数学をやる. ずっと米田の補題を勉強している. 教科書を何度も読み返す.
今日は昼から上野の国立西洋美術館にロンドン・ナショナル・ギャラリー展を観に行った.
上野までの電車の中で二階堂奥歯『八本脚の蝶』を読む. 2003 年 3 月後半から 4 月の最初までの日記.
この頃の日記では本からの引用が大半を占めるようになっている. 奥歯氏の苦しみや恐怖が行間から滲み出てくるようだ.
想像することしかできないが, 二階堂奥歯さんという女性は大変に知的で魅力的な女性だったのだろうと思う.
しかしその一方で, おそらくこの世界には違和感と苦しみと共に居続けていただろうことが文章から読み取れる.
美術展にはヨーロッパの各時代の画家の作品が数多く出展されていて見応えがあった.
ルノワールの『劇場』という絵とレンブラントの自画像には特に惹き付けられた.
どちらの絵も, なぜかどことなく暗さが感じられて良い.
ルノワールの絵には多分初めておめかしをして劇場に来た若い女性の不安が絵のトーンから読み取れる.
レンブラントの自画像は, 彼が 34 歳のときのもので整った顔立ちで自信に満ちている. けれども背景は暗く, 眼差しはどうしてだろう, 哀しみをたたえているように見える.
満足して美術館を出た. 充実した展示だった.
ところが, 帰宅途中から気分が沈んでくる. 絵を観て, 気分が上向いたことの揺り戻しが来たのかも知れないがよくわからない.
良くない.
家の最寄り駅に着いたときには体も頭もどんよりと重たく, 真っ直ぐに立つのも辛い.
非常に苦しい.
体を引き摺るようにして何とか帰宅する.
そのまま布団に倒れ込むようにして休む.
あまりに苦しくて呻き声が出てしまう.
【このカテゴリーの最新記事】
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image