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2018年02月23日

ADHDを支える ADHDの人は相手の気持ちが解らない?



こんにちは。
ADHDの夫を持つ、アラサー主婦 はるです(^^)


近年になって、ADHDという言葉が世間に広がり、その特性と共に理解が深まって来ました。ですが、まだまだ世間への理解が不十分で、あらぬ誤解をしている方もよく見受けられます。

特にパートナーとの性格の不一致や、価値観の違いなどにより関係が破たんしてしまった方々の中に、「夫は(妻は)ADHDかもしれない。」と思う方が多くみられます。
ADHDの夫(妻)を、どうしても受け入れられない時



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もちろん、夫婦不和が相手のADHDに原因がある場合、ADHDについてよく理解し、対策を立てる事で状況が変化し、改善への糸口が見つかる事もあります。

ですが、ADHDへの理解が不十分なままに、ADHDと、ほかの発達障害のアスペルガー症候群や、その他の人格障害のパーソナリティ障害、AC(アダルトチルドレン)、または性格上に問題のあるモラハラなど、様々な問題を混同してしまうと 問題はさらにややこしくなるどころか、
ADHDの人に対する風評被害、
また問題が改善されない事からご自身がカサンドラ症候群に陥ってしまうなど、二次被害に繋がってしまうので注意が必要です。


では、ADHDの症状として、ADHDの人は相手の気持ちが解らないのでしょうか?


ADHDの症状は以下の通りです。


ADHDの症状



繰り返しになりますが。ADHDとは、脳の情報伝達物質に障害があります。
具体的にはドーパミンなどが受容体とうまく結合できず、トランスポーター(取り込み口)が過剰に働き、神経伝達物質を再取り込みしすぎてしまう可能性が考えられています。
神経伝達物質が受容体に結びつきにくくなることで、脳が情報伝達を十分に行えなくなってしまいます。
それによって、多動性・衝動性・不注意などといった症状が現れます。


集中力がない・または興味のあることに集中しすぎてしまう傾向や、落ち着きがない、
注意力が散漫、凝り性、物事の優先順位がつけられない、時間によく遅れる、片付けができない、
ホウ・レン・ソウが苦手、すぐに疲れてしまう、最後まで集中して話を聞いていられないなど、一口に「多動性・衝動性・不注意」と言っても、日常生活の中でその現れ方は様々です。



この中に、「人の気持ちが解らない」「相手の表情から気持ちをくみ取れない」という症状は入っていません。



一般的に、「人の気持ちが解らない」「相手の表情から気持ちをくみ取れない」という症状は、同じ発達障害でもアスペルガー症候群に分類される特徴かと思います。

アスペルガー症候群の特徴


こだわりの強さ
(好き嫌いが極端、ルーティン通りにしないと不安など。自分の安心できるルールや環境を強く求める状態です。生活や働く上で支障が出るほどこだわってしまう方が多くいます。想像力が弱い状態ともいえます。)



社会性の問題
(相手の気持を読み取れない・他の人と一緒にいるときに、どのように振る舞うべきかの力です。いわゆる空気が読める力と考えてもよいでしょう)



コミュニケーションの問題
(ことばをそのまま受け取ってしまう・自己表現ができないなど、相手が言っていることを正しく理解する受信の力と、自分の思っていることを相手に伝える発信の力についてです)




もちろん、発達障害の中で、二つの属性を同時に持つ方も多く、はっきりとした線引きは難しいです。
ですが、特徴が違う以上、混同せず分けて考える事はある程度必要かと思います。

それについてはこちらをご覧ください。
ADHDとアスペルガーの違い



ADHDの人が相手の気持ちを理解できないと言われる理由



ADHDとアスペルガー症候群の違いにて、相手の気持ちをくみ取れない・いわゆる空気が読めないのは、アスペルガー症候群に起因するとお伝えしました。

ですが、読んで頂いている方の中には、「いや、絶対にADHDの人も空気読めないし、人の気持ちも理解できないだろう」と首をひねる方もいらっしゃるかもしれません。
では、ADHDの人が他人の気持ちを理解できないと思われる原因はどこにあるのでしょうか?



パターン@衝動性による誤解


ADHDの特性のひとつに「衝動性」があります。
この特性によって、本当は相手の事を思いやっているのに伝わらず、意図せず相手を傷つけてしまう事があります。

・思ったことをすぐに口に出してしまう。
→結果として、相手を傷つけたり、TPOにそぐわず信用を失ったりしてしまう。

悲しい虐待のニュースを見ていて、いきなり「この被害者の子供の名前、性別分かりにくいね笑」などと笑いながら話す。 

あなたはこのニュースを見て笑いながらそんなことを言うなんてなんて非常な人!と絶望するかもしれません。


が、ADHD本人はニュースについてはあなたと同じように心を痛めています。その気持ちはあなたと同じか、それ以上です。
ですが、順番的に先に目についたのが被害者の名前で、それについての感想を述べたまでです。普通に考えれば、ニュースの内容が悲惨なものであればあるほど、それ以外の情報について言及すべきではないという意見が多数ですが、ADHDの人はそこまで考えが及ばず、衝動的に言葉にしてしまうのです。

決して、ニュースの内容が理解できていないだとか、あなたの気持ちが理解できない訳ではありません。


・状況を顧みず、衝動的に買い物をしてしまう。
→家計の事を考えてくれない。家族をないがしろにしたなどと思われてしまう事も。

今月は家計が苦しいから、協力してねと言われていたにも関わらず、美味しそうなチョコレートを見つけて、つい買ってしまった。買ってみたら値段が結構したのでびっくりした。


あなたは、以前に話した「家計が苦しいから協力してね」という内容がないがしろにされたことに憤りを感じるかもしれません。
ですが、ADHDの人にその意図はありません。


