落ちの部分もきれいにとれ、骨にはほとんど残りません。
では、安価で食べられている中落ちは、どういったものでしょうか。これは、赤身や残り身を刻んで、中落ちと称しているようです。
世界にマグロの仲間は、7種類です。日本で普通に目にするのは、クロマグロやミナミマグロ、メバチ、キハダ、ビンナガの5種類です。メバチは目が大きい、キハダはヒレが大きく黄色い、ビンナガは胸ビレが長いといった特徴はありますが、だいたい同じような形をしています。しかしながら、棲んでいる場所は少しずつ異なります。
マグロの仲間は、熱帯域が起源といわれています。そのまま熱帯域にとどまったのがキハダです。体の温度を高くする仕組みが発達しておらず、身の色も他のマグロに較べると薄いピンク色をしています。刺身の他、缶詰材料としても使われています。
他のマグロは、体を大きくして脂を貯め、体温を高くする仕組みを発達させることで、温度の低いところへ適応していきました。深いところに潜って、生活することを選んだのがメバチ、北や南のもっと寒いところで生活することを選んだのがクロマグロとミナミマグロです。ミナミマグロはクロマグロとよく似た種類ですが、インド洋の南半球だけに分布する種類です。この3種のいずれも脂ののった赤い身をもつ刺身マグロの一級品です。
ビンナガは、亜熱帯域全体に分布し、体はあまり大きくならず、身はほんのりピンクがかった白っぽい色をしています。主にツナ缶の原材料となっています。
大トロはマグロの腹とカマの一部分にしかありません。また、そもそもマグロには、脂ののっていない赤身だけのものが多いのです。すなわち、肝心の大トロどころか、中トロも期待できないマグロが多くなります。東京の豊洲市場し揚がるマグロ全体のうち、大トロや中トロが期待できるマグロは、10%に満たないようです。さらにそうしたマグロの体からとれる大トロや中トロは、ほんの一部分です。それ故高価なのです。
刺身にしょう油が使われ始めたのは、江戸時代後期です。しょう油がなければ、刺身の美味しさが半減するといっても、過言ではありません。このしょう油ですが、全国各地その土地の嗜好に合ったさまざまなしょう油があります。
マグロをおろす包丁はとにかく長く、通常のものでさえ刃渡り60〜80p前後ですが、1.8mある包丁や倍の3.6mにもなる包丁など特大のものまであります。しかも、両手で持って使うために柄も長くなっています。
マグロの人気部位に中落ちがあります。マグロを3枚におろしたときに中骨の間に残った身の部分です。本来はごく少量の部位であり、高価です。しかも、おろした中骨に中落ちが残るのは、近海ものの生マグロだけです。
世界にマグロの仲間は、7種類です。日本で普通に目にするのは、クロマグロやミナミマグロ、メバチ、キハダ、ビンナガの5種類です。メバチは目が大きい、キハダはヒレが大きく黄色い、ビンナガは胸ビレが長いといった特徴があります。このうちクロマグロ、ミナミマグロ、メバチは、いずれも脂ののった赤い身をもつ刺身マグロの一級品です。
2020年09月26日
【主食からおかずへ】餃子の誕生と普及
中国では北と南で主食の食材が大きく異なります。南方は豊かな稲作地帯であり、現在も同様です。したがって、主食は米となります。一方、北方は小麦の産地となり、小麦を主食としました。そのため、小麦粉を原材料とする餃子の誕生は北方であることは、異論をはさむ余地がありません。
それではいつ頃生まれたのでしょうか。清王朝時代の料理書に肉餃という記述があり、これが初めての餃子の記録のようです。清といえば、満州の王朝となり、場所は中国東北部となります。こうしたことから、中国北方の地の郷土料理である餃子が、王朝の樹立により、中央に躍り出て全国区になったと考えられています。
1932〜1945年にかけて、日本が満州国を傀儡政権として樹立していたことから、日本人の多くが中国東北部へと渡っていきました。終戦後、日本へ引き上げてきた人々は、餃子のつくり方を持ち帰り、満州で覚えた餃子の美味しさ日本で定着させていきました。
しかし、日本への定着の仕方が少々変わっていました。焼き餃子だけに偏向し、水餃子や蒸し餃子、揚げ餃子はあまり見かけません。本場中国では、水餃子が主体で、焼き餃子はほとんどありません。
本場中国では、餃子は主食ですが、日本ではおかずとなります。おかずとあれば、食欲を増す味付けが必要で、調理方法に工夫がなされました。中国では餡に入れないにんにくやニラなどの香味野菜を入れ、香ばしさを引き出すために焼く工程を加えました。さらには中国では黒酢などをつけて食べますが、日本ではラー油をタレに用い、辛味のアクセントを加えています。
このような工夫が焼き餃子を日本に定着させる要因となりました。
餃子のタレは、しょう油と酢、ラー油で構成されるのが一般的です。しょう油と酢をどのくらいの比率でタレをつくると、餃子は美味しいのでしょうか。専門店によるとしょう油7に対して酢3の比率を勧めるところが多いようです。しかし、餃子の大きさで比率を変えた方が、より一層美味しく食べられるようです。一般に大きい餃子は皮が厚いので、少々軽めのタレが好ましいです。そのため、しょう油6に対し酢4が適切です。反対に小さい一口餃子はさらに軽めにしょう油5に対し酢5が最適です。
辛味については、ラー油が定番ですが、地域のよってそのほかの調味料も使用されています。九州の福岡博多などは、ゆず胡椒のみ、あるいはしょう油と酢、ゆず胡椒で食べるのが定番です。神戸では、にんにくみそを付けて食べることもあります。
餃子に入れる餡の野菜と肉の比率は、野菜が7で肉が3の割合が良いそうです。専門店によると大きな餃子は、野菜の割合がより多い方が食べやすく、一口餃子の場合は、肉の食感を味わえる方が好ましいので、肉の比率を高めています。
また、餡に使う野菜は、キャベツあるいは白菜がよいのでしょうか。これはどちらでも構わないようです。どちらも同じアブラナ科の野菜で、加熱すると甘味を呈す成分を含んでいるため、餃子の持ち味を引き立てるからです。なお、宇都宮市の場合は白菜派が主流で、浜松市はキャベツ派が主流のようです。
お店で餃子を注文すると、だいたい一皿に5〜6個といったところでしょうか。実は、これには暗黙の決まりごとがあり、個数に関係なく、一皿におよそ100gとなります。一皿に5個であれば、餃子は1個あたり20g程度です。これが一般的なサイズです。
