2017年01月04日
【ワンパンマン】マンガ 感想&あらすじ 一発のパンチで全てを終わらせる平熱ヒーローによるギャグアクション漫画
ジャンプ・コミックス。2012年6月14日から連載中。既刊12巻
原案:ONE
作画:村田雄介
「趣味でヒーローをやっている者だ」
3年前に怪人から少年を救った際、「ヒーローになりたい」という幼き日の夢を思い出した青年、サイタマ。就活を辞め、ヒーローになるために髪が抜け落ちるほどの猛特訓を続け、無敵のパワーを手に入れることに成功した。
あらゆる敵をたった一発のパンチで葬り去る規格外の戦闘力を身に付けたサイタマ。しかし、なりたかった夢を実現させたにも関わらず、あまりにも強くなってしまった自らの力に虚しさを感じ、何も満たされないまま趣味のヒーロー活動を続ける日々を送っていた。
・サイタマ
主人公。ヒーローネーム「ハゲマント」。ヒーローを目指して鍛えている内に無敵の強さを身に着け、趣味でヒーロー活動を行っている青年。25歳にして髪は全て抜け落ち、ヒーロー活動中は白いマント、赤い手袋、黄色いスーツを着用。どんな強敵も容易く倒せてしまうことから、戦いに恐怖も緊張も怒りもなく、同時に喜びも達成感も感じられなくなっていました。育毛に励んで様々な方法を試しているけど効果はナシ。
・ジェノス
体をサイボーグに改造している青年。19歳のイケメンS級ヒーロー。ヒーローネーム「鬼サイボーグ」。15歳の時に暴走サイボーグによって故郷と家族を奪われ、復讐するため捜索中。サイトマの規格外過ぎる強さに憧れて弟子入りし、彼のことを「先生」と呼んで慕っています。サイタマ宅に住み込み、家事をしながら強さの秘訣を学ぶために観察しています。天然のため、良かれと思って暴走することもしばしば。
・フブキ
強力な超能力を操る女性ヒーロー。ヒーローネーム「地獄のフブキ」。B級1位ヒーロー。S級2位ヒーロータツマキの妹。自身も類稀な超能力者だが、姉のタツマキは遥か上を行く最強の超能力者であるため、強いコンプレックスを抱いています。黒いスーツに身を包んだB級ヒーロー集団「フブキ組」という協会最大派閥を結成。B級だったサイタマを勧誘するが失敗し、以降多少親しくなって交流を重ねています。
・キング
地上最強の男と称されるヒーロー。S級7位。29歳。片目に3本の傷を持つ強面。ヒーロー協会最大戦力の1人に数えられ、同じS級ヒーローたちにも一目置かれている存在。並の怪人では睨まれただけで失神するほどの威圧感を放ち、災害レベル竜など多くの怪人を一撃で倒すほどの高い戦闘力を持ち、神レベルの怪人とも亘り合ったヒーロー・・・という噂。
実際は喧嘩1つしたことがない無職でゲームオタクの臆病者。悪運だけは異常に高い人物。「キングエンジン」と呼ばれる「ドッドッドッドッ」という効果音の正体は周りにも聞こえるほど大きな鼓動音。彼の功績は過去にサイタマが倒した怪人の近くにたまたまいたというだけで、それを協会が誤解してS級に抜擢されました。サイタマに真相を打ち明けてからは仲良くなり、一緒にゲームで遊ぶ友人になっています。実力があるのに評価されないサイタマとは正反対の存在とも言えます。
・音速のソニック
ヒーローでも怪人でもない裏社会の暗殺者。忍者の里出身。作中ではトップクラスのスピードを誇り、幼少の頃から鍛えられた殺人術と高速移動を駆使した戦闘スタイルを持ちます。自らのスピードに誇りを持ち、実力を誇示するため強者に挑むこともしばしば。サイタマに敗北を喫してからは一方的にライバル扱いし、リベンジしようとするが軽くあしらわれています。
・ガロウ
S級ヒーローバングの元一番弟子。幼少時の経験からヒーローという存在に疑問を持ち、人でありながら怪人を名乗り「ヒーロー狩り」を行っています。最強の怪人になることが目標。天才的な格闘技術を持ち、高い適応力と学習能力、異常なタフネスと回復力により強者と戦う度に強さを増していきます。
【eBookJapan】 ワンパンマン 無料で立ち読みできます
一撃で敵を倒してしまう強くなりすぎた1人のヒーローが、自らの力に虚しさを感じながらも次々と現れる怪人と戦い続け、どんな強敵を前にしても平熱でヒーロー活動を行う物語。
ギャグ系のアクションヒーロー漫画です。原作はウェブサイト上で掲載されている作品ですが、今回は著者・ONEさんと作画・村田雄介によるリメイク版についての感想です。村田雄介さんはアメフトを題材とした『アイシールド21』の著者さんですね。2015年にはアニメ化もされ、現在は2期の制作が進行中。
