麻布十番。「総本家更科堀井本店」。
池袋から麻布十番に行くにはいろいろ経路があるが最終的には地下鉄の南北線か都営大江戸線で行く。都営大江戸線は他の地下鉄より後年に作られたので深い。地の底のようなところにありエスカレーターを使わないと、山か谷かというような段差を上り下りする事になる。また車両が狭いので席の前に人が立っていると向こうに行きにくい。
さて。更科の本家みたいな店はいくつかあるが、ここが本物。ただし、永坂更科の商号は他にとられた。
平日開店時間11時30分のところ12時過ぎに行くとそのまま入れる。出遅れ、この時間で入れそうな店。また、腹が減ってないという状態でのチョイス。ただ、その後の人は少し待たされていた。
創業を寛政元年(1789年)というのも間違いではないがこの店の開店は戦後。
歴史のある店だが敷居が低い。
メニューにはさらしな以外のそばも並ぶ。アイデンティティよりポピュラリティをとったのはいつの事か。
結果として正しかったと思う。
さらしなは米で言えば白米。他のそばは米で言えば期せずして味のついたご飯。白米と味のついたご飯だと、味のついたご飯の方が華がある。白米とチャーハンのようなもの。料理の過程は違うが、世の中の一般的な認識だと、そばはさらしなではないそばの方がそばらしいと認識されている。
江戸時代だと白米の方が雑穀米より上品なものと認識されていただろうが、今だと白米は珍しいものではなくなっているというようなもの。
赤坂生ビール。750円。
生ビールはこれ。赤坂のクラフトビール。何だか地方に時々あるようなクラフトビールだがこういうのも悪くない。2杯飲んだ。
「板わさ」。620円。
だいぶ小さい。腹が減ってなかったので別にいい。
「かき揚げ天もり」。2,150円。
もう一品とそばというつもりで、かき揚げがおいしそうだったのでそれのつく天もりにする。
プラス100円でそばをさらしなにできる。
つゆにつけたところ。
甘口のつゆに合い、思ったよりずっとおいしい。さらしなでこうおいしいと思ったのは初めてだと思う。
正直、自分も長野のそばの方が好きだが、このさらしなはおいしい。味覚が変わった事もあると思う。
かき揚げも上品な出来でおいしい。
いい食事になった。
ここ、人を連れてきたいような店だが、しかし、さらしなは意味がわかりにくいと思う。白米のおいしさって人生のどこか途中からわかるような感じで。
食べログで3.68。個人的には3.6。さらしなもいいなと素直に思えるようになった。ごちそうさまでした。
価格:1000円 |
価格:3770円〜 |
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