切っ掛けは県内で昨年開かれた講演会。
法学博士(国際人権法)で英エセックス大人権センターフェローの藤田早苗さんの言葉だった。
「武器としての国際人権 日本の貧困・報道・差別」(集英社新書)の著者でもある藤田さんは衣食住・教育・医療などあらゆる物が人権に直結していると強調。
国連の人権高等弁務官事務所は「全ての人が能力・可能性を発揮できる様政府が助ける義務があり、誰もが政府に助けを要求する権利がある」と規定していると説明した。
恥ずかしながら、国連が人権尊重を政府の義務としているとは知らなかった。
日本では「思いやり」や「自助」が強調されていると言う藤田さんの指摘を受け、日本の現状にも疑問を覚える様になった。
愛媛など29都道府県で起こされている生活保護費訴訟では、国の基準額引き下げに受給者側が異を唱えている。
西日本豪雨被災者はダム放流操作などの誤りで被害が拡大したと国を訴えた。
人権を守る筈の国と守られる筈の国民との争い。
性被害やヘイトスピーチ対応などでも、人権尊重の視点から政府が率先して解決を図ろうとしている様には見えない。
藤田さんは日本で国際基準の人権が浸透するには「これは可笑しい」と気付ける人が増える事が重要と訴える。
大いに頷ける話。
改めて肝に銘じたい。
愛媛新聞 送信受信から
政府が助ける義務があり、政府に助けを要求する権利があるらしい。
【このカテゴリーの最新記事】
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image