一皿10個の一口餃子の場合は、1個あたり10g程度で、一皿100gとなります。これは、チルドや冷凍食品の餃子にも踏襲されています。
中国の北方は小麦の産地となり、小麦を主食としました。そのため、小麦粉を原材料とする餃子の誕生は中国の北方であるとされています。清王朝時代の料理書に、初めて餃子についての記述が残されています。
本場中国では、餃子は主食ですが、日本ではおかずとなります。中国では餡に入れないにんにくやニラなどの香味野菜を入れ、香ばしさを引き出すために焼く工程を経て、さらにラー油をタレに用い、辛味のアクセントを加えています。このような工夫が焼き餃子を日本に定着させる要因となりました。
餃子のタレは、しょう油と酢、ラー油で構成されるのが一般的です。専門店によるとしょう油7に対して酢3の比率を勧めるところが多いようです。餃子に入れる餡の野菜と肉の比率も、野菜が7で肉が3の割合が良いそうです。キャベツと白菜はどちらでも問題ありません。
お店で餃子を注文すると、だいたい一皿に5〜6個となります。これには暗黙の決まりごとがあり、個数に関係なく、一皿におよそ100gとなります。
2020年09月25日
【国際派】天ぷらの成り立ち
江戸時代には魚河岸がつくられ、その脇で仕入れた魚介類に衣をつけて、立ち食いで提供する店が出始めました。これが天ぷらの始まりですが、当時はごま揚げと呼ばれていました。ごま揚げの所以は、単純にごま油で揚げられていたからです。名前はともかくも、日本で初めて天ぷら風の揚げ料理が登場しました。
京都でも同様の料理は出現しましたが、京都では、付け揚げと呼ばれていました。その京都では、しばらくしてごま油に代わり、大量に生産されるようになった菜種油が全盛となります。あっさり味が好まれた京都では、軽い味わいの菜種油が瞬く間に主流となりました。一方、江戸では濃い香りとコクが選ばれ、ごま油が主流のままでした。この傾向は現代にも引き継がれ、揚げ油は関東ではごま油が主体で、関西ではサラダ油が中心です。そのため、関東の天ぷらは色が濃く、関西は薄くなります。
天ぷらと呼ばれ始めたのは、1770年代と言われています。この頃から、江戸及び京都ともに常設の天ぷら屋台が増え始めました。
屋台では、串にさして揚げられた天ぷらが、皿に載せられて売られており、そのとなりに天つゆの入った大きな鉢と大根おろしを盛った器がありました。食べるときは立ったまま、好みの串を選んで、天つゆにつけ、大根おろしと一緒に口に入れます。これが後々串には刺されることがなくなり、箸でとって小皿に載せるようになりました。
屋台での立ち食いから始まった天ぷらは、あくまで庶民の食べる安価な食べ物です。そのため、身分の高い層には、社会的地位の低い者がたべるものと敬遠されてきました。
ところが、江戸時代も末期になると、高貴な層に合わせた贅沢な天ぷらが登場し、人気を集めはじめます。ひとつの例が金ぷらで、天ぷらに使用するには贅沢な油や鶏卵を使って黄金色に揚げたことから、この名前が付きました。金ぷら意外に銀ぷらもあり、こちらは卵の白身を使って作っていました。こうした贅沢な天ぷらは、屋台だけに留まらず、お座敷でも食べられていました。
しかし、お座敷での天ぷらには大きな欠点があります。お座敷が調理場と離れているため、揚げたてを食べることができません。そこで、出張天ぷらなるものが登場しました。原材料や衣、油、鍋などをお座敷に持ち込んで、目の前で揚げます。こうした高級天ぷらに人気が出る一方、屋台の天ぷらも庶民に愛され、明治時代になって天ぷらの人気は、盛隆を極めました。
外国人が連想する日本料理のひとつが、「テンプラ(Tempura)」です。かの喜劇王チャールズ・チャップリンも大の天ぷら好きで、来日した際に毎日のように天ぷらを食べていました。そして、「天ぷらは世界的な料理である。」という言葉を残して、日本を去っていきました。
東京の天ぷら店には、いくつかの流派があります。細かい流派の違いはともかく、ひと目でそれぞれの流派を見分ける方法は、天ぷら鍋です。とは言え天ぷら鍋自体に決定的な違いがあるわけではありません。
天ぷら店では、天ぷらを手際よく揚げるために天ぷら鍋をある一定の方向に傾けて使っていることが多く、その傾け方に違いがあります。
流派のひとつ「銀座流」は、鍋の手前を高くし、もうひとつの「浅草流」は、逆に手前を低くします。なお、どちらにも開祖は存在せず、銀座流と浅草流でなぜ方法が異なるのかを調べるすべはありません。
江戸時代には魚河岸がつくられ、その脇で仕入れた魚介類に衣をつけて、立ち食いで提供する店が出始めました。これが天ぷらの始まりですが、当時はごま揚げと呼ばれていました。ごま揚げの所以は、単純にごま油で揚げられていたからです。
天ぷらと呼ばれ始めたのは、1770年代と言われています。この頃から、江戸及び京都ともに常設の天ぷら屋台が増え始めました。当時屋台では、串にさして揚げられた天ぷらが、皿に載せられて売られており、食べるときは立ったまま、好みの串を選んで、天つゆにつけ、大根おろしと一緒に口に入れます。
江戸時代も末期になると、身分の高い層に向けて、鶏卵や卵の白身を使った贅沢な天ぷらが登場し、人気を集めはじめます。こうした贅沢な天ぷらは、屋台だけに留まらず、お座敷でも食べられていました。
現代の東京の天ぷら店には、いくつかの流派があります。流派のひとつ「銀座流」は、鍋の手前を高くし、もうひとつの「浅草流」は、逆に手前を低くします。
2020年09月24日
【好き嫌いあり】台湾に香るハーブとスパイス
台湾に出張するとなると必ず屋台が並ぶ夜市に足を運びます。歩いているだけも楽しい夜市の屋台には、さまざまな料理が並び食欲が刺激される香りが立ち込めています。この香りの由来のひとつは、特徴的なスパイスやハーブです。
八角は、中国南部からベトナム北東部原産のトウシキミという常緑高木の果実を乾燥させたものです。8個の袋果が星状に配置されているところから名づけられました。
独特の香りから、好き嫌いが大きく分かれるスパイスです。香りの主成分は、ウイキョウやアニスと同じアネトールで、肉や魚の生臭さを消す効果があり、ほのかな甘さや苦みのある風味が特徴です。台湾でも人気が高く、中国杭州の名物料理でもある東坡肉(トンポーロー)をはじめ、北京ダックにもアクセントとして用いられます。
