2018年02月26日
知的障がい児の言語障害の発見、評価
みなさんこんにちは!
言語聴覚士の桃の助です
言語聴覚士の説明は、こちらから
このページでは「知的障がい児の言語障害の発見、評価」についてお話したいと思います。
子どものことばの正常発達についての説明は、こちらから
発達障がいは、精神遅滞、知的障がい等だけでなく、聴覚障がい、視覚障がい等の様々な発達を阻害する要因によって生じる発達の遅れの事を意味します。
その中で、このページでは知的障がいを持つ子どもについてお話をしていきたいと思います。
※お断り:障がいの「がい」の字については様々な意見や見解がありますが、このページでは以下「がい」の字で統一させて頂きます。ご理解をお願い致します。
原材料はカツオ節と昆布だけの安心のお出汁
知的機能は様々な発達検査で測定され、知能指数(IQ)あるいは発達年齢(DA)として表現されます。
さらに、知能指数によって境界線、軽度、中等度、重度というように障がいの程度別に分類がなされています。
発達障がいをきたす成因分類は、原因が発生した時期によって大別し、
@出生前要因
A出生後要因
B妊娠後期、出生周辺
C低体重出生児など、原因と断定しにくいリスク要因
D精神疾患、自閉症
E不確定要因
F特定の要因なし
に分類されます。
問題の早期発見、早期療育は皆さんも大事だということは理解できると思います。
しかし、知的障がい児の言語能力についての評価は分からない事ばかりだと思います。
また、発見された知的障がい児の将来の言語能力を予測することも難しいのが現状です。
そこで、どういった内容を評価し、言語症状の遅れを発見するかを書いていきたいと思います。
@音源定位反応の遅れ
乳児は様々な感覚器官を使って外界の事象を受容しています。
音声言語の獲得には、聴覚の関与が大きく関わっています。
その聴覚が外界の事象をとらえたことを示す最初の徴候が音源定位です。
音源定位を簡単に言うと、左後ろ2mから名前を呼ばれた時に、呼んだ人の大体の位置が分かる機能の事です。これは、両耳の音の伝わり方で脳が判断しています。
A物の用途の理解の遅れ
物の用途は様々な感覚によって蓄えられた記憶と結びついて、意味を理解していきます。
記憶として最も蓄えられやすいものは、視覚からの記憶です。
乳幼児の視覚的記憶が定着してきたと判断できる場面は、帽子を頭に被ったり、靴を足に履く、などの行動が用途に応じて使い分けされる頃です。
知的障がい児は視覚に由来する物の用途の理解にも後れを示します。
B異種感覚連合の遅れ
乳児が手をたたく、手をあげるなどの仕草は両親とのコミュニケーションをさらに広げます。
乳児が手をたたく動作には両親の音声とともに動作の模倣があります。
初期にはこのしぐさと音声には関係性を持ちませんが、成長するにつれて音声が乳児の動作を誘発するようになります。
視覚を通して成立していた動作が、聴覚という異種感覚によっても同様の動作を誘発していくのです。
知的障がい児の場合は、この異種感覚が成立する時期が明らかに遅れます。
Cコミュニケーションの遅れ
乳児は声(泣き声、笑い声)や表情、手ざし、指さしなどのボディランゲージを使って周囲とコミュニケーションをとります。
これが周囲と交流する基礎となりますが、知的障がい児は遅れがみられます。
D弁別学習の遅れ
乳幼児の周りには様々な刺激がありますが、その状況で言葉を区別して、的確な応答が可能となってきます。
知的障がい児はこの弁別学習にも遅れがみられます。
E発話の遅れ
多くの知的障がい児の発見は2歳代です。
多くは発話が少ないか、全く話せないという状態です。
これは最も多くにみられる症状です。
F機能語を中心とした文章構成の遅れ
単語の発話が増加し始めても、文章への連鎖がなかなかみられないこともあります。
子供家具・雑貨のお店「こどもと暮らし」
知的障がい児にも沢山出来ることはありますが、今回は発達の遅れについてお話をさせて頂きました。
知的障がいについて適切な知識を得ることで、私たちの関わり方が少しでもいい方に向かえばと思います。
また、乳幼児期から苦手な分野を知ることで、その分野を両親や周りがサポートできると思います。
そういうサポートできる環境を作っていきたいですね。
それではまた。
桃の助でした
