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2020年12月22日

ガンダム、動く!

私は、それほどのガンダムファンではない。
ガンダムのTV放送が始まったのは79年で、私は既に社会人になっていた。もちろん、広告屋としての興味もあって、時々見てはいたが、ファンというのもおこがましいほどである。しかし、アニメ好き、ロボット好きとして、やはりガンダムには心が動いた。
201220ガンダムDSC_0463.JPG

あれから40年、ガンダムは、様々な世代の人たちの中で生き続け、大人気を博し続けた。TV放送が始まった79年に15歳前後だった子どもたちは、今では50代になり社会の中核として活躍している。そんな大人たちが、ガンダムの原寸大モデルを、本気で動かそうと考えた。日本のモノづくり産業を支える中堅のエンジニアたちが、本気で原寸のガンダムを動かすことに取り組んだ。日本のロボット工学のトップクラスのエンジニアが、大学教授が、巨大なガンダムの関節をどうやって動かしたらよいかについて悩み続けた。設計者は、何百枚もの設計図を書いた。パーツと全体像をつなぎ合わせて動かすことに、関係者全員が全精力を傾けた。このプロジェクトの間、本業の仕事はきっとそっちのけになったに違いない。

そんなプロジェクトを取り上げた番組が、先週末に放送された。番組に出演していたゲストの一人が、「大人の学園祭」と称していたが、まさに巨額の予算を掛けた、大人の真面目なお遊びである。企業の垣根を越えて、ロボット工学やら、サーボモーターやら、建設会社やら、重機メーカーやら、クレーンのエキスパートなどなど・・・まあ、とにかく様々な企業が、50代の課長や部長や役員たちのガンダムへの情熱に動かされて一丸となって協力し、巨大なロボット(というとファンに怒られるのだが)を動かすことに腐心した。

NHKの番組を通して、横浜港に設置されたロケット発射台のような巨大なターミナルに取り付けられたガンダムを見るだけで、ファンは心が高揚したに違いない。かくいう私も興奮した。あーこれは現場で見たかったなあと思った。その大きさを、動きを感じたいと思った。以前お台場に設置された実寸大のガンダムを見に行った時の興奮がよみがえった。

こうしたバカバカしいとも思えるプロジェクトに、優れたエンジニアが本気で取り組んだことには、きっと大きな意味があると思う。関係したエンジニアも言っていたが、このプロジェクトで取り組んだ技術は、将来またモノづくりに生かされるに違いない。夢をかなえたいという思いとロマンが、技術の進化を生み出す。ものづくり技術を革新させるには、遊び心が必要だ。

#ガンダム














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