台湾の中でも屋台が並ぶ夜市で、訪れたら一度は食べておきたい料理は、魯肉飯(ルーローハン)です。魯肉飯(ルーローハン)は、豚肉を刻んでショウガやにんにく、八角などのスパイスとともに甘辛く煮込んだ肉そぼろを煮汁とともにご飯にかけた逸品です。こってりとした豚の脂と甘辛い煮汁が染み込んだご飯の美味しさは、一度食べたら忘れられません。店によって、使用する豚肉の部位に特徴があり、バラ肉中心の濃厚な風味から、赤身中心の淡泊であっさりした風味などさまざまです。ご飯にかける煮汁は、つゆだくもあれば、わずかにご飯に絡む程度とバリエーション豊かです。 しかも、とてもリーズナブルです。
また、ご飯の上に揚げた排骨(骨付きばら肉)をのせた排骨飯(パイコーハン)にも、八角は使用されています。
台湾料理でもよく使われるハーブの香菜(シャンツァイ)は、地中海東部原産とされるセリ科の一年草で、タイではパクチーと呼ばれます。香菜は主に生の状態を指し、乾燥させた実はスパイスのコリアンダーです。
香菜はとてもクセある強い香りをもち、好き嫌いがはっきりとわかれますが、台湾やタイにおいては、食欲増進や消化促進のほか、栄養価も評価され、さまざまな料理に使用されています。ビタミン類は豊富で、肌の健康維持に役立つβ-カロテンや活性酸素の働きを抑える抗酸化作用を持つビタミンE、高い抗酸化作用に加え、皮膚のコラーゲンの合成に必要となるビタミンCなどを含んでいます。また、香菜の香気成分ゲラニオールは、バラに似た芳香で、抗菌作用や防虫効果が報告されています。
台湾では、肉料理や魚料理をはじめ、めん類、スープ類、更にはデザートにも用いられています。
台湾で食べるグルメで外せないのが、鶏肉飯(ジーローハン)です。白いご飯の上に柔らかく炊いた鶏の胸肉をほぐしてのせ、その上から鶏のダシや豚の脂などのタレをかけたシンプルなメニューです。新鮮な鶏のうま味とタレの風味だけで味の良し悪しが決まるというシンプルながらも奥が深い一品です。この鶏肉飯(ジーローハン)に香菜が添えられていることもあります。
台湾原住民族のタイヤル族は、主に台湾中北部山間部に居住し、台湾原住民族のなかで最も分布範囲が広い部族です。人口はおおよそ9万人です。
タイヤル族の男性は勇敢で狩猟に長け、女性は布織りの技術が優れていることで有名です。以前は、成人となった証に入れ墨を男女共に顔に彫る風習があり、タイヤル族の伝統的な考えからすると、顔面に入れ墨が彫られていないことは、非常に恥ずかしいことだとされていました。入れ墨を彫る痛みに耐えることができた者こそが、成人という証であったからです。
このタイヤル族が、古来より長らく愛用してきたスパイスが、馬告(マーガオ)です。見た目は黒胡椒にそっくりで、山椒のようにピリッとした刺激のある辛味とかすかな苦味があり、強烈なレモングラスの香りを放ちます。
一度味わうとやみつきになり、近年台湾ではさまざまな料理に使われ人気が高まっています。生育条件が限られており、一粒一粒人の手によって収穫されるため、希少性の高い香辛料です。
馬告(マーガオ)は、抗菌作用や抗炎症作用 、鎮痛作用のあるシトラール、抗菌作用や免疫機能の向上 、睡眠導入効果のあるリモネン、抗菌作用や防虫効果のあるゲラニオールという成分を含んでいます。
肉料理や魚料理をはじめ、パスタ、ピザ、ラーメン、サラダなどさまざまな料理に合う万能なスパイスです。
歩いているだけも楽しい台湾の夜市の屋台には、さまざまな料理が並び食欲が刺激される香りが立ち込めています。この香りの由来のひとつは、特徴的なスパイスやハーブです。
八角も独特の香りから、好き嫌いが大きく分かれるスパイスです。肉や魚の生臭さを消す効果があり、ほのかな甘さや苦みがあります。屋台で一番人気の魯肉魯肉飯(ルーローハン)や排骨飯(パイコーハン)に使われています。
台湾料理でよく使われるハーブの香菜(シャンツァイ)は、とてもクセある強い香りをもち、好き嫌いがはっきりとわかれますが、台湾やタイにおいては、食欲増進や消化促進のほか、栄養価も評価され、肉料理や魚料理をはじめ、めん類、スープ類、更にはデザートにも用いられています。
馬告(マーガオ)は、見た目は黒胡椒にそっくりで、山椒のようにピリッとした刺激のある辛味とかすかな苦味があり、強烈なレモングラスの香りを放ちます。近年台湾ではさまざまな料理に使われ人気が高まっています。生育条件が限られており、一粒一粒人の手によって収穫されるため、希少性の高い香辛料です。肉料理や魚料理をはじめ、パスタ、ピザ、ラーメン、サラダなどさまざまな料理に合う万能なスパイスです。
台湾に訪れた際は、香菜(シャンツァイ)や八角、馬告(マーガオ)を使用した料理を楽しんでみてはいかがでしょうか。
2020年09月23日
【意外と知らない】植物が生み出す話題のポリフェノール
「今までポリフェノールという言葉は聞いたことがあるけれど、どのような働きがあるのかわからない。」、「日々の食生活において、どのような食品にどのようなポリフェノールがふくまれているのか知りたい。」、「健康を維持するためにポリフェノールを積極的に摂取したい。」といったことがあるかもしれません。
ポリフェノールは、ほとんどの植物に存在する苦味や渋味、色素の成分で、有害な活性酸素を除去する抗酸化作用をはじめ、体にとって有用なさまざまな機能を持っています。
「ポリフェノールは、体にいいと言われているけど、どういった効果があるかわからない。」といったような疑問は、ありませんか。
ポリフェノールは、ほとんどの植物に存在する苦味や渋味、色素の成分で、自然界から8,000種類以上が確認されています。ポリフェノールは、紫外線や害虫から身を守るためだけでなく、抗酸化作用などを有し、有害な活性酸素などを除去する性質があります。植物はこのような有害物質から身を守るために、ポリフェノールを生産していると考えられています。植物にとっては、自身を守るために作り出した成分となりますが、人の体にとっても好ましい影響を与えてくれます。