おかしが食べたくて我慢が出来ない子供のようなものだと思って下さい。そこにあなたを傷つける意図はないんです。
どうか勝手に傷つかないで。冷静に対策を講じましょう。



・つい暴力的な発言や、相手を貶める様な言葉遣いをする。
→自分の感情をコントロールする事が苦手な場合があります。普通の人ならば理論的に処理できる場面で、カッとして大声を出したり、攻撃的な口調になる事があります。
暴力は許されるべきではありませんが、相手の本心ではない事を理解しましょう。


パターンA不注意による誤解


わたしは個人的に、不注意と言われても具体的にイメージが沸かなかったので補足しますと、ADHDの人はマルチタスクが苦手なのです。
自分が今集中している事柄以外には、注意が向きにくい傾向があります。

女性の場合は、マルチタスクが得意で、子どもの面倒を見ながら器用に料理をし、合間に友人にラインを返すくらいお手の物でしょう。ですが、一般的に男性は女性に比べてマルチタスクが苦手で、例えば会社で仕事をしている間は家族のことを同列で考えることはほぼないと言われています。

なので、ADHDの男性と定型発達の女性の組み合わせの場合、
この不注意による誤解は特に際立って起こりやすいと思われます。


・声をかけても無反応(気付いていない)
→無視されたと思って傷つき、ADHDのひとに対する不信感に繋がることも。

あなたが明日の予定について話していても、TVに夢中で聞いていない。

TVに過集中の時に、周りの音が聞こえていない可能性があります。
決してあなたを無視したいわけでも、話を聞きたくないわけでもありません。声が聞こえていないだけなのです。

過集中をむりやり中断させても、ADHDのひとは頭がぼんやりしてうまく次のことに集中できません。
ちょうど、わたしたちが無理やり起こされて、寝起きの状態と同じです。

よほど趣味や仕事にのめり込んでいない限り、過集中の切れ目は必ずあります。

過集中が切れたタイミングで話をすればすんなり伝わるでしょう。




・目の前であなたが大変そうでも気づかない。自分の好きなことに集中している。
→思いやりがない、気遣いが出いないなどと誤解を受けがちです。もしくは、自分のことはどうでもいいと思われていると感じ、ADHDの人に不信感を抱くきっかけになりがちです。

あなたが家事に育児にと慌ただしくしていても、平気でゲームをしていて手伝う気がない。もしくは、ごはんまだ?など無神経な発言をしてくる。


これはADHDにかかわらず、多くのご家庭で不満の声が上がる事象かもしれませんか…(苦笑)


この場合、ADHDの人はあなたが忙しくて余裕が無いということに気がついていません。
相手が過集中でなければ、落ち着いた声音で状況を説明し、してほしいことを具体的にお願いすればやってくれるでしょう。

個人的には、お願いする内容は時間に余裕のある内容のほうがおすすめです。
今すぐやってほしいことを頼んでも、今すぐ動いてくれるとは限らないからです。





・お願い事や約束を忘れられる。
→言い訳のしようもなく、信用を落としてしまったり、不信感を抱かれる原因になります。また、相手に不安を植え付けてしまうことも…。

なんど念押ししてもお願い事を忘れる。頼んだことが完遂されない。

これは、決して あなたのことがどうでもいいから、あなたの気持ちがわからないから忘れたわけではありません。
ADHD特有の「うっかり」が出てしまっているのです。


リマインダー機能を使って忘れても思い出せるように工夫するなど、努力が必要です。
ここで注意してほしいのは、「あなたが」努力する必要はないということです。
あなたは、怒らずに約束を忘れられたことが悲しかった、傷ついた気持ちを素直に相手に伝え、リマインダー機能など便利なアイテムがあることを伝えるだけでいいんです。

あなたは、相手があなたをないがしろにして約束を忘れたわけではないことをわかってあげてください。あなたを大切に思う気持ちと、あなたとの約束をうっかり忘れてしまうのは、ADHDのあるひとの中で結びつかないのです。





ADHDの人のミスは、あなたへの当てつけではない



いかがでしたでしょうか?
ADHDの人が、人の気持ちが分からないと誤解されることについて、私なりに考えてみました。
ADHDは「甘え」ではない。でも触れたとおり、ADHDを持つ人達は頑張っています。


自分自身が渦中にいてつらいとき、こういった事実を受け入れることが、ADHDの理解への第一歩になりました。



終わりに、夫婦の不和に悩むあなたへ



夫婦不和で、パートナーへの不満が溜まってしまう場合や、コミュニケーション不足により自分の思いが上手く相手に汲み取ってもらえない時に、どうしても相手を「発達障害」「ADHD」として、「自分とは違う人間だから分かり合えないのはしょうがない」と思うのは、
一種の自己防衛ですし、そうしたい気持ちも痛いほど良く分かります。
ですが、それにより、本来広く知られるべきADHDの特性やそれに伴う問題がゆがめられて世間に広まってしまうのは避けたいです。

実際 わたしも、夫がADHDと診断され、ADHDの支援に対する情報を集める時に、その他の情報にとても惑わされました。

ADHDを支えたいと思う全ての人の為にも、また、自身がADHDかも?と不安になっているすべての方の為にも、ADHDとその他の問題は絶対に切り離して考えるべきだと思います。
ADHDを支えるすべての人を支えたいと思う立場として、ADHDの正しい理解が世間に広まる事を切に願います。


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今回も 最後までお読みいただきましてありがとうございました!


こちらの記事も是非ご覧ください(^^)文字はクリックできます。
ADHDは「甘え」ではない
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ADHDのパートナーを支えたい。感じる不安と、それに向き合う力











posted by はる at 21:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 心のこと
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