かなり前から、ボンネットを開くとオイルの滲みがテリのように、エンジンにねっとり付着していたし、それが今ではミッションケースにまで広がっています。
その滲んだオイルが、オイルパンの下あたりに、ポタリと落ちはじめたのも、ずいぶん前から気づいていました。
1日にオイルが数滴落ちるから、駐車場の床には点々とオイルの滴り落ちた痕がついています。オイル汚れが気になってはいるものの、床のオイル痕は、雨が降ると流されるし、何となくそのままになってました。
車検前に整備すれば良いのですが、実は、何処からオイルが漏れているのか見当がついていません。エンジンルームを覗くと、シリンダヘッド辺りにも滲みがあるし、ヘッドガスケットからの漏れだったら手に負えません。
幸いオイル漏れといっても、ポタポタ漏っているわけじゃなく、1日数滴程度の微々たる漏れなので、車検も通っちゃうし、床の汚れだってさほど気になりません。原因もわからないし、つい目を瞑ってそのままにしていました。
この、さっぱりわからなかった、オイル漏れの原因が、知り合いの方からのメールをきっかけに、明らかになりました。
オイル漏れの原因はヘッドカバーガスケットの劣化?
先日、知り合いの方から、ユーザー車検を受けたと、メールをいただきました。
この方は、ご自宅にシャッター付きのガレージがあって、その横にちょっとした整備スペースまで用意されているようで、車検整備なんて朝飯前!大半の整備はご自身でなさっているそうです。
少しでも気になる不具合があれば、休みの日に整備しているそうで、車検整備なんてしなくたって、ざっとひと通りの点検程度で完了するとか?
だからほとんど何も手をかけずに、いつ車検に出してもパスするコンディションをキープしているようでした。
ただ、今回の車検前に、微妙なオイルの滲みに気づいたそうで、車検には通る程度だったようですが、エンジンに付着するオイル汚れが気にいらないから、ヘッドカバーのガスケットを交換して、オイル漏れを直しちゃったそうです。
現在では、すっかりオイル漏れが直り、エンジンがオイルの滲みで汚れる事もなくなって、すっきり綺麗なエンジンルームになったよ。と何気ないコメントのメールに、JB31Wジムニーシエラのオイル漏れの原因も、これかもしれない!と閃きました。
エンジンのオイル漏れが、ヘッドカバーのガスケット交換で直ったとは拍子抜けです。もしJB31Wジムニーシエラのオイル漏れも、ヘッドカバーのガスケット交換で直るなら、本当に簡単な作業で修理できちゃいます。
エンジンのヘッドガスケット交換と、ヘッドカバーガスケット交換では、交換作業に雲泥の差があります。DIYのガレージ整備だと、エンジンヘッドを開いてガスケット交換なんて、考えただけで作業する気が失せてしまいます。
JB31Wジムニーシエラのオイル漏れが、もしヘッドカバーのガスケットの劣化が原因なら、数本のボルトを外すだけで、簡単に交換できます。メールの返信で、現状のJB31Wジムニーシエラのオイル漏れについて少し相談してみました。
知り合いの方によると、エンジンオイルが漏れている場合、大半はヘッドカバーガスケットの劣化が原因だそうで、何なら見てあげるから一度遊びにおいでよ。と誘ってくださいました。
頻繁に車の点検を行って、ほとんどの整備をご自身でなさっている方の経験値は、アマチュアレベルを超えていて、車種は限定されるものの、下手をすると資格を持っている整備士より知識が豊富です。
そんな整備のプロ並みの方からのお誘いなので、二つ返事で、ご自宅に遊びに行ってきました。
液体ガスケットで応急処置?
