2020年09月23日
【意外と知らない】植物が生み出す話題のポリフェノール
「今までポリフェノールという言葉は聞いたことがあるけれど、どのような働きがあるのかわからない。」、「日々の食生活において、どのような食品にどのようなポリフェノールがふくまれているのか知りたい。」、「健康を維持するためにポリフェノールを積極的に摂取したい。」といったことがあるかもしれません。
ポリフェノールは、ほとんどの植物に存在する苦味や渋味、色素の成分で、有害な活性酸素を除去する抗酸化作用をはじめ、体にとって有用なさまざまな機能を持っています。
「ポリフェノールは、体にいいと言われているけど、どういった効果があるかわからない。」といったような疑問は、ありませんか。
ポリフェノールは、ほとんどの植物に存在する苦味や渋味、色素の成分で、自然界から8,000種類以上が確認されています。ポリフェノールは、紫外線や害虫から身を守るためだけでなく、抗酸化作用などを有し、有害な活性酸素などを除去する性質があります。植物はこのような有害物質から身を守るために、ポリフェノールを生産していると考えられています。植物にとっては、自身を守るために作り出した成分となりますが、人の体にとっても好ましい影響を与えてくれます。
ポリフェノールは、ビタミンCやビタミンEと同様に強い抗酸化作用があります。人はエネルギーを生産する際に酸素が必要となりますが、取り込んだ酸素のおおよそ2〜3%が活性酸素になります。紫外線を浴びることや、ストレスを感じることでも活性酸素が発生します。活性酸素は、微量であれば細菌やウイルスなどを死滅させることで、体に有用な働きをしますが、大量に生成されると過酸化脂質を作り出し、動脈硬化や老化、免疫機能の低下などを引き起こします。ポリフェノールは、この活性酸素を除去する働きが報告されています。
代表的なポリフェノールは、ブルーベリーに含まれるアントシアニンやお茶に含まれるカテキン、チョコレートなどに含まれるカカオポリフェノール、そばのルチン、大豆のイソフラボン、そばのルチン、ウコンのクルクミン、米ぬかのフェルラ酸、コーヒーのクロロゲン酸、玉ねぎ外皮に含まれるケルセチン、サンタベリーや赤ワインに含まれるレスベラトロール、ごまのセサミノールなどがあります。
日常の食生活において、さまざまな食品から摂取しています。
ポリフェノールは化学構造の違いによって、さまざまな種類があり、人への効果も多種多様です。代表的なポリフェノールは、以下のようなものがあります。普段の食生活から、日常的にさまざまポリフェノールを摂取し、健康の維持に寄与しています。
植物の持つアントシアニンは、紫外線によるダメージから自らを守るという働きがあり、人間でいうメラニンの役割を果たしています。メラニン色素によって肌を黒くすることで、細胞の損傷を防ぎます。
自然界にはさまざまな種類のアントシアニンが存在しており、種類は500以上にものぼるといわれています。アントシアニンは、pHや温度などの条件によって、色調に変化が現れます。食品メーカーでは、加工食品の着色に使用しています。さらに昨今では、その抗酸化力に注目が集まり、視機能の向上や肝機能の改善、メタボリックシンドローム、血糖値上昇の抑制効果など、アントシアニンがもたらす様々な生理機能や効果が明らかになり、アントシアニンが広く認知、使用されるようになってきています。
網膜にあるロドプシンというたんぱく質は、アントシアニンによって再合成が促され、目の機能の改善が期待されます。視覚は、対象物を光の情報として捉え信号化し、その信号を脳に伝えて像として認識します。この信号を脳に伝えるのが、目の網膜にあるロドプシンと呼ばれるたんぱく質です。このロドプシンは、光によって分解されます。新たな光の情報を得るためには、再合成され、もとの状態に戻るといった一連の流れが繰り返し行われています。しかしながら、長時間目を使い続けることによって、ロドプシンの再合成が不十分となることがあります。アントシアニンは、ロドプシンの再合成を促進する働きがあることが報告されています。
