2018年09月11日
重度嚥下障害がある患者さんへの訓練の進め方
皆さんこんにちは!
当サイトを運営している言語聴覚士の桃の助です!
本日は、「重度嚥下障害の訓練方法」についてお話ししたいと思います。
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突然ですが、皆さんは嚥下障害に対してどういった訓練を行っていますか?
嚥下障害に対する訓練って難しいですよね?
私は、嚥下障害に対する訓練が一番難しいと感じています。
「私は嚥下訓練マスターだ!」という方も、私と同じで「嚥下障害って難しいな」と感じている方も最後まで読んで頂けると嬉しいです!
また、介護現場で働いていらっしゃる介護職員や看護師の方にも読んで頂けると幸いです!
もし、嚥下障害についてどういった病気か知りたい方はこちらから↓↓↓
・嚥下障害ってどんな病気?
嚥下障害を起こす要因は様々です。
脳卒中で突然発症する方もいらっしゃいますし、加齢によって徐々に飲み込みが悪くなる方もいます。
今回は、脳卒中によって急性発症した場合を主に説明したいと思います。
脳卒中を発症すると、脳にダメージが加わります。
小さな脳梗塞であっても、発症した部位が悪ければ重度の嚥下障害を併発する事も少なくありません。
また、脳卒中は様々な神経症状を併発します。
病初期には覚醒低下をきたす場合が多くあります。
そういった覚醒低下がみられる患者さんに対しては、食事開始前に覚醒を上げる(起きる練習)から始める必要があります。
血圧などに注意しながら、ベッドを起こしていき、少しずつ離床を始めましょう。
そうすることで、意識レベルも改善してきます。
また、それに伴って呼吸筋にもいい影響を与えます。
座ることによって、横隔膜が下降し、呼吸しやすい状態となるのです。
離床は理学療法士や作業療法士と一緒に行うのもいいですね。
食事再開の基準は、JCS(意識レベル)で1桁です。
JCS1桁というのは、自発的に目を開けている状態です。
当たり前の事ですが、目を開けていないと食事どころではないですよね?
なので、頑張って自発的に目を開けた状態を維持できるように離床していきましょう!
また、離床していてもなかなか覚醒しない状態であれば、頸部や表情筋、口腔構音器官の筋が固くならないようにしましょう!
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ここからが今回のテーマで皆さんに一番お伝えしたいことになります!
重度嚥下障害のリハビリは回復期が特に重要です!
そんなことは皆さん分かっていますよね?笑
では、言語聴覚士の皆さんに聞きたいです。
重度の嚥下障害の患者さんで、覚醒もあいまいな状態で、口腔運動もほとんど出ない患者さんにどういった訓練をしていますか?(意思疎通も全く取れないような状態)
口腔ケアとストレッチだけしてはいませんか?
口腔ケアもストレッチも肺炎を防ぐためには、とても大切な事です。
しかし、それでは訓練効果はあまり得られないと思います。
では、どうすればいいのか?
答えは簡単です!
元気だったころのように正しい飲み込み方を再学習する事が大切です。
重度嚥下障害の場合、
@意識レベルが低下している
A自発的な口腔運動が減少している、または咀嚼運動が少ない
B嚥下反射が減弱している
C呼吸能力が低下している(咳を出す力の低下)
などの症状が高頻度でみられます。
@については病初期に改善できれば食事再開が少しずつ視野に入ってくると思います。
Aについては、正しい方法を再学習する必要があります。言語聴覚士が正しい口の動かし方を他動的に再学習していきます。
BこれもA同様、再学習が必要です。
Cここまで時間をかけて言語聴覚士ができればいいのですが、離床である程度肺の容量は増えますし、身体面は専門の理学療法士や作業療法士に手伝ってもらうのも手ですね。
この中でも特にA、Bは、非常に大事な事です。
正しい嚥下状態に戻すにはどうすればいいか、どういった方法をとればいいかを観察し、考えてみて下さい。
訓練方法については教科書などを見てもあまり詳しくは書いてないかもしれません。
しかし、どうすれば最適な方法なのか、考えることが大切です。
そうすればきっと最適な方法が見つかる事でしょう。
私からのアドバイスとしては、口腔、咽頭を正常な状態に再学習することが食事再開への近道です。
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嚥下障害が全て治せればいいのですが、やはり障害が残存してしまう方もいるのが現状です。
そういった半年以上の長期的に嚥下障害が継続している方に対しての訓練は、誤嚥性肺炎予防が第一選択肢となります。
口腔内を清潔に保ち、安楽な姿勢を保ちつつ、首がのけぞってしまわないように工夫する必要があります。
体のポジショニングや首の緊張・拘縮・姿勢などについてはお近くの療法士に相談すると教えてもらえると思います。
介護士の方や看護師の方で手軽に始めれるのは、何と言っても口腔ケアですね。
口腔ケアを怠ると不顕性誤嚥を起こすことがあります。
そうならないためにも、毎日3回は口腔ケアを実施しましょう!
不顕性誤嚥についての説明はこちらから↓↓↓
・ムセのない誤嚥(不顕性誤嚥)
いかがだったでしょうか?
本日は、重度嚥下障害の訓練の進め方について簡単ですがお話ししました。
訓練方法については、文章で上手く説明できそうならまたいつか書きたいと思います。
(上手く説明できないかも…笑)
最後まで読んで頂きありがとうございます!
この他にも色々な記事を書いているので、読んで頂けると嬉しいです!
それではまた!
桃の助でした!
