2018年12月14日
年末の大掃除で活躍する重曹ってどんなものなの?
重曹の種類
重曹(じゅうそう)という言葉は、テレビのお掃除紹介コーナーなどで頻繁(ひんぱん)に登場しますが、どんなものなのでしょうか?
重曹は、炭酸水素ナトリウムのことで、一見すると白い粉のようです。一般家庭では山菜やタケノコのあく抜きなどに使われています。
重曹には、次のような3つの種類があります。
- 「日本薬局方の重曹」
医薬品医療機器法を適用するもので、胃腸薬・製剤原料・胃発泡剤・薬用入浴剤などで使われています。 - 「食品添加物の重曹」
食品衛生法を適用したもので、製菓原料・まんじゅう・スナック菓子・ベーキングパウダー・発砲飲料・家庭用クリーナー・入浴剤などに使われています。 - 「工業用の重曹」
工業用の重曹には、適用法令はありませんが、消火剤・金属表面処理剤・洗剤・染色・樹脂・製紙などで使われています。
以上のように3つの種類がありますが、重曹の基本的な機能は同じで、汚れを落とすことや、匂いの吸収等の性質を持っています。
ただし、口に入れる場合や、肌にふれる所で使う時には、純度や衛生状態が管理されている「日本薬局方の重曹」を使ってください。
「工業用の重曹」は、規定された法令はありませんが、重曹の機能は同じです。
消臭やカビ取りなどの掃除など、さまざまなシーンで使うことができます。
重曹のパワーとは?
重曹には、「中和作用」、「研磨作用」、「緩衝作用」があります。
中和作用
揚げ物調理をした後に残った液体油に重曹を振りかけると油を吸い込んで粘土状になります。この状態の重曹は、乾いた布やキッチンペーパーですっきりと拭き取ることができます。
換気扇に付いた油汚れを落とすには、
『固まった油を泡立てた石鹸で柔らかくしてから重曹を振りかけると、乾いた布やキッチンペーパーで拭き取れます。』
研磨作用
重曹には、素材をこすっても傷がつきにくいという特徴があります。そのため、柔らかい素材の汚れ落としにピッタリです。
緩衝作用
重曹は、極端な「酸性」や「アルカリ性」を中和する「緩衝作用」を持っています。
重曹の基本的な使い方
重曹の使い方には、「粉を振りかけて使う」、「水と混ぜて、ペースト状にして使う」、「水と溶かして重曹水で使う」等の方法があります。
粉を振りかけて使う時
重曹の粉を振りかけてから汚れ部をこすり取ります。石鹸で汚れを浮かせた後に振りかけることもOKです。
重曹は、石鹸のように泡立ちませんが汚れ取り効果は抜群です。重曹の付け過ぎに注意して様子を見ながら作業するのが良いでしょう。量が多いと、乾いた後で白っぽい粉が出てくることがあります。この場合は、クエン酸水で中和すれば解決します。
ペースト状にして使う時
重曹は水と混ぜてペースト状にしても使えます。ただし、乾かすと硬くなるため、その都度、使い切るのがよいでしょう。
容器の隅に、こびりついて硬くなった重曹は、一晩水につければ洗い流すことができます。短時間で対応したい場合は、クエン酸水を付ければ可能です。
重曹水で使う時
重曹は、重曹水にしても使えますが、作るのが難しく、使った後で白い粉が出てくるなどの欠点があります。通常の汚れ取りには、粉を振りかける方法でも十分に役目をはたしますので、重曹水はおすすめしません。
重曹の相棒
重曹を使用する時に強力な相棒となる「クエン酸」と「せっけん」について簡単に紹介します。
クエン酸
クエン酸は、強い酸性です。ペーハー(pH)は、7を中心(中性)にして、クエン酸は2〜3程度(pH)を示します。弱アルカリ性の重曹(pH:8〜9)や、せっけんの(pH:9〜11)に比べると違いは際立ちます。
クエン酸の強い酸性は、雑菌の繁殖をおさえる静菌効果があります(食中毒で話題になるサルモネラ菌の繁殖を抑えると言われています)。
また、クエン酸は、弱アルカリ性の重曹やせっけんを中和させるため、重曹やせっけんで掃除をした後で、水で薄めたクエン酸水をスプレーすることで、すっきりと仕上げることができます。
さらに、クエン酸と重曹+水を混ぜると、二酸化炭素の泡がでるため、排水管内の汚れ取りに活用できます。
せっけん
せっけんは、油を包み込んで水に溶けやすくしてくれます。そのため、換気扇の油汚れなどの掃除には、重曹を振りかける前に、泡立てたせっけん水を付けると汚れ取り効果は抜群です。
もしも、薄く残る油膜がある場合には、せっけん水で洗い流して下さい。これだけですっきりすることでしょう。
重曹の保存方法
重曹は、湿気を吸って固まる性質があります。そのため、密閉容器で保存してください。万一固まった時には、フォークや箸などでつついてから粉々にして下さい。
注意点
重曹の汚れ落とし効果は抜群ですが、副作用もあります。素材によっては変色してしまうこともあります。気になる場合は、目立たない場所につけて確認することをお勧めします。
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