ポリフェノールは、ビタミンCやビタミンEと同様に強い抗酸化作用があります。人はエネルギーを生産する際に酸素が必要となりますが、取り込んだ酸素のおおよそ2〜3%が活性酸素になります。紫外線を浴びることや、ストレスを感じることでも活性酸素が発生します。活性酸素は、微量であれば細菌やウイルスなどを死滅させることで、体に有用な働きをしますが、大量に生成されると過酸化脂質を作り出し、動脈硬化や老化、免疫機能の低下などを引き起こします。ポリフェノールは、この活性酸素を除去する働きが報告されています。
代表的なポリフェノールは、ブルーベリーに含まれるアントシアニンやお茶に含まれるカテキン、チョコレートなどに含まれるカカオポリフェノール、そばのルチン、大豆のイソフラボン、そばのルチン、ウコンのクルクミン、米ぬかのフェルラ酸、コーヒーのクロロゲン酸、玉ねぎ外皮に含まれるケルセチン、サンタベリーや赤ワインに含まれるレスベラトロール、ごまのセサミノールなどがあります。
日常の食生活において、さまざまな食品から摂取しています。
ポリフェノールは化学構造の違いによって、さまざまな種類があり、人への効果も多種多様です。代表的なポリフェノールは、以下のようなものがあります。普段の食生活から、日常的にさまざまポリフェノールを摂取し、健康の維持に寄与しています。
植物の持つアントシアニンは、紫外線によるダメージから自らを守るという働きがあり、人間でいうメラニンの役割を果たしています。メラニン色素によって肌を黒くすることで、細胞の損傷を防ぎます。
自然界にはさまざまな種類のアントシアニンが存在しており、種類は500以上にものぼるといわれています。アントシアニンは、pHや温度などの条件によって、色調に変化が現れます。食品メーカーでは、加工食品の着色に使用しています。さらに昨今では、その抗酸化力に注目が集まり、視機能の向上や肝機能の改善、メタボリックシンドローム、血糖値上昇の抑制効果など、アントシアニンがもたらす様々な生理機能や効果が明らかになり、アントシアニンが広く認知、使用されるようになってきています。
網膜にあるロドプシンというたんぱく質は、アントシアニンによって再合成が促され、目の機能の改善が期待されます。視覚は、対象物を光の情報として捉え信号化し、その信号を脳に伝えて像として認識します。この信号を脳に伝えるのが、目の網膜にあるロドプシンと呼ばれるたんぱく質です。このロドプシンは、光によって分解されます。新たな光の情報を得るためには、再合成され、もとの状態に戻るといった一連の流れが繰り返し行われています。しかしながら、長時間目を使い続けることによって、ロドプシンの再合成が不十分となることがあります。アントシアニンは、ロドプシンの再合成を促進する働きがあることが報告されています。
アントシアニンには、内臓脂肪の蓄積を抑え、メタボリックシンドロームを予防する効果も期待されています。食べすぎや運動不足といった生活習慣などによって、高血圧や糖尿病、動脈硬化など、さまざまな生活習慣病の要因となります。動物による実験結果から、アントシアニンには、このメタボリックシンドロームへの予防効果があるという研究結果が発表されています。
アントシアニンは、ブルーベリーやビルベリー、ナス、ぶどう、紫キャベツ、紫玉ねぎなど青紫や黒色の食材に含まれています。
なお、アントシアニンは、体内に吸収されると24時間以内に尿と一緒に体外へ排出されます。
お茶に多く含まれるのポリフェノールは、カテキン類です。お茶に特有の渋味や苦味をもたらし、お茶の味を決める要素です。お茶に含まれるカテキン類は、主にエピカテキン(EC)、エピカテキンガレート(ECg)、エピガロカテキン(EGC)、エピガロカテキンガレート(EGCg)の4種類です。エピカテキンとエピガロカテキンは苦味、エピカテキンガレートとエピガロカテキンガレートは強い苦味と渋味を呈します。
カテキンの原材料になるのは、お茶のうま味成分テアニンです。テアニンを含む葉が、光合成を行うことでテアニンが分解され、カテキンが生成されます。そのため、被覆栽培により光合成を制御した玉露などは、カテキンが少な目でテアニンが多くなることから、うま味の強いお茶になります。
カテキンには、活性酸素を除去する働きのほか、ウイルスが細胞に付着することを阻害する作用、食中毒菌やむし歯の原因となるミュータンス菌などの増殖を抑える抗菌作用、悪玉コレステロールの吸収を抑え排出を促す作用、腸内から糖質の吸収をおだやかにする作用、 一定量を継続摂取することで、肝臓での脂質代謝及びエネルギー消費が高まり、体脂肪を減少させ、肥満を予防する効果が報告されています。
チョコレートなどに含まれるカカオポリフェノールには、血管を広げ血圧を低下させる作用や血流が良くなることによる冷え性の改善、悪玉コレステロールの酸化を抑え、善玉コレステロールを増加させ、動脈硬化を予防する作用、活性酸素除去作用、アレルゲンに対して抗体がつくられることと肥満細胞からヒスタミンが放出されるのを防ぎ、アレルギーの発症を妨げる作用が報告されています。
そばなどに含まれるルチンは、抗酸化作用をもつポリフェノールで、毛細血管の弾力性を保持し、血流が良くなり、動脈硬化や高血圧といった生活習慣病の予防に役立ちます。また、細菌などの侵入を防ぎ、ビタミンCの吸収を助ける効果も報告されています。
クルクミンは、ウコンに含まれているポリフェノールで、黄色の天然色素です。クルクミンは、鮮やかな黄色となり、植物性の天然色素として、たくあんや水産練り製品などに色素として用いられています。
クルクミンには、肝臓から分泌される消化液である胆汁の分泌を促進し、肝臓の解毒機能を向上させる作用や胃の働きを維持する作用があります。また、クルクミンは、ポリフェノールに共通している強力な抗酸化作用を持っているため、免疫機能の向上や生活習慣病の予防などにも効果的とされています。
また、クルクミンを摂取することで胆汁の分泌が促進されることにより、アルコールを分解する過程で生成する悪酔いなどの原因物質であるアセトアルデヒドの代謝が促進されるため、悪酔いや二日酔いの予防に効果的であるといわれています。
クルクミンは、カレーなどに多く含まれています。
大豆イソフラボンは、抗酸化作用を持ち、女性ホルモンのエストロゲンに似た働きをする成分です。大豆イソフラボンを摂取することで、更年期症状が緩和されることや生活習慣などに起因する糖尿病の改善、骨粗鬆症の予防、脂質代謝の改善などに有効と言われています。