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子どものことばの正常発達についての説明は、こちらから
発達障がいは、精神遅滞、知的障がい等だけでなく、聴覚障がい、視覚障がい等の様々な発達を阻害する要因によって生じる発達の遅れの事を意味します。
その中で、このページでは知的障がいを持つ子どもについてお話をしていきたいと思います。
※お断り:障がいの「がい」の字については様々な意見や見解がありますが、このページでは以下「がい」の字で統一させて頂きます。ご理解をお願い致します。
原材料はカツオ節と昆布だけの安心のお出汁
知的機能とは
知的機能は様々な発達検査で測定され、知能指数(IQ)あるいは発達年齢(DA)として表現されます。
さらに、知能指数によって境界線、軽度、中等度、重度というように障がいの程度別に分類がなされています。
発達障がいをきたす成因分類は、原因が発生した時期によって大別し、
@出生前要因
A出生後要因
B妊娠後期、出生周辺
C低体重出生児など、原因と断定しにくいリスク要因
D精神疾患、自閉症
E不確定要因
F特定の要因なし
に分類されます。
知的障がい児の言語障がいの発見、評価
問題の早期発見、早期療育は皆さんも大事だということは理解できると思います。
しかし、知的障がい児の言語能力についての評価は分からない事ばかりだと思います。
また、発見された知的障がい児の将来の言語能力を予測することも難しいのが現状です。
そこで、どういった内容を評価し、言語症状の遅れを発見するかを書いていきたいと思います。
@音源定位反応の遅れ
乳児は様々な感覚器官を使って外界の事象を受容しています。
音声言語の獲得には、聴覚の関与が大きく関わっています。
その聴覚が外界の事象をとらえたことを示す最初の徴候が音源定位です。
音源定位を簡単に言うと、左後ろ2mから名前を呼ばれた時に、呼んだ人の大体の位置が分かる機能の事です。これは、両耳の音の伝わり方で脳が判断しています。
A物の用途の理解の遅れ
物の用途は様々な感覚によって蓄えられた記憶と結びついて、意味を理解していきます。
記憶として最も蓄えられやすいものは、視覚からの記憶です。
乳幼児の視覚的記憶が定着してきたと判断できる場面は、帽子を頭に被ったり、靴を足に履く、などの行動が用途に応じて使い分けされる頃です。
知的障がい児は視覚に由来する物の用途の理解にも後れを示します。
B異種感覚連合の遅れ
乳児が手をたたく、手をあげるなどの仕草は両親とのコミュニケーションをさらに広げます。
乳児が手をたたく動作には両親の音声とともに動作の模倣があります。
初期にはこのしぐさと音声には関係性を持ちませんが、成長するにつれて音声が乳児の動作を誘発するようになります。
視覚を通して成立していた動作が、聴覚という異種感覚によっても同様の動作を誘発していくのです。
知的障がい児の場合は、この異種感覚が成立する時期が明らかに遅れます。
Cコミュニケーションの遅れ
乳児は声(泣き声、笑い声)や表情、手ざし、指さしなどのボディランゲージを使って周囲とコミュニケーションをとります。
これが周囲と交流する基礎となりますが、知的障がい児は遅れがみられます。
D弁別学習の遅れ
乳幼児の周りには様々な刺激がありますが、その状況で言葉を区別して、的確な応答が可能となってきます。
知的障がい児はこの弁別学習にも遅れがみられます。
E発話の遅れ
多くの知的障がい児の発見は2歳代です。
多くは発話が少ないか、全く話せないという状態です。
これは最も多くにみられる症状です。
F機能語を中心とした文章構成の遅れ
単語の発話が増加し始めても、文章への連鎖がなかなかみられないこともあります。
子供家具・雑貨のお店「こどもと暮らし」
知的障がい児にも沢山出来ることはありますが、今回は発達の遅れについてお話をさせて頂きました。
知的障がいについて適切な知識を得ることで、私たちの関わり方が少しでもいい方に向かえばと思います。
また、乳幼児期から苦手な分野を知ることで、その分野を両親や周りがサポートできると思います。
そういうサポートできる環境を作っていきたいですね。
それではまた。
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