知り合いの方のご自宅にお伺いして、あいさつ代わりにJB31Wジムニーシエラのボンネットを開きます。
エンジンルームを覗き込み、オイルの漏れ具合を一目見て、この漏れはヘッドカバーのガスケット交換で直りますよ。とアドバイスしてくださいました。
オイル漏れの原因が、あっさり判明し、それもシリンダーヘッドガスケットじゃなくて、ヘッドカバーのガスケットだとわかり、少しだけ安心出来ました。
ヘッドカバーなら、すぐに外す事が出来るし、過去に保有した車のヘッドカバーを外した事がありますから、1時間ほどでガスケット交換は完了するでしょう。
簡単な作業なので、今すぐにでも交換したいのですが、残念ながらヘッドカバーのガスケットを用意していません。こんな事なら用意してお伺いするべきでした。
仕方なく、じゃパーツを手配して後日交換します。とJB31Wジムニーシエラのボンネットを閉じようとしたところ、せっかくだからダメ元で、液体ガスケットを塗ってみようか?と思いがけない修理法を提案してくださいました。
ガスケットの劣化具合によるようですが、液体ガスケットを塗布するだけで、オイル漏れが直る事も多いらしく、とりあえず、ヘッドカバーを外してみよう。という事になりました。
すぐにヘッドカバーを固定しているボルト4本を外します。
ここで問題が発生しました。ヘッドカバーが外れないのです。プラハンマーで軽く叩いても、ビクともしません。
単なるガスケットの固着が原因なのか、気づかない箇所にボルトがあるのか、わかりません。
パーツの構成図を見ると、ボルト4本で固定されているようなのですが、まだ2本〜3本のボルトを外し忘れているかのように、ガッチリ固定された状態です。
プレス成型されたヘッドカバーなので、あまり強くプラハンマーで叩くと変形するかもしれません。振動を与えるように角を軽くコツコツ叩きますが、外れる気配がありません。
過去の経験では、ヘッドカバーなんてボルトを外すとパカッと取外せた記憶しかありません。たぶん、JB31Wジムニーシエラのガスケットの固着って相当強烈なのでしょう。
今回はガスケットを再利用します。もしバリバリっとガスケットが破断しながらヘッドカバーが外れたら最悪です。慎重な作業が続きます。
カムシャフトにスラッジ?ヘッドカバーを開くとエンジン内部の汚れ具合が判ります。
簡単に外れるはずの、JB31Wジムニーシエラのヘッドカバーですが、ガッチリ固着しているのかビクともしません。
もう一度ヘッドカバー周りを確認しますが、特にボルトを外し忘れているわけでも、どこかの爪に固定されているわけでもありません。
知り合いの方も、ヘッドカバーは固定ボルトを外せば、パカッと外せるのに、ひょっとするとガスケットが完全に固着していて、外す時に破損するんじゃないか、心配されていました。
DIYのガレージ整備では、こんな時やたら時間がかかります。アマチュアの強引な作業は、修理箇所を拡大するだけなので慎重な作業が重要です。もしそれが難しい場合は、DIY整備をあきらめた方が良いのは間違いありません。
とにかく根気よく、プラハンマーでヘッドカバーをコツコツ、いろんな角度から叩いて、接合部が浮き上がってこないか指で変化を感じながら、ヘッドカバーをグイグイ押し上げ続けます。
かなりの時間、プラハンマーでコツコツ叩き、グイグイ引っ張り続けて、接合部に当てた指先に、ジワリと浮き上がる感触がありました。外れそうだ!ホッと一安心しました。
でも油断は禁物です。この固着したガスケットは、再利用します。絶対破損させないように、少しずつ慎重にヘッドカバーを持ち上げます。
JB31Wジムニーシエラは、15年ほど前に10年落ちで入手しました。入手前にヘッドカバーなんて外す事は無かったはずです。たぶんヘッドカバーのガスケットは、25年の時を経て、完全に硬化し固着してしまったのです。
硬化して固着したガスケットを絶対に破損させないよう、じわじわ慎重にヘッドカバーを持ち上げます。
ヘッドカバーを取外すと、エンジンヘッド内部を見る事ができます。カムシャフト周辺に固着する、エンジンオイルのスラッジ汚れを目にする事が出来るのです。
25年経過したJB31Wジムニーシエラです、どのくらい汚れているのだろうか?簡単に除去できないスラッジの固着がありそうです。
ドロドロ汚れを覚悟して、ヘッドカバーを外してみると、カムシャフト周りは、拍子抜けするほど汚れがありません。固着したスラッジなどはなさそうだし、オイルだって汚れていません。
予想に反してエンジンヘッドの内部は意外と綺麗じゃないですか!よかった!
エンジンオイル溜まりの少し黒ずんでいる所も、スラッジが固着しているわけじゃなく、軽く指でこすれば綺麗になります。こんなに綺麗だったとは、本当に驚きました。
日常的にアバウトな整備しかしていませんし、オイル交換だって本当に適当です。
だいたい、オイル交換の目安は、5000キロごとで行ってますが、交換サイクルは、1年〜1年半だし、年間走行距離が少ない時は、2年ほどオイル交換しない事だったありました。
さらに7年ほど前まで、抹消したり車検切れのまま、数年単位で放置していたから、その期間はエンジンを全く動かさなかったし、オイル交換なんてしていませんでした。
6年ほど前に車検を取得し、その後、オイル漏れが原因なのか、数か月経過すると微妙にオイルが減っているので、オイルゲージの真ん中あたりまで、適時オイルを継ぎ足してる程度。それ以外でエンジンオイルを気にする事はありません。
まったく動かさない放置期間だって数年単位だったし、その間にオイルが劣化して、固着したスラッジが酷いだろう、なんて思ってました。でも、これだけ綺麗なら良好といえるコンディションですね!
クルマの整備や調整、オイル交換は、近くの整備工場に依頼しましょう!
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