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2016年06月21日

最新のストレス研究(脳を修復するストレス解消法)

 前回は最新のストレス研究で脳が破壊される内容などにふれましたが、今回は、ストレスで破壊された脳を回復させるストレス解消法を紹介します。

《宇宙航空研究開発機構(JAXA)のコーピング法と広島大学の閾値下うつ病のストレス解消法》


 JAXAでは、宇宙飛行士が宇宙船の狭い空間で長時間過ごすためのストレス軽減の研究が進められています。コーピング法です。

コーピング法は、ストレスが生じた時に対処する方法を、あらかじめメモしてリストアップするものです。こんな簡単な方法でストレスが無くなるのかと思うでしょうが、効果は絶大です。

メモすることで、自らのストレスの観察をすることになります。そしてストレス解消のための気晴らしを考えて準備できるからだそうです。

広島大学の闘値下(いきちか)うつ病のストレス対策法は、コーピング法と似ています。あらかじめ、気分が盛り上がることをリストアップします。そして、リストアップの項目毎に、実際に行った時の効果を点数化します。

点数の高い項目の内容を繰り返して行うと、うつ病の患者が健康なレベルに回復したそうです。

このメカニズムは、ストレスへの効果を数値化して、効果の大きいものを繰り返すことで、前頭葉の活動が活発になって、偏桃体にブレーキをかけるように働くからだそうです。

尚、ストレスの原因は多岐にわたることから、メモに書きだす項目は、質よりも量です。100項目もリストアップすることを求められますが、リストアップするだけで楽しくなるような内容でかまいません。

尚、考えるだけでなく実際に書き出す作業は必要です。

例えば、鳥の唐揚げを食べてビールを飲む・宝くじが当たった時のことを妄想する・こんな時、イチローだったらどう対処するのか等、なんでも良いそうです。

《世界的な最新の研究で効果が実証されているストレス解消法》

 この方法は、マインドフルネスというプログラムです。マサチューセッツ大学医学部で開発かれたもので、既に著名な企業や刑務所で取り入れられて実践されています。その方法は宗教色を排除しためい想法です。

(1)椅子に座って、軽く目をつぶり、体をゆすってから落ち着きます。この時、顔の力も抜きます。
(2)そして、意識を自分の呼吸に集中します。但し、呼吸は意識してするのではなく、あくまで体の歩調に合わせるようにします。どのように呼吸をしているのかということだけに意識を集中させます。
(3)少し時間が経つと雑念が思い浮かんできますが、それは直ぐに消し去って下さい。そして、呼吸に意識を集中させてください。他のことは何も考えてはいけません。
(4)このめい想を凡そ10分続けたら、瞼(まぶた)の後ろをみるように目を開けて終了です。

これを、10分/日 毎日続けた結果、心の不調は40%も軽減されました。

「今」に意識を集中することで、脳を破壊するストレスホルモン(コルチゾール)の発生が抑えられるのです。そして16名の脳を調べた結果、損傷していた海馬(かいば)の一部が5%も回復していました。

このことは委縮した海馬が治る可能性を示唆(しさ)しています。幼い時に強いストレスを受けた人も回復する可能性があるそうです。

尚、現在病院で治療中の患者さんは、このマインドフルネスを自分の判断で行うことはしないで欲しいそうです。医師の指導のもと行って下さい。

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