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2020年09月27日

【一生眠らずに泳ぎ続ける】マグロと刺身

マグロの大トロが高い理由


 刺身といえば、マグロは欠かせません。なかでも大トロは人気ですが、戦前までは全く人気がありませんでした。今ではとても考えられません。人気が出るようになったのは昭和30年代半ば頃です。以降、人気が高まるにつれ、値段も吊り上がっていきました。





 ではなぜ大トロは、高価なのでしょうか。大トロはマグロの腹とカマの一部分にしかありません。一部分といっても、マグロであれば大トロはとれるので、それほど高くなるはずはないと思うかもしれません。そもそもマグロには、脂ののっていない赤身だけのものが多いのです。すなわち、肝心の大トロどころか、中トロも期待できないマグロが多くなります。東京の豊洲市場し揚がるマグロ全体のうち、大トロや中トロが期待できるマグロは、10%に満たないようです。





 さらにそうしたマグロの体からとれる大トロや中トロは、ほんの一部分です。それ故高価なのです。このような背景を知った上で食べる大トロの刺身は、さぞかし格別でしょう。



764156_s.jpg


刺身に使うしょう油


 刺身は、初めからしょう油で食べていたわけではありません。長らく酢塩で食べていました。それがいつのまにか、タイにはしょうが酢、カツオには辛子酢など魚の味の特徴に合った味付けが選ばれるようになりました。





 しょう油が使われ始めたのは、江戸時代後期です。しょう油がなければ、刺身の美味しさが半減するといっても、過言ではありません。





 このしょう油ですが、全国各地その土地の嗜好に合ったさまざまなしょう油があります。大きく分ければ、関東の濃口しょう油と関西の薄口しょう油です。関東の刺身しょう油は辛口で、関西は甘口となり、同じ甘口でも名古屋はとろりとした甘みのある溜りしょう油です。東北地方ではややしょっぱい刺身しょう油で、九州は極めて甘口のしょう油となります。



マグロをおろす3メートルの包丁


 刺身の王様がマグロならば、そのマグロをおろす包丁も王様です。マグロをおろす包丁はとにかく長く、通常のものでさえ刃渡り60〜80p前後ですが、1.8mある包丁や倍の3.6mにもなる包丁など特大のものまであります。しかも、両手で持って使うために柄も長くなっています。





 このような特殊な包丁のため、魚河岸でもマグロをおろす時にしか出番はありません。それ故一般の人は、まずお目にかかることがない包丁なのです。





 この包丁を使い、巨大なマグロの身を崩さないように切るには、1人では不可能です。2人がかりでおろすことになります。



1379830_s.jpg


マグロの中落ち


 マグロの人気部位に中落ちがあります。マグロを3枚におろしたときに中骨の間に残った身の部分です。





 骨の周りの肉は美味しいというのは本当で、この部分はとても美味です。魚河岸ではここの部分をこそぎとって食べていました。





 本来はごく少量の部位であり、高価です。しかも、おろした中骨に中落ちが残るのは、近海ものの生マグロであって、冷凍品の場合は、解凍しておろすと中落ちの部分もきれいにとれ、骨にはほとんど残りません。





 では、安価で食べられている中落ちは、どういったものでしょうか。これは、赤身や残り身を刻んで、中落ちと称しているようです。



マグロの種類


 世界にマグロの仲間は、7種類です。日本で普通に目にするのは、クロマグロやミナミマグロ、メバチ、キハダ、ビンナガの5種類です。メバチは目が大きい、キハダはヒレが大きく黄色い、ビンナガは胸ビレが長いといった特徴はありますが、だいたい同じような形をしています。しかしながら、棲んでいる場所は少しずつ異なります。





 マグロの仲間は、熱帯域が起源といわれています。そのまま熱帯域にとどまったのがキハダです。体の温度を高くする仕組みが発達しておらず、身の色も他のマグロに較べると薄いピンク色をしています。刺身の他、缶詰材料としても使われています。





 他のマグロは、体を大きくして脂を貯め、体温を高くする仕組みを発達させることで、温度の低いところへ適応していきました。深いところに潜って、生活することを選んだのがメバチ、北や南のもっと寒いところで生活することを選んだのがクロマグロとミナミマグロです。ミナミマグロはクロマグロとよく似た種類ですが、インド洋の南半球だけに分布する種類です。この3種のいずれも脂ののった赤い身をもつ刺身マグロの一級品です。





 ビンナガは、亜熱帯域全体に分布し、体はあまり大きくならず、身はほんのりピンクがかった白っぽい色をしています。主にツナ缶の原材料となっています。



まとめ


 大トロはマグロの腹とカマの一部分にしかありません。また、そもそもマグロには、脂ののっていない赤身だけのものが多いのです。すなわち、肝心の大トロどころか、中トロも期待できないマグロが多くなります。東京の豊洲市場し揚がるマグロ全体のうち、大トロや中トロが期待できるマグロは、10%に満たないようです。さらにそうしたマグロの体からとれる大トロや中トロは、ほんの一部分です。それ故高価なのです。





 刺身にしょう油が使われ始めたのは、江戸時代後期です。しょう油がなければ、刺身の美味しさが半減するといっても、過言ではありません。このしょう油ですが、全国各地その土地の嗜好に合ったさまざまなしょう油があります。





 マグロをおろす包丁はとにかく長く、通常のものでさえ刃渡り60〜80p前後ですが、1.8mある包丁や倍の3.6mにもなる包丁など特大のものまであります。しかも、両手で持って使うために柄も長くなっています。





 マグロの人気部位に中落ちがあります。マグロを3枚におろしたときに中骨の間に残った身の部分です。本来はごく少量の部位であり、高価です。しかも、おろした中骨に中落ちが残るのは、近海ものの生マグロだけです。





 世界にマグロの仲間は、7種類です。日本で普通に目にするのは、クロマグロやミナミマグロ、メバチ、キハダ、ビンナガの5種類です。メバチは目が大きい、キハダはヒレが大きく黄色い、ビンナガは胸ビレが長いといった特徴があります。このうちクロマグロ、ミナミマグロ、メバチは、いずれも脂ののった赤い身をもつ刺身マグロの一級品です。



posted by Kaoru at 03:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 食品
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