人間に害をなす怪人が存在し、対抗するために生まれたヒーローがその怪人と戦い人々を守っている世界です。怪人はその脅威度によってランク付けされており、最も脅威とされている災害レベル「神」から、「竜」、「鬼」、「虎」、「狼」と続きます。『神』に近い災害レベルの敵は登場しましたが、恐らく現時点ではまだ『神』認定された敵は登場してないと思います。
ヒーローにも怪人同様にランクが定められており、桁外れの戦闘力を有するS級ヒーローをトップに置き、以下A級、B級、C級が続きます。個人で活動しているヒーローもいれば、中には「フブキ組」のように派閥を組んでヒーロー活動している者たちもいました。キャラを見ていて感じたことですが、強さに比例して変人・変態度も増してる気がします。B、C級には無免ライダーなど比較的まともな感性を持ったヒーローを多く見受けられましたが、A級になるとクセの強いキャラが増え、S級に至ってはまともな人は皆無どころか人間なのかも怪しい方がちらほらいましたね。
かなり挑戦的な設定ですね。通常のヒーローものと言えば、最後にはなんだかんだで悪を倒して勝利を掴むことは読者も理解してはいても、そこに至るまでの挫折、苦悩、努力、まさかの展開など、始まりと終わりの間にそういった過程を挟んで楽しむのが普通だと思います。
この作品はその過程の部分を主人公のサイタマがワンパンで吹き飛ばし、苦悩や挫折を演出しているのは主人公以外の脇役が担ってました。容姿、強さを求める背景、過去の辛い出来事、ヒーローとしての精神など、設定だけならジェノスや無免ライダーの方がよっぽど主人公らしい人物ですね。
サイタマが最後にはワンパンで片付けてしまうため、敗北したヒーロー側が再び立ち上がり、怪人へリベンジするという展開は生まれず、むしろそれをやっているのはガロウやソニックなどの敵側という他にはない展開を見せてくれます。さらに、緊迫感や熱い展開を生んでいるのもこれまた脇役であり、サイタマ自身は常に気力なさげな冷めた反応しか示さず、その激しい温度差には思わずクスっと笑わされてしまいました。
普通のヒーロー作品で主人公がやっていることは、敵を倒すこと以外ほぼ全て周囲の脇役がやっているというすごい作品。
抜群の作画力によって迫力満載の戦闘シーンが描かれていました。作画を担当しているのは『アイシールド21』で人気を博した村田雄介さん。原作ワンパンマンに惚れた村田さんが話を持ちかけ、今回のリメイクが実現したというのが背景にあります。
サイタマのゆる過ぎる反応に反し、戦闘描写は見応え満載の圧倒的ド迫力。元々画力には定評があった人なので、キャクターデザイン、センスの良さを伺える構図、ユニークな各種技、どれも素晴らしい。背景もしっかり丁寧に描き込んでいるため、世界観や現在の状況、戦闘の激しさがより分かりやすく伝わってきますね。砕け散る建物、舞う砂煙、広がる衝撃波、目が離せない戦闘シーンは見事としか言いようがありません。
サイタマにも皆無というわけではなく、彼にもカッコイイ戦闘シーンはそれなりにありますが、激しい攻防が繰り広げられる戦闘シーンを見せてくれるのは、例に及ばずジャノス等周囲のヒーローや怪人たちが多めです。
こういったことから、サイタマだけでなく非常にユニークなキャラが多いのもこの作品の魅力ですね。ヒーローも怪人も登場するキャラクター数はかなり多い作品ではありますが、フォルムや特性は1人1人しっかり描き分けられており、よくここまで創造できるなと感心してしまうほど。
私はフブキ、ジェノス、無免ライダーあたりが好きですね。怪人で好き、というより面白かったのはアーマードゴリラと昆布インフィニティ。その他には魅力あるキャラが多く登場してくるので、キャラクターだけでもとても楽しめると思います。
圧倒的な画力が生み出す迫力ある戦闘シーンと、それまでの苦労が何だったのかと思ってしまうサイタマによる幕の降ろし方に笑わせてもらえる作品。主人公と周囲の人たちとの反応の温度差が面白いです。
ある意味、最近多い「俺Tueee」作品へのアンチテーゼにも見えるほど、強さに対して虚しさを感じているキャラが多いのも特徴でしたね。
分かりやすいシンプルなストーリー、ユニークなキャラクター、高い画力、アクション漫画やギャグ漫画が好きな人ならきっと楽しめると思いますので、よければ読んでみてください。おすすめさせていただきます。