アントシアニンには、内臓脂肪の蓄積を抑え、メタボリックシンドロームを予防する効果も期待されています。食べすぎや運動不足といった生活習慣などによって、高血圧や糖尿病、動脈硬化など、さまざまな生活習慣病の要因となります。動物による実験結果から、アントシアニンには、このメタボリックシンドロームへの予防効果があるという研究結果が発表されています。
アントシアニンは、ブルーベリーやビルベリー、ナス、ぶどう、紫キャベツ、紫玉ねぎなど青紫や黒色の食材に含まれています。
なお、アントシアニンは、体内に吸収されると24時間以内に尿と一緒に体外へ排出されます。
お茶に多く含まれるのポリフェノールは、カテキン類です。お茶に特有の渋味や苦味をもたらし、お茶の味を決める要素です。お茶に含まれるカテキン類は、主にエピカテキン(EC)、エピカテキンガレート(ECg)、エピガロカテキン(EGC)、エピガロカテキンガレート(EGCg)の4種類です。エピカテキンとエピガロカテキンは苦味、エピカテキンガレートとエピガロカテキンガレートは強い苦味と渋味を呈します。
カテキンの原材料になるのは、お茶のうま味成分テアニンです。テアニンを含む葉が、光合成を行うことでテアニンが分解され、カテキンが生成されます。そのため、被覆栽培により光合成を制御した玉露などは、カテキンが少な目でテアニンが多くなることから、うま味の強いお茶になります。
カテキンには、活性酸素を除去する働きのほか、ウイルスが細胞に付着することを阻害する作用、食中毒菌やむし歯の原因となるミュータンス菌などの増殖を抑える抗菌作用、悪玉コレステロールの吸収を抑え排出を促す作用、腸内から糖質の吸収をおだやかにする作用、 一定量を継続摂取することで、肝臓での脂質代謝及びエネルギー消費が高まり、体脂肪を減少させ、肥満を予防する効果が報告されています。
チョコレートなどに含まれるカカオポリフェノールには、血管を広げ血圧を低下させる作用や血流が良くなることによる冷え性の改善、悪玉コレステロールの酸化を抑え、善玉コレステロールを増加させ、動脈硬化を予防する作用、活性酸素除去作用、アレルゲンに対して抗体がつくられることと肥満細胞からヒスタミンが放出されるのを防ぎ、アレルギーの発症を妨げる作用が報告されています。
そばなどに含まれるルチンは、抗酸化作用をもつポリフェノールで、毛細血管の弾力性を保持し、血流が良くなり、動脈硬化や高血圧といった生活習慣病の予防に役立ちます。また、細菌などの侵入を防ぎ、ビタミンCの吸収を助ける効果も報告されています。
クルクミンは、ウコンに含まれているポリフェノールで、黄色の天然色素です。クルクミンは、鮮やかな黄色となり、植物性の天然色素として、たくあんや水産練り製品などに色素として用いられています。
クルクミンには、肝臓から分泌される消化液である胆汁の分泌を促進し、肝臓の解毒機能を向上させる作用や胃の働きを維持する作用があります。また、クルクミンは、ポリフェノールに共通している強力な抗酸化作用を持っているため、免疫機能の向上や生活習慣病の予防などにも効果的とされています。
また、クルクミンを摂取することで胆汁の分泌が促進されることにより、アルコールを分解する過程で生成する悪酔いなどの原因物質であるアセトアルデヒドの代謝が促進されるため、悪酔いや二日酔いの予防に効果的であるといわれています。
クルクミンは、カレーなどに多く含まれています。
大豆イソフラボンは、抗酸化作用を持ち、女性ホルモンのエストロゲンに似た働きをする成分です。大豆イソフラボンを摂取することで、更年期症状が緩和されることや生活習慣などに起因する糖尿病の改善、骨粗鬆症の予防、脂質代謝の改善などに有効と言われています。
イソフラボンは、マメ科植物に含まれています。多く含む食品としては、大豆や豆腐、納豆、味噌などの大豆製品です。