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当サイトを運営している言語聴覚士の桃の助です!
本日は、「重度嚥下障害の訓練方法」についてお話ししたいと思います。
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突然ですが、皆さんは嚥下障害に対してどういった訓練を行っていますか?
嚥下障害に対する訓練って難しいですよね?
私は、嚥下障害に対する訓練が一番難しいと感じています。
「私は嚥下訓練マスターだ!」という方も、私と同じで「嚥下障害って難しいな」と感じている方も最後まで読んで頂けると嬉しいです!
また、介護現場で働いていらっしゃる介護職員や看護師の方にも読んで頂けると幸いです!
もし、嚥下障害についてどういった病気か知りたい方はこちらから↓↓↓
・嚥下障害ってどんな病気?
重度の嚥下障害 〜病初期〜
嚥下障害を起こす要因は様々です。
脳卒中で突然発症する方もいらっしゃいますし、加齢によって徐々に飲み込みが悪くなる方もいます。
今回は、脳卒中によって急性発症した場合を主に説明したいと思います。
脳卒中を発症すると、脳にダメージが加わります。
小さな脳梗塞であっても、発症した部位が悪ければ重度の嚥下障害を併発する事も少なくありません。
また、脳卒中は様々な神経症状を併発します。
病初期には覚醒低下をきたす場合が多くあります。
そういった覚醒低下がみられる患者さんに対しては、食事開始前に覚醒を上げる(起きる練習)から始める必要があります。
血圧などに注意しながら、ベッドを起こしていき、少しずつ離床を始めましょう。
そうすることで、意識レベルも改善してきます。
また、それに伴って呼吸筋にもいい影響を与えます。
座ることによって、横隔膜が下降し、呼吸しやすい状態となるのです。
離床は理学療法士や作業療法士と一緒に行うのもいいですね。
食事再開の基準は、JCS(意識レベル)で1桁です。
JCS1桁というのは、自発的に目を開けている状態です。
当たり前の事ですが、目を開けていないと食事どころではないですよね?
なので、頑張って自発的に目を開けた状態を維持できるように離床していきましょう!
また、離床していてもなかなか覚醒しない状態であれば、頸部や表情筋、口腔構音器官の筋が固くならないようにしましょう!
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重度の嚥下障害 〜回復期〜
ここからが今回のテーマで皆さんに一番お伝えしたいことになります!
重度嚥下障害のリハビリは回復期が特に重要です!
そんなことは皆さん分かっていますよね?笑
では、言語聴覚士の皆さんに聞きたいです。
重度の嚥下障害の患者さんで、覚醒もあいまいな状態で、口腔運動もほとんど出ない患者さんにどういった訓練をしていますか?(意思疎通も全く取れないような状態)
口腔ケアとストレッチだけしてはいませんか?
口腔ケアもストレッチも肺炎を防ぐためには、とても大切な事です。
しかし、それでは訓練効果はあまり得られないと思います。
では、どうすればいいのか?
答えは簡単です!
元気だったころのように正しい飲み込み方を再学習する事が大切です。
重度嚥下障害の場合、
@意識レベルが低下している
A自発的な口腔運動が減少している、または咀嚼運動が少ない
B嚥下反射が減弱している
C呼吸能力が低下している(咳を出す力の低下)
などの症状が高頻度でみられます。
@については病初期に改善できれば食事再開が少しずつ視野に入ってくると思います。
Aについては、正しい方法を再学習する必要があります。言語聴覚士が正しい口の動かし方を他動的に再学習していきます。
BこれもA同様、再学習が必要です。
Cここまで時間をかけて言語聴覚士ができればいいのですが、離床である程度肺の容量は増えますし、身体面は専門の理学療法士や作業療法士に手伝ってもらうのも手ですね。
この中でも特にA、Bは、非常に大事な事です。
正しい嚥下状態に戻すにはどうすればいいか、どういった方法をとればいいかを観察し、考えてみて下さい。
訓練方法については教科書などを見てもあまり詳しくは書いてないかもしれません。
しかし、どうすれば最適な方法なのか、考えることが大切です。
そうすればきっと最適な方法が見つかる事でしょう。
私からのアドバイスとしては、口腔、咽頭を正常な状態に再学習することが食事再開への近道です。
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重度の嚥下障害 〜維持期・慢性期〜
嚥下障害が全て治せればいいのですが、やはり障害が残存してしまう方もいるのが現状です。
そういった半年以上の長期的に嚥下障害が継続している方に対しての訓練は、誤嚥性肺炎予防が第一選択肢となります。
口腔内を清潔に保ち、安楽な姿勢を保ちつつ、首がのけぞってしまわないように工夫する必要があります。
体のポジショニングや首の緊張・拘縮・姿勢などについてはお近くの療法士に相談すると教えてもらえると思います。
介護士の方や看護師の方で手軽に始めれるのは、何と言っても口腔ケアですね。
口腔ケアを怠ると不顕性誤嚥を起こすことがあります。
そうならないためにも、毎日3回は口腔ケアを実施しましょう!
不顕性誤嚥についての説明はこちらから↓↓↓
・ムセのない誤嚥(不顕性誤嚥)
おわりに
いかがだったでしょうか?
本日は、重度嚥下障害の訓練の進め方について簡単ですがお話ししました。
訓練方法については、文章で上手く説明できそうならまたいつか書きたいと思います。
(上手く説明できないかも…笑)
最後まで読んで頂きありがとうございます!
この他にも色々な記事を書いているので、読んで頂けると嬉しいです!
それではまた!
桃の助でした!
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