イソフラボンは、マメ科植物に含まれています。多く含む食品としては、大豆や豆腐、納豆、味噌などの大豆製品です。
なお、日常の食生活の中で大豆製品を食べている分には、大豆イソフラボンの過剰摂取の心配はないものの、サプリメントなどによる過剰摂取には注意が必要とされています。
フェルラ酸は、抗酸化作用や紫外線吸収機能が認められ、食品や化粧品などの原材料として使用されています。
食品では、酸化防止剤として、抹茶の退色防止やグリーンピースの色調保持などに用いられます。フェルラ酸は、食品添加物リストにも登録され、フェルラ酸が含まれるγ-オリザノールや米ぬか抽出物も同様に酸化防止剤となります。
また、昨今の研究によるとフェルラ酸は、脳細胞保護作用があることで、学習記憶向上作用が期待されています。
玄米などに多く含まれています。
クロロゲン酸は、主にコーヒー豆に多く含まれており、強い抗酸化作用があります。また、クロロゲン酸は、脂肪の蓄積を抑える効果などが知られており、肥満の予防に寄与することが報告されています。
コーヒー豆をはじめ、さつまいもやじゃがいも、ごぼうに含まれています。
レスベラトロールは、サンタベリーやブドウ、ピーナッツの渋皮、赤ワインなどに含まれています。レスベラトロールを摂取することで、細胞の酸化を防ぎ、肌の弾力を改善するなどの効果が期待されています。その他に、血流の改善や血糖のコントロールなどに働くことで知られ、生活習慣病の予防にも効果的だといわれています。
なお、厚生労働省による食事摂取基準において、ポリフェノールの摂取量は定められておりません。
「今までポリフェノールという言葉は聞いたことがあるけれど、どのような働きがあるのかわからない。」、「日々の食生活において、どのような食品にどのようなポリフェノールがふくまれているのか知りたい。」、「健康を維持するために抗酸化作用をはじめとして、さまざまな機能を有するポリフェノールを積極的に摂取したい。」といったことがあるかもしれません。私自身も同じように感じています。
そのようなときは、専門家の意見や経験者の体験談を参考にします。私は、20年前後食品メーカーの製品開発職に在籍し、仕事柄あらゆるジャンルの食品を食べ、食品の製品開発に活かしています。食品を製造する過程で生じる副産物を有効利用するため、副産物からポリフェノールを抽出し、抗酸化性を分析の上、確かに高い抗酸化作用が認められました。ポリフェノールは、苦味や渋味を呈しますが、体にとってさまざまな有用な働きがあるため、普段の食生活からも十分に摂取することは可能ですが、健康維持のため、意識して摂取することも必要かもしれません。
ポリフェノールは、ほとんどの植物に存在する苦味や渋味、色素の成分で、自然界から8,000種類以上が確認されています。ポリフェノールは、抗酸化作用などを有し、有害な活性酸素などを除去する性質があります。植物はこのような有害物質から身を守るために、ポリフェノールを生産していると考えられています。植物にとっては、自身を守るために作り出した成分となりますが、人の体にとっても好ましい影響を与えてくれます。
人はエネルギーを生産する際に酸素が必要となりますが、取り込んだ酸素のおおよそ2〜3%が活性酸素になります。活性酸素は、過剰に発生することで正常な細胞を傷つけ、老化やさまざまな病気を引き起こします。ポリフェノールは、この活性酸素を除去する働きが報告されています。
代表的なポリフェノールとしては、ブルーベリーに含まれるアントシアニンやお茶に含まれるカテキン、チョコレートなどに含まれるカカオポリフェノール、そばのルチン、大豆のイソフラボン、そばのルチン、ウコンのクルクミン、米ぬかのフェルラ酸、コーヒーのクロロゲン酸、サンタベリーや赤ワインに含まれるレスベラトロールなどがあります。
ポリフェノールは、体にとってさまざまな有用な働きがあるため、普段の食生活からも十分に摂取することは可能ですが、健康維持のため、意識して摂取することを心がけてみてはいかがでしょうか。
2020年09月22日
【トロピカル】世界3大フルーツ
世界3大フルーツ は、「マンゴー」、「マンゴスチン」、「チェリモヤ」です。
マンゴーは、さまざまな産地や品種があり、世界では500種類前後のマンゴーが存在しているといわれています。マンゴーは東南アジアやメキシコ、ブラジル、オーストラリアなどを中心に温かい地域で栽培されています。日本国内の産地は、沖縄県や宮崎県、鹿児島県です。国内産マンゴーの多くは、アーウィン種のアップルマンゴーです。果実は450g前後の卵形で、果皮がリンゴのように赤く染まります。果肉はオレンジ色で、果汁を多く含んでいてなめらかな食感があり、甘味の中に適度な酸味を有する濃厚な味わいです。特に自然落下させて収穫する完熟マンゴーは甘味が強く、品質が高く評価されています。
マンゴスチンは、タイやフィリピン、インドネシア、マレーシアなどで栽培されており、中でもタイはその栽培条件から世界一のマンゴスチンの生産量を誇っています。マンゴスチンは、果物の女王ともいわれています。
チェリモヤは、アメリカや南米をはじめ、台湾やオーストラリア、ニュージーランドなどで生産されています。チェリモヤは、バニラアイスのような風味があり、森のアイスクリームといわれる緑色の果実です。
ウルシ科マンゴー属のマンゴーの国産品の旬は、盛夏の7〜8月です。大きく分けるとフィリピン産のカラバオ種のイエローマンゴーと、メキシコ産や国産のアーウィン種のアップルマンゴーがあります。カラバオ種のイエローマンゴーは、クセが少なく、甘くてジューシーな味わいです。スーパーなどで一般的に売られているのは、その大半がこのイエローマンゴーになります。
一方、沖縄や宮崎、鹿児島で生産されているアップルマンゴーは、大型で肉厚です。高級フルーツとして扱われ、贈答用としても人気です。
甘くて濃厚なマンゴーは、生で食べることはもちろん、飲料やドライフルーツ、プリン、アイスクリームなどにも加工され、食卓に並びます。
マンゴーは、β-カロテンやビタミンCなどを豊富に含んでいます。マンゴーは、常温で完熟になるまで待つ期間が必要となり、β-カロテンは完熟すると含有量が増加します。β-カロテンは、体内でビタミンAに変換されます。ビタミンAは、皮膚のうるおいを保持して乾燥を防いだり、目や口、のどの粘膜を強化する働きがあります。ビタミンCは、抗酸化作用をはじめ、体内のコラーゲンの合成に関与します。