原案:ONE
作画:村田雄介
あらすじ
「趣味でヒーローをやっている者だ」
3年前に怪人から少年を救った際、「ヒーローになりたい」という幼き日の夢を思い出した青年、サイタマ。就活を辞め、ヒーローになるために髪が抜け落ちるほどの猛特訓を続け、無敵のパワーを手に入れることに成功した。
あらゆる敵をたった一発のパンチで葬り去る規格外の戦闘力を身に付けたサイタマ。しかし、なりたかった夢を実現させたにも関わらず、あまりにも強くなってしまった自らの力に虚しさを感じ、何も満たされないまま趣味のヒーロー活動を続ける日々を送っていた。
主要登場人物
・サイタマ
主人公。ヒーローネーム「ハゲマント」。ヒーローを目指して鍛えている内に無敵の強さを身に着け、趣味でヒーロー活動を行っている青年。25歳にして髪は全て抜け落ち、ヒーロー活動中は白いマント、赤い手袋、黄色いスーツを着用。どんな強敵も容易く倒せてしまうことから、戦いに恐怖も緊張も怒りもなく、同時に喜びも達成感も感じられなくなっていました。育毛に励んで様々な方法を試しているけど効果はナシ。
・ジェノス
体をサイボーグに改造している青年。19歳のイケメンS級ヒーロー。ヒーローネーム「鬼サイボーグ」。15歳の時に暴走サイボーグによって故郷と家族を奪われ、復讐するため捜索中。サイトマの規格外過ぎる強さに憧れて弟子入りし、彼のことを「先生」と呼んで慕っています。サイタマ宅に住み込み、家事をしながら強さの秘訣を学ぶために観察しています。天然のため、良かれと思って暴走することもしばしば。
・フブキ
強力な超能力を操る女性ヒーロー。ヒーローネーム「地獄のフブキ」。B級1位ヒーロー。S級2位ヒーロータツマキの妹。自身も類稀な超能力者だが、姉のタツマキは遥か上を行く最強の超能力者であるため、強いコンプレックスを抱いています。黒いスーツに身を包んだB級ヒーロー集団「フブキ組」という協会最大派閥を結成。B級だったサイタマを勧誘するが失敗し、以降多少親しくなって交流を重ねています。
・キング
地上最強の男と称されるヒーロー。S級7位。29歳。片目に3本の傷を持つ強面。ヒーロー協会最大戦力の1人に数えられ、同じS級ヒーローたちにも一目置かれている存在。並の怪人では睨まれただけで失神するほどの威圧感を放ち、災害レベル竜など多くの怪人を一撃で倒すほどの高い戦闘力を持ち、神レベルの怪人とも亘り合ったヒーロー・・・という噂。
実際は喧嘩1つしたことがない無職でゲームオタクの臆病者。悪運だけは異常に高い人物。「キングエンジン」と呼ばれる「ドッドッドッドッ」という効果音の正体は周りにも聞こえるほど大きな鼓動音。彼の功績は過去にサイタマが倒した怪人の近くにたまたまいたというだけで、それを協会が誤解してS級に抜擢されました。サイタマに真相を打ち明けてからは仲良くなり、一緒にゲームで遊ぶ友人になっています。実力があるのに評価されないサイタマとは正反対の存在とも言えます。
・音速のソニック
ヒーローでも怪人でもない裏社会の暗殺者。忍者の里出身。作中ではトップクラスのスピードを誇り、幼少の頃から鍛えられた殺人術と高速移動を駆使した戦闘スタイルを持ちます。自らのスピードに誇りを持ち、実力を誇示するため強者に挑むこともしばしば。サイタマに敗北を喫してからは一方的にライバル扱いし、リベンジしようとするが軽くあしらわれています。
・ガロウ
S級ヒーローバングの元一番弟子。幼少時の経験からヒーローという存在に疑問を持ち、人でありながら怪人を名乗り「ヒーロー狩り」を行っています。最強の怪人になることが目標。天才的な格闘技術を持ち、高い適応力と学習能力、異常なタフネスと回復力により強者と戦う度に強さを増していきます。
【eBookJapan】 ワンパンマン 無料で立ち読みできます
感想・見所
一撃で敵を倒してしまう強くなりすぎた1人のヒーローが、自らの力に虚しさを感じながらも次々と現れる怪人と戦い続け、どんな強敵を前にしても平熱でヒーロー活動を行う物語。
ギャグ系のアクションヒーロー漫画です。原作はウェブサイト上で掲載されている作品ですが、今回は著者・ONEさんと作画・村田雄介によるリメイク版についての感想です。村田雄介さんはアメフトを題材とした『アイシールド21』の著者さんですね。2015年にはアニメ化もされ、現在は2期の制作が進行中。
