妹さえいればいい 第12話
伊月が小学六年生の時、母親が病気で入院した。父は仕事で遅くまで帰れないことが多かったので家政婦を雇った。
「あら、また野菜残して」「嫌いだから入れないで下さいって言ったじゃないですか三田洞さーん」「好き嫌いしていると大きくなれないよ。頑張って食べて!」「せめてハンバーグにピーマンとニンジン混ぜるの止めてくれませんか?」嫌な子供だ…
伊月が中学二年の時、母が亡くなった。
元気のない伊月の前に現れたのは、三田洞さんの娘、彩音(高校一年生)「君、最近元気ないんだって?だから元気出して貰おうと思って!」「そういうのは家政婦の領分を超えてると思いますが?」「お母さんは関係ないよ、私が勝手に来たの。だってお母さん、ウチで伊月くんの話ばっかりするんだもん。なんかキミのこと出来の良い弟みたいに思ってたんだよねー。そんな弟みたいに思ってた子が元気ないって聞いたら心配になるよね!だから来ちゃった!」
伊月「正直、戸惑いは拭えなかったけれど
会ったこともない相手の為に行動する。それはまるで物語の主人公やヒロインのようだと思った。それから三田洞彩音は毎週のようにウチにやってきた。一緒に遊んでくれて、ラノベの話が出来て。たまにコスプレまで披露してくれる綺麗なお姉さん。そんな彼女に…中学生の羽島伊月が恋をしたのは当然の成り行きだった」
意を決して告白する伊月だったが「ゴメンね…私はキミのことを弟としか思えない」
伊月玉砕!
失恋のショックから小説を書こうと決意。
「根拠なんてなにもないけど…今なら書けるという確信があった。妹への愛や幻想を、痛々しい失敗を、苛立ちや劣等感を、主人公になりたいという渇望を、あらゆる理不尽を叩き潰す圧倒的な希望を、自分の全てを、小説にぶつけようと思った。見てろよ世界。僕が…俺が主人公だ!」
…それは那由多の膝枕での夢の中の話「良い夢みれましたか?どんな夢ですか?」「昔の女の夢」「ふにゃ!?」「嘘だよ。俺がまだ…俺になる前の夢だ」
いい雰囲気の二人、付き合っちゃえよ!
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