オトギリソウ科フクギ属のマンゴスチンは、5〜8月が旬となり、上品な甘さとほのかな酸味のバランスに優れクリーミーで、口当たりがよく、香りが芳醇なため、果物の女王と称されています。果実は直径5〜7cmほどで、外側は赤紫色でかたい皮に覆われ、果肉はライチのような乳白色で、みかんやにんにくのように複数個に分かれています。
マンゴスチンはマレー半島原産です。高温多湿の熱帯気候を好み、東南アジアでは古くから栽培されていますが、日本では気候などの関係で栽培に適さず、タイなどから輸入されます。しかしながら、日持ちが非常に悪く生鮮果実は、産地のタイ国内などでないとなかなか食べることができませんでした。そのため、以前は植物検疫法の関係もあり、冷凍品に限られていましたが、殺菌及び殺虫のための蒸熱処理工程の確立や物流システムなどの進歩もあり、出回るようになりました。
マンゴスチンは花を咲かせますが、花粉がつくられません。そのため、繁殖はこの不定胚により行われます。植物の細胞を特定の条件で培養することで、受精胚と同様の構造をした不定胚ができます。不定胚は、 受精胚と同様に芽や根が成長します。このことから、世界中で栽培されているマンゴスチンは同一品種であると考えられています。
バンレイシ科バンレイシ属のチェリモヤの原産地は、南米のペルーやエクアドルで、主に亜熱帯気候の標高1000 〜2000mの涼しい高地で栽培されています。
直径10 〜15cm程でウロコのような外見からは想像できませんが、森のアイスクリームともいわれる果肉は、甘さの中にわずかに酸味を有し、濃厚でクリーミーな味わいで、食感は柔らかく、バニラアイスに似た風味があります。
チェリモヤは、追熟前の緑色の外皮が茶色あるいは黒く熟さないうちに食べると青臭く、熟し過ぎると果肉の白さを失って茶褐色になります。ほのかに甘い香りがするようになると食べ頃です。リンゴのように芯があるのでその部分を取り除き、スプーンですくって食べます。
日本には主にアメリカのカリフォルニア産などの輸入品が出回っており、旬は12〜6月です。一部国内でも栽培が行われています。
世界3大フルーツ は、「マンゴー」、「マンゴスチン」、「チェリモヤ」です。
ウルシ科マンゴー属のマンゴーの国産品の旬は、盛夏の7〜8月です。大きく分けるとフィリピン産のカラバオ種のイエローマンゴーと、メキシコ産や国産のアーウィン種のアップルマンゴーがあります。沖縄や宮崎、鹿児島で生産されているアップルマンゴーは、大型で肉厚です。高級フルーツとして扱われ、贈答用としても人気です。甘くて濃厚なマンゴーは、生で食べることはもちろん、飲料やドライフルーツ、プリン、アイスクリームなどにも加工され、食卓に並びます。
オトギリソウ科フクギ属のマンゴスチンは、5〜8月が旬となり、上品な甘さとほのかな酸味のバランスに優れクリーミーで、口当たりがよく、香りが芳醇なため、果物の女王と称されています。マンゴスチンはマレー半島原産で、高温多湿の熱帯気候を好み、タイなどから輸入されます。
バンレイシ科バンレイシ属のチェリモヤの原産地は、南米のペルーやエクアドルで、主に亜熱帯気候の標高1000 〜2000mの涼しい高地で栽培されています。直径10 〜15cm程でウロコのような皮に覆われ、森のアイスクリームともいわれる果肉は、甘さの中にわずかに酸味を有し、濃厚でクリーミーな味わいで、食感は柔らかく、バニラアイスに似た風味があります。
贈答用や家庭用に世界3大フルーツはいかがでしょうか。
2020年09月21日
【頼もしい】各都道府県にある食品の研究機関
食品の製品開発を行う際に設備がなく、どうしようかと途方に暮れることもあるかもしれません。
しかし、各都道府県には、このような悩みや抱えている課題をサポートしてくれる研究機関があります。装置の使い方が分からなくても、技術に精通した担当者が丁寧に指導してくれます。
私は食品メーカーの製品開発に20年程従事し、自社の設備では到底できない製品の開発をこのような研究機関のサポートにより、実現しました。
「食品分野で新たに新製品を開発してみたい。」、「アイデアはあるけれどどのようにして、新たな製品を開発すればいいのかわからない。」、「新製品や既存製品の成分を分析してみたい。」といったような悩みは、ありませんか。
各都道府県には、このような悩みや抱えている課題をサポートしてくれる研究機関があります。事前に申し込めば、格安で加工する装置や分析機器を借りることができ、製品開発の一助となることは、間違いありません。
装置の使い方が分からなくても、技術に精通した担当者が丁寧に指導や加工におけるアドバイスをしてくれます。とても頼もしい機関です。
そのため、社内で有している設備にこだわることなく、幅広い製品開発が実現するかもしれません。
東京都には、公益財団法人東京都農林水産振興財団が所管する東京都立食品技術センターがあります。開放試験室には各種機器を設置しており、気軽に相談の上、事前予約を行い、格安で機器を利用することができます。
設置機器は、以下の通りです。
・赤外線水分計
赤外線水分計は、熱源と温度センサー、荷重計、演算機能の4つの要素で構成されています。一般的な食品の水分測定法となる常圧加熱乾燥法と同じ原理となる赤外線水分計は、試料の水分を効率良く蒸発させる波長域の赤外線を放射するため、乾燥時間が大幅に短縮されます。固体や液体、ペースト状の試料の水分を測定することができます。使用料金は、1時間で290円です。
・分光光度計
物質特有の色調や濃さを標準物質と比較する比色法は、古くから行われてきましたが、肉眼によるため誤差が大きく、測定範囲も限られるため。分光光度計が、物質の濃度測定に広く用いられています。分光光度計は、光源、分光器、吸収部、検知器などで構成されます。使用料金は、1時間で320円です。
・pHメーター
pHメーターは溶液中のpHを測るための装置で、pHとは溶液中の酸性・アルカリ(塩基)性の度合いを数値化したものであり、0〜7までを酸性、7〜8を中性、8〜14をアルカリ性とします。
pHメーターにはガラス電極と比較電極が存在し、ガラス電極は電極をガラス薄膜で覆ったもので、中はpH7.0に調整した塩化カリウムで満たされています。