なお、日常の食生活の中で大豆製品を食べている分には、大豆イソフラボンの過剰摂取の心配はないものの、サプリメントなどによる過剰摂取には注意が必要とされています。
フェルラ酸は、抗酸化作用や紫外線吸収機能が認められ、食品や化粧品などの原材料として使用されています。
食品では、酸化防止剤として、抹茶の退色防止やグリーンピースの色調保持などに用いられます。フェルラ酸は、食品添加物リストにも登録され、フェルラ酸が含まれるγ-オリザノールや米ぬか抽出物も同様に酸化防止剤となります。
また、昨今の研究によるとフェルラ酸は、脳細胞保護作用があることで、学習記憶向上作用が期待されています。
玄米などに多く含まれています。
クロロゲン酸は、主にコーヒー豆に多く含まれており、強い抗酸化作用があります。また、クロロゲン酸は、脂肪の蓄積を抑える効果などが知られており、肥満の予防に寄与することが報告されています。
コーヒー豆をはじめ、さつまいもやじゃがいも、ごぼうに含まれています。
レスベラトロールは、サンタベリーやブドウ、ピーナッツの渋皮、赤ワインなどに含まれています。レスベラトロールを摂取することで、細胞の酸化を防ぎ、肌の弾力を改善するなどの効果が期待されています。その他に、血流の改善や血糖のコントロールなどに働くことで知られ、生活習慣病の予防にも効果的だといわれています。
なお、厚生労働省による食事摂取基準において、ポリフェノールの摂取量は定められておりません。
「今までポリフェノールという言葉は聞いたことがあるけれど、どのような働きがあるのかわからない。」、「日々の食生活において、どのような食品にどのようなポリフェノールがふくまれているのか知りたい。」、「健康を維持するために抗酸化作用をはじめとして、さまざまな機能を有するポリフェノールを積極的に摂取したい。」といったことがあるかもしれません。私自身も同じように感じています。
そのようなときは、専門家の意見や経験者の体験談を参考にします。私は、20年前後食品メーカーの製品開発職に在籍し、仕事柄あらゆるジャンルの食品を食べ、食品の製品開発に活かしています。食品を製造する過程で生じる副産物を有効利用するため、副産物からポリフェノールを抽出し、抗酸化性を分析の上、確かに高い抗酸化作用が認められました。ポリフェノールは、苦味や渋味を呈しますが、体にとってさまざまな有用な働きがあるため、普段の食生活からも十分に摂取することは可能ですが、健康維持のため、意識して摂取することも必要かもしれません。
ポリフェノールは、ほとんどの植物に存在する苦味や渋味、色素の成分で、自然界から8,000種類以上が確認されています。ポリフェノールは、抗酸化作用などを有し、有害な活性酸素などを除去する性質があります。植物はこのような有害物質から身を守るために、ポリフェノールを生産していると考えられています。植物にとっては、自身を守るために作り出した成分となりますが、人の体にとっても好ましい影響を与えてくれます。
人はエネルギーを生産する際に酸素が必要となりますが、取り込んだ酸素のおおよそ2〜3%が活性酸素になります。活性酸素は、過剰に発生することで正常な細胞を傷つけ、老化やさまざまな病気を引き起こします。ポリフェノールは、この活性酸素を除去する働きが報告されています。
代表的なポリフェノールとしては、ブルーベリーに含まれるアントシアニンやお茶に含まれるカテキン、チョコレートなどに含まれるカカオポリフェノール、そばのルチン、大豆のイソフラボン、そばのルチン、ウコンのクルクミン、米ぬかのフェルラ酸、コーヒーのクロロゲン酸、サンタベリーや赤ワインに含まれるレスベラトロールなどがあります。
ポリフェノールは、体にとってさまざまな有用な働きがあるため、普段の食生活からも十分に摂取することは可能ですが、健康維持のため、意識して摂取することを心がけてみてはいかがでしょうか。
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