人間に害をなす怪人が存在し、対抗するために生まれたヒーローがその怪人と戦い人々を守っている世界です。怪人はその脅威度によってランク付けされており、最も脅威とされている災害レベル「神」から、「竜」、「鬼」、「虎」、「狼」と続きます。『神』に近い災害レベルの敵は登場しましたが、恐らく現時点ではまだ『神』認定された敵は登場してないと思います。
ヒーローにも怪人同様にランクが定められており、桁外れの戦闘力を有するS級ヒーローをトップに置き、以下A級、B級、C級が続きます。個人で活動しているヒーローもいれば、中には「フブキ組」のように派閥を組んでヒーロー活動している者たちもいました。キャラを見ていて感じたことですが、強さに比例して変人・変態度も増してる気がします。B、C級には無免ライダーなど比較的まともな感性を持ったヒーローを多く見受けられましたが、A級になるとクセの強いキャラが増え、S級に至ってはまともな人は皆無どころか人間なのかも怪しい方がちらほらいましたね。
かなり挑戦的な設定ですね。通常のヒーローものと言えば、最後にはなんだかんだで悪を倒して勝利を掴むことは読者も理解してはいても、そこに至るまでの挫折、苦悩、努力、まさかの展開など、始まりと終わりの間にそういった過程を挟んで楽しむのが普通だと思います。
この作品はその過程の部分を主人公のサイタマがワンパンで吹き飛ばし、苦悩や挫折を演出しているのは主人公以外の脇役が担ってました。容姿、強さを求める背景、過去の辛い出来事、ヒーローとしての精神など、設定だけならジェノスや無免ライダーの方がよっぽど主人公らしい人物ですね。
サイタマが最後にはワンパンで片付けてしまうため、敗北したヒーロー側が再び立ち上がり、怪人へリベンジするという展開は生まれず、むしろそれをやっているのはガロウやソニックなどの敵側という他にはない展開を見せてくれます。さらに、緊迫感や熱い展開を生んでいるのもこれまた脇役であり、サイタマ自身は常に気力なさげな冷めた反応しか示さず、その激しい温度差には思わずクスっと笑わされてしまいました。
普通のヒーロー作品で主人公がやっていることは、敵を倒すこと以外ほぼ全て周囲の脇役がやっているというすごい作品。
抜群の作画力によって迫力満載の戦闘シーンが描かれていました。作画を担当しているのは『アイシールド21』で人気を博した村田雄介さん。原作ワンパンマンに惚れた村田さんが話を持ちかけ、今回のリメイクが実現したというのが背景にあります。
サイタマのゆる過ぎる反応に反し、戦闘描写は見応え満載の圧倒的ド迫力。元々画力には定評があった人なので、キャクターデザイン、センスの良さを伺える構図、ユニークな各種技、どれも素晴らしい。背景もしっかり丁寧に描き込んでいるため、世界観や現在の状況、戦闘の激しさがより分かりやすく伝わってきますね。砕け散る建物、舞う砂煙、広がる衝撃波、目が離せない戦闘シーンは見事としか言いようがありません。
サイタマにも皆無というわけではなく、彼にもカッコイイ戦闘シーンはそれなりにありますが、激しい攻防が繰り広げられる戦闘シーンを見せてくれるのは、例に及ばずジャノス等周囲のヒーローや怪人たちが多めです。
こういったことから、サイタマだけでなく非常にユニークなキャラが多いのもこの作品の魅力ですね。ヒーローも怪人も登場するキャラクター数はかなり多い作品ではありますが、フォルムや特性は1人1人しっかり描き分けられており、よくここまで創造できるなと感心してしまうほど。
私はフブキ、ジェノス、無免ライダーあたりが好きですね。怪人で好き、というより面白かったのはアーマードゴリラと昆布インフィニティ。その他には魅力あるキャラが多く登場してくるので、キャラクターだけでもとても楽しめると思います。
圧倒的な画力が生み出す迫力ある戦闘シーンと、それまでの苦労が何だったのかと思ってしまうサイタマによる幕の降ろし方に笑わせてもらえる作品。主人公と周囲の人たちとの反応の温度差が面白いです。
ある意味、最近多い「俺Tueee」作品へのアンチテーゼにも見えるほど、強さに対して虚しさを感じているキャラが多いのも特徴でしたね。
分かりやすいシンプルなストーリー、ユニークなキャラクター、高い画力、アクション漫画やギャグ漫画が好きな人ならきっと楽しめると思いますので、よければ読んでみてください。おすすめさせていただきます。
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