pHメーターはその溶液のpHを求める際に使われますが、特定のpHに調整したい場合にも使われます。いずれにしても、その溶液に電極を浸けるだけで、自動的にpHの値を計算してくれます。1時間当たり280円です。
・電子はかり
質量を測定するはかりです。1時間当たり330円です。
・高圧滅菌器
高圧滅菌器は、加圧によって水の沸点を上昇させ、高温の蒸気で加熱滅菌を行う装置です。オートクレーブとも呼ばれます。一般的には、121℃で15〜20分間の加熱滅菌処理を行います。1時間当たり340円です。
・乾熱滅菌器
乾熱滅菌を行う装置で、ほとんどは電気式オーブンです。乾熱滅菌は、ガラス製や磁製、金属製など耐熱性の高い材質のもの、油脂、固形の医薬品など熱に安定なものが適しています。160 〜 170℃で 120分間あるいは180 〜 190℃で 30分間の滅菌処理を行います。1時間当たり340円です。
・B型粘度計
B型粘度計とは、流体の粘性率を測定する機器です。アナログタイプのB型粘度計とデジタルタイプのB型粘度計があります。1時間当たり340円です。
・減圧乾燥機
減圧下で乾燥する装置です。気圧が下がると空気中の水蒸気分圧が下がり、水分の沸点が低下し、蒸発速度が加速され、製品を乾燥することができます。乾燥時の圧力は、一般的に0.0296〜0.059気圧で、水の沸点は25〜30℃となります。減圧乾燥は、バッチ式となります。1時間当たり270円です。
・ビタミンC計
鉄イオンのFe3+からFe2+への還元を利用してビタミンCを定量する装置や製品に浸すだけでビタミンCを検出するビタミンC試験紙などがあります。1時間当たり310円です。
・糖度計
糖度の値として広く採用されているBrix(ブリックス)値は、糖以外に水に溶け込んでいる物質も計測されます。そのため、糖度は正確には、水に溶け込んでいる固形分の濃度となります。1時間当たり200円です。
・色差計
色を数値化する際に用いられるのが色差計です。製品に反射した光を赤と緑と青という3色に分けて、数値化する測定機器です。1時間当たり340円です。
・恒温器
長時間一定温度に保つことができる装置です。主に内部の温度を一定に保つため、周囲環境からの温度変化の影響を防ぐことができる構造になっています。1時間当たり110円です。
・クリーンブース
クリーンブースとは、ホコリや塵、異物などを極力排除し、一定の清浄度を保った空間、及びそれを保つための装置です。主にコンタミネーションを防ぐ目的で使用します。空調や壁などで部屋全体を清浄空間にするクリーンルームとは違い、クリーンブースは支柱とビニールシートで空間を仕切り、その内部でフィルタを使って清浄な空気を循環させ、清浄度を保っています。1時間当たり150円です。
・粉砕機
ある大きさの固体に何らかのエネルギーを加え、小さくする操作のことを粉砕といいます。円板式やローラー式、シリンダー式、衝撃式、ジェット式、高速回転式などの粉砕機があります。1時間当たり160円です。
・クリーンベンチ
クリーンベンチは、ゴミやホコリ、浮遊微生物などの混入を防ぐために、一定の清浄度レベルになるように管理された囲いの付いた作業台です。 フィルタを通した清浄空気が直接流れるようにすることで、清浄度の低い室内で局所的に高い清浄度をつくり出すことができます。1時間当たり220円です。
・水分活性測定器
水分活性とは、食品中の自由水の割合を表す数値で、食品の保存性の指標とされます。食品中にはたんぱく質等と結合した結合水と移動が容易な自由水が含まれ、食品中で微生物が繁殖するには、適切な量の自由水が存在することが不可欠です。食品中の水分活性を低下させる加工を行った場合、微生物の繁殖を抑制できます。微生物の繁殖可能な水分活性としては、一般的な食中毒菌で0.900以上、乾燥や塩分に耐性を持つものでも0.800以上、0.600以下になれば全ての微生物は繁殖が不可能になります。水分活性の測定には、重量平衡法や蒸気圧法が用いられます。1時間当たり330円です。
・レトルト殺菌機
レトルト殺菌機を使用することによって、高温高圧下で殺菌を行うことができます。レトルト殺菌の一般的な条件は、120℃で30〜60分です。釜内に蒸気などを導入し、殺菌します。1時間当たり330円です。
・味覚センサー
味覚を数値で表すことができる装置です。原理としては、甘味やうま味、酸味、苦味、塩味といった味物質の濃度がセンサーによって検出され、次にその味物質の濃度がすでに学習させている各濃度に対応する人の官能評価のデータと照らし合わされ、最終的に人の舌で感じられる味の強さとしての数値が導き出されます。
・アミノ酸アナライザー
食品に含まれるたんぱく質を構成するアミノ酸や遊離しているアミノ酸を短時間で分析できる全自動アミノ酸分析器です。
・原子吸光光度計
食品に含まれるミネラルの分析には,原子吸光分光光度計が用いられます。
・電子顕微鏡
通常の光学顕微鏡では、観察したい対象に可視光線をあてて拡大するのに対し、光の代わりに電子線をあてて拡大する顕微鏡です。電子顕微鏡は、食品のミクロな構造を観察する際に用います。
・ジャーファーメンター
微生物の培養に用いる装置です。温度や通気量、撹拌速度、pHなどといった微生物の培養に必要な条件を一定に保つことができます。最大培養量は50〜100L程度です。
あいち産業科学総合センターでは下記装置を貸し出しています。
・真空包装機
真空包装機は、真空でパックするための装置です。 真空パックすることにより鮮度、美味しさを保ったまま保存期間を大幅に延ばすなどの効果があります。1時間当たり200円です。
・蒸練機
米粉などと水を混合し、アルファ化するまで蒸し上げる装置です。1時間当たり200円です。
・赤外線オーブン
赤外線の波長が、物質の分子の振動を活発にし、その摩擦により熱が発生することで、加熱する装置です。1時間当たり500円です。
・蒸し器
中華料理でおなじみのせいろのほか、ステンレス製の鍋や土鍋のようなものなど、さまざまな種類があります。1時間当たり500円です。
・スライサー
肉や魚介類などを薄く切断するための機械です。1時間当たり100円です。
・らいかい機
擦り混ぜる機械です。1時間当たり100円です。
・スモークハウス
乾燥や燻煙、排気、ボイル、庫内洗浄など燻製製品製造に必要な各工程に対応できる装置です。1時間当たり200円です。
・製麺機
文字通り製麺作業を行う機械です。手打ちより労力が少なく済み、安定した製麺作業を行うことができます。1時間当たり300円です。
・遠心分離機
遠心分離機は、遠心力を発生させて固体と液体を分離させることができます。また、水と油のように互いに混じりあわない比重の異なる液体と液体を分離させることができます。 1時間当たり200円です。
長野県工業技術総合センターでは下記装置を貸し出しています。
・超臨界流体抽出装置
超臨界流体抽出装置は、超臨界ガスを利用して天然物質より有効成分を抽出することができます。溶媒として2酸化炭素を用います。
・ホモジナイザー
ホモジナイザーは、乳化する機械を指します。牛乳の様な水と油の乳濁液(エマルション)の粒子を小さくして均一に分散させることが可能です。せん断力やキャビテーション、衝突作用を用いて乳化させます。
・シャープレス
遠心分離機です。固液分離や油の除去に用います。
・限外ろ過装置
限外ろ過装置は、1 nm〜0.05 μm程度までの液体中に含まれる物質を分子レベルで分離、濃縮、精製することができます。たんぱく質やウィルスを捕捉し、糖やアミノ酸、塩を透過させます。
・通電加熱装置
食品に通電し、食品自体の発熱により加熱するので、均一な加熱が可能です。
・凍結真空乾燥設備
マイナス数十℃で食品を乾燥させる装置です。
・高圧処理試験機
10,000気圧までかけられる装置で、非加熱での加工や殺菌が可能です。ただし、芽包菌は死滅しません。
・におい識別装置
半導体の電位の変化でにおいを測定します。
・ESR
ESRとは、Electron Spin Resonanceの頭文字をとったもので 電子スピンの磁気共鳴のことを指します。ESR は、電子そのものの振舞を観察して、電子の置かれている 環境を同定することで、様々な現象を解明する方法です。 フリーラジカルなどの測定に使用します。
・DNA解析装置
核酸分子配列情報を解析することができます。
・ガスクロマトグラフィー質量分析法(GC/MS)
ガスクロマトグラフィー質量分析法(GC/MS)は、分離した成分の検出に質量分析計を用いることで、質量情報から成分の定性及び定量を行うことができます。
・高速液体クロマトグラフィー(HPLC)
高速液体クロマトグラフィーとは、HPLC(High Performance Liquid Chromatography)とも呼ばれ、定性定量を行うために使用されるもっとも一般的な分析手法のひとつです。食品に含まれる複数の溶質成分を迅速かつ同時に定性定量することが可能で、分析値の再現性にも優れています。
静岡県工業技術研究所では下記装置を貸し出しています。
・スプレードライヤー
かつお節のだしなどの原液を瞬時に粉末化することが可能な乾燥装置です。 原液を乾燥室内のノズル(ノズル方式)またはディスク(アトマイザー方式)により微粒化し、連続して熱風を接触させることにより、乾燥させます。
・超微粒摩砕機
グラインダーのクリアランスで粒子の大きさを調節する装置です。湿式と乾式のどちらにも対応できます。
・電気透析装置
陽イオンと陰イオンを選択的に透過する膜の性質を利用し、脱塩や濃縮を行うこうができます。
・フローズンカッター
マイナス15℃前後の食品をカットする装置です。
・チョッパー
玉ねぎやにんにくなどの野菜をみじん切りにしたり、肉をミンチにする機械です。
・薄膜真空蒸発装置
遠心力で薄膜を形成し、水分を蒸発させる装置です。
・ドラムドライヤー
ドラムドライヤーは、回転するドラムの内部に蒸気を投入し、加熱されたドラムに液状原材料を供給し、蒸発を行うと同時にドラムの表面に薄膜状に付着させ、すみやかに乾燥を行い、ドラムが1回転する間に乾燥物は固定されたナイフで連続的にドラム表面より掻き取るという乾燥装置です。
・微粒摩砕機
超微粒化を可能にした摩砕機です。
・ニーダー
羽を回転させることにより、投入された原材料を混ぜ合わせる装置です。
・ブレンダー
粉末の原材料を混ぜ合わせる装置です。
・ジュール加熱装置
ポンプで供給できる粘性のある食品や固形物入りの食品を、短時間で連続加熱する装置です。
・急速冷凍機
食品を急速に凍らせることで最大氷結晶生成温度帯を高速で通過します。 そのため、食品内部の細胞組織の破壊とドリップを防ぐことができ、食品の鮮度や味、品質を最大限に保った上で長期保存が可能になります。
・シフター
底に金網を張った筒形の容器に、攪拌する羽が組み込まれた装置です。異物の除去などに用います。
・圧搾機
もろみなどを圧搾して酒と酒粕に分離するのに使用する機械です。
・PCR(polymerase chain reaction)装置
遺伝子を増幅させる装置です。
・塩基配列シーケンサー
DNA配列を解読する装置です。
・ケルダール装置
ケルダール法にて、食品に含まれる窒素の定量を行う装置です。
・ソックスレー装置
食品に含まれる粗脂肪を測定する装置です。このほかに食品メーカーでは酸分解法を用いて脂肪分を分析します。
・塩分分析計
食品に含まれる塩分を分析する装置です。このほかに食品メーカーではモール法を用いて塩分を分析します。
私は食品メーカーの製品開発に20年程従事しています。自社の設備では到底できない製品開発を行うこともあります。協力してもらえる工場はあるのに、ラボレベルでの試作や品質の検証ができない。そんなときは、各都道府県にある食品の研究機関に相談し、指導を仰ぎながら、製品化に取り組みます。
どこの研究機関に訪問しても、快く対応してもらえるので、とても助かっています。
食品の製品開発を行う際に設備がなく、どうしようかと途方に暮れることもあるかもしれません。
しかし、各都道府県には、このような悩みや抱えている課題をサポートしてくれる機関があります。事前に申し込めば、格安で加工する装置や分析機器を借りることができ、製品開発の一助となることは、間違いありません。
装置の使い方が分からなくても、技術に精通した担当者が丁寧に指導や加工におけるアドバイスをしてくれます。
製品開発の際に悩みごとがあれば、相談してみてはいかがしょうか。